JP2838085B2 - 補強用無機繊維織布 - Google Patents

補強用無機繊維織布

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JP2838085B2
JP2838085B2 JP6037896A JP3789694A JP2838085B2 JP 2838085 B2 JP2838085 B2 JP 2838085B2 JP 6037896 A JP6037896 A JP 6037896A JP 3789694 A JP3789694 A JP 3789694A JP 2838085 B2 JP2838085 B2 JP 2838085B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は各種補強用の無機繊
維織布に関するものであって、各種の樹脂補強用とし
て、またプリント配線基板用として好適な補強用無機繊
維織布を提供することにある。 【0002】 【従来の技術】現在利用されている無機繊維織布は、ガ
ラス繊糸、炭素繊維又はアルミナ繊維等の無機繊維から
なる織布である。特に、ガラス繊維織布は樹脂補強用と
して広く用いられているが、更に近年はプリント配線基
板用としての利用度が高い。前述の如き無機繊維織布は
無機繊維の含有率が高いため優れた補強効果を有すると
いう利点がある。 【0003】しかし、無機繊維織布を積層したプリント
配線基板とする場合、層間剥離を発生し易く、またその
表面平滑性に劣るという欠点がある。即ち、織布を形成
している繊維は、例えばガラス繊維では、通常フィラメ
ント径が5〜9μのモノフィラメントを数百本とし、糸
の形態を維持するため軽く撚りが加えられた連続長繊維
よりなる経糸、緯糸を織成したものである。従って織布
を形成する無機繊維フィラメントは、撚り加工及び織成
により著しく自由度が拘束されている。 【0004】また、特にガラス繊維織布は、織り揚がっ
た状態では、ガラス繊維紡糸時に塗布された澱粉や油剤
を主成分とする集束剤を有している。従って、この集束
剤を除去するために、通常400℃前後の温度で数十時
間加熱することによる加熱脱油を行う。更に、集束剤を
除去されたガラス繊維の表面は、使用される樹脂との親
和性を持たせるために、各種シランカップリング剤等の
表面処理が施されている。 【0005】そのため、撚り加工と織成により著しく自
由度が拘束された状態になっているガラス繊維フィラメ
ントは、高温、長時間の加熱によるヒートセット効果
と、極く小量ではあるが表面に付着するシランカップリ
ング剤の付着効果とにより、経糸、緯糸を構成するフィ
ラメント束は、その集束性が非常に良い状態となってい
る。 【0006】その結果、補強材としての無機繊維の含有
率が高く、優れた補強効果を得ることができる反面、経
糸、緯糸を形成する無機繊維フィラメントを相互に拘束
するため、経糸と緯糸との交叉部でもり上がり、従って
これに樹脂を含浸させて基板とした場合その表面に織布
に起因する凹凸が生じ、表面平滑性が充分でないという
欠点がある。 【0007】前記表面平滑性の問題は、無機繊維織布を
積層する積層板では重要であり、特にプリント配線基板
の場合には、配線密度の向上及びパターンの微細化によ
り、表面平滑性の向上が電子部品業界の重要な要因とな
っており、現状の標準両面板(1.6mm厚)の場合で
表面平滑性が7〜9μ程度であるが、これを更に小さく
したいとする要望が高まっている。 【0008】それのみならず、織布を形成している経
糸、緯糸は、数百本にわたる無機繊維に撚りを加えたば
ねられているため、樹脂の含浸が進み難い。このように
樹脂の含浸が進み難いということは、無機繊維を積層し
た基板の製造速度に直接影響するばかりでなく、樹脂の
不均一化により積層板の機械的特性、熱的特性更には電
気的特性にも影響を及ぼし、従ってプリント配線基板等
に使用するのに必ずしも充分ではない。 【0009】更に、無機繊維織布を積層する場合、互い
に積層する無機繊維織布間には無機繊維が配向されてい
ないため、両織布の接着が不十分であり層間剥離を生じ
るおそれがある。 【0010】また、プリント配線用基板に要求される重
要な特性として穴あけ加工性がある。この穴あけ加工
は、基板に取付ける部品を固定する穴及び各層の回路を
接続するための穴を穿設するための重要な工程である。
この穴あけ加工には、通常打抜き加工とドリリング加工
によるドリル加工との2つの方法があり、加工コストと
しては、当然打抜き加工の方が安い。前者は主として紙
フェノール系の基板で実施されているが、ガラス繊維織
布を用いた基板では型の摩耗が激しいことに加えて打抜
き穴の内壁面がきれいに仕上がらない等のため、一般的
にはドリル加工が行われている。 【0011】しかし、前記ドリル加工でも、穴あけ時に
異常な割れ、欠けが生ずる場合がある。即ち、従来補強
用に使用されているガラス繊維織布ではフィラメントが
開繊されておらず経、緯糸の交叉部と交叉部間の糸の間
隙部とが交互に存在するため、樹脂の含浸が不均一とな
り、積層板のガラス繊維織布と樹脂との組成の不均一を
生じ、ドリル加工にとって必ずしも好適ではなく、前記
経、緯糸の交叉部と糸間隙部とで抵抗が異なるため、ド
リル加工時におけるドリリング速度を上げることができ
ず、かつ割れ、欠けが発生し易く、また穴壁面もきれい
に仕上げることができない。 【0012】前記穴壁面の異常は、スルーホール部分の
不完全の原因となり、回路の信頼性の低下をもたらす。
このようにプリント配線基板における穴あけ加工性は、
プリント配線基板によっては回路の信頼性の重要な要因
であり、また生産性にも大きな影響を与える。 【0013】また、近年エレクトロニクス機器実装技術
では、表面実装技術(SMT)が広まりつつあるが、S
MT用のプリント配線基板の最大の特徴の1つは、小径
(0.3mm以下)のバイアホールを多数有しており、
かかるバイアホールを板厚の大きいもの、即ちアスペク
ト比の大きいもので高精度、高信頼性で、しかも高能率
の穴あけを如何にして確保するかが重要な課題である。 【0014】しかし、従来のガラス繊維織布を用いたプ
リント配線基板では直径の小さいドリルによる穴あけの
場合、前記経、緯糸の交叉部と交叉部間の糸間隙部との
抵抗の差により、穴位置精度及び寸法変化に難点があ
り、ガラス繊維の改良の必要がある。即ち、アスペクト
比の大きいものに小径のドリルで穴あけする場合、該ド
リルの先端がガラス繊維束、即ち経糸、緯糸に衝突し、
裏面の穴が位置ズレを起こし、垂直なバイアホールを形
成し難いという欠点がある。また、仮にバイアホールを
正確に形成できた場合でも、エッチング、加熱処理等の
後処理後、基板に寸法変化を生じ、その結果精密なバイ
アホールに狂いを生ずるおそれもある。 【0015】従来、前記表面平滑性、層間剥離性、ドリ
ル加工性、小径ドリルの穴位置精度及び寸法安定性を改
善するため、織布の構成糸の一方にバルキー加工を施し
たものを用いるとか又は不織布を用いること、更には織
布を回転速度の異なるローラーでニップし、面方向の剪
断力を作用させる等の試みがなされており、また無機繊
維織布の層間剥離を改善するため、織布にニードルパン
チ加工を施して起毛する方法(特開昭57−10675
8号公報)等各種の方法が試みられている。 【0016】不織布を使用する場合、表面平滑性、層間
剥離性には効果が見られるが、不織布はフィラメント相
互にからみがなく拘束されておらず、接着剤で不織布の
形態を維持しており、該接着剤が不織布に含浸する樹脂
と適合する必要があるほか、不織布はフィラメント又は
糸が相互に拘束することがないため、無機繊維の含有率
は織布の半分以下(約30%程度)でしかなく、その補
強効果も当然低下し、不織布の場合には寸法安定性が悪
いという欠点があり、またバルキー加工糸を用いたもの
は均一な毛羽立ちが得られず部分的な毛羽立ちにより表
面平滑性が損なわれ、更にローラーで面方向の剪断力を
作用させる手段等も前記問題点を解決するには効果の点
で不十分である。 【0017】更に、層間剥離を改善するため織布にニー
ドルパンチ加工を施す場合には、織布の織成密度とニー
ドルパンチングの密度の隔差、ニードルパンチの形状と
織布組織との大きな隔差及びパンチングの方式から、構
成糸を完全に切断破壊したり、目ずれを生じ、またニー
ドルパンチングされない織布の部分が多く残り、従って
均一な起毛、毛羽密生加工は実際上不可能である。ま
た、構成糸の切断破壊は織布構造の不均一をもたらす。
また、ニードルパンチ加工ではパンチ加工部分とパンチ
加工されていない部分とからなるため表面平滑性の劣化
を生じるおそれもある。 【0018】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述従来の
無機繊維織布に対する樹脂の含浸の欠点を改善できると
共に、該無機繊維織布を用いた積層板における表面平滑
性に欠けること及び該無機繊維織布を積層板とした場合
の層間剥離性を改善し、同時に機械的強度、寸法安定性
も改善できる無機繊維織布を提供することにある。 【0019】 【課題を解決するための手段】本発明は、連続長繊維よ
りなる経、緯糸を織成して得られた織布の全表面が、高
圧ウオータージェットの噴射流体処理によって、該織布
を形成している経糸及び緯糸が、均一に開繊されて扁平
化され、かつ経糸と緯糸との各表面に位置する長繊維群
が高圧ウオータージェットの噴射流体の衝突によって切
断されることにより生じた切断端たる微小な毛羽が均一
に発生させられていると共に、該織布の全表面を覆って
該噴射流体処理に起因する開繊された痕が細い多数の連
続した線状の噴射軌跡として密に形成され、かつ該噴射
軌跡が互いに交叉している補強用無機繊維織布である。 【0020】【発明の実施の形態】 本発明の無機繊維織布は、フィラ
メント径が5ないし9μの無機繊維モノフィラメント数
百本の集合体を構成糸として織成したものであって、使
用される無機繊維はガラス繊維、炭素繊維又はアルミナ
繊維等の各種のものが使用できる 。 【0021】次に、本発明の補強用無機繊維織布の製造
法について例示すれば、前記無機繊維織布を複数の直径
約0.1〜0.2mmの小口径の回転ノズルが織布の幅
方向に等間隔で配置された高圧のウオータージェットを
用い、該複数の回転ノズルを軸中心から約10mm程度
偏心(ピッチ約20mm以内)させながら回転(200
0〜3000rpm)させると共に、複数のノズルを織
布の幅方向に10〜20mmの範囲で毎分50〜500
回、好ましくは100〜300回程度往復運動させて噴
射する。 【0022】尚、本発明で使用する高圧ウオータージェ
ットは、特公昭57−22692号公報に記載されてい
る「超高圧水加工装置」等が適しており、その噴射圧は
適宜調整できるようになっている。前記公報に記載の高
圧ウオータージェットは、径が0.1〜0.4mmのノ
ズルから噴射される非常に細い高圧の柱状噴射流で、石
材やプラスチックを切断するものである。 【0023】前記したノズルのピッチが20mmより大
きくなると、ノズルの回転半径が大きくなるため、機械
工学特性上高速回転が困難になり、噴射密度が粗になり
やすく、均一な噴射面が得られない。 【0024】図は高圧ウオータージェットを施してい
ない場合の無機繊維織布表面の拡大図であるが、織布を
形成している経糸、緯糸は、夫々複数のフィラメントが
密に構成されており、経糸と緯糸との交叉部に空隙Pが
形成されている。 【0025】これに対し、図1は無機繊維織布に高圧ウ
オータージェットを施した場合の表面の拡大図である
が、織布表面が均一に起毛される。即ち、織布を構成し
ている経糸と緯糸との各表面に位置する長繊維群が、噴
射流体の衝突によって切断されることにより生じた切断
端たる微小な毛羽が均一に発生させられ、また、織布を
構成している各経糸及び緯糸がほぐれて開繊されて
り、経糸及び緯糸がほぐれて開繊されているため、糸幅
が広がっているのが認められる。 【0026】また、糸幅が広がり扁平化しているため図
1には示されていないが、経糸と緯糸との交叉部に起因
する織布表面の凹凸も極めて少なく、従って織布表面の
平滑性も著しく改善されている。図1の如き織布表面の
毛羽立ちや経糸及び緯糸の開繊及び表面平滑性の改善は
高圧ウオータージェットの噴射圧150〜1000Kg
/cm 、好ましくは200〜500Kg/cm 程度
が必要である。 【0027】この高圧ウオータージェットは、径が0.
1〜0.2mmのノズルから噴射される非常に細い柱状
流であるため、噴射エネルギーが拡散されずに効率的に
織布表面に衝撃エネルギーとして伝えられる。また、高
圧ウオータージェットの噴射流の当たる面は非常に小さ
い点であるため、織布全面にわたって均一に噴射するた
めには、走行する織布の幅方向に複数のノズルを並べ、
ノズルを高速で運動させる必要がある。 【0028】図1は拡大図であるため示されていない
が、織布表面には織布全体を眺めたときに、高圧ウオー
タージェットの噴射に起因する開繊された痕が高圧ウオ
ータージェットの噴射軌跡に沿って織布全面を一定ピッ
チで、かつ規則的に交叉したものが多数連続したものと
して形成されているのが認められる。これは、織布表面
が高圧ウオータージェットの高い衝撃エネルギーを受け
ていることを示しており、織布全体均一に開繊されて
いることが解る。即ち、高圧ウオータージェットの強い
衝撃エネルギーを受けないと本発明の無機繊維織布が示
すような良好な毛羽立ちや開繊状態は得られない。 【0029】前記図1に示すように、無機繊維織布を構
成している経糸及び緯糸がほぐれて開繊された状態を形
成すれば、各糸が扁平化していることと相俟って、これ
に樹脂液を含浸させた場合、含浸速度は従来に比し著し
く改善でき、また含浸樹脂の均一化が達成できる。本発
明の無機繊維織布の含浸性は、実施例に示すように従来
品と比較し大幅に改善されており、例えば、ガラス繊維
織布の汎用品タイプ(WE18Wタイプ)の場合で、従
来品と比較して含浸時間が1/5以下に短縮されてお
り、薄物タイプ(WE116Eタイプ)の場合で、1/
10以下に短縮されている。 【0030】このように織布としての特性を残しなが
ら、優れた含浸性を有するガラス繊維織布は、樹脂の補
強材として従来品と比較して非常に優れた特性を有する
ものである。従って、前記のようにして得られた無機繊
維織布を樹脂補強材として使用するときは、織布として
の形態は何等損なわれていないため、機械的強度は勿
論、寸法安定性にも優れており、同時にその表面は従来
にない表面平滑性を有するものとすることができる。 【0031】また、図1に示すように、圧力が150〜
1000Kg/cm の高圧ウオータージェットを噴射
することによって織布を構成している経糸及び緯糸をほ
ぐして開繊できると共に、さらに経糸及び緯糸の表面を
均一に起毛することができ、該起毛した無機繊維織布に
樹脂を含浸してプリプレグシートを積層した場合、該均
一起毛繊維が被積層シートに対しアンカー効果を発揮
し、耐剥離効果が大幅に向上する。また、織布表面が起
毛繊維によって表面における樹脂含浸率も高まり、硬化
成型によって一段と表面平滑性が改善できる。 【0032】また、本発明の無機繊維織布をプリント配
線基板に使用する場合、織布に対する樹脂の含浸が良
好、かつ均一であるため、無機繊維織布を構成する糸の
内部にまで樹脂が浸透し、従ってフィラメント1本1本
が樹脂と接触するようになり、無機繊維と樹脂との界面
における接着力が増し、無機繊維の補強効果が改善さ
れ、その結果、積層板の寸法安定性が向上する。 【0033】また、積層板の内部構造が均質化されるこ
とにより剪断応力が場所によって変化せずに均等であ
り、ドリル加工により形成される穴壁面もきれいであ
り、ドリル加工の回転数や送り速度を増加できるという
利点もある。更に、積層板の内部構造が均質化されてい
るため、小径バイアホールの穴あけ加工時の穴位置精度
も向上させることができる。 【0034】尚、ガラス繊維織布の場合は、紡糸時に塗
布される集束剤を除去する加熱脱油後に、好ましくはシ
ランカップリング剤による表面処理後に高圧ウオーター
ジェットの噴射を行うことにより良好な開繊状態が得ら
れる。更に、本発明の無機繊維織布は、これに高圧ウオ
ータージェットを噴射するという簡単な操作であるた
め、作業もスムースであり、該無機繊維織布に対する樹
脂の含浸速度も早く、かつ均一でプリプレグ工程やプレ
ス工程の作業能率を向上することができる。 【0035】 【実施例】本発明による各種ガラス繊維織布の特徴を示
すために、高圧ウオータージェット噴射圧による織布の
状態の変化並びに該織布を使用した積層板の表面平滑性
及び層間剥離性につて説明する。尚、実施例で使用した
高圧ウオータージェットは特公昭57−22692号公
報に記載されている「超高圧水加工装置」によって得た
ものであり、噴射条件は表1に示す通りである。 【0036】 【表1】 【0037】また、実施例で使用したガラス繊維織布
は、何れも日東紡績株式会社の市販商品「WE18WB
」、「WE116EBZ」(これらのガラス繊維
織布は通常の加熱脱油後にエポキシシランで表面処理さ
れたものである)で、これらの仕様は表2の通りであ
る。 【0038】 【表2】 【0039】尚、表2に示す「WE18WBZ」の使
用糸ECG75 1/0及び「WE116EBZ」の
使用糸ECE225 1/0の仕様は次の通りである。 ECG75 1/0 モノフィラメント径 9μm フィラメント数 400本 番手 67.5g/Km ECE225 1/0 モノフィラメント径 7μm フィラメント数 200本 番手 22.5g/Km また、撚り数は、とも1Z(Z方向の撚りが1回/
25mm) 【0040】次に、本発明によるガラス繊維織布の高圧
ウオータージェットの噴射圧による織布の状態変化を
(1)通気性試験、(2)引張強さ試験、(3)樹脂含
浸性の試験、(4)樹脂コンテント試験により示し、更
に該ガラス繊維織布を用いて作成した積層板の特性につ
いて(5)積層板の表面平滑性、(6)積層板の層間剥
離性のデータを示す。 (1)通気性試験 ガラス繊維織布表面から高圧ウオータージェットを均一
に噴射したものの通気性を表3に示す。 【0041】 【表3】 【0042】表3から明かなように、織布に高圧ウオー
タージェットを施すことにより、経糸、緯糸がほぐれて
開繊され、通気性が変化する。噴射圧が200Kg/c
以下では、経糸、緯糸の開繊により空隙が減少し、
通気性が低下する。また、300Kg/cm以上では
経糸、緯糸が起毛すること並びに経糸、緯糸間を高圧水
が通過し、若干の間隙が形成されることにより通気性が
増加する。 【0043】(2)引張強さ試験 実施例1〜により得たガラス繊維織布の引張強さを表
4に示す。 【0044】 【表4】【0045】表4に示すように高圧ウオータージェット
を噴射された織布は、引張り強さは低下し、噴射圧50
0Kg/cmの場合、WE18WBZで約20%、
WE116EBZで約15%比較例よりも低下する。
これは、高圧ウオータージェットが噴射されることによ
りフイラメントの引揃え性が悪くなること及びフィラメ
ント自身が傷められ、場合によっては破断されるためと
考えられるが、500Kg/cmの高圧のウオーター
ジェットを噴射されても約8割の強度を保持していると
いうことは、まだ織布としての特性を充分に保持してい
ると言える。 【0046】(3)樹脂含浸性の試験 前記と同様のガラス繊維織布に高圧ウオータージェット
を施した場合の樹脂の含浸速度を測定し、表5の如き結
果を得た。尚、ここで使用した樹脂は次の組成からなる
エポキシ樹脂である。 エピコート1001(油化シェル化学株式会社製エポキシ樹脂) 100重量部 ジシアンジアミド 2重量部 ベンジルジメチルアミン 0・2重量部 メチルオキシトール 100重量部 【0047】 【表5】 【0048】尚、樹脂含浸性の試験法は、一定面積(1
0cm×10cm)の織布上に一定量(10cc)の樹
脂を垂らし、ストランド中の気泡が抜けるまでの時間を
測定する。表5から明らかなように、高圧ウオータージ
ェットを噴射することにより経糸、緯糸が開繊し、著し
く樹脂の含浸速度が改善でき、特に噴射圧を高くするに
つれて含浸速度は大幅に改善できるのが認められる。従
って、高圧ウオータージェット処理によって得た無機繊
維織布を積層板の補強材とする場合、その生産能率を向
上でき、同一生産速度の場合には、含浸速度の大きい分
だけ特性の優れた積層板を得ることができる。 【0049】(4)樹脂コンテント試験 高圧ウオータージェットを噴射した場合の織布に樹脂を
含浸して得られたプリプレグシートの樹脂コンテントを
試験し、表6の結果を得た。尚、織布及び樹脂は前記
(1)及び(3)と同一のものである。また、樹脂コン
テントは織布「WE18WBZ」のブランクの樹脂コ
ンテントが39%になるのと同一条件でプリプレグシー
トを作成するものとする。試験法はJIS−R3420
・5−3「ガラス繊維一般試験法」による。 【0050】 【表6】 【0051】表6から明らかなように、噴射圧を高くす
ることによって樹脂コンテントは増加しており、特に噴
射圧200Kg/cm以上では経糸、緯糸の表面が起
毛するため、ブランクに比較して、更に高くなることが
認められる。 【0052】(5)積層板の表面平滑性の試験 積層板は、その表裏両面が、ガラス繊維織布(WE18
WBZ)に高圧ウオータージェット処理したプリプレ
グとし、その内側に高圧ウオータージェット処理しない
ガラス繊維織布からなるプリプレグシート6枚が積層さ
れたものであり、更にその表裏両面の外側に、夫々銅箔
(厚さ18μ)が積層されたものである。ここにプリプ
レグシートに使用した樹脂は、前記(3)樹脂含浸性試
験に使用した樹脂と同一のものを使用し、また積層板の
成形条件はプレス圧50Kg/cm、プレスキュアー
温度170℃、プレスキュアー時間90分である。 【0053】表面平滑性は、JIS B 0601「表
面粗さ測定法」に準拠するもので、図3に示すように、
100cm平方のサンプル表面内の各点線上の10箇所
(合計60箇所)で、1箇所の長さ10mmとし、万能
形状測定機(小坂研究所株式会社製、商品名SEF−I
A型)を使用して測定し、表7の結果を得た。また、比
較のため、高圧ウオータージェット処理していない前記
と同様のガラス繊維織布8枚を積層した従来品の結果を
併記した。 【0054】 【表7】 【0055】表7から明らかなように、噴射圧が300
Kg/cmのガラス繊維織布を使用したものでは、積
層板の表面平滑性は平均が3μ以下で、従来品の半分以
下と大幅に改善できる。 【0056】(6)層間剥離試験 ガラス繊維織布(WE18WBZ)は、前記(1)通
気性試験における比較例及び実施例1〜の各ガラス繊
維織布を用い、これに前記(3)樹脂含浸性の試験にお
いて用いたエポキシ樹脂を含浸したプリプレグシートを
夫々積層し、前記(5)積層板の表面平滑性の試験と同
一の成形条件で積層板を形成する。層間剥離性の試験は
ASTM D−2344に準拠したショートビーム3点
支持によって測定し、表8の結果を得た。 【0057】 【表8】 【0058】尚、測定方法、サンプルサイズは次の通り
である。 【0059】表8から明らかなように、噴射圧300〜
500Kg/cm の織布では、従来品と比較して約3
0〜40%層間剪断力が向上しており、高圧ウオーター
ジェットの噴射で起毛した繊維が剥離性に寄与している
ことが認められる。 【0060】 【発明の効果】本発明の補強用無機繊維織布は、織布本
来の特性を残しながら織布の構成糸が開繊され、かつ扁
平化されていると共に、均一に起毛した毛羽を密生させ
ことにより樹脂の含浸が大幅に向上し、また、経糸と
緯糸との交叉部分がつぶれることにより表面平滑性も大
幅に向上する。 【0061】更に、本発明の織布を用いた積層板の表面
平滑性、層間剥離性は、従来品に比較して著しく改善で
きるほか、無機繊維に対する樹脂の含浸が充分、かつ均
一に行われているため、積層板の内部構造が均質化で
き、ドリリング時の加工性や小径ドリルの穴位置精度、
更には積層板の寸法安定性等の特性を向上せしめること
ができるという効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例の表面拡大図である。 【図2】従来品の表面拡大図である。 【図3】表面平滑性の試験における測定方法の説明図で
ある。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−126979(JP,A) 特開 昭51−17968(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.連続無機長繊維よりなる経糸、緯糸を織成して得ら
    れた織布の全表面が、高圧ウオータージェットの噴射流
    体処理によって、該織布を形成している経糸及び緯糸
    が、均一に開繊されて扁平化さわ、かつ経糸と緯糸と
    各表面に位置する長繊維群が高圧ウオータージェットの
    噴射流体の衝突によって切断されることにより生じた切
    断端たる微小な毛羽が均一に発生させられていると共
    に、該織布の全表面を覆って該噴射流体処理に起因する
    開繊された痕が細い多数の連続した線状の噴射軌跡とし
    て密に形成され、かつ該噴射軌跡が互いに交叉している
    ことを特徴とする補強用無機繊維織布。
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