JP2836480B2 - 耐高温変色性に優れた表面処理鋼板 - Google Patents

耐高温変色性に優れた表面処理鋼板

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐高温変色性に優れた
表面処理鋼板、特にクロメート処理したZn−Ni系電気め
っき鋼板であって、例えばブラウン管の防爆バンドを取
付ける際の焼嵌めなどの加熱加工もしくは加熱処理を経
ても色調の変化しない、また、むらの出ない表面処理鋼
板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、錆対策や腐食対策として家庭電気
製品やOA機器類等への電気亜鉛めっき鋼材の使用が増
加しているが、最近、クロメート処理技術の向上を背景
として、これらの産業分野を中心にクロメート処理鋼材
を裸使用して塗装工程を省略することでコストダウンを
図る傾向が強まってきている。
【0003】さらに、オーディオ等の分野では、シルク
印刷といわれる下地の鋼板がそのまま見える印刷様式が
好まれている。これらの分野では、クロメート処理鋼材
のうち色調が明るい方が好ましいため、色調の明るいク
ロメート鋼板の開発が行われてきた。
【0004】特開平2−104673号公報には、色調の明る
いクロメート処理亜鉛めっき鋼材が開示されているが、
これは本質的には、電気純亜鉛めっきに関する発明であ
り、しかもクロメート皮膜を設けることにより色調を明
るくするものではなく、めっき面方位により色調を明る
くするものである。
【0005】また、そのクロメート皮膜は加熱により変
質し、色調が大きく変化する恐れがある。めっき面方位
の点からも、亜鉛の融点の419 ℃を超えるような加熱加
工工程が加われば大きく変化すると考えられる。このよ
うに、従来は、加熱後の色調変化の安定性については何
ら考慮が払われていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここに、本発明の目的
は、加熱処理前後の色調変化が少なく、加熱処理後も裸
使用に耐え得る表面処理鋼板を提供することである。具
体的には、本発明の目的は、めっき鋼板にクロメート処
理を行って使用する表面処理鋼板における耐高温変色性
を改善し、例えばブラウン管の防爆バンド、ガスコンロ
等高温環境に使用できる表面処理鋼板を提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者が、かかる課題
を達成すべく、検討を重ねた結果、例えばZn−Ni電気合
金めっき鋼板にクロメート皮膜を設けるに際して、クロ
メート皮膜中に粒径が5〜50 nm のシリカゾルを配合
し、Cr量に対するその割合を規定することで色調の安定
性が顕著に改善されることを知り、本発明を完成した。
【0008】よって、本発明の要旨とするところは、め
っき皮膜中にNiを9〜15重量%含有する目付量5〜40g/
m2のZn−Ni系電気めっき鋼板上に、10mg/m2 以上120 mg
/m2以下のCrと、粒径が5〜50 nm のシリカゾルを、重
量比で、SiO2/Cr= 2.5〜4.5 の範囲で含有し、かつCr
6+/全Cr= 0.10 〜0.70であるクロメート皮膜を備えた
ことを特徴とする耐高温変色性に優れた表面処理鋼板で
ある。
【0009】
【作用】次に、本発明の作用についてさらに具体的に説
明する。図1は、本発明にかかる表面処理鋼板の表面皮
膜の構成を説明する略式断面図であり、図中、鋼板10に
は予めZn−Ni電気めっき層12が設けられており、次いで
クロメート処理によってクロメート皮膜14が設けられて
いる。Zn−Ni系電気合金めっき、およびクロメート処理
それ自体はすでに公知であって、本発明にあっても、シ
リカゾルを配合する点を除いて通常行われている操作に
よってそれらを実施すればよい。以下、これらについて
順次説明する。
【0010】まず、Zn−Ni系電気合金めっき鋼板は、そ
の良好なる耐食性のため従来より数多く使用されてい
る。しかし、めっき後無処理での使用は、赤錆こそ早期
では発生しないが、亜鉛を使用していることによりZnの
酸化物である白錆の発生が避けられない。そこで、白錆
の発生を予防するためにクロメート処理を施すのであ
る。
【0011】したがって、このような観点からは、従来
より、クロム酸クロメート皮膜をZn−Ni系電気めっき鋼
板上に施した製品は多く存在する。また、SiO2を含有し
たクロメート処理鋼板は、耐食性向上を目的とした純Zn
めっき鋼板には、存在するが、純Znめっき鋼板を加熱処
理用途に用いた場合、その融点の低さにより純Znめっき
が融解し、めっき皮膜そのものの持つ犠牲防食能が失わ
れ、防錆能力を失うことになる。
【0012】一方、従来より存在するクロム酸クロメー
トを加熱処理過程に用いた場合、クロメート皮膜の変色
が著しく、さらには、防食能も失われるので、裸使用が
不可能になる。しかし、予想外にも、融点の高いZn−Ni
系にSiO2添加系クロメートを被覆させるとSiO2は耐食性
向上の働きをし、有効となる。
【0013】そこで、本発明においては、融点の高いZn
−Ni系電気めっき鋼板を下地とした、耐高温変色性に優
れた、新しいクロメート処理皮膜を開発した。高温での
変色は、クロメート皮膜中Crの結晶化および酸化および
Cr6+→Cr3+への反応によるから、本発明にあっては、そ
のような反応を抑制する方向でクロメート皮膜組成を変
えるのである。すなわち、クロメート皮膜中のCr6+/全
Crを規定するのである。
【0014】クロメート皮膜中にCr6+がもし過剰に
存在すると、その黄色皮膜が高温加熱によりCr6+
還元されることにより黄色度が低下する。例えば黄色か
ら緑系の色に変色する。そこで、Cr6+はできるだけ
少ない方がよい。しかし、6価のCrが存在しない場
合、皮膜の自己修復作用が十分でなくなり耐食性が劣
る。また、還元のために必要とする熱量の観点から全C
rに対する重量割合で10〜70%の6価クロムが存在
することを必要とする。好ましくは20〜40%であ
る。また、結晶化によるCr酸化皮膜干渉色は防げな
い。よって、シリカゾルを添加する。
【0015】ここに、シリカゾル配合の効果としては、
クロメート皮膜中にシリカゾルが拡散・分散することに
よりバリヤ的な働きをする。よって、変色が外面より目
立たないようにするものである。もし、シリカゾルが存
在しないならば、加熱によるクロムの変色が100 %外観
の変化となって現れてくることになる。
【0016】本発明においてシリカゾルの配合は、例え
ば塗布型クロメート皮膜の場合、予め調製したクロメー
ト液に単に所定粒径のシリカゾルを所定量だけ添加する
ことによって行えばよい。配合するシリカゾルは粒径が
5 nm より小さいと十分な色調変動改善がみられず、一
方、50 nm を越えると耐食性が劣化する。好ましくは10
〜30 nm である。
【0017】シリカゾルの配合量は、重量比で、SiO2
Cr:2.5 〜4.5 、好ましくは3〜4の範囲内とするが、
これより少ないと十分な効果が得られず、一方この比が
4.5を越えるとSiO増量の効果があらわれず、コ
ストアップおよび処理液の安定化が損なわれる。
【0018】ところで、高温での変色に起因する現象と
して、高温域での明度の低下が挙げられる。明度が低下
した場合、もともとの明度が高ければ目立ち易く、低け
れば目立ちにくいという特徴がある。そこで、本発明で
は、クロメート皮膜の下層となるZn−Niめっき皮膜のNi
含有量を9〜15%と制限することで、前述のクロメート
皮膜組成の改善と組合せた相乗的効果を利用しようとす
るものである。
【0019】一般に、Znめっき中にNiが含有されると、
皮膜の色調が暗くなる傾向がある。そこで、一定比率の
Niを常時含有させる。併せてNiの添加により製造の安定
性も確保できる。さらには、皮膜の溶解速度が遅くなる
ために、高耐食性が実現できるとの期待もできる。融点
も、純Znの419 ℃からNiを合金化することで800 ℃以上
にまで上昇し、さらに鋼板表面のFeのめっき層への拡散
も減少するため、さらなる色調の安定性も確保でき、そ
の後の高温加工の過程を経る用途にも使用に耐え得るも
のとなる。
【0020】一方、めっき皮膜付着量が5g/m2未満であ
るとめっきの鋼板表面被覆性が劣化し、さらには、めっ
きの薄膜化によりFeがめっき皮膜に拡散するための色調
変動の影響を受けやすい。好ましくはめっき皮膜付着量
の下限は、10g/m2以上である。しかし、めっき付着量が
40g/m2を越えると電力のコストが上昇するため、経済性
に劣るものである。好適上限は30g/m2である。次に、本
発明の作用について実施例にもとづいてさらに具体的に
説明する。
【0021】
【実施例】SPCC級冷延鋼板に表1の如く組成を変えたZn
−Ni合金電気めっきを、慣用手段でもって、20g/m2の厚
さに施し、次いで表2の如き組成のクロメート皮膜を、
これも慣用手段でもって施した。
【0022】作成した供試材を表3に示す如き加熱処理
を加え、加熱前後の色差を下記の第式の計算式になら
って算出した。ただし、L: 明度、a: 彩度、b: 彩度
であり、ミノルタ (株) 製 Cr-300 色彩色差計を用い、
ハンター表示にて求めた。 色差(ΔE)=√ (ΔL2+Δa2+Δb2) ・・・
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】加熱試験の後に前述のようにして求めた色
差ΔEを、表4の基準にしたがって評点を付し、評点1
を合格とし、2以上を不合格とした。これらの結果を表
5にまとめて示す
【0027】
【表5】
【0028】以上、実施例のごとく本発明材料は、加熱
後の耐変色性に優れていることが明らかとなった。
【0029】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明にかかる表
面処理鋼板は、加熱処理 (加工) を経ても変色しないか
ら、例えばブラウン管の防爆バンドに本材料を採用した
場合にも、焼嵌め工程などで加熱しても色調の変化が少
なく、外観などばらつきの少ない製品を製造可能とす
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる表面処理鋼板の皮膜構造の概略
説明図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 めっき皮膜中にNiを9〜15重量%含有す
    る目付量5〜40g/m2のZn−Ni系電気めっき鋼板上に、10
    mg/m2 以上120 mg/m2 以下のCrと、粒径が5〜50 nm の
    シリカゾルとを、重量比で、SiO2/Cr= 2.5〜4.5 の範
    囲で含有し、かつクロメート皮膜中のCr6+/全Cr= 0.1
    0 〜0.70であるクロメート皮膜を備えたことを特徴とす
    る耐高温変色性に優れた表面処理鋼板。
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