JP2836298B2 - ガス検出装置 - Google Patents

ガス検出装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はガスによる光の吸収現
象を利用してガス検出を行うもので、特に光ファイバー
を利用して遠隔で行うガス検出装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、光ファイバーを利用し遠隔でガス
検出を行う装置として、例えば図5は特開昭60ー98
334号公報に示された従来のガス検出装置の構成図で
あり、図において31は発光源、32は光結合器、33
は光ファイバー、34は測定セル、34a,34bは測
定セルに取り付けられた光結合器、35は光ファイバ
ー、36は光結合器、37はビームスプリッター、3
8,40,42、43は各箇所において分岐された光
束、41はビームスプリッター、39,44,45は狭
帯域波長フィルター、46、47、48は光検出器、4
9,50,51は増幅器、52は信号処理回路、53は
表示回路を示す。
【0003】次に動作について説明する。光源31から
出た光は、光結合器32を通り光ファイバー33により
伝送されて測定セル34へ送られる。測定セル内に送ら
れた光は光結合器34aを通り、セル空間中を伝播した
後、光結合器34bを経て光伝送路35により伝送され
る。このときセル内に対象ガスがあると伝播した光は吸
収され強度が減少する。光結合器36を透過した光はビ
ームスプリッター37によって2つに分岐される。分岐
された一方の光束38はガスの吸光波長を含む狭帯域波
長フィルター39を通過し光検出器46によって受光さ
れる。一方、ビームスプリッター37を透過した光束4
0はビームスプリッター41によってさらに2つの光束
に分岐される。分岐された1つの光束42は狭帯域波長
フィルター39とは波長の異なる同一ガスの吸光波長を
透過中心波長とする狭帯域波長フィルター44を透過し
光検出器47によって受光される。ビームスプリッター
41を透過した光束43は2つの狭帯域フィルター3
9,44と異なりガスによる光の吸収の影響を受けない
波長を透過中心波長とする狭帯域フィルター45を透過
し光検出器48によって受光される。光検出器46
48からの出力信号はそれぞれ増幅器49,50,
51によって増幅され信号処理回路52に入力される。
信号処理回路52では2つの光検出器46,48からの
出力信号の比と2つの光検出器47と光検出器48から
の演算し、それぞれの比の値から検出対象ガスの有無を
判定するもので、この結果を表示回路53に表示する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のガス検出装置は
上記のように構成されているので、投光用,受光用の光
ファイバーがそれぞれ必要となることから、投受光用光
学系がそれぞれ別々に設置しなければならない。このた
、光学系の規模が大きくなり、装置全体の規模が大き
くなるという問題点があった。
【0005】本発明は、上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、投受光系一体化して、光学系
の簡素化実現可能なガス検出装置を得ることを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るガス検出装
置は、直線偏光特性をもちガスの吸光波長に同調させた
光を発生する光源、上記ガスの有無を検出するための空
間部を有するガス検出部、上記光源から入射する光を上
記直線偏光特性を保持して上記ガス検出部に導く光ファ
イバー、上記光ファイバーの出射端面に設けられ、光の
一部を反射する反射コーティング、上記反射コーティン
グと上記ガス検出部との間に設けられ、上記直線偏光特
性を有する光の偏光面に対して主断面の方向を45度と
した1/4波長板、上記1/4波長板と対向する上記ガ
ス検出部の端面に設けられ、上記光ファイバーより出射
する光を、上記1/4波長板を経由して反射することに
より、偏光面が90度回転した直線偏光として上記光フ
ァイバーの出射端面に再入射させる反射鏡、上記光ファ
イバーの入射端面より出射する反射光の経路上に設けら
れ、上記反射コーティングで反射された反射光と、この
反射光と偏光面が直交する上記反射鏡からの反射光とを
分離するビームスプリッタ、上記各反射光の光強度を検
出する受光手段、および検出された2つの光強度の変化
を検出する信号処理手段を備えたものである。
【0007】
【作用】本発明においては、光ファイバーを伝播した光
は、光ファイバーの出射端面で一部が反射し偏光面を保
持したまま同一の経路を経て光ファイバーの入射端面か
ら出射する。一方、出射端面を透過した光は、1/4波
長板を出たのち検出空間中を伝播した後に、再び1/4
波長板を経て同一の光ファイバー入射し、光ファイバー
を伝播した後、入射端面から出射される。検出空間を伝
播して戻ったこの光は、入射光に対して直交した偏光方
向をもつ直線偏光特性になっている。この特性を利用
し、ガス検出にあたっては、光ファイバーの入射端面か
ら出射した光のうち、入射光と同一方向の偏光特性を持
つ光を参照用として、入射光と直交する方向の偏光特性
を持つ光をガス検出用として用いる。
【0008】
【実施例】
実施例1.本発明について、その一実施例を図について
説明する。図1は本発明の一実施例の装置構成を示すも
ので、図において、1は光源、2はコリメートレンズ、
3は集光レンズ、4は偏波面保存ファイバー、5は反射
コーテイング部、6はコリメートレンズ、7は1/4波
長板、8はケース、9はミラー、10は偏光ビームスプ
リッター、11はハーフミラー、12は集光レンズ、1
3は光検出器、14は増幅器、15は集光レンズ、16
は光検出器、17は増幅器、18はわり算器、19は判
定回路を示す。
【0009】図2は、本発明の各部における光線の特性
を示すもので、(a)は光ファイバーに入射する光、
(b)は光ファイバーを伝播し、光ファイバーの出射端
面で反射する光、(c)は光ファイバーを伝播後出射端
面を透過し、検出部に設置したミラーによって反射した
のち、光ファイバーの出射端面に入射し伝播する光、
(d)は光ファイバーの入射端面から出射した光の特性
を示す。図において、20は光源から出射した光束、2
1は光ファイバー端面によって反射した光束、22は光
ファイバーの出射端面から出射しミラー9によって反射
したのち、検出部空間中を伝播する光束、23は検出部
空間から光ファイバーの出射端面に入射し伝播する光
束、24は光ファイバーの入射端面から出射する光束、
25は光束24が偏光ビームスプリッター10によって
反射された光束、26は偏光ビームスプリッター10を
透過し、ハーフミラー11によって反射された光束を示
す。
【0010】図3は光のスペクトル特性を示すもので、
27はガスの吸光スペクトル、28は光源の発光スペク
トルを示す。
【0011】図4は本発明の一実施例の装置構成におけ
るガスの測定結果例を示すもので、29は得られた測定
曲線、30はガスが発生した時点を示す。
【0012】次に動作について説明する。光源1からで
る単色光は、図3の28に示すようにガスの吸光波長に
同調させるとともに、直線偏光特性をもたせる。ここで
説明の都合上、光源からの出射光の偏光方向を紙面と平
行方向とし、図2(a)に示したように、図中上下の矢
印によって表す。以降この方向をS方向と呼ぶ。また、
これと直光する偏光方向を図中黒点で示す。以降この方
向をP方向と呼ぶ。光源1からの光は、コリメートレン
ズ2によって平行ビームに変換された後集光レンズ3に
よって光ファイバー4の入射端面に絞り込まれる。この
時、光束20はS方向の直線偏光特性を有する。光ファ
イバー4は偏光面保存特性を有するもので、相直交する
2つの方向の直線偏光特性を保持しながら、光を伝播す
る。光ファイバー4の保持する偏光方向の一つをS方向
に合わせると、この光ファイバーはP,Sそれぞれの方
向の直線偏光を保持できることとなる。
【0013】上記のように、光ファイバーを設置する
と、S方向の直線偏光を保持しながら光は光ファイバー
中を伝播する。光ファイバーの出射端面に到達した光
は、その一部が反射コーテイング部5によって一部反射
され、光束21としてS方向の直線偏光を保持し、同じ
光ファイバーを逆方向に伝播して入射端面から出射され
る。
【0014】一方、反射コーテイング部を透過した光は
コリメートレンズ6,1/4波長板7を経て、検出部空
間中に出射される。1/4波長板をその主断面の方向を
S方向に対して45°となるよう設置すると、出射され
た光束22は、1/4波長板7を透過することによって
直線偏光から円偏光に変換される。出射された光束22
は検出部空間中を伝播し、さらにミラー9によって反射
されることにより、光束22は逆方向の円偏光に変換さ
れ、1/4波長板7に再度入射する。1/4波長板を透
過すると光束22は入射光と直交する方向つまりP方向
の直線偏光となり、コリメートレンズ6によって光ファ
イバー4の出射端面に絞り込まれ、光束23として光フ
ァイバー中を伝播する。つまり、検出部空間を伝播した
光は入射光と相直光した直線偏光となって、光ファイバ
ー入射端面から出射される。
【0015】この結果、光ファイバー4の入射端面から
出射される光束24はP,Sの2方向の直線偏光が合成
されたものとなる。このうちS方向の光は、検出部空間
を伝播せず光ファイバーの出射端面で反射した光であ
り、P方向の光は検出部空間を伝播したものである。ガ
ス検出にあたっては、S方向の直線偏光を参照用の光と
して、P方向の直線偏光をガス検出用の光としてそれぞ
れ利用する。光ファイバー24の入射端面を出射した光
束24は偏光ビームスプリッター10によって各偏光成
分に分離される。つまり、光束24のうち、P方向の直
線偏光は偏光ビームスプリッター10によって反射さ
れ、光束25となって集光レンズ12によって光検出器
13上に絞られる。
【0016】一方、S方向の直線偏光は偏光ビームスプ
リッター10を透過し、ハーフミラー11,集光レンズ
11を介して光検出器16に絞り込まれる。2つの光検
出器13,16からの出力信号は、それぞれ増幅器1
4,17によって増幅され、わり算器18に入力され
る。 わり算器18は増幅器14,17からの出力信号
の比を演算し、判定回路19に出力する。ガスの発生が
ない場合、演算結果は一定の値を保持するが、検出部に
おいてガスが発生した場合、検出部を透過した光の強度
が減衰することから演算結果が変化する。判定回路19
は演算結果の変化を検知することにより、ガス発生の有
無を判定する。
【0017】なお、ここでは説明の都合上、検出部にお
ける反射用光学部品としてミラーを用いて説明したが、
ミラーと同等の性能を持つものであればよく、たとえば
コーナーキューブ,回帰性反射板等を用いても同様の効
果が得られる。
【0018】また、上記実施例では、ガス検出用の信号
処理として参照用,ガス検出用の各信号の比を演算しそ
の変化を検出する方式を例に説明したが、両信号の差を
検出したり、参照用信号の変化を光源にフィードバック
させ光源強度を一定にしガス検出用信号の変化を検出す
るなど従来より用いられている手法を適用しても同等の
効果が得られることは明らかである。
【0019】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、一本の
光ファイバーで送光用と受光用の光伝送路を兼用するこ
とが可能となり、光学系の構成が簡単になり装置規模の
大幅な低減を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の装置構成を示す図である。
【図2】本発明の各部の光の特性を示す図である。
【図3】ガスの吸光スペクトルと光源の発光スペクトル
を示す図である。
【図4】本発明の一実施例における測定結果例を示す図
である。
【図5】従来のガス検出装置の構成図である。
【符号の説明】
1 光源 4 光ファイバー 5 反射コーテイング部 7 1/4波長板 9 ミラー 10 偏光ビームスプリッター 11 ハーフミラー 13 光検出器 16 光検出器 18 わり算器 19 判定回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 亀井 光仁 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 産業システム研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−98334(JP,A) 実開 昭63−177744(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 21/00 - 21/61

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直線偏光特性をもちガスの吸光波長に同
    調させた光を発生する光源、上記ガスの有無を検出する
    ための空間部を有するガス検出部、上記光源から入射す
    る光を上記直線偏光特性を保持して上記ガス検出部に導
    く光ファイバー、上記光ファイバーの出射端面に設けら
    れ、光の一部を反射する反射コーティング、上記反射コ
    ーティングと上記ガス検出部との間に設けられ、上記直
    線偏光特性を有する光の偏光面に対して主断面の方向を
    45度とした1/4波長板、上記1/4波長板と対向す
    る上記ガス検出部の端面に設けられ、上記光ファイバー
    より出射する光を、上記1/4波長板を経由して反射す
    ることにより、偏光面が90度回転した直線偏光として
    上記光ファイバーの出射端面に再入射させる反射鏡、上
    記光ファイバーの入射端面より出射する反射光の経路上
    に設けられ、上記反射コーティングで反射された反射光
    と、この反射光と偏光面が直交する上記反射鏡からの反
    射光とを分離するビームスプリッタ、上記各反射光の光
    強度を検出する受光手段、および検出された2つの光
    度の変化を検出する信号処理手段を備えたことを特徴と
    するガス検出装置。
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KR101299135B1 (ko) * 2011-08-18 2013-08-22 한국과학기술연구원 할로우 코어를 갖는 광섬유를 이용한 반사형 프로브 타입의 기체 검출 장치 및 기체 검출 방법

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