JP2836149B2 - 二成分現像剤 - Google Patents

二成分現像剤

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JP2836149B2 JP1339952A JP33995289A JP2836149B2 JP 2836149 B2 JP2836149 B2 JP 2836149B2 JP 1339952 A JP1339952 A JP 1339952A JP 33995289 A JP33995289 A JP 33995289A JP 2836149 B2 JP2836149 B2 JP 2836149B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はバインダー型キャリアおよび磁性トナーとか
らなる二成分現像剤に関する。
従来技術および課題 一般に二成分現像剤は、磁性粉を含有しない非磁性ト
ナーと磁性粉を含有する磁性キャリアの二成分からな
る。このような二成分現像剤においては、トナーはキャ
リアと摩擦することにより帯電し、静電的にキャリアと
付着する。キャリアはスリーブ上を磁気的に回転あるい
は引きづられるように、移動させられ、それに供って付
着トナーが現像領域に連続的に移送される。
トナーおよびキャリアについてはその特性改良のため
種々検討がなされており、特に、キャリアをバインダー
型とした小粒径のものを使用すると、トナー混合比を高
めに設定でき、トナー補給に対するラチチュートが高い
ため、高画質、長寿命に効果がある。
しかし、トナーのキャリアとの摩擦による帯電は、各
トナー粒子に対して一様でなく、帯電量にバラツキがあ
る。これは、トナー粒子の大小およびトナーの帯電立ち
上がり特性等が原因していると考えられる。従って、摩
擦帯電量が小さいトナーは、キャリアへの付着力が小さ
いため、スリーブ上を転がって移動する際、キャリアか
ら離脱し、複写機内を飛散するようになる。飛散トナー
は複写機内汚染や画像カブリの原因となったりする。
複写機内部は一般に排気のため風が一定方向に舞って
いるため、上記のような飛散トナーがその風とともに現
像器以外の装置の方へ舞い、例えばチャージャーのワイ
ヤー線に付着したりする。このようにトナー付着により
汚染されるとチャージムラ、画像ムラが引きおこされた
り、さらに汚染がひどくなると、現像器のトナーこぼれ
防止板の上に多量のトナーが蓄積し、それが複写紙上に
落ち、複写紙を汚したりする。
飛散トナーは上記のような弊害をもたらすが、複写速
度が低速(15cm/sec)である場合は、4万枚程度の複写
枚数では、それほど問題となることはなかった。
最近、高速複写(45cm/sec程度)が要求されるように
なると、現像剤がスリーブ上を従来以上に高速に回転移
動させられ、飛散トナー量が大きく、その弊害はより顕
著なものとなってきた。
飛散トナーの発生を抑える手段としては、例えば、ト
ナーの帯電の立ち上がりをスムーズにし、キャリアとの
付着を強固にすることにより飛散を防止することが知ら
れているが、高速複写では、トナーがスリーブ上を撹拌
されながら高速に移動するので、どうしても飛散トナー
が生じてしまい、飛散トナーの抑制を十分に抑えること
はできない。
一方、一成分トナーとして磁性トナーが知られている
が、かかる磁性トナーの磁性を利用し、キャリアと同様
にスリーブ上に引きつけることによりトナー飛散を防止
することも考えられるが、磁性粉含有量が30wt%の非常
に多く一成分磁性トナーを二成分現像剤用トナーにその
まま転用しても静電潜像への現像性が低く高い画像濃度
を出すのが困難であり、十分な複写画像濃度を得ること
ができない。
なお、二種類の粒径の違う磁性粉含有粒子からなる現
像剤が特公昭56−11140号公報に開示されている。上記
公報の粒子とは粒径および磁性粉の含有量において、本
発明現像剤と異なる。また、上記公報の現像剤は大小両
粒子共に現像されるものである。従って、現像剤の補給
は、大小両粒子の混合物を補給する必要があるが、大小
両粒子の消費のされ方が一定でないため、その大小両粒
子の補給割合が一定しないという問題がある。
発明が解決しようとする課題 本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、高速現
像においても、トナー飛散が抑えられた、帯電の立ち上
がりが良好で、また現像特性が劣化せず、カブリやトナ
ーコボレの少ない現像剤を提供することを目的とする。
上記目的は、トナーおよびキャリアからなる二成分現
像剤において、トナーおよびキャリア両粒子にある一定
の割合の磁性粉を含有させることにより達成される。特
に、磁性粉として小粒径のマグネタイトを使用すること
により高画質、高精細の画像を形成することができる。
課題を解決するための手段 本発明は、キャリアとトナーからなる二成分現像剤に
おいて、該トナーが平均粒径3〜13μmであり、少なく
とも磁性粉、着色剤および粘着樹脂からなり、粘着樹脂
100重量部に対して0.5〜15重量部の磁性粉を含有し、該
磁性粉が0.05〜0.20μmの平均粒子径を有する球状磁性
粉であることを特徴とする二成分現像剤に関する。
本発明の現像剤は少なくともキャリア粒子とトナー粒
子とからなり、両粒子とも磁性粉を含有する。以下、キ
ャリア粒子およびトナー粒子について順次説明する。
本発明のトナーは結着樹脂中に少なくとも磁性粉と着
色剤が分散されている。
本発明のトナーに使用される磁性粉としては、体積固
有電気抵抗が107Ω・cm以上の磁性材料であれば何でも
良く特に制限はない。具体的には、特公昭57−19055号
公報に記載の一般式: (式中M′はMn、Ni、Co、Mg、Cu、ZnおよびCdからなる
群から選ばれた少なくとも一種の原子を示し、0.5≦x
≦1,0.1≦y≦0.571である。)で表わされるフェライ
ト、または、式(MO)x・Fe2O3(式中MはMg、Co、N
i、Cu、ZnおよびMnから選ばれる金属原子、xは1、2
または3の整数を表わす)であらわされるフェライトFe
O・Fe2O3なるマグネタイト、鉄、ニッケル、コバルト等
の強磁性を含む金属又はこれらの合金の化合物が挙げら
れる。
従来の磁性トナーは、平均粒子径が13μm以上のもの
が多く、大きいものは20μm近くの平均粒子径のものが
用いられている。
しかし、最近は高画質、高精細のものが求められるよ
うになり、粒径の小さいものが要求され、平均粒子径が
3〜5μmのものも用いられる。
そのような要求に答えるためには、トナーに含有させ
る磁性粉の大きさは、平均粒子径0.05〜0.20μmより好
ましくは0.05〜0.15μmのものを用いる。
トナーに含有させる磁性粉は、さらに好ましくは、球
状のものが良い。
球状小粒径の磁性粉(後述するトナー1の調製で使
用)の粒子構造を示す写真(×30000)を第1図に示し
た。この粒子は平均0.11μmの粒径であり、各粒子が球
状であることがわかる。
これに対して第2図、第3図に、従来使用されている
粒子の構造を示した(第2図はトナー8の調製、第3図
はトナー9の調製に使用した磁性粉である)。各粒子は
第1図のものに比べ角ばっていることがわかる。
磁性粉は一般に結着樹脂との混練り、粉砕で調製さ
れ、一部が表面に露出することがあるが、かかる場合、
球状でなく、角ばった磁性粉でトナーが構成されている
と感光体上に転写されたトナーは、感光体表面を傷付け
るという問題がある。このような問題は、トナーに含有
させる磁性粉の形状を球状にすることによって解決され
る。
上記磁性粉はトナーの結着樹脂100重量部に対し0.5〜
15重量部用いるのが良い。
0.5重量部以下だとトナー飛散などに対して効果がな
く、又15重量部以上だと現像効率が低下し、トナーが潜
像上に少ししか現像されず、画像濃度(ID)が低くな
る。
本発明トナーに用いられる熱可塑性樹脂は特に制限は
ないが、定着温度で充分な軟化点を有し、且つまた、保
存安定性に充分なガラス転移点を持つものであれば何で
も良い。本発明に適する熱可塑性樹脂の軟化点は、本発
明の効果を損なわない限りは現像スピード、システムの
機構上、低い軟化点を有する熱可塑性樹脂がよく、たと
えばポリスチレンやスチレンとアクリルエステルまたは
メタクリルエステルとの共重合樹脂、ビスフェノール型
ジオール、ロジン型ジオールおよびグリコールからなる
群から選ばれた少なくとも1つのジオール成分と、フタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、などの芳香族ジカ
ルボン酸、およびフタル酸、マレイン酸、アジピン酸な
どの脂肪族ジカルボン酸からなる群から選ばれた少なく
とも一種のジカルボン酸と、トリメリット酸から合成さ
れるポリエステル樹脂などがあげられる。定着温度は選
定した熱可塑性樹脂の軟化点等を考慮して適宜設定すれ
ばよい。その際、使用する樹脂の分子量として、数平均
分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、Z平均分子量
(Mz)との関係が、 1,000Mn7,000 40Mw/Mn70 200Mz/Mn500 であり、数平均分子量(Mn)についてはさらに2,000M
n7,000であることが好ましい。
なお、本発明の熱可塑性樹脂の平均分子量(Mn、Mw、
Mz)の測定にはGPC(Gゲル・パーミエーション・クロ
マトグラフィー)を使用し、ポリスチレンなどのゲルの
中を溶媒に溶かした高分子が透過するときの速度により
高分子と低分子に分離し、これを示差屈折計などで検出
したものを標準ポリスチレンで換算したものを示してあ
る。
本発明に使用しうる着色剤としては、具体的には、黒
色顔料としてはチャンネルブラック、ファーネスブラッ
ク等のカーボンブラック、アセチレンブラック、ランプ
ブラック、アニリンブラック等; 黄色顔料としては黄鉛、亜鉛黄、カドミウムエロー、
黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタ
ンエロー、ネーブルスエロー、ナフトールエローS、ハ
ンザーイエローG、ハンザーイエロー10G、ベンジジン
エローG、ベンジジンエローGR、キノリンエローレー
キ、パーマネントエロー、NCG、タートラジンレーキ
等; 橙色顔料としては赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パ
ーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカ
ンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベ
ンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレ
ンジGK等; 赤色顔料としてはベンガラ、カドミウムレッド、鉛
丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソ
ールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、
カルシューム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミ
ン6B、エオシンレッド、ローダミンレーキB、アリザリ
ンレーキ、ブリリアントカーミン3B等; 紫色顔料としてはマンガン紫、ファストバイオレット
B、メチルバイオレットレーキ等; 青色顔料としては紺青、コバルトブルー、アルカリブ
ルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニン
ブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニン
ブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダ
スレンブラーBC等がある。
緑色顔料としてはクロムグリーン、酸化クロム、ビグ
メントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファナ
ルイエローグリーンG等; 白色顔料としては亜鉛華、酸化チタン、アンチモン
白、硫化亜鉛等; 体質顔料としてはバライト粉、炭酸バリウム、クレ
ー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワ
イト等; 黄色着色剤としてはベンチジンイエロー、ハンザイエ
ロー、クロモフタールイエロー等; が挙げられる。
これらの着色剤は1種または2種以上混合して使用し
てもよく、いずれも無公害で高い着色力があれば有機、
無機を問わず、これらに限定されるものではない。
本発明のトナーにはさらに他の添加剤を添加してもよ
く、たとえば荷電性を付与する為には次のような帯電制
御剤を用いてもよい。
負帯電性の良好なものとして、ヒドロキシ置換ナフト
エ酸およびそのアルキル誘導体、ヒドロキシ置換テトラ
ハイドロナフトエ酸、およびサリチル酸のアルキル誘導
体等;あるいは、一般式: (式中、X1は水素原子、低級アルキル基、低級アルコキ
シ基、ニトロ基またはハロゲン原子を表わし、n1は1ま
たは2、m1は1〜3の整数を表わし、X1は同じであって
も異なっていてもよく、M1はクロムまたはコバルト原子
を表わし、A+は水素、ナトリウム、カリウムまたはアン
モニウムイオンを表わす。) で表わされる金属錯塩化合物;式: で表される金属錯塩化合物;および一般式: (式中、X2およびX3は水原子、低級アルキル基、低級ア
ルコキシ基、ニトロ基またはハロゲン原子を表わし、X2
とX3と同じであっても異なっていてもよく、m2およびm3
は1〜3の整数を表わし、R1およびR3はハロゲン原子を
表わし、R1とR3は同じであっても異なってもよく、n2
よびn3は1〜3の整数を表わし、R2およびR4は水素原子
またはニトロ基を表わし、M2はクロマまたはコバルト原
子を表わし、K+水素、ナトリウム、カリウムまたはアン
モニウムイオンを表わす。)で表される金属錯塩化合物
を帯電制御剤として使用することができるが、ここに挙
げた含金油溶性染料に限られることはない。また、2−
アクリルアミド−2−メチルプロパン・スルホン酸など
のスルンホン酸塩をスチレンなどと共重合することによ
り、得られたいわゆる帯電制御樹脂を上記帯電制御剤と
併用することにより帯電の立上がりを良好にしトナー飛
散などを減少することができる。正帯電性を付与するも
のとして、一般に電子供与性の染料たとえばニグロシン
系染料が汎用される。これ以外にアルコキシ化アミン、
第四級アンモニウム塩、アルキドアミド、リンおよびタ
ングステンの単体および化合物、モリブデン酸キレート
顔料、ジブチル錫オキサイドや含窒素化合物が単独でま
たは併用して用いられる。
また、アミノ基含有のビニル系モノマーたとえばジメ
チルアミノエチルメタクリレートやジエチルアミノエチ
ルメタキルレートなどとスチレンなどとの共重合体を上
記帯電制御剤と併用することにより帯電の立上がりを早
くし、トナー飛散を少なくすることができる。
本発明のトナーには更に必要に応じて他の添加剤、例
えばワックス類等を添加してもよいし、また、定着性の
改善の為に、各種の熱可塑性樹脂を本発明の効果を減少
しない範囲内で用いてもよい。あるいは金属酸化物の超
微粉末でトナーの表面処理が施されてもよい。
本発明のトナーは上記の種々の材料添加剤を公知の割
合で使用し、通常一般に行われているいわゆる粉砕法、
メイン樹脂以外の原材料のモノマーに分散させ、該樹脂
の重合時にトナー中にこれらを取り込んで作る所謂懸濁
重合法、またはスプレードライなどの装置を用いて作る
造粒法などにより製造できるが、これらの方法は、特に
制限されるわけではない。なおトナーの平均粒子径は、
3〜20μmの中から任意に選ぶことができる。特に、前
述したようにトナーに含有させる磁性粉を平均粒子径0.
05〜0.20μmの大きさのものを用い、平均粒子径3〜13
μmのトナーを形成することによりキメ等に優れた高画
質、高精細の画像が形成可能である。
次の本発明のキャリアについて説明する。
本発明において、キャリア粒子は公知のものを使用で
きるが、特に結着樹脂中に少なくとも磁性粉末が分散さ
れてなるものを用いることが好ましい。
キャリアに使用しうる結着樹脂としては、ビスフェノ
ール型ポリエステル即ち、エチレンオキサイド又はプロ
ピレンオキサイド付加したビスフェノールAをアルコー
ル成分とし、これと2価のカルボン酸、3価のカルボン
酸、または炭酸数4〜20の側鎖を有するカルボン酸等を
縮重合反応したものを用いることが出来るが、これ以外
にもアルコール成分として、エチレングリコールを主成
分としたものやロジングリシジルエステルを用いたもの
等が使用できる。またポリエステル樹脂だけでなく、ス
チレン−アクリル系の共重合樹脂等も用いることが出来
るが、何れも、100℃において粘度が105〜107cpsである
ものが良い。これは混練時の粘度が高すぎると磁性粉と
のぬれが悪くなり、また低すぎると磁性粉の分散性が悪
くなり、凝集を起こすからである。
キャリアに含有させる磁性粉としては、前述に記載し
たトナーに含有させたものと同様の種類のものを使用す
ることができる。磁性粉の大きさは特に制限されず、通
常使用される大きさのものを使用すればよい。
磁性粉と結着樹脂は、結着樹脂100重量部に対し磁性
粉350〜900重量部、好ましくは400〜600重量部の割合で
配合される。これは磁性粉が350重量部未満では充分な
磁気力が得られず、900重量部を超えるとキャリアが脆
くなるからである。
本発明のキャリアは、前記結着樹脂と前記磁性粉を、
所定の混合比で充分加熱混合し、冷却後粉砕・分級して
得ることができる。
本発明の好ましい実施態様においては、キャリアの凝
集と静電潜像担体への付着防止をより完全にするため、
キャリアの平均粒径が重量平均粒径で30〜90μm、好ま
しくは40〜80μmの範囲に限定される。
キャリアの平均粒径が30μm未満ではキャリアの凝
集、静電潜像担体及びその周辺部へのキャリア付着が生
じ易くなり、かつ、キャリアの流動性の悪化を招き、90
μmを超えると、通常の鉄粉キャリアなどの様にハケム
ラが生じ、細線の再現が悪く鮮明な画像が得られなくな
る。
本発明のキャリアは、通常の粉砕、分級を行い、粒子
径を揃えたあと、表面の改質を行う為にさらに (イ) シリカや酸化チタン、酸化アルミニウムなどの
微粉末による表面処理; (ロ) 加熱処理; 等を施してもよい。
以上のようにして得られたトナーおよびキャリアはト
ナー4〜15wt%の割合で混合して現像剤として用いる。
本発明の現像剤においては、トナーのみが消費される
が、トナーの含有割合が大きく、トナー補給によるラチ
チュードが大きい。
本発明の現像剤は、高速現像(35〜50cm/sec)に使用
してもトナー飛散による種々の弊害がなく、帯電の立ち
上がりが良好で、現像性の劣化、カブリ、トナーコボレ
のないすぐれたものである。
以下、本発明をさらに実施例を用いて説明する。
結着樹脂の合成 ポリエステル樹脂(1)の合成 ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒド
トキシフェニル)プロパン490g及びポリオキシエチレン
(2,2)−2,2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン19
0g及びテレフタール酸170g、n−ドデシルコハク酸230
g、及び0.05gのジブチル錫オキシドを加え、1の4つ
口フラスコに入れ、温度計、ステンレススチール製撹拌
器、流下式コンデンサー及び窒素導入管をつけマントル
ヒーターで、270℃に昇温し、窒素気流中で反応し、水
の流出がなくなった時点で、トリメリット酸を58g加え
更に反応を進め酸価が9mgKOH/gになった時点で冷却し、
反応を停止させた。
得られたポリエステルの酸価は、9mgKOH/g、水酸価
は、16mgKOH/gであった。
またフローテスターにおける測定値は、軟化点(T
m):124℃、100℃における粘度(η100):3.0×104ポイ
ズ、−d(logη)/dT:4.0×102、吸湿量:0.66%であっ
た。ポリエステル樹脂(1)とする。
キャリアIの調製 ・ポリエステル樹脂(1) :100重量部 ・カーボンブラック (三菱化成社製、MA#8) : 2重量部 ・シリカ (アエロジル#200;アエロジル社製) : 15重量部 ・Zn系フェライト (最大磁化:72emu/g、Hc:110、体積固有電気抵抗:3×10
3Ω・cm) :500重量部 上記組成物を充分混合したあと、加熱混練し、冷却後
粉砕、分級して、平均粒子径が53μmのキャリアIを得
た。
キャリアIIの調製 キャリアIの調製で用いたZn系フェライトに、スプレ
ードライ法によりポリエチレン樹脂をコートし、平均粒
子径78μmのキャリアIIを得た。
コート膜厚は平均1.2μm、ポリエチレン樹脂の含有
率は1%以下であった。
トナー1の調製 ・熱可塑性スチレンアクリル系樹脂 100重量部 Mn:4,200 Mw:210,900 Mz:1,323,000 Mw/Mn:50.2 Mz/Mn:315 Tg:62.1℃ 軟化点:115℃ 酸価:25.8 ・オフセット防止用添加剤 4重量部 低分子量ポリプロピレン(ポリプロピレンの熱分解生
成物);160℃における粘度、145cps ・カーボンブラック MA#8(三菱化成工業社製) 8重量部 ・ボントロンN−13 (オリエント化学工業社製:ニグロシン系染料) 4重量部 ・磁性粉 マグネタイトMER−1(平均粒径0.11μm) (チタン工業社製) 5重量部 (この磁性粉の粒子構造を示す写真(×30000)を第
1図に示す) 以上を10ヘンシュルミキサーに入れ、2000rpmで2
分間混合したあとPCM30(.d:32.5)で連続押出混練を
した。
次に、冷却したあと2mmメッシュのフェザーミルで粗
粉砕したあと、ジェット粉砕機で微粉砕し、気流式分級
機で粗粉・微粉のカットをして、平均径7.5μmの粒子
径を有するトナーを得た。
このトナーの表面に疎水性シリカ(R−974、日本ア
エロジル株式会社製)を0.2%処理する。このようにし
て得られたトナーをトナー1とした。
トナー2〜6の調製 トナー1の調製で使用した磁性粉量を0.2重量部(ト
ナー2)、1重量部(トナー3)、10重量部(トナー
4)、15重量部(トナー5)、20重量部(トナー6)添
加した以外、トナー1の調製と同様にトナー2〜6を調
製した。
トナー7の調製 ・熱可塑性ポリエステル樹脂 100重量部 Mn:3,400 Mw:213,400 Mz:1,182,200 Mw/Mn:62.8 Mz/Mn:348 酸価:16.7 軟化点:109℃ Tg:64℃ ・オフセット防止用添加剤 5重量部 酸化型低分子量ポリプロピレン (ポリプロピレンの熱分解生成物) 160℃における粘度;140cps 酸価;5 ・カーボンブラック 8重量部 MA#8(三菱化成工業社製) ・TRH(保土谷化学工業社製) 5重量部 ・磁性粉(平均粒径0.11μm) マグネタイト MER−1 5重量部 (チタン工業社製) 以上をトナー1の調製と同様の方法で平均径7.7μm
のトナーを得た。得られたトナーをトナー7とした。
なお、上記熱可塑性樹脂は、ビスフェノールA・エチ
レンオキサイド付加物550g、ビスフェノールA・プロピ
ンレンオキサイド付加物550g、テレフタル酸410g、無水
トリメリット酸40g、キシレン50gを3の4つ口フラス
コに入れ窒素気流中240℃で5時間反応させ、次に、270
℃に昇温して、8時間反応させて得られた。このとき、
副生成した水は、留去した。
トナー8および9 トナー1の調製で用いた磁性粉に代えEPT−1000(平
均粒子径0.28μm)(戸田工業社製)、およびRB−BL
(平均粒子径0.52μm)(チタン工業社製)を用いる以
外トナー1の調製と同様に平均粒子径7.6μm(トナー
8)および7.3μm(トナー9)を得た。
第2図に磁性粉EPT−1000の粒子構造を示す写真(×3
0000)を示す。
第3図に磁性粉RB−BLの粒子構造を示す写真(×3000
0)を示す。
以上得られたトナーおよびキャリアの組成を表1およ
び表2にそれぞれ示した。
トナーの評価 トナー1〜8およびキャリアI〜IIを組み合わせて現
像剤を調製し、以下に記載した評価を行った。結果は表
3に示した。
帯電量測定 前記キャリアにトナー1〜8の計8サンプルを8wt%
のトナー濃度にして、100ccのポリ瓶に60gを入れ、毎分
120rpmの架台に乗せ3分、10分、30分後の各々の帯電量
(Qf)を求めた。
耐湿経時後の帯電量減衰量 帯電量を測定した(30分間混合撹拌した際の帯電量:Q
f(30分))現像剤を35℃、85%の環境下に瓶の蓋を開
いて、3日間放置した後の帯電量(Qf(35℃−85%−3d
ays))を測定し、下記の式で耐湿経時後の帯電量の減
衰量を求めた。
10%未満のときは何ら問題なし 10〜15%のときは若干高温多湿時のID上昇トナーコボレ
の懸念あるものの実用的には使用可能 16%以上のときは実用的に不可 飛散量測定 またキャリアとトナー濃度を10wt%にし、3分混合後
の飛散量を、下記の装置を使用して求めた。
マグネットとその回りにスリーブを有するマグネット
ローラーの上に、上記のトナー濃度10wt%の現像剤を10
gセットし、マグネット1000rpm(高速現像のシステム速
度45cm/sec)に回転したとき、飛散するトナーを柴田化
学社製デジタル粉塵計を用いて1分間計測した。
・100cpm以下は極めて良好 ・300cpm以下の場合実用的に使用可能な飛散量で実用機
の中にあっても、飛散によるトラブルはほとんど見られ
ないが、500cpm以上、特に1000cpmを越えると、飛散が
ひどく、現像装置周辺を汚したり、カブリ発生のトラブ
ルの原因となる。
画面テスト キャリアIをトナーを8wt%のトナー濃度になるよう
に1のポリ瓶に入れ、ボールミル架台にのせ10時間、
120rpmで現像剤を調製する。この現像剤をミノルタカメ
ラ社製EP870およびこれを一部改造し感光体を有機積層
感光体に変えたものに入れ100K枚の耐刷テストをし、カ
ブリやトナーの飛散によるコボレの有無を評価し、以下
のようにランク付けした。
5:カブリは全くなし。
4:カブリがわずかに認められる。
3:カブリ若干認められるが実用上問題なし 2:カブリが多い 1:カブリが非常に多い キャリア付着 画像上および文字回りのキャリア付着について調べ
た。
◎;キャリア付着全くなし ○;文字回りにわずかにあるが実用上問題なし △;画像中にキャリアが付着し、ところどころ転写ム
ラが残っている ×;キャリア付着が極めて多い 複写機内トナーコボレ 100K枚後の複写機内に飛散したトナーや現像器からコ
ボレたトナーを調べた。
◎ 全く機内汚染なし ○ 実用上ほとんど問題なし △ 10K枚では問題なかったが50K枚でメンテが必要 × 20K枚のメンテをしないと、コピー紙の裏よご
れ、チャージムラ、転写ムラを生じる 感光体フィルミング トナー組成の一部が感光体上にうすくフィルミングす
ると、感光体の光感度が低下し、残留電位が上昇してカ
ブリとなる。このフィルミングの程度をミノルタカメラ
社製EP870(複写速度35.0cm/s)を使用し、100K枚の耐
刷テストした後の感光体の表面を評価し、下記の様にラ
ンク付けた。
◎:全くフィルミングなし。
○:現像剤のふれた部分とそうでない部分の光沢が違
うが実用上何ら問題なし。
△:うっすらフィルミングし、露光ダイヤルを半目盛
露光オーバーにしないと適正位置がずれる。
×:はっきりと分かるフィルミング。
(ハーフトーンをとるとフィルミング部分とそうでない
部分の濃淡がつく。) ××:露光ダイヤルでの適正位置はない。
クリーニング性 50K枚又は100K枚後に前半に黒ベタのコピーを50枚コ
ピーしたあとのクリーニング性を評価した。
◎:全くクリーニング不良なし ○:極くわずかに認められるものの実用上問題なし △:すじ状のクリーニング不良が観察される ×:クリーニング不良多発 画像濃度 初期と10K枚及び100K枚耐刷後の画像濃度をマクベス
濃度計により評価した。
膜厚測定および感光体の目視検査、画像の目視検査に
よる総合評価を100K耐刷後に行ない、以下のようにラン
ク付けした。
◎:感光体のケズレ、傷がほとんどなし ○:感光体に若干ケズレ、傷が認められるものの画像
上に影響なし △:画像上に若干ノイズが発生 ×:感光体のケズレ、傷がひどく、画像ノイズも多い 以上の結果を表3にまとめて示した。
発明の効果 本発明に従い、トナーおよびキャリア両粒子にある一
定の割合の磁性粉を含有させることによりトナー飛散が
抑えられた、帯電立ち上がりが良好で、また現像特性も
劣化せず、カブリやトナーコボレの少ない現像剤あを得
ることができる。特に、0.05〜0.20μmの小粒径・球状
の磁性粉を含有させた小粒径トナー使用することにより
高精細・高画質の画像を形成することができる、感光体
を傷付けることもない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、トナー1の調製に使用した球状小粒径の磁性
粉の粒子構造を示す写真である。 第2図はトナー8の調製に使用した磁性粉の粒子構造を
示す写真である。 第3図はトナー9の調製に使用した磁性粉の粒子構造を
示す写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 郡 俊太郎 大阪府大阪市中央区安土町2丁目3番13 号 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式 会社内 (56)参考文献 特開 昭63−220258(JP,A) 特開 昭61−155223(JP,A) 特開 昭63−105901(JP,A) 特開 昭64−15752(JP,A) 特開 昭63−249859(JP,A) 特開 平1−298371(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/083 G03G 9/107

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キャリアとトナーからなる二成分現像剤に
    おいて、該トナーが平均粒径3〜13μmであり、少なく
    とも磁性粉、着色剤および結着樹脂からなり、結着樹脂
    100重量部に対して0.5〜15重量部の磁性粉を含有し、該
    磁性粉が0.05〜0.20μmの平均粒子径を有する球状磁性
    粉であることを特徴とする二成分現像剤。
  2. 【請求項2】キャリアが、100℃における粘度が105〜10
    7センチポイズである結着樹脂に磁性粉を分散してなる
    バインダー型キャリアである請求項1記載の二成分現像
    剤。
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