JP2835884B2 - 車両安全装置の制御システム - Google Patents

車両安全装置の制御システム

Info

Publication number
JP2835884B2
JP2835884B2 JP4065691A JP4065691A JP2835884B2 JP 2835884 B2 JP2835884 B2 JP 2835884B2 JP 4065691 A JP4065691 A JP 4065691A JP 4065691 A JP4065691 A JP 4065691A JP 2835884 B2 JP2835884 B2 JP 2835884B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electromagnet
permanent magnet
reed switch
spring
delay time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4065691A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05147493A (ja
Inventor
邦博 竹内
正巳 岡野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asco KK
Original Assignee
Asco KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asco KK filed Critical Asco KK
Priority to JP4065691A priority Critical patent/JP2835884B2/ja
Publication of JPH05147493A publication Critical patent/JPH05147493A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2835884B2 publication Critical patent/JP2835884B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air Bags (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エアバック等の車両安
全装置のための制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】エアバックのための制御システムで最も
簡単なものは、エアバックのスキブと直列に接続された
メカニカルスイッチ手段を備えたものである。車両衝突
時には、慣性力でメカニカルスイッチ手段がオンしスキ
ブに電流が供給されてエアバックが膨張する。メカニカ
ルスイッチ手段は、実開平2ー5371号に開示されて
いるように、マイクロコンピュータの暴走に対処する手
段としても装備される。すなわち、この公報の制御シス
テムは、スキブに直列接続されたトランジスタ(メイン
スイッチング手段)とメカニカルスイッチ手段を備え、
さらに、加速度検出回路と、加速度検出回路からの減速
度信号に基づき車両衝突の有無を判定するマイクロコン
ピュータを備えている。マイクロコンピュータが衝突で
あると判定した時にトランジスタにオン指令信号を送っ
てトランジスタをオンにするが、この時には、メカニカ
ルスイッチ手段が既にオンしているため、スキブに電流
が供給されてエアバックが膨張する。車両衝突ではない
にも拘わらずマイクロコンピュータが暴走してトランジ
スタにオン指令信号を出力した時には、メカニカルスイ
ッチ手段はオフのままであるから、エアバックの誤作動
を防止することができる。
【0003】上記メカニカルスイッチ手段の一つとし
て、リードスイッチと、走行方向に沿って移動可能な永
久磁石と、この永久磁石を走行方向(前方)と反対方向
に付勢するスプリングとを備えたものがある。衝突時に
は永久磁石が慣性力によりスプリングに抗して前方へ移
動し、リードスイッチがオンになる。このような構成の
メカニカルスイッチ手段が正常であるか否かをテストす
る手段は公知である。詳述すると、永久磁石の近くには
電磁石が装備されている。電磁石の電流制御回路にテス
ト信号出力手段からワンパルスのテスト信号が供給さ
れ、これにより電磁石に励磁力が生じ、この励磁力で永
久磁石が一時的にスプリングに抗して前方へ移動し、リ
ードスイッチをオンにする。故障判定手段はこのテスト
信号に応答してリードスイッチがオンになった時には正
常であると判断し、否の場合には故障であると判断する
のである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記メカニカルスイッ
チ手段において、スプリングが長期使用により弱くなっ
たり破損している場合には、永久磁石は弱い衝撃で前方
へ移動してリードスイッチをオンにしてしまうので、エ
アバックの誤作動を招く。上記テストでは、スプリング
の異常に起因して永久磁石の動特性に変化が生じても、
これを見落としてしまう。なお、特開昭63ー2414
67号には、加速度センシング回路のピエゾ素子にテス
ト信号を供給してその故障を検出する手段が開示されて
いる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる制御シス
テムは、図1に示すように、メカニカルスイッチ手段2
を備えている。このメカニカルスイッチ手段2は、車両
安全装置1に直列接続されたリードスイッチと、走行方
向に沿って移動可能な永久磁石と、永久磁石を走行方向
と反対方向に付勢するスプリングとを備えている。車両
衝突時には永久磁石が慣性力でスプリングに抗して移動
することによりリードスイッチをオンにし、車両安全装
置を作動に導く。制御システムは、メカニカルスイッチ
手段2をテストするために、永久磁石の近傍に配置され
た電磁石3と、電磁石3への電流供給を制御する電流制
御回路4と、電流制御回路4にテスト信号を出力して電
磁石3への電流供給を促し、電磁石3に生じる励磁力に
より永久磁石をスプリングに抗して一時的に強制移動さ
せてリードスイッチをオンさせるテスト信号出力手段5
とを備えている。本発明の制御システムは上記構成の他
に、遅れ時間検出手段6と補償信号出力手段7を備えた
ことを特徴とする。遅れ時間検出手段6は、上記テスト
信号に対するリードスイッチの作動遅れ時間を検出す
る。補償信号出力手段7は、上記遅れ時間に基づき電流
制御回路に補償信号を出力し、スプリングの付勢力を補
償する方向の励磁力を電磁石に生じさせる。
【0006】
【作用】テスト信号が電流制御回路4に出力開始されて
からリードスイッチがオンするまでには、主に永久磁石
の移動に起因して遅れ時間が生じる。同様に、テスト信
号の出力停止からリードスイッチがオフになるまでに遅
れ時間が生じる。遅れ時間検出手段6は、このオン遅れ
時間またはオフ遅れ時間を検出する。例えば、スプリン
グが長期使用により弱くなっている場合には、上記オン
作動遅れ時間は短くオフ遅れ時間は長い。補償信号出力
手段7は、例えば検出されたオン遅れ時間が短い時に
は、補償信号を電磁制御回路4に出力することにより、
永久磁石に対してスプリングと同方向に作用する励磁力
を電磁石3に発生させる。このようにして、スプリング
の劣化を補い、永久磁石の動特性を安定させ、車両安全
装置1の誤作動を確実に防止する。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図2〜図8を参照し
て説明する。まず、図2を参照して、メカニカルスイッ
チ手段10の構造を説明する。メカニカルスイッチ手段
10はボデイ11を備えている。ボデイ11は軸芯が車
両の長手方向すなわち走行方向に沿って配置された円筒
部11aと、円筒部11aの一端を塞ぐ前端壁11b
と、円筒部11aの中間部に配置された仕切壁11cと
を有している。前端壁11bの中央と仕切壁11cの中
央には、円筒部11aと同芯をなすガイド棒12の両端
が支持されている。ガイド棒12には環状の永久磁石1
3がスライド可能に支持されている。永久磁石13の軸
方向の両端部がそれぞれS極,N極をなす。前端壁11
bと永久磁石13との間には圧縮状態のコイルスプリン
グ14が配置されており、永久磁石13を仕切壁11c
方向すなわち後方に付勢している。円筒部11a内には
前端壁11bと仕切壁11cとの間に位置してリードス
イッチ15が収容されている。リードスイッチ15はガ
イド棒12と平行に延びる容器15aと、容器15a内
で対向する固定リード片15bと可動リード片15cを
備えている。更に、ボデイ11内には、仕切壁11cを
挟んで永久磁石13と対向するテスト用の電磁石16が
配置されている。仕切壁11c,ガイド棒12は非磁性
材料からなる。上記メカニカルスイッチ手段10におい
て、車両衝突時には、永久磁石13が慣性力によりスプ
リング14に抗して前方へ移動し、リードスイッチ15
をオンさせる。
【0008】図3はエアバック(車両安全装置)のスキ
ブSを制御する制御システムの概略を示している。制御
システムは、車両の加速度,減速度を検出する加速度検
出回路20と、マイクロコンピュータ30と、スキブS
のための駆動回路40を基本構成として備えている。
【0009】上記加速度検出回路20は、加速度,減速
度に対応した電圧信号を出力するピエゾ素子等の加速度
センサと、必要な増幅回路を含むものである。加速度検
出回路20からの加速度または減速度を表す電圧信号
は、アナログ・デジタルコンバータADC1に送られて
デジタルデータに変換され、マイクロコンピュータ30
の入力ポートI1に供給される。
【0010】上記駆動回路40は、メカニカルスイッチ
手段10のリードスイッチ15とトランジスタ41(メ
インスイッチング手段)とを、バッテリーVBからグラ
ンドに向かって順に直列接続してなる。これらリードス
イッチ15とトランジスタ41との間にエアバックのス
キブSが接続されている。スキブSは、リードスイッチ
15とトランジスタ41の両方ともオンした時にのみエ
ネルギーリザーバからの電流供給を受けて点火され、エ
アバックの膨張を実行する。トランジスタ41のベース
にはマイクロコンピュータ30の出力ポートP4が接続
されている。
【0011】上記リードスイッチ15とスキブSとの接
続点Pは、大きな抵抗42を介して定電圧回路Vccに
接続されている。接続点Pの電圧Vpはアナログ・デジ
タルコンバータADC2を介してマイクロコンピュータ
30の入力端子I2に供給される。
【0012】メカニカルスイッチ手段10をテストする
ための電磁石16は、電流制御回路50に接続されてい
る。この電流制御回路50はマイクロコンピュータ30
の出力ポートP1,P2,P3から出力される信号に基づ
いて、電磁石16への電流供給の制御を行う。
【0013】次に、図4を参照しながら上記電流制御回
路50について詳述する。電流制御回路50は、定電圧
回路Vccからグランドに向かって順に接続されたPN
P型トランジスタ51a,NPN型トランジスタ52
a,抵抗53aからなる直列回路と、同様に定電圧回路
Vccとグランドとの間に順に接続されたトランジスタ
51b,52b,抵抗53bからなる直列回路を備えて
いる。上記電磁石16の一端は、一方の直列回路のトラ
ンジスタ51a,52a間に接続され、他端は他方の直
列回路のトランジスタ51b,52b間に接続されてい
る。マイクロコンピュータ30のポートP3は、インバ
ータ54aを介してトランジスタ51aのベースに接続
され、バッファ54bを介してトランジスタ51bのベ
ースに接続され、インバータ54cと抵抗55aを介し
てトランジスタ52aのベースに接続され、バッファ5
4dと抵抗55bを介してトランジスタ52bのベース
に接続されている。出力ポートP3がローレベルの時に
は、トランジスタ51b,52aがオンするため、電磁
石16には図4の矢印A方向の電流が流れ、その結果、
電磁石16には永久磁石13を遠ざけるような励磁力が
発生する。出力ポートP3がハイレベルの時にはトラン
ジスタ51a,52bがオンするため、電磁石16には
図4の矢印B方向の電流が流れ、その結果、電磁石16
には永久磁石13を引き付けるような励磁力が発生す
る。このように、出力ポートP3の出力レベルは電磁石
16への電流供給の方向、すなわち励磁力の方向を決定
する。
【0014】上記電流制御回路50において、トランジ
スタ52a,52bのベースは、それぞれダイオード5
6a,56bを介してマイクロコンピュータ30のポー
トP1に接続されている。ダイオード55a,55bの
カソードはそれぞれポートP1を向いている。出力ポー
トP1がハイレベルの時には、ダイオード55a,55
bはオフ状態にあり、出力ポートP3によるトランジス
タ52a,52bのオン,オフ制御に影響を及ぼさな
い。出力ポートP1がローレベルの時には、ダイオード
55a,55bがオンになるため、トランジスタ52
a,52bのベース電圧がグランドレベルとなってトラ
ンジスタ52a,52bがオフになり、その結果、電磁
石16に電流が供給されない。このように、出力ポート
1の出力レベルは、電磁石16への電流供給,および
停止を決定する。
【0015】上記電流制御回路50において、トランジ
スタ52a,52bのベースは、それぞれ抵抗57a,
ダイオード58aおよび抵抗57b,ダイオード58b
を介して、マイクロコンピュータ30のポートP2に接
続されている。ダイオード58a,58bのカソードは
それぞれポートP2を向いている。出力ポートP2がハイ
レベルの時には、ダイオード58a,58bがオフとな
るため、トランジスタ52a,52bのうちオン状態で
ある一方のトランジスタのベース電圧は、インバータ5
4cまたはバッファ54dの出力電圧と等しく、比較的
高い第1レベルにある。出力ポートP2がローレベルの
時には、ダイオード58a,58bがオンとなるため、
トランジスタ52a,52bのうちオン状態にある一方
のトランジスタのベース電圧は、インバータ54cまた
はバッファ54dの出力電圧を、抵抗55a,57aま
たは抵抗55b,57bで分圧することにより得られ、
比較的低い第2レベルにある。したがって、出力ポート
2の出力レベルは、トランジスタ52a,52bのう
ちオン状態のトランジスタのベース電圧を決定し、ひい
ては電磁石16へ供給される電流の大きさ,すなわち電
磁石16の励磁力の大きさを決定する。
【0016】図3に示すように、制御システムは、トラ
ンジスタ61によって制御される警報ランプ60を備え
ている。トランジスタ61のベースは、マイクロコンピ
ュータ30の出力ポートP5に接続されている。
【0017】上述構成の概略的な作用について述べてお
く。マイクロコンピュータ30では、加速度検出回路2
0からの信号に基づき衝突の有無を判定し、衝突と判定
した時には、出力ポートP4からトランジスタ41にオ
ン指令信号を出力する(詳しくは後で述べる)。他方、
メカニカルスイッチ手段10が衝突の際にオンになる条
件はマイクロコンピュータの衝突判定条件より甘いの
で、メカニカルスイッチ手段10が正常であれば、マイ
クロコンピュータ30での衝突判定の際には既にオンに
なっている。その結果、スキブSにバッテリVBから電
流が供給され、エアバックの膨張が実行される。マイク
ロコンピュータ30が暴走した時には、衝突でないにも
拘わらずマイクロコンピュータ30の出力ポートP4
らトランジスタ41にオン指令信号が出力される場合も
ある。しかし、衝突状態でなければメカニカルスイッチ
手段10がオフのままであるから、エアバックの誤作動
を防止することができる。
【0018】次に、マイクロコンピュータ30によって
実行されるトラジスタ41とメカニカルスイッチ手段1
0のためのテストルーチンについて説明する。テストル
ーチンは、メインルーチンの一部であり、イグニッショ
ンキースイッチオンすなわちパワーオン直後に実行され
る。詳述すると、イニシャライズ後に、駆動回路40の
接続点Pの電圧Vpがαより低いか否かを判断する(ス
テップ100)。αは、定電圧Vccより高く、バッテ
リ電圧VBより低く設定されている。定電圧Vccが5
Vでバッテリ電圧VBが12Vの場合、αは例えば6V
である。ステップ100で否定判断した場合、すなわち
メカニカルスイッチ手段10がオン故障しているため接
続点Pにバッテリ電圧VBが印加されていると判断した
場合には、故障フラグNG0をセットし(ステップ10
1)、後述するステップ130(図7)に進む。
【0019】上記ステップ100で肯定判断した場合に
は、接続点電圧Vpがβより高いか否か判断する(ステ
ップ100′)。βはグランド電圧より高く定電圧Vc
cより低く設定されている。ステップ100′で否定判
断した場合、すなわちトランジスタ41がオン故障して
いるため、接続点電圧Vpがほぼグランドレベルまで落
ちていると判断した場合には、故障フラグNG1をセッ
トして(ステップ101′)、後述のステップ300へ
進む。
【0020】上記ステップ100,100′で肯定判断
した場合、すなわちメカニカルスイッチ手段10および
トラジスタ41がオン故障ではないと判断した場合に
は、出力ポートP1,P2,P3をすべてハイレベルにす
る(ステップ102)。これにより矢印B方向(図3)
の比較的大きな電流が電磁石16に流れ、電磁石16に
生じた励磁力で永久磁石13は電磁石16に引き付けら
れる。その結果、たとえスプリング14が弱くても、永
久磁石13はスプリング14の力と電磁石16の励磁力
を合わせた強いバイアス力により、リードスイッチ15
から離れる方向に付勢されて仕切壁11cに当たり、以
後、リードスイッチ15のオフ状態は確実に維持され
る。
【0021】次のステップ103でタイマTがカウント
を開始する。そして、タイマTによる経過時間が所定時
間T0を越えたか否かを判断し(ステップ104)、越
えた場合には出力ポートP4をハイレベルにする(ステ
ップ105)。トランジスタ41が正常であれば、出力
ポートP4がハイレベルになった時にオンし、接続点電
圧Vpはほぼグランド電圧まで下がる。トランジスタ4
1が故障していると、接続点電圧Vpは定電圧Vccの
まま維持される。次に、接続点電圧Vpが上記βより低
いか否かを判断する(ステップ106)。ステップ10
6で否定判断した場合、すなわち、トランジスタ41が
オフ故障であると判断した時には、故障フラグNG2
セットしてステップ108に進む。ステップ106で肯
定判断した場合、すなわちトランジスタ41が正常であ
ると判断した場合には、ステップ107をパスしてステ
ップ108に進む。ステップ108では、出力ポートP
1,P2,P3をローレベルにして電磁石16への電流供
給を停止し、出力ポートP4をローレベルにしてトラン
ジスタ41をオフにする。
【0022】上述したように、ステップ105〜107
までのトランジスタ41のテストに先立って、メカニカ
ルスイッチ手段10がオン故障していないことを確認す
るので(ステップ100参照)、テストの際にトランジ
スタ41がオンしても(ステップ105参照)、スキブ
Sに電流が供給されずエアバックの誤作動を防止するこ
とができる。また、トランジスタ41のテストに先立っ
て、永久磁石13を電磁石16で引き付けることによ
り、永久磁石13が車両の振動等でリードスイッチ15
方向へ移動するのを禁じるので(ステップ102参
照)、トランジスタ41がテストの際にオンしてもエア
バックの誤作動をより確実に防止することができる。
【0023】引き続いて、図6に示すメカニカルスイッ
チ手段10のテストを行う。まず、メカニカルスイッチ
手段10がテスト中であることを表すテストフラグTF
をセットする(ステップ110)。次に、出力ポートP
3をローレベルにしたまま出力ポートP1,P2をハイレ
ベルにする(ステップ111…テスト信号の出力開
始)。これにより、矢印A方向(図3)の比較的大きな
電流が電磁石16に流れ、電磁石16に励磁力が生じ
る。この励磁力により、永久磁石13はスプリング14
に抗して電磁石16から離れる方向すなわちリードスイ
ッチ15方向の力を受ける。スプリング14およびリー
ドスイッチ15が正常である場合には、テスト信号の出
力(ステップ111参照)から、主に永久磁石13の移
動時間分遅れてリードスイッチ15がオンする。このオ
ン遅れ時間は、T1〜T2を許容範囲とする。
【0024】次に、タイマTを再スタートさせ(ステッ
プ112)、接続点電圧Vpが上記αより高いか否かを
判断する(ステップ113)。接続点電圧Vpがαより
高いことは、リードスイッチ15がオンしていて接続点
電圧Vpがバッテリ電圧VBになっていることを意味
し、αより低いことはリードスイッチ15がオフしてい
て接続点電圧VpがVccのままであることを意味す
る。スキブ113で否定判断した場合には、タイマによ
って計測される経過時間Tが時間T3を越えたか否かを
判断する(ステップ114)。時間T3は、上記許容範
囲の上限値T2より長い。ステップ114で否定した判
断の場合にはステップ113に戻り、以下ステップ11
3,114を繰り返し実行する。ステップ114で肯定
判断した場合には、リードスイッチ15がオフのまま故
障しているとして、故障フラグNG3をセットし(11
5)、後述するステップ130に進む。
【0025】上記ステップ113で経過時間がT3に達
する前に肯定判断に切り替わった時には、レジスタTx
にタイマで計測された経過時間をストアする(ステップ
116)。レジスタTxにストアされた経過時間は、上
記オン遅れ時間を表している。次に、このオン遅れ時間
Txが上記許容範囲の下限T1以上か否かを判断する
(ステップ117)。肯定判断の時には、オン遅れ時間
Txが上記許容範囲の上限T2以下か否かを判断する
(ステップ118)。ステップ118で肯定判断した場
合、すなわちオン遅れ時間が許容範囲(T1≦Tx≦
2)にあり、メカニカルスイッチ手段10が正常であ
ると判断した場合には、出力ポートP1,P2,P3をロ
ーレベルにする(ステップ119…テスト信号の出力停
止)。これにより、電磁石16への電流供給は停止さ
れ、電磁石16の励磁力はなくなる。
【0026】上記ステップ117で否定判断した場合、
すなわち遅れ時間Txが許容範囲の下限値T1より短い
と判断した場合には、スプリング14の力が弱くなって
いるとして、故障フラグNG4をセットし(ステップ1
20)、次に出力ポートP1をハイレベルに維持したま
ま、出力ポートP2をローレベルに、出力ポートP3をハ
イレベルに切り換える(ステップ121…テスト信号出
力停止と補償信号出力開始)。これにより、電磁石16
には、テスト信号供給時とは逆向きでしかもテスト信号
供給時より小さい電流が供給される。この電磁石16の
励磁力は、弱いスプリング14を助けるように補償する
ものであり、永久磁石13を引き付ける方向に働く。
【0027】上記ステップ118で否定判断した場合、
すなわち遅れ時間Txが許容範囲の上限値T2より長い
と判断した場合には、スプリング14の力が強すぎると
して、故障フラグNG5をセットし(ステップ12
2)、次に出力ポートP1をハイレベルに維持し、出力
ポートP3をローレベルに維持したまま、出力ポートP2
をローレベルに切り換える(ステップ123…テスト信
号出力停止と補償信号出力開始)。これにより、電磁石
16には、テスト信号供給時と同方向でしかもテスト信
号供給時より小さい電流が供給される。この電磁石16
の励磁力は、強いスプリング14の力を減殺するように
補償するもので、永久磁石13を遠ざける方向に働く。
【0028】上記ステップ119,121,123のい
ずれかを実行した後、タイマTを再スタートさせ(ステ
ップ124)、所定時間T4経過したか否かを判断し
(ステップ125)、所定時間T4経過後にテストフラ
グTFをリセットする(ステップ126)。この時間T
4はテスト信号出力停止からリードスイッチ15がオフ
するまでの遅れ時間(主に永久磁石13の移動に起因す
る)を考慮して決定される。すなわち、テスト信号出力
停止から時間T4経過した時点すなわちテストフラグT
Fをリセットした時点では、確実にリードスイッチ15
がオフになっていることが要求される。なお、スプリン
グ14の力が弱い場合には、電磁石16の励磁力で補償
するので、テスト信号出力停止から上記時間T4経過す
るまでには、永久磁石13をリードスイッチ15がオフ
する位置へ戻すことができる。
【0029】上記説明から明らかなように、図6のステ
ップ111はテスト信号出力手段を構成する。ステップ
112,113,116,117,118は遅れ時間検
出手段を構成する。ステップ121,123は補償信号
出力手段を構成する。
【0030】次に、第7図に示すように、故障フラグN
0〜NG5がセットされているか否かを判断する(ステ
ップ130)。いずれかの故障フラグがセットされてい
る場合には、出力ポートP5からトランジスタ61へハ
イレベルの信号を出力して警報ランプ60を点灯させ
(ステップ135)、テストルーチンを終了する。
【0031】他方、マイクロコンピュータ30は、第8
図のタイマー割込ルーチンを一定周期毎に実行する。ま
ず、衝突判定フラグCRがリセット状態か否かを判断す
る(ステップ140)。リセット状態であると判断した
場合には、加速度検出回路20からの減速度Gの積分を
行う(ステップ141)。すなわち、前回の割込ルーチ
ンで求められた積分値Δvに減速度Gを加えて、現在の
積分値Δvを求める。なお、加速状態である場合には、
割込ルーチン実行毎に前回の積分値Δvから一定値を減
算して現在の積分値Δvを求める。次に、上記積分値Δ
vがスレッショルドレベルTh未満かを判断する(ステ
ップ142)。未満である場合には、メインルーチンに
戻る。ステップ142で積分値Δvがスレッショルドレ
ベルTh以上であると判断した場合、すなわち衝突が生
じたと判断した場合には、衝突判定フラグCRをセット
し(ステップ143)、次にテストフラグTFがリセッ
ト状態か否かを判断する(ステップ144)。リセット
状態であると判断した場合、すなわちメカニカルスイッ
チ手段10のテスト中でないと判断した場合には、出力
ポートP4をハイレベルにすることにより、トランジス
タ41をオンし、エアバックの膨張を実行する。ステッ
プ144でテストフラグTFがセットされていると判断
した場合には、ステップ145をパスしてメインルーチ
ンに戻る。上記テストフラグTFがセットされている最
中に衝突判定フラグCRをセットした場合(ステップ1
42,143参照)には、これ以降の割込ルーチンで
は、ステップ140で否定判断し、ステップ141,1
42,143をパスしてステップ144で否定判断し、
割込ルーチン毎にこのステップ140,144を繰り返
し実行する。そして、メカニカルスイッチ手段10のテ
ストが終了し、遅れ時間T4を見込んでリードスイッチ
15が確実にオフになった時に、テストフラグTFがリ
セットされると(図6のステップ126)、その直後に
実行される割り込みルーチンでは、ステップ144で肯
定判断し、ステップ145でトランジスタ41をオン作
動させてエアバックを膨張させることになる。
【0032】第8図のタイマー割込ルーチンは実質的に
衝突判定手段を構成している。上述したように、このル
ーチンにおいて、何らかのエラーで衝突判定することが
あったとしても、メカニカルスイッチ手段10がテスト
中すなわちオン状態にある時には、トランジスタ41が
オンしないので、エアバックの誤作動を防止することが
できる。
【0033】本発明は上記実施例に制約されず種々の態
様が可能である。例えば、テストルーチンは車両停止毎
に行ってもよい。また、遅れ時間の程度に応じて、電磁
石への電流をほぼリニアに制御してもよい。テスト信号
に対するリードスイッチのオフ作動遅れ時間を検出し、
このオフ作動遅れ時間に基づいて補償信号を出力しても
よい。この場合、スプリングが弱い時にはオフ作動遅れ
時間が長くなる。補償信号出力手段は、スプリングの力
が弱い場合、すなわちリードスイッチのオン作動遅れ時
間が所定時間より短いか、オフ作動遅れ時間が所定時間
より長い場合にのみ、補償信号を出力するものであって
もよい。本発明の制御システムはエアバックのみならず
シートベルトの締め付け制御にも適用できる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、テス
ト信号に対するメカニカルスイッチ手段のリードスイッ
チの作動遅れ時間に基づき、スプリングの力を補償する
ように電磁石を励磁するため、メカニカルスイッチ手段
の永久磁石の動特性を安定化させることができ、車両安
全装置の誤作動を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御システムの基本的構成を示すブロ
ック図である。
【図2】メカニカルスイッチの一例を示す断面図であ
る。
【図3】本発明に係わる制御システムの一実施例を概略
的に示す回路図である。
【図4】図3の電流制御回路の詳細な回路図である。
【図5】図3のマイクロコンピュータで実行されるテス
トルーチンの最初の部分を示すフローチャートである。
【図6】テストルーチンにおいて図5の後に実行される
部分を示すフローチャートである。
【図7】テストルーチンにおいて図6の後に実行される
部分を示すフローチャートである。
【図8】図3のマイクロコンピュータで実行される衝突
判定のためのタイマー割込ルーチンを示すフローチャー
トである。
【符号の説明】
1,S 車両安全装置 2,10 メカニカルスイッチ手段 3,16 電磁石 4,50 電流制御回路 5 テスト信号出力手段 6 遅れ時間検出手段 7 補償信号出力手段 13 永久磁石 14 スプリング 15 リードスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60R 21/32 G01P 21/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)メカニカルスイッチ手段。このメカ
    ニカルスイッチ手段は、車両安全装置に直列接続された
    リードスイッチと、走行方向に沿って移動可能な永久磁
    石と、永久磁石を走行方向と反対方向に付勢するスプリ
    ングとを備えている。車両衝突時には永久磁石が慣性力
    でスプリングに抗して移動することによりリードスイッ
    チをオンにし、車両安全装置を作動に導く。 (b)永久磁石の近傍に配置された電磁石。 (c)電磁石への電流供給を制御する電流制御回路。 (d)電流制御回路にテスト信号を出力して電磁石への
    電流供給を促し、電磁石に生じる励磁力により永久磁石
    をスプリングに抗して一時的に強制移動させてリードス
    イッチをオンさせるテスト信号出力手段。上記構成を備
    えた車両安全装置の制御システムにおいて、さらに次の
    構成を備えたことを特徴とする車両安全装置の制御シス
    テム。 (e)上記テスト信号に対するリードスイッチの作動遅
    れ時間を検出する遅れ時間検出手段。 (f)上記遅れ時間に基づき電流制御回路に補償信号を
    出力し、スプリングの付勢力を補償する方向の励磁力を
    電磁石に生じさせる補償信号出力手段。
JP4065691A 1991-02-13 1991-02-13 車両安全装置の制御システム Expired - Lifetime JP2835884B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4065691A JP2835884B2 (ja) 1991-02-13 1991-02-13 車両安全装置の制御システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4065691A JP2835884B2 (ja) 1991-02-13 1991-02-13 車両安全装置の制御システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05147493A JPH05147493A (ja) 1993-06-15
JP2835884B2 true JP2835884B2 (ja) 1998-12-14

Family

ID=12586592

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4065691A Expired - Lifetime JP2835884B2 (ja) 1991-02-13 1991-02-13 車両安全装置の制御システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2835884B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05147493A (ja) 1993-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0486186B1 (en) Air bag firing circuit
EP0396265B1 (en) Air bag firing circuit
US5204547A (en) Air bag system for protection of the occupants of motor vehicles
US5038134A (en) Releasing circuit for actuating vehicular safety device
JPH03246139A (ja) 車両安全装置のための制御システム
KR950013357B1 (ko) 승무원 보호장치
US4999775A (en) Power apparatus for diagnosing air bag equipment
US4987276A (en) Deceleration switch
US5493270A (en) Failure monitoring system for passenger restraint unit of automotive vehicle
JPH06321051A (ja) 車両用安全装置の制御システム
US5351185A (en) Malfunction checking control system which checks identification data stored in RAM
JPH01215633A (ja) 定速走行装置のフエイルセーフ装置
KR950001811B1 (ko) 차량 안전 시스템
JPH05246299A (ja) 車両用安全装置の制御装置
JP2835884B2 (ja) 車両安全装置の制御システム
KR970011513B1 (ko) 차량용 안전장치의 제어시스템
US6937143B2 (en) Passenger detecting apparatus for vehicle
US4747460A (en) Fail-safe circuit of a fixed speed traveling apparatus
JPS63207755A (ja) エア−バツク装置駆動回路
JPH05238349A (ja) 車両用安全装置の制御装置
JP4168567B2 (ja) 電磁弁駆動装置
JPH0834311A (ja) 車両用安全装置の制御システム
JP2838854B2 (ja) 車両安全装置の制御システム
JPS60148724A (ja) 車両用定速走行装置
JPH0637019U (ja) 車両安全装置の制御装置