JP2835430B2 - プラズマディスプレイパネル障壁の製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネル障壁の製造方法

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JP2835430B2 JP7306741A JP30674195A JP2835430B2 JP 2835430 B2 JP2835430 B2 JP 2835430B2 JP 7306741 A JP7306741 A JP 7306741A JP 30674195 A JP30674195 A JP 30674195A JP 2835430 B2 JP2835430 B2 JP 2835430B2
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力也 上村
省三 大友
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、プラズマディス
プレイパネル用障壁の製造方法に関し、従来より細幅の
障壁を可能とし、かつ大画面に対応できる製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】プラズマディスプレイパネルは図3に示
すように、アノード10用基板(前面板11)とカソー
ド12用基板(背板13)および障壁14からなり、各
々電極は直角に対向しこの交点間の空間に放電を起こす
ことにより発光させる。このとき光のクロストーク(混
線)を防ぐため、また画面のコントラストを作るため、
黒色の障壁14が設けられている。この障壁14の形状
は、幅約100μm、高さ約100μm以上であり、A
4サイズのパネルの場合、約640本の障壁が形成され
ている。従来この障壁は、セラミック粉末を有機バイン
ダー、溶媒等を混合したペーストを厚膜印刷法でパター
ン形成した後、乾燥、焼成して形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな製造方法は、一般的に以下に示すような問題点があ
る。 厚膜印刷法で形成するために、一回の印刷では形成
可能な厚みはせいぜい十数μmであり、必要な100μ
m以上の高さとするために約10回以上の繰り返し印刷
が必要であった。このため、1回毎の位置合わせが非常
に重要であり、歩留を悪くする要因であった。 厚膜印刷の繰り返しによる製造であるために、障壁
の幅は100μm程度が限界であり、将来の640本以
上のファインパターン化(障壁幅100μm以下)への
対応が難しい。 ステンレスメッシュを用いた厚膜印刷による製造で
あるため印刷面積は、メッシュ原版により制約されA4
サイズを超える大画面化に対応するのが難しくなる。
【0004】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決することであって、即ち、細幅の障壁が確実に形成
可能でかつ、今後の大画面化にも対応できるプラズマデ
ィスプレイパネル障壁の製造方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明
は、プラズマディスプレイパネルを構成するガラス基板
上に障壁を形成する方法であって、セラミック粉末10
0重量部に対して紫外線硬化樹脂を20〜100重量部
含むスリップを、前記ガラス基板上にコーティングし、
該コーティング層の非障壁部をマスクして露光処理を行
う工程を、複数回繰り返して、前記ガラス基板上に前記
コーティング層を所定高さに積層し、次に、前記所定高
さのコーティング層を現像処理して、前記露光処理によ
って硬化した前記障壁をパターニングし、更に焼成して
緻密化処理を行い、その高さが100μm以上の前記障
壁を形成している。ここで、前記焼成によって、前記障
壁の黒色化処理も行う場合も、本発明に含まれる。
【0006】前記発明において、前記のスリップを転写
紙上にコーティングし、該コーティング層を樹脂でオー
バーコートし、転写紙上に転写用フィルムを作成する工
程と、転写紙を水中で剥離して該転写用フィルムをガラ
ス基板上に転写し乾燥後、該オーバーコート樹脂を剥離
し、非露光部(非障壁部)をマスクし露光して第1層を
形成する工程と、該第1層の直上に層間接着力強化用の
溶剤塗布の工程と、前記の工程を数回繰り返して積層
し、所要高さの障壁層とし、現像によりパターニング
し、焼成して形成してもよい。
【0007】先ず、本発明に係るプラズマディスプレイ
パネル障壁の製造方法を、図1の図A〜図Fを用いて説
明する。図Aにおいて、セラミック粉末、紫外線硬化樹
脂および溶剤を混合したスリップをガラス基板1上にコ
ーティングし未露光部のコーティング層2を形成し乾燥
する。図Bにおいて、ガラスマスク3を用いて障壁の一
部となる部分の露光を選択的に行い、コーティング層の
露光部4を形成する。図Cにおいて、露光を行った上記
コーティング層の上に第1層と同様に第2層のコーティ
ング層を形成し乾燥し、露光を行う。図Dにおいて、図
Cの工程を多数回繰り返し行い、コーティング層を所要
の高さ迄積層形成する。図Eにおいて、積層部の一度の
現像で非露光部5を選択的に溶出することによりパター
ニングが終了する。なお、図Dは4層にて図示したが必
要により5層であってもよい。図Fにおいて、パターニ
ングされた基板を焼成することにより、プラズマディス
プレイパネル障壁6が形成される。
【0008】次に、本発明の製造方法を図2の図A〜図
Hを用いて説明する。図Aにおいて、セラミック粉末、
紫外線硬化樹脂および溶剤を混合したスリップを、デキ
ストリンを塗布、乾燥した台紙となる転写紙7上にコー
ティング、乾燥し、未露光部のコーティング層2を形成
する。図Bにおいて、上記コーティング層2の直上に剥
離型オーバーコート樹脂8をコーティング、乾燥して転
写紙7上に転写用フィルム9を形成する。図Cにおい
て、図Bでできたものを水中浸漬して転写紙7から剥が
れた剥離型オーバーコート樹脂8で補強されたコーティ
ング層2をガラス基板1上に転写し乾燥して非露光部
(非障壁部)の第1層を形成する。図Dにおいて、オー
バーコート樹脂8を剥離した後、ガラスマスク3を用い
て障壁の一部となる部分の露光を選択的に行い露光部4
を形成する。図Eにおいて、露光を行った上記第1層直
上に層間接着力強化用溶剤(図示せず)を塗布する。第
2層は第1層と同様の工程で第1層上に転写、乾燥後、
オーバーコート樹脂を剥離したコーティング層に露光を
行い溶剤を塗布する。図Fにおいて、図Eまでの工程を
多数回繰り返し行い、所要厚みまで積層を形成する。な
お、当然に最上層の上の層間接着力強化用溶剤塗布は不
要である。図Gにおいて、積層全体の現像を一度に行
い、非露光部を選択的に溶出することによりパターニン
グを終了する。図Hにおいて、パターニングされた基板
を焼成することにより、プラズマディスプレイパネル障
壁6が形成される。
【0009】本発明は、ガラス基板上にコーティング層
をドクターブレード法とロールコーター法あるいは転写
法で形成し、積層露光を行った後、一度に現像してパタ
ーニングする。また、本方法によれば、未露光部の間隔
の異なるガラスマスクを用いることにより段差のあるパ
ターンも作成できることはいうまでもない。本発明のセ
ラミック粉末としては、焼成後黒色で緻密化した絶縁性
を持つ組成であればよい。
【0010】
【発明の効果】本発明により、従来技術では困難である
細い幅のパターニングおよび従来の紫外線硬化技術でも
不可能であった高アスペクト比のパターニングが可能と
なった。またライン形成にフォトリソグラフィー法を用
いるため印刷法のようなメッシュ原版の制約を受けず大
画面化対応も可能となった。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態により、本発明
をさらに詳細に説明する。 実施例1 重量%でSiO15%、Al20%、Fe
10%、Cr3%、MnO 7%、CoO 2
%、PbO 35%、B8%からなる黒色のセラ
ミック粉末100重量部に、第1表に示すように紫外線
硬化樹脂5〜140重量部および溶剤を混合し、スリッ
プを作成した。紫外線硬化樹脂としては、LR−350
R(サンノプコ株式会社製)を用いた。本発明におい
て、使用する紫外線硬化剤としては、光開始剤によって
紫外線硬化し得る機能を有する樹脂成分に光開始剤を配
合し、さらに必要に応じて各種の添加剤を加えた樹脂組
成物を使用する。溶剤としては、ブチルセルソルブアセ
テートを用いたが、エチルセルソルブ等の溶剤でもよ
い。このスリップをガラス基板上で乾燥後30〜50μ
m厚になるようにコーティング膜の第1層を形成した。
コーティング方法はドクターブレード法、ロールコータ
ー法のいずれの方法でもよい。次に、予め第1層の非露
光部(非障壁部)をガラスマスクにより露光を防いだ
後、高圧水銀灯を用いて紫外線照射を行い、露光部を硬
化させた。照射量は、使用する紫外線硬化樹脂の種類に
より異なるが、コーティング層の底部迄硬化する程度に
行えば十分である。次いで、第2層〜第5層のコーティ
ング、乾燥、露光を繰り返し行い、乾燥厚150〜20
0μmの形成層を得た。次に上記形成層の現像を一度に
行い、非露光部を溶出することにより、パターニングが
終了する。現像液としては、トリクロルエタンを用いた
が、紫外線硬化樹脂の種類により選択すればよい。次に
パターニングされたガラス基板を10℃/minで昇温
し、580℃で焼成することにより、100〜200μ
mの厚みのプラズマディスプレイパネル障壁を形成し
た。焼成温度は、使用するセラミック粉末およびガラス
基板の材質により異なるが、絶縁ペーストが黒色化しか
つ十分緻密化する温度であればよい。セラミック粉末に
対する紫外線硬化樹脂の量は表1に示すように、20%
未満ではパターニング時に露光硬化部の剥離が起こり、
パターニング不能であった。また紫外線樹脂量が100
%を超える場合、焼成の際に膨れを生じ、障壁形成が不
可能であった。このためセラミック粉末100重量部に
対し、配合する紫外線硬化樹脂量を20〜100重量部
とした。
【0012】
【表1】
【0013】形成幅については、表1に示すようにガラ
スマスク幅(紫外線通過幅)が100μmの場合、ライ
ン幅(障壁幅)は110μm、また同じく50μmの場
合は60μmと、使用したガラスマスク幅に対して若干
の拡大があったが、従来の最小幅100μmの技術に対
し約1/2の幅の障壁が形成できた。さらに従来のフォ
トリソグラフィ技術ではセラミック粉末を混合した場
合、アスペクト比(高さ/幅)が約1以下に限定された
が、本発明によりアスペクト比が1以上のパターンの形
成が可能となった。
【0014】実施例2 実施例1と同一のスリップを厚膜印刷法によって、転写
紙上に印刷乾燥し、30〜50μmのセラミック粉末と
紫外線硬化樹脂からなるコーティング層を形成した。コ
ーティング方法としては、ロールコーター法、ドクター
ブレード法等のいずれでもよい。転写紙は、吸水紙上に
デキストリンを約20〜30μm塗布、乾燥したものを
使用した。次にコーティング層直上にオーバーコート樹
脂を約100〜150μm塗布、乾燥し、転写用フィル
ムとした。水中浸漬して、上記転写用フィルムを転写紙
から剥離し、ガラス基板上に転写し、乾燥する。さらに
該転写用フィルムからオーバーコート樹脂を剥離した
後、ガラスマスクにより、非露光部の露光を防ぎ、紫外
線照射を行いコーティング層を硬化させた。転写を行う
際には、各層間に溶剤を塗布した。これは、層間の接着
強度の向上を図るためで、溶剤塗布しないものは、現像
の際に層間でラインの剥離がみられた。なお、この溶剤
として、アセトンやメチルエチルケトン等が用いられ
る。第2層〜第5層の転写、乾燥、オーバーコート樹脂
剥離、溶剤塗布を繰り返し行い、乾燥厚150〜200
μmの形成層を得た。オーバーコート樹脂としては、紫
外線硬化樹脂層を溶解しなければよく、本実施例では三
菱レーヨン製LR−701およびLR−702を用い
た。次に、上記形成層の現像を一度に行い、非露光部を
溶出することによりパターニングが終了する。パターニ
ングされたガラス基板を580℃で1時間焼成して10
0〜120μmの厚みのプラズマディスプレイパネル障
壁を形成した。なお紫外線硬化樹脂量およびライン幅に
ついては、実施例1と同様であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法の一例をA〜Fで図示した
ものである。
【図2】 本発明の他の製造方法の一例をA〜Hで図示
したものである。
【図3】 プラズマディスプレイの構造の一例である。
【符号の説明】
1・・・ガラス基板、2・・・コーティング層(未露光
部)、3・・・ガラスマスク、4・・・コーティング層
(露光部)、5・・・コーティング層(非露光部)、6
・・・障壁、7・・・転写紙、8・・・剥離型オーバー
コート樹脂、9・・・転写用フィルム、10・・・アノ
ード、11・・・前面板、12・・・カソード、13・
・・背面板、14・・・障壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−198792(JP,A) 特表 昭58−502075(JP,A) 米国特許4613560(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 9/02 H01J 11/00 H01J 17/49

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマディスプレイパネルを構成する
    ガラス基板上に障壁を形成する方法であって、 セラミック粉末100重量部に対して紫外線硬化樹脂を
    20〜100重量部含むスリップを、前記ガラス基板上
    にコーティングし、該コーティング層の非障壁部をマス
    クして露光処理を行う工程を、複数回繰り返して、前記
    ガラス基板上に前記コーティング層を所定高さに積層
    し、 次に、前記所定高さのコーティング層を現像処理して、
    前記露光処理によって硬化した前記障壁をパターニング
    し、更に焼成して緻密化処理を行い、 その高さが100μm以上の前記障壁を形成することを
    特徴とするプラズマディスプレイパネル障壁の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記障壁の最終的な高さは、100〜2
    00μmの範囲にある請求項1記載のプラズマディスプ
    レイパネル障壁の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記焼成によって、前記障壁の黒色化処
    理も行う請求項1又は2記載のプラズマディスプレイパ
    ネル障壁の製造方法。
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