JP2835273B2 - 電気かみそり - Google Patents

電気かみそり

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JP2835273B2
JP2835273B2 JP33632493A JP33632493A JP2835273B2 JP 2835273 B2 JP2835273 B2 JP 2835273B2 JP 33632493 A JP33632493 A JP 33632493A JP 33632493 A JP33632493 A JP 33632493A JP 2835273 B2 JP2835273 B2 JP 2835273B2
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健司 原田
正俊 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外刃内面に摺接する複
数の内刃をその長手方向に往復移動させてひげそりを行
うシェービングヘッドを、本体ケースの厚み方向に沿っ
て首振り揺動可能に取付けた電気かみそりに関する。
【0002】
【従来の技術】首振り揺動式シェービングヘッドを備え
る電気かみそりは特開昭64ー56089号公報に記載
されている。この電気かみそりでは、上端にトリマー装
置を備えたスイッチ摘みを本体ケースに上下方向に摺動
可能に取付けており、スイッチ摘みはそのスライド操作
により第1〜第4のスイッチ位置を選択できる。
【0003】第1のスイッチ位置の選択により本体ケー
スに内蔵のモータがオフされ、この第1のスイッチ位置
の上側に設定された第2のスイッチ位置の選択により、
モータをオンして起動できる。第2のスイッチ位置の上
側に設定された第3のスイッチ位置の選択により、起動
状態のままでシェービングヘッドがトリマー装置の突出
位置から外れたディテント位置に配置される。第3のス
イッチ位置の上側に設定された第4のスイッチ位置の選
択により、トリマー装置が突出されるとともに、この装
置が駆動される。
【0004】第1、第2のスイッチ位置では、シェービ
ングヘッドは自由に首振り揺動できる状態にあり、第
3、第4のスイッチ位置ではシェービングヘッドはディ
テント位置に保持されて、その首振り揺動が阻止される
ようになっている。
【0005】この電気かみそりは、スイッチ摘みを第3
のスイッチ位置に摺動させて、シェービングヘッドが首
振り揺動されないようにロックできるから、その状態で
はシェービングヘッドが非首振り揺動式の電気かみそり
と同様に使用できる。そのため、鼻の下(人中)や下唇
の直下など部分を狙って剃る際、シェービングヘッドが
自由に大きく首振り揺動される場合に比較して有利であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のよう
にシェービングヘッドを不用意に揺動しないように固定
して前記狙い剃りをする場合には、本体ケースを鼻の下
等に合わせて最適な角度、つまり外刃の頂点(最大切削
効率部)が肌に直角に当たるように操作する必要があ
る。しかし、このような最適角度を、狙い剃りされる部
分に応じてその都度得ることは難しく、したがって、狙
い剃りの際における操作性がよくないとともにひげの切
断性能がよくないという問題がある。
【0007】本発明の目的は、首振り揺動可能なシェー
ビングヘッドを用いて狙い剃りをする場合の操作性およ
びひげの切断性能を向上できる電気かみそりを得ること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の電気かみそりは、一対の支持突部を有した
本体ケースと、前記一対の支持突部間に位置されて前記
本体ケースの厚み方向に首振り揺動可能に設けられたシ
ェービングヘッドと、このシェービングヘッドに設けら
れた首振り制限用係合部と、首振り揺動する前記シェー
ビングヘッドが接離可能に前記本体ケースに設けられそ
の当接により前記シェービングヘッドの自由な首振り揺
動を制限する揺動規制部と、前記本体ケースにその外部
から操作可能に取付けられて制限位置と非制限位置との
間を移動可能なヘッド制限摘みと、このヘッド制限摘み
に連動してこの摘みと前記シェービングヘッドとの間に
移動可能に設けられ、前記ヘッド制限摘みが前記制限位
置に配置されたときに前記首振り制限用係合部に当接可
能であって、その当接により前記シェービングヘッドの
一方向への揺動を制限するストッパとを具備し、前記揺
動規制部と前記ストッパとにより、前記シェービングヘ
ッドの首振りを前記自由な首振り揺動をする最大首振り
揺動角度よりも小さく制限して、前記シェービングヘッ
ドを小さく首振りできるようにしたことを特徴とするも
のである。
【0009】
【作用】本発明の電気かみそりにおいて、鼻の下などを
狙って剃る場合には、ヘッド制限摘みを非制限位置から
制限位置に移動させて使用する。このヘッド制限摘みの
移動により、それに連動するストッパがシェービングヘ
ッドの首振り制限用係合部に近接ないしは接触して、こ
のシェービングヘッドの一方向への揺動を制限する。
又、シェービングヘッドは本体ケース側の揺動規制部に
より自由な首振り揺動をする最大揺動角度を制限されて
いるので、前記ストッパで前記一方向への揺動を制限し
たときには、シェービングヘッドはその首振り揺動がで
きないように固定されるわけではなく、前記揺動規制部
とストッパとでシェービングヘッドの首振り揺動角度を
小さく制限して、この制限下での小さな首振り揺動を許
容する。
【0010】このようにシェービングヘッドの首振り揺
動角度を、通常の自由な首振り揺動角度に対して小さく
制限できるため、鼻の下等を狙い剃りする際において、
前記制限された首振り揺動角度内でシェービングヘッド
を小さく首振り揺動させることができる。したがって、
その揺動により本体ケースの向きに拘らず、シェービン
グヘッドを狙い剃りする部分に対して略直角に当てるこ
とができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明について、図面に示す一実施例
にもとづき説明する。図1〜図5および図21〜図23
等において1、1は並設される一対の外刃であり、これ
ら外刃1、1は夫々網目状のひげ導入孔2…を形成した
可撓性薄肉金属板により形成されている。外刃1、1
は、各々断面が弧状に湾曲されており、その幅方向一側
縁部には取付孔3…が形成されている。
【0012】これら外刃1、1の前記一側縁部は一対の
外刃取付板4、4に固定されているとともに他側縁部は
中枠5に固定されている。外刃取付板4、4および中枠
5には係止ボス6…が形成されている。外刃1、1の取
付孔3…は、外刃取付板4、4および中枠5の係止ボス
6…にかしめられ、これにより一対の外刃1、1と、外
刃取付板4、4および中枠5が一体的に結合され、これ
らは外刃体7を構成している。
【0013】外刃体7は外刃ホルダ8に取付けられてい
る。外刃ホルダ8は枠形状をなしており、その長手方向
に延びる側壁の内側面には、図1に示すように外刃体7
の外刃取付板4、4が嵌まり合う保持溝9、9が形成さ
れている。外刃体7の外刃取付板4、4が保持溝9、9
に嵌め込まれた場合、外刃取付板4、4は保持溝9、9
内を上下(図1において)に摺動可能となっている。図
3に示されるように中枠5は、その長手方向両端部に形
成した係合孔10を、外刃ホルダ8の端壁8aの中央部
下面に形成した嵌合ボス11に嵌め込んで、この嵌合ボ
ス11をかしめることにより外刃ホルダ8に固定されて
いる。
【0014】図19〜図23に示されるように外刃ホル
ダ8の一方の端部壁8aの下部(図19等において)に
は、例えばその下方に臨む下側面の一部を利用して首振
り制限用係合部としての係合面8bが設けられている。
【0015】図5および図6に示される通り外刃ホルダ
8の両端部壁8aの外面には、外刃体7の回動中心とな
る軸孔12、12が形成されている。これら軸孔12、
12には夫々回動支持台13、13が係合されている。
すなわち、回動支持台13、13の相互に向い合う面に
は、軸孔12、12に嵌まり込む支持軸14、14が突
設されており、これら支持軸14、14により外刃ホル
ダ8を回動自在に支持している。よって、外刃ホルダ8
およびこれに取着された外刃体7は、これら支持軸1
4、14を揺動中心Oとして回動可能に設けられてい
る。この回動は後述する内刃の長手方向と交差する方向
に行われ、それにより、後述する本体ケースの厚み方向
に沿っていわゆる首振り揺動をするようになっている。
【0016】図6等に示されるように少なくとも一方の
回動支持台13には、中立付勢ばね15が取付けられて
いる。中立付勢ばね15は、例えば針金を弓形に曲げる
とともにその両端を相互に略平行となるように折り曲げ
て延長し、これら両端部が回動支持台13に形成した一
対の円弧孔16、16(図6、図8参照)を夫々貫通し
て取付けられている。これら中立付勢ばね15の両端部
は、外刃ホルダ8の一方の端部壁8aの下端面に接して
いる。
【0017】そのため、外刃ホルダ8が首振り揺動した
場合は、外刃ホルダ8の一方の端部壁8aが中立付勢ば
ね15の一端部を押すのでこれが弾性変形し、その後、
この外刃ホルダ8の首振り外力の解除に伴い、中立付勢
ばね15の弾性復帰力が外刃ホルダ8に作用して外刃ホ
ルダ8を中立位置に自動的に復帰させ、よって外刃体7
を常に中立位置に保持できるようになっている。
【0018】回動支持台13、13の相互に向かい合わ
ない面には、図6に示されるように夫々複数の固定ボス
18…が形成されている。これら固定ボス18…を用い
てこれら回動支持台13、13は外刃ケース20に固定
されている。この外刃ケース20は、合成樹脂製品また
はダイキャスト製品の表面をメッキ処理した鞍形の枠形
状をなしており、その長手方向の端壁には図5および図
6等に示されるように固定孔21…が形成されている。
【0019】固定孔21…は前記夫々の端壁に3個づつ
形成されており、回動支持台13、13の固定孔ボス1
8…が嵌め込まれることによって、これら固定ボス18
…と固定孔21…が係合している。固定ボス18…の先
端部はかしめられており、それによって、回動支持台1
3、13が外刃ケース20に固定されている。
【0020】図5、図6、および図8に示されるように
回動支持台13、13には弾性舌片22、22が形成さ
れており、これら弾性舌片22、22の先端には係止爪
23、23が形成されている。これら係止爪23、23
は外刃ケース20の端壁の中央部下端に係止している。
【0021】外刃ケース20は、亜鉛ダイキャスト製で
表面がメッキ処理された支持フレーム30に脱着可能に
取付けられている。支持フレーム30は固定ねじ31…
を介して合成樹脂製の中継連結体32に固定されてい
る。この連結体32は他の固定ねじ33…を介して本体
ケース75に固定されているとともに、図3および図2
1〜図23に示されるようにストッパ通孔32aを有し
ている。又、図3、図21、及び図23に示されるよう
に支持フレーム30にはその長手方向両端に上向きに湾
曲した面を有した揺動規制部30aが設けられている。
この規制部30aは、そこに後述のシェービングヘッド
Hが当ることにより、このヘッドHの自由な首振り揺動
を最大揺動角度に規制するものであり、これら規制部3
0aに前記固定ねじ31が通されている。
【0022】なお、本体ケース75は合成樹脂製の前ケ
ースと後ケースをこれらの開口面同志を合わせて連結し
てなる。このケース75には、図2および図21〜図2
3等に示されるようにモータ70および二次電池72
が、夫々縦の配置で本体ケース75の幅方向に並べて内
蔵されているとともに、電気部品等が実装された図示し
ない回路基板等が内蔵されている。
【0023】支持フレーム30の両端には表側に突出さ
れた支持突部34、34が形成されており、これら突部
34、34の間に外刃ケース20が脱着可能に嵌め込ま
れている。一対の支持突部34、34には夫々取付け孔
35、35が開設されており、外刃ケース20を支持突
部34、34間に嵌め込んだ場合、外刃ケース20に固
定した回動支持台13、13の係止爪23、23が夫々
取付け孔35、35の上辺に引っ掛かるようになってい
る。これにより、外刃ケース20は支持フレーム30に
取付けられている。
【0024】支持フレーム30の取付け孔35、35に
は押圧子36、36が夫々取付けられている。これら押
圧子36、36は取付け孔35、35の外側から閉塞し
ているとともに、取付け孔35、35の上辺に引っ掛か
っている係止爪23、23に対向する押圧突起37、3
7を有している。これら押圧子36、36を押し込む
と、押圧突起37、37が係止爪23、23を押して弾
性舌片22、22を弾性変形させ、これにより係止爪2
3、23が取付け孔35、35の上辺から外れて係合が
解除される。よって、外刃ケース20を支持フレーム3
0から取外すことができるようになっている。
【0025】なお、押圧子36、36はコイルばね3
8、38によって外向きに押されており、引掛け爪3
9、39が支持フレーム30に引っ掛かることにより取
付け孔35、35の閉塞状態を保っている。
【0026】また、図1〜図3等において40、40は
一対の内刃であり、これら内刃40、40は図9に示す
通り、刃台41の長手方向に沿って多数の内刃ブレード
42…を並設して構成されている。これら内刃40、4
0は外刃1、1の内面に摺動自在に当接しており、内刃
ブレード42…が外刃1、1の内面を摺動することによ
り外刃1、1のひげ導入孔2…から導入したひげをカッ
トする。
【0027】図9に示されるように刃台41の下面に
は、複数の丸ボス43…が形成されており、これら丸ボ
ス43…は、図10に示した内刃取付け台45、45の
上面に形成した嵌合孔46…に嵌合されている。そし
て、これら丸ボス43…をかしめることにより内刃4
0、40は夫々内刃取付け台45、45に固定されてい
る。
【0028】内刃取付け台45、45の相対向する側面
の中央部には枢支孔47が夫々形成されており、これら
枢支孔47…には、図11に示す取付け台支持体48、
48に形成された枢支軸49…が嵌合している。このた
め、内刃40、40は取付け台支持体48、48に対
し、シーソー運動自在に支持されている。
【0029】取付け台支持体48、48は、図12に示
す内刃台50に取付けられている。内刃台50には一対
のガイドピン51、51が立設されており、これらガイ
ドピン51、51には取付け台支持体48、48が上下
に摺動自在に嵌め込まれている。これらガイドピン5
1、51にはばね部材としてのコイルばね52、52が
装着されており、これらコイルばね52、52は取付け
台支持体48、48を上向きに押圧している。
【0030】したがって、内刃40、40はこれらコイ
ルばね52、52の付勢力を受けて外刃1、1に押し付
けられている。この場合、各内刃40、40は、夫々独
立したコイルばね52、52により外刃1、1の頂部方
向に押されるようになっている。
【0031】内刃台50は、内刃40、40の長手方向
に沿う端部に、支点軸53、53を設けてあるととも
に、円弧形状のスライド面54、54を形成してある。
この円弧形状のスライド面54、54は、内刃台50が
所定の組付け位置に設置された場合、外刃ホルダ8が首
振り揺動するときの揺動中心Oを中心とした所定半径円
の円周上に形成されている。
【0032】この内刃台50は、図13に示す内刃台受
55に揺動自在に取着されている。駆動部材に相当する
内刃台受55は、両端部に支点軸53、53を受け入れ
る凹溝56、56を形成してあるとともに、スライド面
54、54が摺接する円弧面からなるガイド面57、5
7を形成してある。
【0033】なお、前記外刃体7、外刃ホルダ8、回動
支持台13、内刃40、内刃取付け台45、取付け台支
持台48、内刃台50、コイルばね52、および内刃台
受け55等を備えて、首振り揺動式のシェービングヘッ
ドHが形成されている。
【0034】内刃台50の下面には、保持ボス58が形
成されている。この保持ボス58には、往復駆動体60
に形成した軸部61が嵌合されている。往復駆動体60
は、支持フレーム30と中継連結体32との間に挟まれ
ており、中央部に軸部61を一体に有するとともに、長
手方向両端部に可撓性薄肉部62、62を介して固定フ
ランジ部63、63が形成されている。これら固定フラ
ンジ部63、63は、支持フレーム30と中継連結体3
2とで挟まれ、固定ねじ31により共締めされている。
【0035】往復駆動体60の軸部61は、支持フレー
ム30の中央部に形成した大きな開口の貫通孔64を遊
貫し、内刃台50の下面に形成した保持ボス58に係合
している。なお、貫通孔64には、ひげかすがケース本
体75内に侵入するのを防止するゴム等からなるパッキ
ング65が嵌合されている。
【0036】往復駆動体60の下面には摺動溝66が形
成されている。この摺動溝66は往復駆動体60の長手
方向と直交してその幅方向伸びている。この摺動溝66
には偏心軸67が係合している。偏心軸67は偏心こま
68に偏心して形成したものであり、この偏心こま68
はモータ70のモータ軸71に取着されている。モータ
70は、本体ケース75の前ケース75aの表面に設け
たスイッチ摘み76の操作により、二次電池72を電源
として作動する。偏心こま68は中継連結体32に形成
した挿通孔69を貫通して摺動溝66に係合しているも
のである。
【0037】モータ70は、前ケース75aの裏面(内
面)に突設されたモータ支え81と(図15、図16参
照)前ケース75aの上面壁との間に挟持されている。
このモータ70の上部と下部とには夫々合成樹脂製のベ
ース82、83(図1、図2、および図21、図22参
照)が嵌着されており、上側のベース82には前ケース
75aの前記上面壁を挿通する固定ねじ33が螺合され
る一対のねじ受け82aが設けられている。
【0038】なお、図15中77は前ケース75aの裏
面においてスイッチ摘み76と一緒に移動されるスイッ
チ板であり、これには、可動接点板78が取付けられて
いるとともに、節度凸部79aが形成された可撓変形部
79を有している。節度凸部79aは前ケース75aの
裏面に突設された丸軸状係止凸部80の周面を乗り越え
て、スイッチ摘み76の摺動動作に節度を与えるように
なっている。また、図15および図21〜図23中73
はスイッチ摘み76用のロック釦で、これは常時スイッ
チ摘み76をロック状態に保持し、スイッチ摘み76に
添えられる指の腹で押し込まれることによりロック状態
を解除して、スイッチ摘み76の摺動を可能とするもの
である。
【0039】スイッチ摘み76のON操作によりモータ
70を動作させると、モータ軸71の回転が偏心こま6
8の偏心軸67を偏心回転(旋回運動)させる。偏心軸
67の回転は往復駆動体60に伝えられるが、偏心軸6
7は摺動溝66に係合しているから偏心軸67の偏心回
転運動は、摺動溝66により本体ケース75の前後方向
に向かう運動成分が吸収されることにより、往復駆動体
60に長手方向(本体ケース75の幅方向)の往復運動
を発生させる。
【0040】往復駆動体60は長手方向両端に可撓性薄
肉部62、62を有しているため、前記往復駆動力が与
えられると可撓性薄肉部62、62が撓み変形し、中央
部のみが長手方向(左右方向)に往復運動する。よって
この中央部に形成した軸部61が長手方向に往復運動す
る。この往復運動により、内刃台受55が往復駆動さ
れ、よって内刃台50、取付け台支持体48、48を介
して内刃40、40を長手方向に往復駆動する。
【0041】このため、外刃1、1のひげ導入孔2…よ
り導入したひげは、内刃40、40の内刃ブレード42
…とひげ導入孔2…の剪断作用によりカットされること
になる。
【0042】詳しくは、前記構成の往復動式電気かみそ
りの使用においては、外刃1、1および外刃ホルダ8が
外刃ケース20に対して揺動自在であるから、一対の外
刃1、1の夫々頂部が同時に肌に当たるようになる。つ
まり、外刃ホルダ8は支持軸14、14を中心Oとして
外刃ケース20に回動可能に支持されているから、一対
の外刃1、1のいずれか一方が肌に当たろうとすると偏
荷重が作用して外刃ホルダ8が自動的に前後に傾き(首
振り揺動)、一対の外刃1、1は同時に肌に当接する。
このため前後一対の外刃1、1は、夫々の山の頂部が肌
S(図1参照)に当たることから、前後一対の刃でひげ
を剃ることができ、2度剃りとなり、ひげ剃り効率が高
くなる。
【0043】この場合、各外刃1、1に摺接している内
刃40、40は、内刃台50と取付け台支持体48、4
8との間に設けたコイルばね52、52により夫々外刃
1、1に押し付けられているとともに、前記首振り揺動
時には、内刃台50、コイルばね52、52および取付
け台支持体48、48も内刃40、40と一緒に首振り
揺動するから、夫々の内刃40、40は常に外刃1、1
の頂部の方向に向けて押される。
【0044】すなわち、剃ろうとする肌Sに対し外刃
1、1はその稜線を結ぶ面で接触し、肌Sに対して直角
に当たる一方で、コイルばね52、52が内刃40、4
0と一体的に揺動するので、内刃40、40は図1の矢
印D、Dで示すように、常に外刃1、1の頂部の方向、
すなわち肌Sに対し直角方向に押し付けられるようにな
る。
【0045】このため、外刃1、1の頂部に最大接触圧
が作用し、肌Sからの反力を受けても内刃40、40が
外刃1、1から離れる(逃げる)ことがなく、内刃4
0、40の内刃ブレード42…と外刃1、1の内面とで
隙間を生じることがない。したがって、良好な切れ味を
保つことができ、切削性能が高くなる。
【0046】また、外刃ホルダ8が首振り揺動した場
合、回動支持台13に取着した中立付勢ばね15により
外刃ホルダ8を中立位置に復帰させるから、外刃1、1
が常に本体ケース75の軸線方向に向かうようになり、
この電気かみそりの操作性がよくなる。
【0047】図4等に示されるように本体ケース75の
前ケース75aの表面には、スイッチ摘み76の上方に
位置してヘッド制限摘み91が上下方向に摺動可能に取
付けられている。この摘み91は合成樹脂の一体成形品
であって、図15〜図17に示されるように前ケース7
5aの正面壁裏面に沿う第1板状部92の一端に、本体
ケース75の幅方向一側壁の裏面に沿うように延びる第
2板状部93を設けて、略L字形状をなしている。
【0048】図17に示されるように第1板状部92に
は、上下方向に延びて互いに平行なスリット状をなす一
対のスライド孔94が形成されているとともに、これら
の間に位置して摘み凸部95が形成されている。さら
に、第1板状部92には、第2板状部93側に位置して
上下方向に延びる細長い可撓変形部96が設けられ、こ
の長手方向中間部には節度突部97が形成されている。
【0049】一対のスライド孔94は、前ケース75a
の裏面に一体に突設された一対のガイド突起98の根元
部に夫々嵌合されている。両ガイド突起98は段付き構
造であって、そのガイド孔94から突出された先端部に
は第1板状部92の裏面に重なる合成樹脂製の押さえ板
99が嵌め込まれてかしめ止めされている。この押さえ
板99によりヘッド制限摘み91の取付け状態が維持さ
れているとともに、摘み凸部95が前ケース75aに設
けた開口100を通して本体ケース1の前方に突出され
ている。
【0050】前ケース75aの裏面には、根元部が半円
状をなす段付き構造をなす位置決め突起101、102
が、ガイド突起98および開口100を間において一体
に突設され、これらの先端部には押さえ板99の長手方
向両端部に設けた孔99aが挿入され、それによって押
さえ板99を位置決めしている。そして、第2板状部9
2側の位置決め突起102の根元部は節度凸部97が係
合する係止部として用いられている。
【0051】そのため、ヘッド制限摘み91は、それが
上昇された位置つまり制限位置と、下降された位置つま
り非制限位置とに渡り移動可能に設けられている。そし
て、節度凸部97は、ヘッド制限摘み91が制限位置か
ら非制限位置、またはこの逆に非制限位置から制限位置
に移動されるたびに位置決め突起102の係止部を乗り
越え節度感を与えるとともに、この係止部との係合によ
り前記いずれかの位置にヘッド制限摘み91を保持でき
るようになっている。
【0052】本体ケース75の上端壁の一端部でかつ本
体ケース75の幅方向一端部には、図21〜図23に示
される開口75dが形成され、この開口75dには第2
板状部93の上端が対向されている。この第2板状部9
3の上端部には図16等に示されるように凹溝状をなす
ストッパ受け105が形成されている。そして、開口7
5dは前記中継連結体32の長手方向一端部32a(図
3参照)で塞がれており、この一端部32aにはストッ
パ受け105と対向するガイド孔106が設けられてい
る。
【0053】ガイド孔106にはストッパ107がその
軸方向に摺動可能に貫通して設けられている。ストッパ
107は、その長手方向中間部にガイド孔106より大
径な鍔部107aを有した丸棒状をなし、この鍔部10
7aによりガイド孔106に対して抜け止めされてい
る。ストッパ107はその下端部をストッパ受け105
に係合して支持されている。
【0054】ストッパ107の上部は支持フレーム30
の一端部に上下方向に貫通して設けたガイド通孔108
に挿通されている。ガイド通孔108の上部は狭くなっ
ており、この部分と鍔部107aとの間には、ストッパ
107の上部外周を巻装するコイルばね109が設けら
れている。このばね109によりストッパ107はスト
ッパ受け105との係合を常に保つように下方(第2板
状部93方向)に付勢されている。それによって通常は
図21に示されるように支持フレーム30の外面、特に
上面部からストッパ107の上端が突出することなく保
持されるようになっている。
【0055】ストッパ107は、その上下動に伴い前記
外刃ホルダ8の一方の端部壁8aに設けられた首振り制
限用係合部としての係合面8bに接離可能となるよう
に、この係合面8bの真下に対向して設けられている。
前記ヘッド制限摘み91に連動するストッパ107に与
えられる移動ストロークは、ヘッド制限摘み91を非制
限位置からその上方の制限位置まで移動させた時に、図
22に示されるようにストッパ107の上端が係合面8
bに近接または軽微に接触するように設定されている。
図22に示す状態においてシェービングヘッドHは、前
記揺動中心Oを中心に図22中反時計回りの回動は妨げ
られるが、時計回りの回動は許されるようになってい
る。
【0056】したがって、図21に示されるようにヘッ
ド制限摘み91が非制限位置に保持されているときは、
ストッパ107がシェービングヘッドHの自由な首振り
揺動に何等影響を与えない位置に保持されているから、
ストッパ107とシェービングヘッドHの係合面8bと
が当ることがなく、ひげそり動作においてシェービング
ヘッドHは既述のように揺動中心Oを中心とする時計方
向および反時計方向への自由で大きい首振り揺動をする
ことができる。この自由な首振り揺動は、最大の首振り
揺動角をもってなされ、枠形状をなした外刃ホルダ8の
長手方向に延びる側壁の下縁が前記揺動規制部30aに
当接することによって規制される。
【0057】そして、鼻の下や下唇の直下などを狙って
ひげ剃りを行う場合には、ヘッド制限摘み91を非制限
位置から制限位置に押し上げ操作して行えばよい。そう
すると、図22および図23に示されるように前記摘み
91の移動量に対応してストッパ107がコイルばね1
09のばね力に抗して押し上げられ、その上端部が支持
フレーム30の上方に突出されるとともに、ストッパ1
07の上端がシェービングヘッドHにおける外刃ホルダ
8の係合面8bに直下に近接し、もしくは軽微に接触す
る。この状態は図22に示されており、節度突部97と
位置決め突起102とのクリックにより保持される。
【0058】図22に示された状態では、ストッパ10
7の上端と係合面8bとの係合により、このストッパ1
07を押し込むような揺動中心Oを中心とする図22中
反時計回りのシェービングヘッドHの回動は制限され
る。しかし、時計回りの回動は許される。この時計回り
に回動された状態は図23に示される。この時計回りの
回動は、図23に示されるようにシェービングヘッドH
における外刃ホルダ8の長手方向に延びる側壁の下縁
が、支持フレーム30の揺動規制部30aに当接するこ
とによって規制され、それによって、シェービングヘッ
ドHの回動角θを小さく制限している。つまり、シェー
ビングヘッドHは、ストッパ107と揺動規制部30a
とによって首振り角度が小さく制限されて、小さく首振
り揺動できるようになっている。
【0059】このようなシェービングヘッドHの回動制
限作用により、図21に示される状態での自由な首振り
揺動時の最大首振り揺動角度に比較して小さな首振り揺
動角度θ(図23参照)範囲で、シェービングヘッドH
は首振り揺動を行なう。なお、首振り揺動角度θは例え
ば10°であり、これは既述のストッパ107による回動
制限が行なわれないで自由な首振り揺動をする時の最大
首振り揺動角度の半分である。
【0060】したがって、鼻の下等を狙い剃りする場合
にも、既述のようにシェービングヘッドHを小さく首振
り揺動させ得るので、それに伴い狙い剃りされる部分に
合わせて本体ケース75の向きを最適な角度にわざわざ
向ける手間を要することなく、外刃1の頂点(最大切削
効率部)を肌に直角に当てることができる。そして、首
振り揺動角度θは小さいので、鼻の下等の狙い剃りされ
る部分に対するシェービングヘッドHの押し当ては容易
である。それにより、狙い剃りされる部分のひげを効率
よく切断できる。
【0061】また、以上のようなシェービングヘッドH
の回動制限作用を解除するには、ヘッド制限摘み91を
制限位置からその下方の非制限位置に引き下げればよ
い。そうすると、前記摘み91の変位にしたがってコイ
ルばね109のばね力により、ストッパ107がその上
端部を支持フレーム30内に入るように押し戻されて図
21に示す状態に戻るから、前記揺動規制部30aで規
制されるシェービングヘッドHの最大首振り揺動角度で
首振り揺動が可能となる。
【0062】なお、図21〜図23等において符号11
0は本体ケース75にその長手方向に沿い移動可能に取
付けられたトリマユニットで、その使用時は図1に示さ
れるモータ70の偏心こま68に長孔111aを嵌合し
て、モータ70の上側ベース82に揺動可能に設けられ
た連動リンク111の係合凸部111bを介して、駆動
力が伝達されるようになっている。112はトリマユニ
ット110の凸部受けであって、これはトリマユニット
110の上下動に伴い係合凸部111bに係脱される。
【0063】なお、本発明は前記一実施例には制約され
ない。例えば前記一実施例の構成においてシェービング
ヘッドHの係合面(首振り制限用係合部)8bとヘッド
制限摘み91との間に渡るように設けたストッパ107
を、ヘッド制限摘み91が制限位置に配置されたときに
係合部8bに押し当てて、それに伴いシェービングヘッ
ドHを予め少し回動させ、それにより自由な首振り揺動
の場合に比較して小さな首振り揺動角度θを、より小さ
く設定して実施することができる。
【0064】また、前記一実施例ではストッパ107を
ヘッド制限摘み91とは別部品としたが、これに代えて
ストッパ107をヘッド制限摘み91に一体に設けても
よい。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、シェービ
ングヘッドが本体ケースの厚み方向に首振り揺動可能に
設けられた電気かみそりにあって、ヘッド制限摘みを制
限位置に移動させることにより、通常の自由な首振り揺
動時の最大首振り揺動角度に制限する揺動規制部と前記
摘みに連動するストッパとによって、シェービングヘッ
ドの首振り揺動を、前記最大首振り揺動角度での揺動に
比較して小さく制限できる。そのため、鼻の下等を狙い
剃りする際において、シェービングヘッドを固定するの
ではなく小さく首振り揺動させて、本体ケースの向きに
拘らずシェービングヘッドを狙い剃りする部分に対して
略直角に当てることができ、したがって、狙い剃りをす
る場合の操作性およびひげの切断性能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る電気かみそりのシェー
ビングヘッド部分を示し、図2のI−I線に沿う断面
図。
【図2】同実施例における図1のII−II線に沿う断面
図。
【図3】同実施例におけるシェービングヘッド回りを分
解して示す斜視図。
【図4】同実施例における電気かみそり全体の正面図。
【図5】同実施例における外刃の組付け構造を分解して
示す断面図。
【図6】同実施例における外刃回り分解して示す斜視
図。
【図7】同実施例における図5中VII−VII線の矢視
図。
【図8】同実施例における図5中VIII −VIII 線に沿
う断面図。
【図9】(A)図は同実施例における内刃の構造を一部
断面して示す正面図。(B)図は図9(A)中のB−B
線に沿う断面図。
【図10】同実施例における内刃取付台を示す斜視図。
【図11】(A)は同実施例における取付け台支持体を
表側方向から見て示す斜視図。(B)は同取付け台支持
体を裏側方向から見て示す斜視図。
【図12】(A)は同実施例における内刃台を表側方向
から見て示す斜視図。(B)は同内刃台を裏側方向から
見て示す斜視図。
【図13】(A)は同実施例における内刃台受を表側方
向から見て示す斜視図。(B)は同内刃台受を裏側方向
から見て示す斜視図。
【図14】同実施例における内刃台と内刃台受の組付け
状態を示す断面図。
【図15】同実施例におけるヘッド制限摘みの取付け部
回りの構造を示す前ケースの裏面図。
【図16】同実施例におけるヘッド制限摘みの取付け部
回りの構造を分解して示す斜視図。
【図17】同実施例におけるヘッド制限摘みの構成を一
部を省略して示す斜視図。
【図18】同実施例における電気かみそりを一部切欠し
て示す平面図。
【図19】同実施例における外刃ホルダの構成を示す斜
視図。
【図20】同実施例における外刃ホルダの構成を示す下
面図。
【図21】同実施例におけるヘッド制限機構の構成を示
す断面図。
【図22】同実施例におけるヘッド制限機構の構成をヘ
ッド制限状態において示す断面図。
【図23】同実施例におけるヘッド制限機構の構成をシ
ェービングヘッドが首振り揺動したヘッド制限状態にお
いて示す断面図。
【符号の説明】
8b…係合面(首振り制限用係合部)、30…支持フレーム、 30a…揺動規制部、 34…支持突部、 75…本体ケース、 H…シェービングヘッド、 91…ヘッド制限摘み、 105…ストッパ受け、 107…ストッパ、 109…コイルばね、 θ…制限された首振り揺動角度。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鳥沢 陽 神奈川県秦野市堀山下43番地 東京電気 株式会社秦野工場内 (56)参考文献 特開 平1−56089(JP,A) 特開 昭61−71087(JP,A) 実公 平1−22617(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B26B 19/04 B26B 19/38

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の支持突部を有した本体ケースと、 前記一対の支持突部間に位置されて前記本体ケースの厚
    み方向に首振り揺動可能に設けられたシェービングヘッ
    ドと、このシェービングヘッドに設けられた首振り制限用係合
    部と、 首振り揺動する前記シェービングヘッドが接離可能に前
    記本体ケースに設けられその当接により前記シェービン
    グヘッドの自由な首振り揺動を制限する揺動規制部と、 前記本体ケースにその外部から操作可能に取付けられて
    制限位置と非制限位置との間を移動可能なヘッド制限摘
    みと、このヘッド制限摘みに連動してこの摘みと前記シェービ
    ングヘッドとの間に移動可能に設けられ、前記ヘッド制
    限摘みが前記制限位置に配置されたときに前記首振り制
    限用係合部に当接可能であって、その当接により前記シ
    ェービングヘッドの一方向への揺動を制限するストッパ
    とを具備し、 前記揺動規制部と前記ストッパとにより、前記シェービ
    ングヘッドの首振りを前記自由な首振り揺動をする最大
    首振り揺動角度よりも小さく制限して、前記シェービン
    グヘッドを小さく首振りできるようにした ことを特徴と
    する電気かみそり。
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