JP2834962B2 - ガスセンサ - Google Patents
ガスセンサInfo
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- JP2834962B2 JP2834962B2 JP5075774A JP7577493A JP2834962B2 JP 2834962 B2 JP2834962 B2 JP 2834962B2 JP 5075774 A JP5075774 A JP 5075774A JP 7577493 A JP7577493 A JP 7577493A JP 2834962 B2 JP2834962 B2 JP 2834962B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は気体中の複数のガス成
分を検出、定量できるガスセンサに関する。
分を検出、定量できるガスセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のガスセンサとしては例えば臼井ら
が発表した学術論文「クヌーセン拡散領域においてジル
コニア電解質を用いたガスポーラログラフの酸素ガスセ
ンサの出力特性」(JJAP,26,No.12(198
7))に記載された図3に示すものが知られている。そ
こで、従来のガスセンサを図3に基づいて説明する。同
図において、1は被検ガスを制限しながら導入する絞り
孔1Aが形成さたガス導入空間、2はこのガス導入空間
1内で被検ガスに接触する第1多孔性電極、3は第2多
孔性電極、4はこれら両電極2、3間に介在する、酸素
イオン導電性のジルコニアからなる固体電解質で、これ
らの多孔性電極2、3及び固体電解質4からなる積層体
で被検ガスを検出する電気化学的素子が構成されてい
る。5は上記第1、第2多孔性電極2、3にリード線6
を介して接続された直流電源、7はこの直流電源5から
上記第1、第2多孔性電極2、3への電流をオン、オフ
するスイッチ、8はスイッチ7を介して上記電気化学的
素子に印加した電流を測定する電流計である。
が発表した学術論文「クヌーセン拡散領域においてジル
コニア電解質を用いたガスポーラログラフの酸素ガスセ
ンサの出力特性」(JJAP,26,No.12(198
7))に記載された図3に示すものが知られている。そ
こで、従来のガスセンサを図3に基づいて説明する。同
図において、1は被検ガスを制限しながら導入する絞り
孔1Aが形成さたガス導入空間、2はこのガス導入空間
1内で被検ガスに接触する第1多孔性電極、3は第2多
孔性電極、4はこれら両電極2、3間に介在する、酸素
イオン導電性のジルコニアからなる固体電解質で、これ
らの多孔性電極2、3及び固体電解質4からなる積層体
で被検ガスを検出する電気化学的素子が構成されてい
る。5は上記第1、第2多孔性電極2、3にリード線6
を介して接続された直流電源、7はこの直流電源5から
上記第1、第2多孔性電極2、3への電流をオン、オフ
するスイッチ、8はスイッチ7を介して上記電気化学的
素子に印加した電流を測定する電流計である。
【0003】次に、酸素ガスを定量する場合の動作につ
いて説明する。まず酸素ガスを含有する被検ガスが絞り
孔1Aからガス導入空間1に導入されると、被検ガスは
ガス導入空間1内で電気化学的素子の第1多孔性電極2
へ拡散していく。ここでスイッチ7をオンすると、第1
多孔性電極2において次の反応が起こる。 O2+4e~→2O2~ (1) 上記反応で生成した酸素イオンは固体電解質4中を移動
して第2多孔性電極3に達し、この第2多孔性電極3で
上記反応式の場合とは逆の反応が起こる。 2O2~→O2+4e~ (2) そして、上記絞り孔1Aの大きさは、被検ガスが絞り孔
1Aから導入されて第1多孔性電極2へ拡散移動する速
度より第1多孔性電極2で式(1)の反応で酸素ガスが
消費される速度の方が大きくなるように設定されてい
る。このような条件下で、酸素ガス濃度をパラメータと
して電気化学的素子に対する印加電圧と印加電流との関
係を示したものが図4である。そして、印加電圧を適当
な値に設定すると、酸素ガス濃度と電流値との間には図
5に示す直線関係が成立し、電気化学的素子が酸素ガス
センサとしての機能を発揮する。
いて説明する。まず酸素ガスを含有する被検ガスが絞り
孔1Aからガス導入空間1に導入されると、被検ガスは
ガス導入空間1内で電気化学的素子の第1多孔性電極2
へ拡散していく。ここでスイッチ7をオンすると、第1
多孔性電極2において次の反応が起こる。 O2+4e~→2O2~ (1) 上記反応で生成した酸素イオンは固体電解質4中を移動
して第2多孔性電極3に達し、この第2多孔性電極3で
上記反応式の場合とは逆の反応が起こる。 2O2~→O2+4e~ (2) そして、上記絞り孔1Aの大きさは、被検ガスが絞り孔
1Aから導入されて第1多孔性電極2へ拡散移動する速
度より第1多孔性電極2で式(1)の反応で酸素ガスが
消費される速度の方が大きくなるように設定されてい
る。このような条件下で、酸素ガス濃度をパラメータと
して電気化学的素子に対する印加電圧と印加電流との関
係を示したものが図4である。そして、印加電圧を適当
な値に設定すると、酸素ガス濃度と電流値との間には図
5に示す直線関係が成立し、電気化学的素子が酸素ガス
センサとしての機能を発揮する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ガスセンサは、上述のように構成されているため、単一
の被検ガス成分を検出して定量できるに過ぎず、複数の
ガス成分をそれぞれ定量することができないなどという
課題があった。また、従来のガスセンサの場合には第1
多孔性電極2で生成した酸素イオンが固体電解質4内を
移動して第2多孔性電極3で元のガスに戻って系外へ出
る際に副反応生成物を生成し、この副反応生成物が電気
化学的素子等の雰囲気を汚染する虞があった。また、従
来のガスセンサは酸素または酸素化合物しか検出定量す
ることができず、例えば、SF6などの絶縁性ガスの放
電分解によって生成するHFガスなどについて検出定量
することができないという課題があった。
ガスセンサは、上述のように構成されているため、単一
の被検ガス成分を検出して定量できるに過ぎず、複数の
ガス成分をそれぞれ定量することができないなどという
課題があった。また、従来のガスセンサの場合には第1
多孔性電極2で生成した酸素イオンが固体電解質4内を
移動して第2多孔性電極3で元のガスに戻って系外へ出
る際に副反応生成物を生成し、この副反応生成物が電気
化学的素子等の雰囲気を汚染する虞があった。また、従
来のガスセンサは酸素または酸素化合物しか検出定量す
ることができず、例えば、SF6などの絶縁性ガスの放
電分解によって生成するHFガスなどについて検出定量
することができないという課題があった。
【0005】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、複数のガス成分を分離定量することがで
き、しかも雰囲気を汚染する虞がなく、HFガスなどの
ように酸素化合物以外のガスについても検出定量するこ
とができるガスセンサを提供することを目的としてい
る。
れたもので、複数のガス成分を分離定量することがで
き、しかも雰囲気を汚染する虞がなく、HFガスなどの
ように酸素化合物以外のガスについても検出定量するこ
とができるガスセンサを提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
のガスセンサは、被検ガスを導入するガス導入空間と、
このガス導入空間に配設され且つ被検ガスの複数のガス
成分を分離するガス分離体と、このガス分離体で分離さ
れたガス成分を順次イオン化して検出する、第1、第2
多孔性電極及びこれら両者間に介在するイオン導電性の
固体電解質からなる電気化学的素子と、この電気化学的
素子の両電極間に直流電圧を印加する電圧調整可能な電
源とを備え、上記電気化学的素子により複数のガス成分
をそれぞれ定量するように構成したものである。
のガスセンサは、被検ガスを導入するガス導入空間と、
このガス導入空間に配設され且つ被検ガスの複数のガス
成分を分離するガス分離体と、このガス分離体で分離さ
れたガス成分を順次イオン化して検出する、第1、第2
多孔性電極及びこれら両者間に介在するイオン導電性の
固体電解質からなる電気化学的素子と、この電気化学的
素子の両電極間に直流電圧を印加する電圧調整可能な電
源とを備え、上記電気化学的素子により複数のガス成分
をそれぞれ定量するように構成したものである。
【0007】また、本発明の請求項2に記載のガスセン
サは、請求項1に記載の発明において、上記電気化学的
素子を介して上記ガス導入空間の反対側に定量後のガス
成分を排出する排出空間を設けると共に、この排出空間
内に定量後のガス成分を吸着する吸着剤を収納したもの
である。
サは、請求項1に記載の発明において、上記電気化学的
素子を介して上記ガス導入空間の反対側に定量後のガス
成分を排出する排出空間を設けると共に、この排出空間
内に定量後のガス成分を吸着する吸着剤を収納したもの
である。
【0008】
【作用】本発明の請求項1に記載の発明によれば、電気
化学的素子の両電極間に直流電圧を印加した状態で被検
ガスがガス導入空間に導入されると、被検ガスはガス導
入空間内を拡散し、まずガス分離体で複数のガス成分を
分離すると、分離されたガス成分が時間差をもって順次
電気化学的素子の第1多孔性電極に達して分離されたガ
ス成分を順次イオン化し、イオン化物質が固体電解質を
移動して第2多孔性電極に達してここで元のガス成分に
戻り、この時の固体電解質でのイオン電流により複数の
ガス成分をそれぞれ定量することができる。
化学的素子の両電極間に直流電圧を印加した状態で被検
ガスがガス導入空間に導入されると、被検ガスはガス導
入空間内を拡散し、まずガス分離体で複数のガス成分を
分離すると、分離されたガス成分が時間差をもって順次
電気化学的素子の第1多孔性電極に達して分離されたガ
ス成分を順次イオン化し、イオン化物質が固体電解質を
移動して第2多孔性電極に達してここで元のガス成分に
戻り、この時の固体電解質でのイオン電流により複数の
ガス成分をそれぞれ定量することができる。
【0009】また、本発明の請求項2に記載の発明によ
れば、請求項1に記載の発明において、上記電気化学的
素子で定量されたガス成分が上記ガス導入空間の反対側
のガス排出空間に入ると、吸着剤により定量後のガス成
分を吸着することができる。
れば、請求項1に記載の発明において、上記電気化学的
素子で定量されたガス成分が上記ガス導入空間の反対側
のガス排出空間に入ると、吸着剤により定量後のガス成
分を吸着することができる。
【0010】
【実施例】以下、図1及び図2に示す実施例に基づいて
従来と同一または相当部分には同一符号を付して本発明
を説明する。尚、各図中、図1は本発明のガスセンサの
構成を示す断面図、図2は図1に示したガスセンサによ
る出力電流の一例を示すグラフである。
従来と同一または相当部分には同一符号を付して本発明
を説明する。尚、各図中、図1は本発明のガスセンサの
構成を示す断面図、図2は図1に示したガスセンサによ
る出力電流の一例を示すグラフである。
【0011】実施例1. 本実施例のガスセンサは、図1に示すように、被検ガス
を絞り孔1Aを介して導入するガス導入空間1と、この
ガス導入空間1の一側に配設され且つ被検ガスの複数の
ガス成分を分離する、多孔性のガス分離剤、例えばポラ
パックQ(商品名)からなるガス分離体9と、このガス
分離体9で分離されたガス成分を順次イオン化して検出
する、金の蒸着膜からなる第1、第2多孔性電極2、3
及びこれら両者間に介在するフッ素イオン導電性のPb
F2−2%KI化合物で形成された固体電解質4からな
る電気化学的素子と、この電気化学的素子の両電極2、
3間に直流電圧を印加する、電圧調整可能で積分機能を
有する直流電源5とを備え、上記電気化学的素子により
複数のガス成分を定量するように構成されている。
を絞り孔1Aを介して導入するガス導入空間1と、この
ガス導入空間1の一側に配設され且つ被検ガスの複数の
ガス成分を分離する、多孔性のガス分離剤、例えばポラ
パックQ(商品名)からなるガス分離体9と、このガス
分離体9で分離されたガス成分を順次イオン化して検出
する、金の蒸着膜からなる第1、第2多孔性電極2、3
及びこれら両者間に介在するフッ素イオン導電性のPb
F2−2%KI化合物で形成された固体電解質4からな
る電気化学的素子と、この電気化学的素子の両電極2、
3間に直流電圧を印加する、電圧調整可能で積分機能を
有する直流電源5とを備え、上記電気化学的素子により
複数のガス成分を定量するように構成されている。
【0012】また、上記第1、第2多孔性電極2、3に
は直流電源5がリード線6を介して接続され、このリー
ド線6に取り付けられたスイッチ7を介して上記第1、
第2多孔性電極2、3に対する印加電流をオン、オフで
きるように構成されている。更に、上記リード線6には
電流計8及び温度補正回路10が接続されている。ま
た、上記ガス導入空間1の絞り孔1Aにはガス導入管1
1を介して被検ガスとして例えばSF6ガスが封入され
たガスタンク12がそのサンプリング孔12Aで連結さ
れ、上記ガス導入管11に取り付けられたバルブ13に
よって上記ガス導入空間1内の上記ガス分離体9の上方
空間に被検ガスを導入するようにするように構成され、
また、上記ガス導入空間1内の上記ガス分離体9の下方
空間にはガス排出管14が取り付けられ、このガス排出
管14に取り付けられたバルブ15によってガスを排出
できるように構成されている。
は直流電源5がリード線6を介して接続され、このリー
ド線6に取り付けられたスイッチ7を介して上記第1、
第2多孔性電極2、3に対する印加電流をオン、オフで
きるように構成されている。更に、上記リード線6には
電流計8及び温度補正回路10が接続されている。ま
た、上記ガス導入空間1の絞り孔1Aにはガス導入管1
1を介して被検ガスとして例えばSF6ガスが封入され
たガスタンク12がそのサンプリング孔12Aで連結さ
れ、上記ガス導入管11に取り付けられたバルブ13に
よって上記ガス導入空間1内の上記ガス分離体9の上方
空間に被検ガスを導入するようにするように構成され、
また、上記ガス導入空間1内の上記ガス分離体9の下方
空間にはガス排出管14が取り付けられ、このガス排出
管14に取り付けられたバルブ15によってガスを排出
できるように構成されている。
【0013】また、上記ガスセンサには、同図に示すよ
うに、上記ガス導入空間1の電気化学的素子を境にした
反対側に定量後のガス成分を排出するガス排出空間16
が形成され、更にこのガス排出空間16内に定量後のガ
ス成分を吸着する吸着剤17が収納され、ガスが吸着さ
れた後のガスは上記ガス排出空間16のガス排出管18
のバルブ19を開放することによって排出できるように
構成されている。尚、20はセンサ容器である。そし
て、上記電気化学的素子は上記センサ容器20に対して
着脱可能にすることによって他の電気化学的素子に取り
替え、上記直流電源5の印加電圧を適宜調整することに
よって種々のガス成分を検出定量できるように構成する
ことができる。
うに、上記ガス導入空間1の電気化学的素子を境にした
反対側に定量後のガス成分を排出するガス排出空間16
が形成され、更にこのガス排出空間16内に定量後のガ
ス成分を吸着する吸着剤17が収納され、ガスが吸着さ
れた後のガスは上記ガス排出空間16のガス排出管18
のバルブ19を開放することによって排出できるように
構成されている。尚、20はセンサ容器である。そし
て、上記電気化学的素子は上記センサ容器20に対して
着脱可能にすることによって他の電気化学的素子に取り
替え、上記直流電源5の印加電圧を適宜調整することに
よって種々のガス成分を検出定量できるように構成する
ことができる。
【0014】次に、SF6ガスの放電分解生成物である
HF及びSOF2を定量する場合の動作について説明す
る。予め十分に減圧されたガス導入空間1内に被検ガス
を導入するために、ガス導入管11のバルブ13を開放
すると共にガス排出管14のバルブ15を閉止する。所
定時間経過後、バルブ15を開放してスイッチ7をオン
にすると、ガスタンク12のHFガス及びSO2F2ガス
が被検ガスとしてガス導入空間1内に導入され、この被
検ガスがガス分離体9内で分離されるが、HFガスとS
O2F2ガスとではHFガスの方が先に電気化学的素子の
第1多孔性電極2へ移動して到達し、次いでSO2F2ガ
スが第1多孔性電極2へ到達する。そして、第1多孔性
電極1では、以下の(3)、(4)で示す反応が順次起
こる。つまり、まず(3)の反応が起こり、次いで
(4)の反応が加わって(3)、(4)の反応が同時に
起こり、その結果生成しフッ素イオンは固体電解質4中
を移動して第2多孔性電極3に到達し、この第2多孔性
電極3で式(5)の反応が起こってF2ガスを生成す
る。 2HF+2e~→H2+2F~ (3) SO2F2+2e~→SO2+2F~ (4) 2F~→F2+2e~ (5)
HF及びSOF2を定量する場合の動作について説明す
る。予め十分に減圧されたガス導入空間1内に被検ガス
を導入するために、ガス導入管11のバルブ13を開放
すると共にガス排出管14のバルブ15を閉止する。所
定時間経過後、バルブ15を開放してスイッチ7をオン
にすると、ガスタンク12のHFガス及びSO2F2ガス
が被検ガスとしてガス導入空間1内に導入され、この被
検ガスがガス分離体9内で分離されるが、HFガスとS
O2F2ガスとではHFガスの方が先に電気化学的素子の
第1多孔性電極2へ移動して到達し、次いでSO2F2ガ
スが第1多孔性電極2へ到達する。そして、第1多孔性
電極1では、以下の(3)、(4)で示す反応が順次起
こる。つまり、まず(3)の反応が起こり、次いで
(4)の反応が加わって(3)、(4)の反応が同時に
起こり、その結果生成しフッ素イオンは固体電解質4中
を移動して第2多孔性電極3に到達し、この第2多孔性
電極3で式(5)の反応が起こってF2ガスを生成す
る。 2HF+2e~→H2+2F~ (3) SO2F2+2e~→SO2+2F~ (4) 2F~→F2+2e~ (5)
【0015】そして、この反応の時間と電流との関係を
示したものが図2である。図2において、i1はHFガ
スの濃度に対応する電流、i2はHFガスとSO2F2ガ
スの濃度の和に対応する電流である。従って、HFガス
の濃度は電流i1に比例し、SO2F2ガスの濃度は電流
(i2−i1)に比例する。この関係を利用してHFガス
とSO2F2ガスの濃度を分離して定量することができ
る。
示したものが図2である。図2において、i1はHFガ
スの濃度に対応する電流、i2はHFガスとSO2F2ガ
スの濃度の和に対応する電流である。従って、HFガス
の濃度は電流i1に比例し、SO2F2ガスの濃度は電流
(i2−i1)に比例する。この関係を利用してHFガス
とSO2F2ガスの濃度を分離して定量することができ
る。
【0016】上述の反応において第2多孔性電極3で生
成したF2ガスはガス排出空間16に収納された吸着剤
17に吸着されて除去され、また、第1多孔性電極2で
生成したSO2ガスは必要に応じて吸着剤17に吸着さ
れるようにバルブ15、18を操作する。
成したF2ガスはガス排出空間16に収納された吸着剤
17に吸着されて除去され、また、第1多孔性電極2で
生成したSO2ガスは必要に応じて吸着剤17に吸着さ
れるようにバルブ15、18を操作する。
【0017】以上説明したように本実施例によれば、電
気化学的素子の直前にガス分離体9を設けたため、HF
ガスなどのように酸素化合物以外のガスについても複数
のガス成分を分離定量することができる。
気化学的素子の直前にガス分離体9を設けたため、HF
ガスなどのように酸素化合物以外のガスについても複数
のガス成分を分離定量することができる。
【0018】実施例2.本実施例では、固体電解質4と
して水素イオン導電性ものを用い、被検ガスとしてH2
ガスとH2Oガスとを定量する場合について説明する。
この場合には、固体電解質4としてβアルミナ置換体
(NH4)・(H2O)2/3Mg2/3Al10・1/3O17を
用い、その他の条件は実施例1と同様である。
して水素イオン導電性ものを用い、被検ガスとしてH2
ガスとH2Oガスとを定量する場合について説明する。
この場合には、固体電解質4としてβアルミナ置換体
(NH4)・(H2O)2/3Mg2/3Al10・1/3O17を
用い、その他の条件は実施例1と同様である。
【0019】本実施例の場合には、H2ガスはH2Oガス
と比較して速い速度でガス分離体9を透過するため、ま
ずH2ガスが第1多孔性電極2に到達し、次いでH2Oガ
スが到達する。そして、直流電源5は第1多孔性電極2
がアノード、第2多孔性電極3がカソードになるように
設定されている。従って、第1多孔性電極1では、以下
の(6)、(7)で示す反応が順次起こる。つまり、ま
ず(6)の反応が起こり、次いで(7)の反応が加わっ
て(6)、(7)の反応が同時に起こり、その結果生成
した水素イオンは固体電解質4中を移動して第2多孔性
電極3に到達し、この第2多孔性電極3で式(8)の反
応が起こってH2ガスを生成する。 H2→2H~+2e~ (6) 2H2O→4H++O2+4e~ (7) 2H++2e~→H2 (8)
と比較して速い速度でガス分離体9を透過するため、ま
ずH2ガスが第1多孔性電極2に到達し、次いでH2Oガ
スが到達する。そして、直流電源5は第1多孔性電極2
がアノード、第2多孔性電極3がカソードになるように
設定されている。従って、第1多孔性電極1では、以下
の(6)、(7)で示す反応が順次起こる。つまり、ま
ず(6)の反応が起こり、次いで(7)の反応が加わっ
て(6)、(7)の反応が同時に起こり、その結果生成
した水素イオンは固体電解質4中を移動して第2多孔性
電極3に到達し、この第2多孔性電極3で式(8)の反
応が起こってH2ガスを生成する。 H2→2H~+2e~ (6) 2H2O→4H++O2+4e~ (7) 2H++2e~→H2 (8)
【0020】そして、この反応の時間と電流との関係を
示したものが図2である。図2において、i1はH2ガス
の濃度に対応する電流、(i2−i1)はH2Oに対応す
る電流である。この関係を利用してH2ガスとH2Oガス
の濃度を分離して定量することができる。
示したものが図2である。図2において、i1はH2ガス
の濃度に対応する電流、(i2−i1)はH2Oに対応す
る電流である。この関係を利用してH2ガスとH2Oガス
の濃度を分離して定量することができる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
記載の発明によれば、電気化学的素子の直前にガス分離
体を設けたため、HFガスなどのように酸素化合物以外
のガスについても複数のガス成分を分離定量することが
できるガスセンサを提供することができる。
記載の発明によれば、電気化学的素子の直前にガス分離
体を設けたため、HFガスなどのように酸素化合物以外
のガスについても複数のガス成分を分離定量することが
できるガスセンサを提供することができる。
【0022】また、本発明の請求項2に記載の発明によ
れば、請求項1に記載の発明において、電気化学的素子
による定量直後のガスを吸着する吸着剤を設けたため、
電気化学的素子等の雰囲気を汚染する虞がないガスセン
サを提供することができる。
れば、請求項1に記載の発明において、電気化学的素子
による定量直後のガスを吸着する吸着剤を設けたため、
電気化学的素子等の雰囲気を汚染する虞がないガスセン
サを提供することができる。
【図1】本発明のガスセンサの構成を示す断面図であ
る。
る。
【図2】図1に示したガスセンサによる出力電流の一例
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図3】従来のガスセンサの構成を示す断面図である。
【図4】図3に示すガスセンサによる出力電流の一例を
示すグラフである。
示すグラフである。
【図5】図3に示すガスセンサによる出力電流を解析し
た結果を示すグラフである。
た結果を示すグラフである。
1 ガス導入空間 2 第1多孔性電極 3 第2多孔性電極 4 固体電解質 5 直流電源 9 ガス分離体 16 ガス排出空間 17 吸着剤
フロントページの続き (72)発明者 松岡 勝己 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 伊丹製作所内 (56)参考文献 特開 昭61−128153(JP,A) 特開 平2−171651(JP,A) 特開 昭64−12258(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 27/416 G01N 27/41
Claims (2)
- 【請求項1】 被検ガスを導入するガス導入空間と、こ
のガス導入空間に配設され且つ被検ガスの複数のガス成
分を分離するガス分離体と、このガス分離体で分離され
たガス成分を順次イオン化して検出する、第1、第2多
孔性電極及びこれら両者間に介在するイオン導電性の固
体電解質からなる電気化学的素子と、この電気化学的素
子の両電極間に直流電圧を印加する電圧調整可能な電源
とを備え、上記電気化学的素子により複数のガス成分を
それぞれ定量するように構成したことを特徴とするガス
センサ。 - 【請求項2】 上記電気化学的素子を介して上記ガス導
入空間の反対側に定量後のガス成分を排出する排出空間
を設けると共に、この排出空間内に定量後のガス成分を
吸着する吸着剤を収納したことを特徴とする請求項1に
記載のガスセンサ。
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JP5075774A JP2834962B2 (ja) | 1993-04-01 | 1993-04-01 | ガスセンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP5075774A JP2834962B2 (ja) | 1993-04-01 | 1993-04-01 | ガスセンサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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ID=13585897
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP5075774A Expired - Fee Related JP2834962B2 (ja) | 1993-04-01 | 1993-04-01 | ガスセンサ |
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- 1993-04-01 JP JP5075774A patent/JP2834962B2/ja not_active Expired - Fee Related
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