JP2833436B2 - 超音波式吸入器 - Google Patents

超音波式吸入器

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JP2833436B2 JP5228516A JP22851693A JP2833436B2 JP 2833436 B2 JP2833436 B2 JP 2833436B2 JP 5228516 A JP5228516 A JP 5228516A JP 22851693 A JP22851693 A JP 22851693A JP 2833436 B2 JP2833436 B2 JP 2833436B2
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  • Special Spraying Apparatus (AREA)
  • Apparatuses For Generation Of Mechanical Vibrations (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波ポンプによって
ボトル内の液体を吸い上げ、メッシュ部材によって霧化
する超音波式吸入器に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波ポンプを利用してボトル内の液体
(薬液等)を吸い上げ、メッシュ部材によって霧化する
一般的な超音波式吸入器の概略構成を図12に示す。こ
こに示す超音波式吸入器は、液体(薬液)Lを入れるボ
トル70と、このボトル70内に位置する下端71及び
ボトル70外に位置する上端72に開口する液体吸い上
げ用貫通孔(吸水孔)73を軸方向に有するパイプ(軸
体)74に、2個の環状振動子75,76を取付けた超
音波ポンプ(ダブルホーン振動子)77と、パイプ上端
72に当接させて配置され、多数の微細孔を持つメッシ
ュ部材80とを備える。
【0003】又、例えば図13に示すように、メッシュ
部材80はコイルバネ(弾性部材)81によってパイプ
上端72に当接されるように構成されている。ここで
は、メッシュ部材80及びコイルバネ81は上ハウジン
グ90と下ハウジング91に収容保持されており、ハウ
ジング95内に固定されたダブルホーン振動子77のパ
イプ上端72が下ハウジング91の開口91aから臨出
し、上ハウジング90の開口90aから霧化液が放散す
る。
【0004】このような吸入器では、発振器78で発生
させた高周波電圧を振動子75,76に印加すると、振
動子75,76の超音波振動によってパイプ74が上下
に振動する。これに伴い、ボトル70内の薬液Lがパイ
プ74の下端71から吸水孔73を通じて吸い上げら
れ、上端72の開口から出る。そして、上端72に当接
するメッシュ部材80によって、薬液Lは微細な霧状に
なって放散する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような吸入器では、ダブルホーン振動子77により超音
波振動エネルギーがメッシュ部材80に直接加わるた
め、特にメッシュ部材80が樹脂等の柔軟な材質である
場合、メッシュ部材80のパイプ上端側表面がダブルホ
ーン振動子77の衝撃により削られるなどの形状的破壊
が起こり易いという問題がある。つまり、メッシュ部材
80の経時的な形状的破壊が起こると、霧化性能が劣化
してしまう。
【0006】一方、霧化作用を安定させるには、メッシ
ュ部材80はパイプ上端72に常時接触していなければ
ならないのに対し、ダブルホーン振動子77の超音波振
動への影響を少なくするためには、メッシュ部材80は
小さな力でパイプ上端72に押付けられなければならな
い。しかし、コイルバネ81のようなコイル状バネは必
ず座金部分を有し、この座金部分では均一な押圧力が得
られない上に、コイルバネ81とメッシュ部材80との
位置関係が不安定になる。このため、メッシュ部材80
とパイプ上端72との接触状態が不均一になり、安定し
た霧化能力が得られ難いという問題がある。つまり、コ
イルバネ81が不安定であるため、超音波振動によりコ
イルバネ81の位置が経時的にずれ、霧化性能が劣化し
てしまう。
【0007】従って、本発明は、上記問題点に着目して
なされたもので、ダブルホーン振動子の超音波振動によ
るメッシュ部材の破壊が起こらないようにすること、及
びメッシュ部材とダブルホーン振動子との接触状態を均
一にすること、即ち経時的な霧化性能の劣化を防止する
ことを実現する超音波式吸入器を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する請求
項1記載の超音波式吸入器は、液体貯留用のボトルと、
このボトル内に位置する下端及びボトル外に位置する上
端に開口する液体吸い上げ用貫通孔を軸方向に有する軸
体に、環状振動子を取付けた超音波ポンプと、軸体上端
に当接させて配置され、多数の微細孔を持つメッシュ部
材とを備える超音波式吸入器において、前記軸体上端の
開口に対応する穴を有する保護シートを、この保護シー
トの穴が前記軸体上端の開口に整合するように、前記軸
体上端と前記メッシュ部材との当接部分間に介設したこ
とを特徴とする。
【0009】又、請求項4記載の超音波式吸入器は、液
体貯留用のボトルと、このボトル内に位置する下端及び
ボトル外に位置する上端に開口する液体吸い上げ用貫通
孔を軸方向に有する軸体に、環状振動子を取付けた超音
波ポンプと、軸体上端に当接させて配置され、多数の微
細孔を持つメッシュ部材と、このメッシュ部材を軸体上
端に当接させる弾性部材と、この弾性部材を収容保持す
るハウジングとを備える超音波式吸入器において、前記
弾性部材が前記ハウジング内で移動しないように前記ハ
ウジングに弾性部材受け部を設けたことを特徴とする。
【0010】
【作用】請求項1記載の吸入器では、軸体上端とメッシ
ュ部材との当接部分間に保護シートが介設されているた
め、軸体の振動がメッシュ部材に直接加わらなくなり、
保護シートが超音波振動の緩衝材として機能する。この
結果、メッシュ部材が樹脂等の柔軟な材質であっても、
超音波振動によるメッシュ部材の形状的破壊が起こらな
くなり、メッシュ部材の耐久性が向上する。
【0011】又、保護シートの穴は軸体上端の開口と整
合されるので、軸体上端の開口から出た薬液は保護シー
トの穴を通過してメッシュ部材に達し、メッシュ部材に
より霧化され、霧化作用自体に何ら支障はない。保護シ
ートの材料としては、生理的に安全であれば、樹脂や金
属(ステンレス等)等を問わず使用することができる。
例えば、メッシュ部材と同じ樹脂からなってもよく、或
いはメンブレンシートであっても構わない。なお、保護
シートは、緩衝材として機能するため、メッシュ部材に
一体に取付けられることが好ましい。これには、保護シ
ートをメッシュ部材に接着剤で固着したり、かしめによ
り嵌着したりするなど、その手法に限定はない。
【0012】請求項4記載の吸入器では、ハウジング内
に弾性部材を組み込む際に、弾性部材をハウジングの
性部材受け部に係止させるため、弾性部材の位置が固定
され、超音波振動に伴う弾性部材の位置変化が発生しな
くなる。このため、弾性部材とメッシュ部材との位置関
係が一定すると共に、弾性部材によるメッシュ部材と軸
体上端との接触状態が常に安定し、霧化作用が安定す
る。
【0013】 このように、請求項1の吸入器では、保護
シートがメッシュ部材の経時的な形状的破壊を防止し、
請求項4の吸入器では、弾性部材がハウジングに固定さ
れて位置ずれしないので、いずれも経時的な霧化性能の
劣化を防止することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の超音波式吸入器を実施例に基
づいて説明する。但し、本発明の特徴は、保護シート及
び弾性部材とハウジングとの位置固定構造にあり、それ
以外の構成は従来の吸入器と同様であるため、以下では
本発明の特徴的構成を中心に述べる。
【0015】図1に、ダブルホーン振動子10のパイプ
(軸体)11の上端12と、多数の微細孔を持つメッシ
ュ部材20との当接部分間に介設された保護シート1を
示す。保護シート1はメッシュ部材20と同じ円形状で
あり、メッシュ部材20に一体に接合されている。図1
には示していないが、メッシュ部材20はコイルバネ
(弾性部材)によりパイプ11の上端12側に押圧され
ている。パイプ11の上端12は緩やかな湾曲面を呈し
ているが、これはメッシュ部材20がコイルバネによっ
て押圧された時に取る形状に対応している。
【0016】保護シート1には、様々な形態のものが考
えられるが、図2にその一例の平面図を示す。この例で
は、保護シート1は格子状であり、その格子状部分2が
ほぼパイプ上端12の端面に相当すると共に、格子状部
分2の中央部の網目がパイプ11の吸水孔13の上端開
口に対応する穴になっている。この保持シート1をメッ
シュ部材20とパイプ上端12との間に介在させた場
合、格子状部分2の中央部がパイプ11の吸水孔13の
上端開口に対面し、格子状部分2の格子が上端開口の周
囲に当接することになる。
【0017】従って、吸水孔13の上端開口から出た薬
液は、格子状部分2を通過し、メッシュ部材20に達
し、超音波振動により霧化される。又、パイプ11の上
端開口の周縁部、即ちパイプ上端12とメッシュ部材2
0との当接部分には、保護シート1の格子状部分2が当
接するため、ダブルホーン振動子の衝撃はメッシュ部材
20に直接加わらず、たとえメッシュ部材20が柔軟な
材質であっても、メッシュ部材20の削れ等の形状的破
壊が防止される。
【0018】保護シート1の別実施例を図3に示す。こ
の保護シート1は中央に、吸水孔13の上端開口周縁部
に当接すると共に、等角度間隔で放射状に延びる複数の
支持部5によって支持された当接部3を有し、この当接
部3に吸水孔13の上端開口に対応する穴4が形成され
ている。更に、図4に示す実施例の保護シート1は、同
様に穴4が形成された当接部3を有し、当接部3が等角
度間隔で放射状に延びる4つの支持部6で支持されてい
る。
【0019】図3及び図4に示す保護シート1において
も、これをパイプ上端12とメッシュ部材20との間に
介設した場合、当接部3が吸水孔13の上端開口周縁部
に当接し、当接部3の穴4が吸水孔13の上端開口と整
合する。このため、吸水されてくる薬液は邪魔されるこ
となくメッシュ部材20に達し、また当接部3によりメ
ッシュ部材20はパイプ上端12に直接接触せず、メッ
シュ部材20の耐久性が向上する。
【0020】ところで、前記したようにメッシュ部材2
0は弾性部材でパイプ上端12に押圧され、弾性部材は
ハウジングに収容保持されているが、次に弾性部材とハ
ウジングとの位置固定に関する構造について述べる。図
5及び図6はその一例を示している。但し、図5には上
ハウジングのみを示すが、実際には図13に示すように
弾性部材、メッシュ部材(及び保護シート)は上ハウジ
ングと下ハウジング内に収容保持される。上ハウジング
30に保持されるコイルバネ(弾性部材)40は、その
上側の座金部分に突出状の固定端子40aを有し、上ハ
ウジング30は内側に一対のリブ(弾性部材受け部とし
ての固定端子受け)30aを有する。
【0021】従って、上ハウジング30にコイルバネ4
0をセットする際には、コイルバネ40の固定端子40
aを上ハウジング30のリブ30a間に位置決めする。
こうすることで、コイルバネ40の位置は固定され、メ
ッシュ部材に対するコイルバネ40の位置関係が一定す
る。しかも、霧化時にダブルホーン振動子による超音波
振動によってコイルバネ40の位置がずれるようなこと
がなくなり、メッシュ部材がパイプ上端に均一な押圧力
で接触し、霧化作用が安定する。
【0022】コイルバネと上ハウジングとの位置固定の
別形態を図7及び図8に示す。この例では、コイルバネ
41の上側の座金部分から固定端子41aが上方に突出
し、上ハウジング31には穴(固定端子受け)31aが
形成されている。従って、固定端子41aを穴31aに
挿入すれば、コイルバネ41が固定される。勿論、霧化
作用の安定性は上例と同等である。
【0023】更に別形態を図9に示す。ここでは、弾性
部材としてコイルバネではなく、環状の板バネ42を使
用し、この板バネ42に2個の固定端子42a,42b
を対称的に設けてある〔図10の(a),(b)参
照〕。これに対応し、上ハウジング32には、一対のリ
ブ32a,32bを設けてあり、固定端子42a,42
bをそれぞれリブ32a,32b間に係止させることに
より、板バネ42が固定される。
【0024】図10に示す板バネ42の変更例として、
図11に示すように、板バネ42にメッシュ部材固定部
43を対称的に設け、この固定部43にメッシュ部材を
挟み込み、板バネ42とメッシュ部材を一体にしてもよ
い。勿論、保護シートを使用する場合には、メッシュ部
材に保護シートを取付けたものを板バネ42に固定す
る。
【0025】
【発明の効果】本発明の超音波式吸入器は、以上説明し
たように構成されるため、下記の効果を有する。 (1)請求項1記載の吸入器では、軸体上端とメッシュ
部材との当接部分間に保護シートを介設したため、軸体
の振動がメッシュ部材に直接加わらず、メッシュ部材が
樹脂等の柔軟な材質であっても、軸体の振動によるメッ
シュ部材の削れ等の形状的破壊が起こらず、メッシュ部
材の耐久性が向上する。 (2)請求項4記載の吸入器では、弾性部材をハウジン
グの弾性部材受け部に係止させる構成であるため、弾性
部材をメッシュ部材に対して常に一定の位置関係に固定
することができるだけでなく、霧化時の超音波振動によ
る弾性部材の位置変化が起こるようなことはなく、メッ
シュ部材と軸体上端との接触状態が均一になり、安定し
た霧化性能が得られる。(3)(1),(2)より、請求項1記載の吸入器で
は、保護シートがメッシュ部材の経時的な形状的破壊を
防止し、請求項4記載の吸入器では、弾性部材がハウジ
ングに固定されて位置ずれしないので、いずれも経時的
な霧化性能の劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダブルホーン振動子の上端とメッシュ部材との
間に保護シートを介設した場合の概略構成図である。
【図2】保護シートの一例を示す平面図である。
【図3】保護シートの別例を示す平面図である。
【図4】保護シートの更に別例を示す平面図である。
【図5】メッシュ部材をダブルホーン振動子の上端に押
圧するコイルバネと、このコイルバネを保持する上ハウ
ジングとの位置固定形態を示す分解斜視図である。
【図6】図5に示すコイルバネの上面図である。
【図7】メッシュ部材をダブルホーン振動子の上端に押
圧するコイルバネと、このコイルバネを保持する上ハウ
ジングとの別の位置固定形態を示す分解斜視図である。
【図8】図7に示すコイルバネの側面図である。
【図9】メッシュ部材をダブルホーン振動子の上端に押
圧する板バネと、この板バネを保持する上ハウジングと
の更に別の位置固定形態を示す分解斜視図である。
【図10】図9に示す板バネの平面図及び側面図であ
る。
【図11】図10に示す板バネの変更例の側面図であ
る。
【図12】一般的な超音波式吸入器の概略構成図であ
る。
【図13】一般的な超音波式吸入器において、ダブルホ
ーン振動子上に配置される上下のハウジング、コイルバ
ネ、メッシュ部材の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 保護シート 2 格子状部分 3 当接部 4 穴 5,6 支持部 20 メッシュ部材 30,31,32 上ハウジング 30a,31a 固定端子受け(弾性部材受け部) 32a,32b 固定端子受け(弾性部材受け部) 40a,41a 固定端子 42a,42b 固定端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 巻田 茂 京都市右京区山ノ内山ノ下町24番地 株 式会社オムロンライフサイエンス研究所 内 (72)発明者 寺田 隆雄 京都市右京区山ノ内山ノ下町24番地 株 式会社オムロンライフサイエンス研究所 内 (56)参考文献 実開 昭64−28980(JP,U) 実開 平5−95671(JP,U) 特許2546439(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B05B 17/06 A61M 11/00 B06B 1/00 - 3/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体貯留用のボトルと、このボトル内に位
    置する下端及びボトル外に位置する上端に開口する液体
    吸い上げ用貫通孔を軸方向に有する軸体に、環状振動子
    を取付けた超音波ポンプと、軸体上端に当接させて配置
    され、多数の微細孔を持つメッシュ部材とを備える超音
    波式吸入器において、 前記軸体上端の開口に対応する穴を有する保護シート
    を、この保護シートの穴が前記軸体上端の開口に整合す
    るように、前記軸体上端と前記メッシュ部材との当接部
    分間に介設したことを特徴とする超音波式吸入器。
  2. 【請求項2】前記保護シートは格子状であることを特徴
    とする請求項1記載の超音波式吸入器。
  3. 【請求項3】前記保護シートは、前記軸体上端とメッシ
    ュ部材との当接部分に対応する当接部を有し、この当接
    部に前記軸体上端の開口に対応する穴が形成され、この
    当接部が放射状に支持されてなるものであることを特徴
    とする請求項1記載の超音波式吸入器。
  4. 【請求項4】液体貯留用のボトルと、このボトル内に位
    置する下端及びボトル外に位置する上端に開口する液体
    吸い上げ用貫通孔を軸方向に有する軸体に、環状振動子
    を取付けた超音波ポンプと、軸体上端に当接させて配置
    され、多数の微細孔を持つメッシュ部材と、このメッシ
    ュ部材を軸体上端に当接させる弾性部材と、この弾性部
    材を収容保持するハウジングとを備える超音波式吸入器
    において、 前記弾性部材が前記ハウジング内で移動しないように前
    記ハウジングに弾性部材受け部を設けたことを特徴とす
    る超音波式吸入器。
  5. 【請求項5】 前記弾性部材に固定端子を設け、この固定
    端子が係止する固定端子受け(弾性 部材受け部)を前記
    ハウジングに設けたことを特徴とする請求項4記載の超
    音波式吸入器。
JP5228516A 1993-09-14 1993-09-14 超音波式吸入器 Expired - Lifetime JP2833436B2 (ja)

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