JP2832801B2 - がん転移抑制剤 - Google Patents

がん転移抑制剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、がん細胞中又はその周
辺組織の特定の酵素活性を増強させることにより、がん
の転移を抑制する薬剤に関する。
【0002】
【従来の技術】がんの臨床における主要な問題は転移で
あると言われている。すなわち、原発腫瘍からがん細胞
が血液系やリンパ系に入り込み、これらを介して体のほ
かの場所に新たな腫瘍を形成することである。もしがん
細胞が転移しないとしたら、あるいは転移を制圧するこ
とができれば、腫瘍を切除することによって患者は救わ
れるはずである。ところで多くの固形がんにおいて、が
んの進行度、すなわちステージや転移形質の有無、が異
なるとがん細胞の表面に発現している糖鎖構造に違いが
あることが明らかにされている。このことから、がんが
進行して転移形質を獲得していく過程でがん細胞表層の
糖鎖の構造が変化していると考えられている。中でも特
定の分岐構造を持った糖鎖を発現している細胞は高い転
移能を有しているというデニス(Dennis) らの研究がよ
く知られている〔サイエンス(Science)、第236巻、
第582〜585頁(1987)〕。すなわち、 1)赤いんげん豆由来の白血球凝集素(L−PHA)
は、Galβ1−4GlcNAcβ1−6(Galβ1
−4GlcNAcβ1−2)Manα1分岐構造を持つ
アスパラギン結合型糖鎖を認識して結合するが、このL
−PHAに感受性を示すマウスがん細胞株MDAY−D
2は高い転移能を有し、逆にL−PHAに抵抗性を示す
細胞株の転移能は低かった。 2)高転移能の細胞株の細胞膜にはL−PHA結合性の
糖タンパク質が検出され、転移能の低い細胞株ではL−
PHA結合性の糖タンパク質が検出されなかった。転移
の発生率とL−PHA結合性の糖タンパク質の出現率に
は相関性があった。 3)ラットの細胞に発がん遺伝子を導入した場合L−P
HA結合性の糖タンパク質が現れ、この細胞をヌードマ
ウスに注射すると腫瘍が形成され、更にそれが転移し
た。 L−PHAによる組織染色の結果から、L−PHA結合
性糖鎖の出現は実験がん細胞のみならずヒトの乳がん及
び大腸がんでも観察されており、L−PHA染色の強度
はがんの進行度が進むにつれて強くなっている〔キャン
サー リサーチ(Cancer Research)、第51巻、第71
8〜723頁(1991)〕。糖鎖は遺伝子の直接の産
物ではないので、糖鎖構造の変化は糖の転移酵素グリコ
シルトランスフェラーゼに依存している。L−PHA結
合性糖鎖を発現している高転移能のマウス細胞株では、
GlcNAcβ1−6Manα1分岐を形成するN−ア
セチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(GnT)V
(以下GnT−Vと略す)の活性がL−PHA結合性糖
鎖を発現していない低転移能の細胞株よりも高いことが
報告されている〔サイエンス、第236巻、第582〜
585頁(1987)〕。また、ヒトの乳がん組織にお
いてもL−PHA染色の強度とGnT−Vの活性の間に
正の相関が認められている〔キャンサー リサーチ、第
49巻、第945〜950頁(1989)〕。以上述べ
たようにL−PHA結合性のGlcNAcβ1−6Ma
nα1分岐構造を持つ糖鎖の出現とがん細胞の転移形質
の関係は詳細に調べられているが、このような構造を持
つ細胞表層糖鎖が、がんの進行度を規定し転移形質獲得
の直接的な原因となっているのか否かは明らかにされて
おらず、無論がん転移の可能性を減少させる有効な方法
も薬剤も開発されていない。
【0003】ところで、本発明者らは細胞表層糖鎖の構
造変化に関する研究過程でこれまでにラット及びヒトの
GnT−III 遺伝子を獲得することに成功している(特
開平6−38767号公報、特開平6−62865号公
報)。この酵素はアスパラギン結合型糖鎖のGlcNA
cβ1−4Manβ1構造、いわゆるバイセクティング
GlcNAcを形成する。このGnT−III についても
がん細胞での活性上昇が報告されている。特に本発明者
らによってラットやヒトの肝がん組織、あるいは肝がん
患者の血清中の酵素活性が上昇することが明らかにされ
ている〔バイオケミカル アンド バイオフィジカル
リサーチ コミュニケイションズ(Biochemical and Bi
ophysical Reseach Communications) 、第152巻、第
107〜112頁(1988)、クリニカ キミカ ア
クタ(Clinica Chimica Acta) 、第185巻、第325
〜332頁(1989)〕。また肝がん以外のがんにつ
いても、例えばN−rasプロトオンコジーンを導入し
て悪性転換させた細胞ではGnT−Vと共にGnT−II
I の活性が上昇していることや〔ジャーナル オブバイ
オロジカル ケミストリー(Journal of Biological Ch
emistry)、第266巻、第21674〜21680頁
(1991)〕、転移性の前立腺がん細胞でもGnT−
III の活性が大幅に上昇することが報告されている〔フ
ェブス レターズ(FEBS Letters)、第308巻、
第46〜49頁(1992)〕。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】既に述べたように、が
んの進行あるいは転移形質の獲得に伴ってがん細胞表層
の糖鎖構造が変化したり、がん細胞中の糖転移酵素の活
性化が起こることは知られているが、これらの現象を作
用点としてがんの転移を抑制する薬剤は開発されていな
い。本発明の目的は、がん細胞中又はその周辺組織の特
定の糖転移酵素活性を増強させることによるがん転移を
抑制させる薬剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明はがん転移抑制剤に関する発明であって、GnT−
III 又はその遺伝子を有効成分とすることを特徴とす
る。
【0006】本発明者らはがん細胞の転移形質と細胞表
層の糖鎖構造変化との関係について鋭意研究を重ねた結
果、従来、むしろがん細胞に特異的に発現し、がんの進
行度と酵素活性が正の相関を持つと考えられていたGn
T−III をがん細胞に導入すると、意外なことにその細
胞の転移能を抑制することができるという驚くべき事実
を発見し、本発明を完成するに至った。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいては、がん細胞中又はその周辺組織にGnT−III
を導入することによってその目的を達成することができ
る。GnT−III を導入するには、例えばマイクロイン
ジェクション法などによってGnT−III を活性を保持
したままでがん細胞に直接導入してもよいし、また例え
ばウイルス等を使ってGnT−III 遺伝子をがん細胞へ
導入し、GnT−III を発現させることによって本発明
の目的を達成することができる。すなわち、本発明の薬
剤を用いればGnT−III 又はGnT−III をコードす
る遺伝子をがん細胞中又はその周辺組織に導入すること
ができ、がんの転移を抑制することができる。GnT−
III 又はGnT−III をコードする遺伝子は組織表面の
患部には直接注入すれば良い。また組織内部の患部にも
直接注入すれば良いが、ドラグデリバリーシステムを応
用しても良い。ドラグデリバリーシステム(DDS)と
しては、がん細胞に特異的なシステムであれば良く、例
えばがん細胞リセプター、がん特異抗体等を利用した一
般的なシステムで良い。なお、がん組織摘出時におい
て、患部の周辺組織に本発明の薬剤を適用するのも、が
ん転移抑制に極めて有効な方法である。
【0008】本発明のGnT−III 又はその遺伝子を有
効成分とする薬剤をがん細胞中又はその周辺組織に使用
する場合、上記薬剤が最も効果的に効くようにするのは
当然である。本発明のがん転移抑制剤はGnT−III 、
又はその遺伝子を医薬として許容される範囲で含有して
いれば良く、通常の遺伝子治療剤、タンパク質含有剤と
同様に製剤化することができ、製剤中には担体、賦形
剤、安定化剤、粘稠化剤等が含有されていても良い。
【0009】本発明のがん転移抑制剤として用いられる
GnT−III 、又はその遺伝子の用量は年令、体重等の
患者の状態、患部の程度等を考慮した上で調製すれば良
い。本発明のがん転移抑制剤に含有されるGnT−III
、又はその遺伝子は生体内物質であり、毒性は無い。
【0010】本発明で用いられるGnT−III について
は、既にその詳細な酵素化学的性質が明らかにされてお
り、例えばラット腎臓より、表1に示す工程により調製
することができる。
【0011】
【表1】 表 1 ──────────────────────────────────── 工 程 比活性 n mol/mg/h ──────────────────────────────────── 1.ホモジネート 2.16 2.トリトン抽出 8.94 3.QAE−セファロース 42.1 4.ヒドロキシアパタイト 74.6 5.Cu2+−キレーティングセファロース 248 6.ConAセファロース 578 7.Cu2+−キレーティングセファロース 820 8.UDP−ヘキサノールアミンアガロース 7,230 9.Gn,Gn−bi−Asnセファロース 331,000 ────────────────────────────────────
【0012】〔表中Gn,Gn−bi−AsnはGlc
NAcβ1−2Manα1−6(GlcNAcβ1−2
Manα1−3)Manβ1−4GlcNAcβ1−4
GlcNAc−Asnの略である。GnT−III 活性は
ビオキミカ エ ビオフィジカアクタ(Biochimica et
Biophysica Acta)、第1035巻、第3号、第313〜
318頁(1990)に記載の方法に準じ、80μMの
蛍光基質を用いて測定し、酵素の比活性は、転移された
GlcNAc(mol)/タンパク量(mg)/時間
(h)で表し、ピリジル(−2−)アミノ化GlcNA
cを標準物質として使用した。タンパク質は血清アルブ
ミンを標準物質として、BCAキット(ピアス社製)を
用いて測定した〕
【0013】また、その遺伝子は、例えばヒト胎児肝c
DNAライブラリーから井原らの方法〔ジャーナル オ
ブ バイオケミストリー(Journal of Biochemistry)、
第113巻、第692〜698頁(1993)〕によっ
て得ることができる。また、例えばラット腎臓のcDN
Aライブラリーから西河らの方法〔ジャーナル オブバ
イオロジカル ケミストリー、第267巻、第1819
9〜18204頁(1992)〕によって得られる遺伝
子は、がん転移抑制の研究における適切な実験材料とな
りうる。また、例えば、ラットGnT−III について
は、特開平6−38767号公報に記載の方法でFER
M BP−4352を用い調製することができる。ま
た、例えばヒトGnT−III については、特開平6−6
2865号公報に記載の方法により調製することができ
る。
【0014】配列表の配列番号1にラットGnT−III
をコードする遺伝子のDNA配列、及びそのアミノ酸配
列を示す。また配列表の配列番号2にヒトGnT−III
をコードする遺伝子のDNA配列及びそのアミノ酸配列
を示す。これらの遺伝子をプローブとして用いることに
より、該遺伝子にハイブリダイズし、GnT−III 活性
を示すタンパク質をコードする遺伝子を調製することが
できる。また配列表の配列番号1又は2で表される遺伝
子を遺伝子工学的な置換、変異、切断処理等を行うこと
によっても、更には配列表の配列番号1又は2で表され
る遺伝子にハイブリダイズし、かつ、GnT−III 活性
を示すタンパク質をコードする遺伝子を調製することが
できる。これらの遺伝子、及び該遺伝子の発現タンパク
質も本発明の薬剤として使用することができる。
【0015】遺伝子そのものを用いて本発明の薬剤のG
nT−III を細胞に導入する場合、例えばGnT−III
遺伝子とこれに関係する調節遺伝子を持つ組換えベクタ
ーを使用することで簡単にGnT−III 遺伝子を導入す
ることができる。このようにGnT−III そのもののプ
ロモーター以外にも、もちろん他の有効なプロモータ
ー、例えばSV40プロモーター、レトロウイルス由来
LTRプロモーター、ヒートショックプロモーター、メ
タロチオネインプロモーター、アクチンプロモーター等
を使用することができる。GnT−III 遺伝子の導入に
際しては、ウイルスベクターを使って当該遺伝子を含む
ベクターを効率よくがんあるいはまだがん化していない
組織に感染させることができる。これらのベクターとし
ては、従来から目的のDNAを細胞に輸送することが知
られておりかつ感染効率の高いレトロウイルスやワクシ
ニアウイルスやアデノウイルス、更には非増殖性組換え
ウイルス等を用いることができる。特に、非増殖性組換
えウイルスは、目的の細胞等に導入後、この組換えウイ
ルスは増殖しないため2週間から2ヵ月ごとに毎回用い
る必要はあるが、その際に量の調節を行えるという利点
もある。また、人工の脂質カプセルであるリポソームを
用いることができる。
【0016】本発明の薬剤として望ましいベクターの構
築方法は次に示すような方法が挙げられる。ヒトGnT
−III のcDNAを熊本大学の山村研一博士らから供与
されたpCAGGSベクター(図5)のEcoRIサイ
トに導入し、アクチンプロモーターで制御されるGnT
−III の発現ベクターを作製することができる。図5に
pCAGGSベクターの制限酵素地図を示す。
【0017】がん転移に関しては、例えば処理された細
胞がマウスの肺に転移性結節をつくる能力を測定するこ
とによって、転移の可能性を評価することができる。す
なわち、先に述べたGnT−III の発現ベクターをSa
lIで直線化したDNAとpSV2−neo〔ジャパニ
ーズ キャンサー リサーチ バンク(Japanese Cance
r Research Bank)、ネオマイシン(G418)耐性遺伝
子を持つベクター〕をBamHI(宝酒造社製)で直線
化したDNAを10:1の割合で混合し、マウスメラノ
ーマ細胞にエレクトロポレーション法にて導入する。そ
の後、抗生物質G418を含む培地で培養し耐性細胞株
をスクリーニングする。こうして得られるGnT−III
活性を発現している細胞株数株を選び、セミコンフルエ
ント(Semiconfluent)の状態まで培養した後プレートか
ら細胞をはがして回収し、細胞懸濁液を調製する。次に
細胞当り各群7匹の5週令C57BL/6マウスに細胞
懸濁液を尾静注法で投与する。21日後に肺を取り出し
て転移しているメラノーマのコロニーを数えてがん細胞
の転移能を評価することができる。また、がん細胞の転
移能は、イン ビトロ(in vitro) での細胞の移動能を
例えばマトリジェルインヴェイジョン チャンバーを用
いたマトリジェル アッセイ法〔キャンサー リサー
チ、第52巻、第3610頁(1992)〕で評価する
こともできる。
【0018】以上、本発明者らはGnT−III 遺伝子を
導入したマウスメラノーマ細胞の転移能をGnT−III
遺伝子を導入していない細胞と比較したところ、GnT
−III 遺伝子を導入した細胞では明らかにその転移能が
低下していることを見出し、本発明を完成した。本発明
の薬剤は、がんの治療の分野に有用である。
【0019】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0020】実施例1 〔発現ベクターの構築及び細胞への導入〕ラットGnT
−III のコーディング領域全長を含むcDNAクローン
C4〔ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリ
ー、第267巻、第18199〜18204頁(199
2)〕の5′ノンコーディング領域42bpをエキソヌ
クレアーゼIII (ExoIII 、宝酒造社製)とマングビ
ーンヌクレアーゼ(宝酒造社製)で消化して取り除い
た。短くしたC4フラグメントをEcoRI(宝酒造社
製)で消化後クレノウ処理によって平滑末端とし、pS
VK3ベクター(ファルマシア社製)のSmaIサイト
にサブクローニングした。ここからSacIフラグメン
トを切り出してT4DNAポリメラーゼ(宝酒造社製)
で平滑末端化し、同じくクレノウ処理によって平滑末端
としたpCAGGSベクター(熊本大学の山村研一博士
らから供与された)のEcoRIサイトにサブクローニ
ングした。図5にpCAGGSベクターの制限酵素地図
を示す。このようにして構築した発現プラスミドをGn
T−III 発現プラスミドAct−3と命名した。このG
nT−III 発現プラスミドAct−3において、GnT
−III の発現はアクチンプロモーターによる制御を受け
ることになる。図1にGnT−III 発現プラスミドAc
t−3の模式図を示す。図中、上段の太実線(黒)はラ
ットGnT−III のcDNAを示し、下段はpCAGG
Sベクター(図5)を示す。また、下段の縦縞の入って
いる箇所はアクチンプロモーターを示す。このGnT−
III 発現プラスミドAct−3とpSV2−neoベク
ター〔ジャパニーズ キャンサー リサーチ バンク、
ネオマイシン(G418)耐性遺伝子を持つベクター〕
をそれぞれSalI(宝酒造社製)とBamHI(宝酒
造社製)で消化し直線化した後、GnT−III 発現プラ
スミドAct−3を20μgとpSV2−neoベクタ
ー2μgを混合し、マウスメラノーマB16−F1細胞
へジーンパルサー(バイオラッド社製;電圧、250V
/0.4cm;静電容量、960μF)を用いたエレク
トロポレーション法によって導入した。遺伝子導入細胞
の選抜はG418(1mg/ml、GIBCO BRL
社製)を含む培地で行い、耐性細胞株を希釈法によって
クローン化した。その結果、GnT−III 活性を持つ細
胞株を9株、GnT−III 活性を持たない株を3株得
た。GnT−III 活性を持つ細胞株の中から任意に3株
を選びF1−GnT−III −1、−2、−3と命名し、
GnT−III 活性を持たない株から2株を選んでF1−
neo−1、−2と命名した。
【0021】〔細胞のGnT−III 及びGnT−Vの酵
素活性〕細胞中のGnT−III 、GnT−V、及びガラ
クトシルトランスフェラーゼ(Gal−T)の活性と導
入されたGnT−III 遺伝子のコピー数、及び増殖速度
とコロニー形成能を表2に示した。
【0022】
【表2】
【0023】表中、aはGnT−III 、GnT−V、G
al−Tの各酵素活性を2−アミノピリジンで蛍光標識
された糖鎖を基質として、それぞれ、アナリティカル
バイオケミストリー(Analytical Biochemistry)、第1
70巻、第349〜354頁(1988)、メソッズ
イン エンザイモロジー(Methods in Enzymology)、第
179巻、第397〜408頁(1985)、ジャーナ
ル オブ バイオロジカル ケミストリー、第265
巻、第6009〜6018頁(1990)に記載の方法
に従って測定した。また、表中、bは導入されたGnT
−III 遺伝子のコピー数をサザンブロット分析により測
定した。cは各細胞の増殖速度とコロニー形成能をそれ
ぞれ3回ずつ行い、そこから求めた。d、eは統計学的
処理をステューデンツt検定(Student's t test) で行
った結果を示しており、それぞれB16−F1に対して
dp<0.001、 ep<0.05である。p<0.0
01とは、B16−F1に対して同じである可能性が
0.001以下であることを示す。
【0024】表2で表すようにGnT−III 活性はGn
T−III ポジティブ細胞で92,100〜164,00
0pmol/h/mgタンパク質に迄上昇している。G
nT−V及びGal−Tの活性は親株又は形質転換株の
間でほとんど変らなかった。また、B16−F1細胞に
おけるGnT−III 転写物(mRNA)の量を測定し
た。その結果を図2に示す。すなわち、図2はB16−
F1細胞におけるGnT−III 転写物(mRNA)の量
を示す図であり、上段にGnT−III 転写物(mRN
A)、中段にβ−アクチン、下段にリボソームRNA
(rRNA)の量を示す。GnT−III のmRNAのレ
ベルはF1−GnT−III −2が最高で、F1−GnT
−III −1が最低であった。
【0025】〔がん転移の評価〕イン ビボ(in vivo)
での細胞の転移能の評価は次のようにして行った。対数
増殖期にあるB16−F1細胞及び形質転換細胞を5m
M EDTAを含むリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)
でプレートからはがし、細胞数を計測した。生細胞をハ
ンクス(Hank's) 緩衝液に懸濁し、各実験群当り7匹の
5週令C57BL/6マウスに尾静注法で投与した(1
匹当り3×105 個細胞/0.5ml)。21日後、マ
ウスから肺を取り出しブアン液で固定した後コロニーの
数を計測した。図3にコロニー数のデータを示す。すな
わち図3は、イン ビボでの転移能評価実験の結果を示
す図であり、縦軸はコロニーの数を、横軸は実験に供し
た細胞を示す。Barは3回の実験での平均の標準誤差
を示す。統計学的処理はステューデンツt検定で行っ
た。 ap<0.01、 bp<0.05vs.B16−F
1。GnT−III ネガティブの形質転換細胞を投与した
場合、転移コロニーの数は親株であるB16−F1細胞
の場合とほぼ同じであったが、GnT−III ポジティブ
細胞を投与した場合は転移コロニーの数が明らかに減少
していた。イン ビトロでの細胞の浸潤能の評価はマト
リジェル インヴェイジョン チャンバー〔BIOCO
AT MATRIGEL、ベクトン ディキンソン(Be
cton Dickinson) 社製〕を用いたマトリジェル アッセ
イ法で行った。結果を図4に示す。すなわち図4は、イ
ン ビトロでの細胞の浸潤能の評価実験の結果を示す図
であり、縦軸はマトリジェルを透過した細胞の数をコン
トロールとしてB16−F1細胞用いた場合を100%
として表し(平均±S.D.)、横軸は実験に供した細
胞を示す。統計学的処理はステューデンツt検定で行っ
た。 ap<0.01、 bp<0.05vs.B16−F
1。GnT−III ポジティブ細胞では浸潤能も抑制され
ていることがわかった。
【0026】
【発明の効果】本発明によって、がん細胞中又はその周
辺組織のGnT−III 活性を増強させる、GnT−III
又はその遺伝子を有効成分とすることを特徴とするがん
転移抑制剤が提供された。該がん転移抑制剤は、がんの
治療の分野で有用である。
【0027】
【配列表】
【0028】配列番号:1 配列の長さ:1608 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to genomic RNA 配列: ATG AGA CGC TAC AAG CTT TTT CTC ATG TTC TGT ATG GCC GGC CTG 45 Met Arg Arg Tyr Lys Leu Phe Leu Met Phe Cys Met Ala Gly Leu 1 5 10 15 TGC CTC ATC TCC TTC CTG CAC TTC TTT AAG ACG TTA TCC TAT GTC 90 Cys Leu Ile Ser Phe Leu His Phe Phe Lys Thr Leu Ser Tyr Val 20 25 30 ACC TTC CCG AGA GAA CTG GCC TCC CTC AGC CCT AAC CTC ATA TCC 135 Thr Phe Pro Arg Glu Leu Ala Ser Leu Ser Pro Asn Leu Ile Ser 35 40 45 AGC TTC TTC TGG AAC AAT GCC CCT GTC ACT CCC CAG GCC AGT CCG 180 Ser Phe Phe Trp Asn Asn Ala Pro Val Thr Pro Gln Ala Ser Pro 50 55 60 GAG CCC GGT GAC CCC GAC TTG TTA CGG ACT CCA CTC TAC TCC CAC 225 Glu Pro Gly Asp Pro Asp Leu Leu Arg Thr Pro Leu Tyr Ser His 65 70 75 TCC CCC CTG CTC CAG CCA CTG TCC CCT AGC AAG GCC ACC GAA GAA 270 Ser Pro Leu Leu Gln Pro Leu Ser Pro Ser Lys Ala Thr Glu Glu 80 85 90 CTG CAC CGG GTG GAC TTC GTG TTG CCG GAG GAC ACC ACA GAG TAT 315 Leu His Arg Val Asp Phe Val Leu Pro Glu Asp Thr Thr Glu Tyr 95 100 105 TTT GTG CGC ACC AAA GCT GGC GGT GTG TGC TTC AAA CCA GGT ACC 360 Phe Val Arg Thr Lys Ala Gly Gly Val Cys Phe Lys Pro Gly Thr 110 115 120 AGG ATG CTG GAG AAA CCT TCT CCA GGG CGG ACA GAG GAG AAG ACC 405 Arg Met Leu Glu Lys Pro Ser Pro Gly Arg Thr Glu Glu Lys Thr 125 130 135 AAG GTG GCT GAG GGG TCC TCG GTC CGG GGT CCT GCT CGG AGG CCT 450 Lys Val Ala Glu Gly Ser Ser Val Arg Gly Pro Ala Arg Arg Pro 140 145 150 ATG CGG CAT GTG TTG AGT GCA CGG GAG CGC CTG GGA GGC CGG GGC 495 Met Arg His Val Leu Ser Ala Arg Glu Arg Leu Gly Gly Arg Gly 155 160 165 ACT AGG CGC AAG TGG GTT GAG TGT GTG TGC CTG CCA GGC TGG CAC 540 Thr Arg Arg Lys Trp Val Glu Cys Val Cys Leu Pro Gly Trp His 170 175 180 GGG CCC AGC TGC GGG GTG CCC ACT GTG GTC CAG TAT TCC AAC CTG 585 Gly Pro Ser Cys Gly Val Pro Thr Val Val Gln Tyr Ser Asn Leu 185 190 195 CCC ACC AAG GAG CGC CTG GTA CCC AGG GAG GTG CCG AGG CGG GTT 630 Pro Thr Lys Glu Arg Leu Val Pro Arg Glu Val Pro Arg Arg Val 200 205 210 ATC AAC GCC ATC AAC ATC AAC CAT GAG TTC GAC CTG CTG GAT GTG 675 Ile Asn Ala Ile Asn Ile Asn His Glu Phe Asp Leu Leu Asp Val 215 220 225 CGC TTC CAT GAG CTG GGC GAT GTT GTG GAC GCC TTT GTG GTC TGC 720 Arg Phe His Glu Leu Gly Asp Val Val Asp Ala Phe Val Val Cys 230 235 240 GAA TCC AAT TTC ACC GCC TAC GGG GAG CCT CGG CCG CTC AAG TTC 765 Glu Ser Asn Phe Thr Ala Tyr Gly Glu Pro Arg Pro Leu Lys Phe 245 250 255 CGA GAG ATG CTG ACC AAT GGC ACC TTC GAG TAC ATC CGC CAC AAG 810 Arg Glu Met Leu Thr Asn Gly Thr Phe Glu Tyr Ile Arg His Lys 260 265 270 GTG CTC TAC GTC TTC CTG GAC CAC TTC CCA CCT GGT GGC CGT CAG 855 Val Leu Tyr Val Phe Leu Asp His Phe Pro Pro Gly Gly Arg Gln 275 280 285 GAC GGC TGG ATT GCA GAC GAC TAC CTG CGT ACC TTC CTC ACC CAG 900 Asp Gly Trp Ile Ala Asp Asp Tyr Leu Arg Thr Phe Leu Thr Gln 290 295 300 GAT GGT GTC TCC CGC CTG CGC AAC CTG CGA CCT GAT GAC GTC TTT 945 Asp Gly Val Ser Arg Leu Arg Asn Leu Arg Pro Asp Asp Val Phe 305 310 315 ATC ATC GAC GAC GCG GAC GAG ATC CCT GCG CGT GAT GGT GTG CTG 990 Ile Ile Asp Asp Ala Asp Glu Ile Pro Ala Arg Asp Gly Val Leu 320 325 330 TTC CTC AAG CTC TAC GAT GGC TGG ACA GAG CCC TTC GCC TTC CAT 1035 Phe Leu Lys Leu Tyr Asp Gly Trp Thr Glu Pro Phe Ala Phe His 335 340 345 ATG CGC AAG TCC CTG TAT GGT TTC TTT TGG AAG CAA CCA GGC ACA 1080 Met Arg Lys Ser Leu Tyr Gly Phe Phe Trp Lys Gln Pro Gly Thr 350 355 360 CTG GAG GTG GTG TCA GGC TGC ACC ATT GAC ATG CTG CAG GCT GTG 1125 Leu Glu Val Val Ser Gly Cys Thr Ile Asp Met Leu Gln Ala Val 365 370 375 TAT GGG CTG GAC GGC ATC CGC CTG CGC CGC CGT CAG TAC TAC ACC 1170 Tyr Gly Leu Asp Gly Ile Arg Leu Arg Arg Arg Gln Tyr Tyr Thr 380 385 390 ATG CCC AAC TTT CGA CAG TAT GAG AAC CGC ACC GGC CAC ATC CTA 1215 Met Pro Asn Phe Arg Gln Tyr Glu Asn Arg Thr Gly His Ile Leu 395 400 405 GTG CAG TGG TCT CTC GGC AGC CCC CTG CAC TTC GCG GGC TGG CAC 1260 Val Gln Trp Ser Leu Gly Ser Pro Leu His Phe Ala Gly Trp His 410 415 420 TGC TCC TGG TGC TTC ACA CCC GAG GGC ATC TAC TTC AAA CTC GTG 1305 Cys Ser Trp Cys Phe Thr Pro Glu Gly Ile Tyr Phe Lys Leu Val 425 430 435 TCG GCC CAG AAT GGT GAC TTC CCC CGC TGG GGT GAC TAC GAG GAC 1350 Ser Ala Gln Asn Gly Asp Phe Pro Arg Trp Gly Asp Tyr Glu Asp 440 445 450 AAG AGG GAC CTC AAT TAC ATC CGA AGC TTG ATT CGC ACT GGG GGA 1395 Lys Arg Asp Leu Asn Tyr Ile Arg Ser Leu Ile Arg Thr Gly Gly 455 460 465 TGG TTC GAC GGC ACG CAG CAG GAG TAC CCT CCT GCA GAC CCC AGT 1440 Trp Phe Asp Gly Thr Gln Gln Glu Tyr Pro Pro Ala Asp Pro Ser 470 475 480 GAA CAC ATG TAT GCT CCT AAG TAC CTG CTC AAG AAC TAT GAC CAG 1485 Glu His Met Tyr Ala Pro Lys Tyr Leu Leu Lys Asn Tyr Asp Gln 485 490 495 TTC CGC TAC TTG CTC GAA AAT CCC TAC CGG GAG CCC AAG AGC ACT 1530 Phe Arg Tyr Leu Leu Glu Asn Pro Tyr Arg Glu Pro Lys Ser Thr 500 505 510 GTA GAG GGT GGG CGC CGG AAC CAG GGC TCA GAC GGA AGG TCA TCT 1575 Val Glu Gly Gly Arg Arg Asn Gln Gly Ser Asp Gly Arg Ser Ser 515 520 525 GCT GTC AGG GGC AAG TTG GAT ACA ACG GAG GGC 1608 Ala Val Arg Gly Lys Leu Asp Thr Thr Glu Gly 530 535
【0029】配列番号:2 配列の長さ:1593 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to genomic RNA 配列: ATG AGA CGC TAC AAG CTC TTT CTC ATG TTC TGT ATG GCC GGC CTG 45 Met Arg Arg Tyr Lys Leu Phe Leu Met Phe Cys Met Ala Gly Leu 1 5 10 15 TGC CTC ATC TCC TTC CTG CAC TTC TTC AAG ACC CTG TCC TAT GTC 90 Cys Leu Ile Ser Phe Leu His Phe Phe Lys Thr Leu Ser Tyr Val 20 25 30 ACC TTC CCC CGA GAA CTG GCC TCC CTC AGC CCT AAC CTG GTG TCC 135 Thr Phe Pro Arg Glu Leu Ala Ser Leu Ser Pro Asn Leu Val Ser 35 40 45 AGC TTT TTC TGG AAC AAT GCC CCG GTC ACG CCC CAG GCC AGC CCC 180 Ser Phe Phe Trp Asn Asn Ala Pro Val Thr Pro Gln Ala Ser Pro 50 55 60 GAG CCA GGA GGC CCT GAC CTG CTG CGT ACC CCA CTC TAC TCC CAC 225 Glu Pro Gly Gly Pro Asp Leu Leu Arg Thr Pro Leu Tyr Ser His 65 70 75 TCG CCC CTG CTG CAG CCG CTG CCG CCC AGC AAG GCG GCC GAG GAG 270 Ser Pro Leu Leu Gln Pro Leu Pro Pro Ser Lys Ala Ala Glu Glu 80 85 90 CTC CAC CGG GTG GAC TTG GTG CTG CCC GAG GAC ACC ACC GAG TAT 315 Leu His Arg Val Asp Leu Val Leu Pro Glu Asp Thr Thr Glu Tyr 95 100 105 TTC GTG CGC ACC AAG GCC GGC GGC GTC TGC TTC AAA CCC GGC ACC 360 Phe Val Arg Thr Lys Ala Gly Gly Val Cys Phe Lys Pro Gly Thr 110 115 120 AAG ATG CTG GAG AGG CCG CCC CCG GGA CGG CCG GAG GAG AAG CCT 405 Lys Met Leu Glu Arg Pro Pro Pro Gly Arg Pro Glu Glu Lys Pro 125 130 135 GAG GGG GCC AAC GGC TCC TCG GCC CGG CGG CCA CCC CGG TAC CTC 450 Glu Gly Ala Asn Gly Ser Ser Ala Arg Arg Pro Pro Arg Tyr Leu 140 145 150 CTG AGC GCC CGG GAG CGC ACG GGG GGC CGA GGC GCC CGG CGC AAG 495 Leu Ser Ala Arg Glu Arg Thr Gly Gly Arg Gly Ala Arg Arg Lys 155 160 165 TGG GTG GAG TGC GTG TGC CTG CCC GGC TGG CAC GGA CCC AGC TGC 540 Trp Val Glu Cys Val Cys Leu Pro Gly Trp His Gly Pro Ser Cys 170 175 180 GGC GTG CCC ACT GTG GTG CAG TAC TCC AAC CTG CCC ACC AAG GAG 585 Gly Val Pro Thr Val Val Gln Tyr Ser Asn Leu Pro Thr Lys Glu 185 190 195 CGG CTG GTG CCC AGG GAG GTG CCG CGC CGC GTC ATC AAC GCC ATC 630 Arg Leu Val Pro Arg Glu Val Pro Arg Arg Val Ile Asn Ala Ile 200 205 210 AAC GTC AAC CAC GAG TTC GAC CTG CTG GAC GTG CGC TTC CAC GAG 675 Asn Val Asn His Glu Phe Asp Leu Leu Asp Val Arg Phe His Glu 215 220 225 CTG GGC GAC GTG GTG GAC GCC TTT GTG GTG TGC GAG TCC AAC TTC 720 Leu Gly Asp Val Val Asp Ala Phe Val Val Cys Glu Ser Asn Phe 230 235 240 ACG GCT TAT GGG GAG CCG CGG CCG CTC AAG TTC CGG GAG ATG CTG 765 Thr Ala Tyr Gly Glu Pro Arg Pro Leu Lys Phe Arg Glu Met Leu 245 250 255 ACC AAT GGC ACC TTC GAG TAC ATC CGC CAC AAG GTG CTC TAT GTC 810 Thr Asn Gly Thr Phe Glu Tyr Ile Arg His Lys Val Leu Tyr Val 260 265 270 TTC CTG GAC CAC TTC CCG CCC GGC GGC CGG CAG GAC GGC TGG ATC 855 Phe Leu Asp His Phe Pro Pro Gly Gly Arg Gln Asp Gly Trp Ile 275 280 285 GCC GAC GAC TAC CTG CGC ACC TTC CTC ACC CAG GAC GGC GTC TCG 900 Ala Asp Asp Tyr Leu Arg Thr Phe Leu Thr Gln Asp Gly Val Ser 290 295 300 CGG CTG CGC AAC CTG CGG CCC GAC GAC GTC TTC ATC ATT GAC GAT 945 Arg Leu Arg Asn Leu Arg Pro Asp Asp Val Phe Ile Ile Asp Asp 305 310 315 GCG GAC GAG ATC CCG GCC CGT GAC GGC GTC CTT TTC CTC AAG CTC 990 Ala Asp Glu Ile Pro Ala Arg Asp Gly Val Leu Phe Leu Lys Leu 320 325 330 TAC GAT GGC TGG ACC GAG CCC TTC GCC TTC CAC ATG CGC ACG TCG 1035 Tyr Asp Gly Trp Thr Glu Pro Phe Ala Phe His Met Arg Thr Ser 335 340 345 CTC TAC GGC TTC TTC TGG AAG CAG CCG GGC ACC CTG GAG GTG GTG 1080 Leu Tyr Gly Phe Phe Trp Lys Gln Pro Gly Thr Leu Glu Val Val 350 355 360 TCA GGC TGC ACG GTG GAC ATG CTG CAG GCA GTG TAT GGG CTG GAC 1125 Ser Gly Cys Thr Val Asp Met Leu Gln Ala Val Tyr Gly Leu Asp 365 370 375 GGC ATC CGC CTG CGC CGC CGC CAG TAC TAC ACC ATG CCC AAC TTC 1170 Gly Ile Arg Leu Arg Arg Arg Gln Tyr Tyr Thr Met Pro Asn Phe 380 385 390 AGA CAG TAT GAG AAC CGC ACC GGC CAC ATC CTG GTG CAG TGG TCG 1215 Arg Gln Tyr Glu Asn Arg Thr Gly His Ile Leu Val Gln Trp Ser 395 400 405 CTG GGC AGC CCC CTG CAC TTC GCC GGC TGG CAC TGC TCC TGG TGC 1260 Leu Gly Ser Pro Leu His Phe Ala Gly Trp His Cys Ser Trp Cys 410 415 420 TTC ACG CCC GAG GGC ATC TAC TTC AAG CTC GTG TCC GCC CAG AAT 1305 Phe Thr Pro Glu Gly Ile Tyr Phe Lys Leu Val Ser Ala Gln Asn 425 430 435 GGC GAC TTC CCA CGC TGG GGT GAC TAC GAG GAC AAG CGG GAC CTG 1350 Gly Asp Phe Pro Arg Trp Gly Asp Tyr Glu Asp Lys Arg Asp Leu 440 445 450 AAC TAC ATC CGC GGC CTG ATC CGC ACC GGG GGC TGG TTC GAC GGC 1395 Asn Tyr Ile Arg Gly Leu Ile Arg Thr Gly Gly Trp Phe Asp Gly 455 460 465 ACG CAG CAG GAG TAC CCG CCT GCA GAC CCC AGC GAG CAC ATG TAT 1440 Thr Gln Gln Glu Tyr Pro Pro Ala Asp Pro Ser Glu His Met Tyr 470 475 480 GCG CCC AAG TAC CTG CTG AAG AAC TAC GAC CGG TTC CAC TAC CTG 1485 Ala Pro Lys Tyr Leu Leu Lys Asn Tyr Asp Arg Phe His Tyr Leu 485 490 495 CTG GAC AAC CCC TAC CAG GAG CCC AGG AGC ACG GCG GCG GGC GGG 1530 Leu Asp Asn Pro Tyr Gln Glu Pro Arg Ser Thr Ala Ala Gly Gly 500 505 510 TGG CGC CAC AGG GGT CCC GAG GGA AGG CCG CCC GCC CGG GGC AAA 1575 Trp Arg His Arg Gly Pro Glu Gly Arg Pro Pro Ala Arg Gly Lys 515 520 525 CTG GAC GAG GCG GAA GTC 1593 Leu Asp Glu Ala Glu Val 530
【図面の簡単な説明】
【図1】GnT−III 発現プラスミドAct−3の模式
図を示す図である。
【図2】B16−F1細胞におけるGnT−III 転写物
(mRNA)の量を示す図である。
【図3】インビボでの転移能評価実験の結果を示す図で
ある。
【図4】インビトロでの細胞の浸潤能の評価実験の結果
を示す図である。
【図5】pCAGGSベクターの制限酵素地図を示す図
である。
フロントページの続き 微生物の受託番号 FERM BP−4352 (72)発明者 谷口 直之 大阪府豊中市上野東2丁目19番32−201 号 (56)参考文献 特表 平4−502010(JP,A) 特開 平6−38767(JP,A) 特開 平6−62865(JP,A) Cancer Research,V ol.53,No.17(1993)p.3899− 3902 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 38/45 ADU CA(STN) MEDLINE(STN) REGISTRY(STN) WPI/L(QUESTEL)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N−アセチルグルコサミニルトランスフ
    ェラーゼIII 又はその遺伝子を有効成分とすることを特
    徴とするがん転移抑制剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の遺伝子が配列表の配列番
    号1又は2で表されるアミノ酸配列をコードする遺伝子
    を含む遺伝子である請求項1記載のがん転移抑制剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の遺伝子が配列表の配列番
    号1又は2で表される遺伝子にハイブリダイズし、か
    つ、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼII
    I 活性を示すタンパク質をコードする遺伝子である請求
    項1記載のがん転移抑制剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Cancer Research,Vol.53,No.17(1993)p.3899−3902

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