JP2832186B2 - パワーディバイダの油漏れ防止構造 - Google Patents

パワーディバイダの油漏れ防止構造

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JP2832186B2
JP2832186B2 JP32988296A JP32988296A JP2832186B2 JP 2832186 B2 JP2832186 B2 JP 2832186B2 JP 32988296 A JP32988296 A JP 32988296A JP 32988296 A JP32988296 A JP 32988296A JP 2832186 B2 JP2832186 B2 JP 2832186B2
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/02Gearboxes; Mounting gearing therein
    • F16H57/027Gearboxes; Mounting gearing therein characterised by means for venting gearboxes, e.g. air breathers

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば建設機械
に設けられるエンジンと油圧ポンプとを連結するパワー
ディバイダの油漏れ防止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来技術の油漏れ防止構造が採
用されているパワーディバイダ1の一部を示す断面図で
ある。たとえば建設機械などは、エンジンと油圧ポンプ
とを備え、両者がパワーディバイダ1によって連結され
て、エンジンの出力が油圧ポンプに伝達されている。パ
ワーディバイダ1は、ハウジング2を有し、このハウジ
ング2内で、エンジンの出力軸に取付られた図示しない
主歯車と、油圧ポンプの入力軸に取付けられた図示しな
い従歯車とが噛合されている。ハウジング2内には潤滑
油が貯留されており、各歯車がエンジンによって回転駆
動されることによって、潤滑油が撒上げられ、各歯車が
潤滑される。
【0003】またハウジング2の上部には、潤滑油を供
給し、かつハウジング2の内部空間11を大気に開放す
る略L字状の管路3が設けられ、この管路3は、ハウジ
ング2の一方の側壁4からハウジング2の内部空間11
に挿入され、軸線方向一端部5aに内部空間11で開口
する透孔6が形成される水平管5と、この水平管5のハ
ウジング2外に突出した軸線方向他端部5bから上方に
屈曲して連なる立上がり管7とを有し、この立上がり管
の上端部にはエアブリーザ8が装着されている。この管
路3は、水平管5が、その外周面に形成された外ねじを
一方の側壁4に形成された内ねじに螺合することによっ
て固定されている。
【0004】ハウジング2内は、前述のように各歯車の
駆動時に潤滑油が撒上げられるので、この撒上げられた
潤滑油が透孔6から管路3内に侵入した場合には、ハウ
ジング2内の空気の温度上昇による膨張などによって、
その潤滑油がエアブリーザ8から外部へ押し出されてし
まうおそれがある。このような不具合を可及的に少なく
するために、ハウジング2の他方の側壁9に凹所10を
形成し、この凹所10に水平管5の軸線方向一端部5a
を挿入して、この凹所10に挿入される軸線方向一端部
5aに透孔6を形成し、潤滑油が侵入しにくくしてい
る。さらに、水平管5をハウジング2の一方の側壁4か
ら挿入し、他方の側壁9に形成した凹所10に挿入した
軸線方向一端部5aに透孔6を形成することによって、
透孔6とエアブリーザ8との間の距離を大きくし、透孔
6から侵入した潤滑油が外部に押し出されにくくしてい
る。このようなパワーディバイダ1の油漏れ防止構造
は、たとえば実公昭62−100370号公報に示され
ている。
【0005】この実公昭62−100370号公報に
は、他の従来技術としてハウジング2の一方の側壁4に
凹所10を形成し、管路3を、一方の側壁4から傾斜さ
せて凹所10に向けて挿入し、この凹所10で開放する
ように設ける構成が示されている。さらに他の従来技術
として管路3とは別途に、仮想線で示すもう1つの管路
3aを設ける構成が示されている。さらに他の従来技術
として、実公昭54−37013号公報には、自動車の
クラッチを収納するベルハウジングの換気のためのブリ
ーザ装置が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図6に示す従来技術で
は、たとえば、建設機械を傾斜地上で稼働させる場合な
どには、パワーディバイダ1が図7に示すように傾斜
し、これによって水平管5が水平に対して角度φ、たと
えば5°傾斜してしまう。このように、パワーディバイ
ダ1が傾斜した状態で、潤滑油が透孔6から水平管5内
に侵入した場合には、管路3内に潤滑油が溜まってしま
う。このように管路3内に潤滑油が溜まってしまうと、
その溜まった潤滑油が、前述の空気の膨張によって外部
に押し出される可能性が高くなってしまう。また、水平
管5を一方の側壁4に直接螺着する構成では、透孔6を
下方に向けた状態で、水平管5をしっかりと固定するた
めには、内ねじおよび外ねじの形成などに高い加工精度
を必要とし、取付作業にも手間を要する。さらに水平管
5の軸線まわりの取付位置を許容して透孔を下方に向け
るためには、透孔を大きくしなければならず、潤滑油が
侵入しやすくなる。
【0007】またハウジング2の一方の側壁4に凹所1
0を形成し、管路3を、一方の側壁4から傾斜させて凹
所10内に挿入して、凹所10内で開放するように設け
る構成では、パワーディバイダ1が傾斜しても、管路3
内に潤滑油が溜まってしまうという不具合は生じにく
い。しかしながら、管路3の透孔6が各歯車に臨むとと
もに、管路3のハウジング2内への挿入部分の軸線が各
歯車に向けて延びてしまう場合があり、撒上げられた潤
滑油が管路3の透孔6から深部まで侵入してしまい易く
なるとともに、透孔6からエアブリーザ8までの距離も
短くなってしまうので、潤滑油が外部に押し出されてし
まい易くなる。
【0008】また、管路3とは別途に、もう1つの管路
3aを設ける構成では、パワーディバイダ1が傾斜し、
管路3内に潤滑油が溜まってしまっても、もう1つの管
路3aによって、ハウジング2の内部空間が大気に開放
されて管路3内の潤滑油が押し出されてしまうという不
具合は生じにくい。しかしながら、構成が複雑になり、
生産性が悪くなる。
【0009】さらに、実公昭54−37013号公報に
示される自動車のクラッチを収納するベルハウジングの
換気のためのブリーザ装置は、ベルハウジング内に潤滑
油が貯留されることがないので、潤滑油の漏れを防ぐよ
うに構成されていない。
【0010】したがって本発明の目的は、構成が複雑化
することなく、潤滑油が外部に押し出されることを確実
に防ぐことができるパワーディバイダの油漏れ防止装置
を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、内燃機関によ
って回転駆動される歯車が収容されるハウジング内に、
前記歯車の潤滑油が貯留され、このハウジングの上部に
は、前記潤滑油を供給し、かつハウジング内の空間を大
気に開放する略L字状の管路が設けられ、この管路は、
ハウジングの一方の側壁からハウジングの内部空間に挿
入され、軸線方向一端部が内部空間に臨んで開放する水
平管と、この水平管のハウジング外に突出した軸線方向
他端部から上方に屈曲して連なる立上がり管とを有し、
この立上がり管の上端部にはエアブリーザが装着される
パワーディバイダにおいて、水平管は、前記一方の側壁
に内部空間を挟んで対向する他方の側壁に形成される凹
所に軸線方向一端部が嵌まり込み、この軸線方向一端部
には下方に向けて開口する透孔が形成され、前記一方の
側壁の内壁面に垂直な軸線に対して軸線方向一端部が軸
線方向他端部よりも下方となるように予め定める角度を
成して傾斜して設けられることを特徴とするパワーディ
バイダの油漏れ防止構造である。本発明に従えば、歯車
が収容され、かつ潤滑油が貯留されるハウジングを有
し、このハウジングの上部に、潤滑油を供給し、かつハ
ウジング内の空間を大気に開放する略L字状の管路が設
けられるパワーディバイダにおいて、一方の側壁からハ
ウジングの内部空間に挿入される水平管は、他方の側壁
に形成される凹所まで延び、この凹所で軸線方向一端部
に形成される透孔によって開放され、さらに一方の側壁
の内壁面に垂直な軸線に対して軸線方向一端部が軸線方
向他端部よりも下方となるように予め定める角度を成し
て傾斜して設けられる。このパワーディバイダは、たと
えば建設機械などの作業機械に設けられ、作業機械がほ
ぼ水平な地表面上などに設置されている場合には、ハウ
ジングの一方の側壁の内壁面を、ほぼ鉛直にした状態と
なっている。このような場合には、水平管は、軸線方向
一端部が軸線方向他端部よりも下方となる状態にあるの
で、管路内の潤滑油は、透孔からハウジングの内部空間
に流れ落ち、潤滑油が管路内に溜まることがない。さら
に、作業機械が予め定める角度以下の角度を成して傾斜
する地表面上などに設置されている場合においても、水
平管は、水平または軸線方向一端部が軸線方向他端部よ
りも下方となる状態にあり、潤滑油が管路内に溜まるこ
とがない。また傾斜して設けられる水平管はハウジング
の一方の側壁から他方の側壁まで延びているので、管路
の透孔からエアブリーザまでの距離を大きくして、歯車
によって撒上げられた潤滑油が、透孔から管路内に侵入
しても、エアブリーザから外部に押し出されにくい。さ
らに、水平管の軸線は、歯車に向かっていないので、撒
上げられる潤滑油が水平管の透孔から深部に入り込むこ
とがない。このように管路を設けることによって、管路
を1つだけ設けて、2つの管路を設けて構成が複雑化す
ることなく、潤滑油が管路を介して外部に漏れ出ること
を確実に防ぐことができる。
【0012】また本発明は、他方の側壁には、その内壁
面から一方の側壁に近接する方向に立上がり、歯車と凹
所との間で凹所を覆う遮蔽壁体が設けられることを特徴
とする。本発明に従えば、歯車と凹所との間で、凹所が
遮蔽壁体によって覆われるので、歯車によって撒上げら
れる潤滑油が、凹所に向けて飛散しない。したがって、
撒上げられる潤滑油が水平管の透孔から管路内に侵入し
にくく、潤滑油が管路を介して外部に漏れ出ることをさ
らに確実に防ぐことができる。
【0013】さらに本発明は、前記予め定める角度は、
5〜10°に選ばれることを特徴とする。本発明に従え
ば、前記予め定める角度は、5〜10°に選ばれ、この
角度は、パワーディバイダが設けられる作業機械などを
設置して稼働することができる地表面の最大傾斜角度以
上である。これによって、作業機械が稼働されるときに
は、水平管は、確実に水平または軸線方向一端部を軸線
方向他端部よりも下方にした状態となる。したがって、
潤滑油が管路内に溜まってしまう不具合を生じることが
ない。
【0014】さらに本発明は、遮蔽壁体は、他方の側壁
の内壁面から一方の側壁に向かって各側壁の内壁面間の
間隔のほぼ2分の1の高さを有することを特徴とする。
本発明に従えば、遮蔽壁体は、各側壁の内壁面間の間隔
のほぼ2分の1の高さを有する。これによって、遮蔽壁
体が設けられる部分においても、ハウジング内が一方側
壁から他方の側壁にわたって覆われてしまうことがな
く、潤滑油の飛散を許容することができ、かつ潤滑油が
透孔から管路内に侵入することを防ぐことができる。
【0015】さらに本発明は、一方の側壁には、水平管
が遊通する遊通孔が形成され、水平管にはフランジが形
成され、このフランジは複数のねじ部材によって一方の
側壁に気密に固定されることを特徴とする。本発明に従
えば、管路は、水平管に形成されるフランジを、複数の
ねじ部材を用いて一方の側壁に固定することによって、
ハウジングに設けられる。これによって、透孔を下方に
向けて配置した状態で管路を設けるために、ハウジング
および管路の高い加工精度を必要とすることなく、しか
も簡単な作業によって、透孔を確実に下方に向けて、管
路をハウジングに固定することができる。したがって、
管路を直接ハウジングに螺着する場合と比較して、加工
性が向上されるとともに、組立性が向上される。さら
に、透孔を確実に下方に向けることができるので、透孔
を小さくすることが可能であり、潤滑油が侵入しにくく
することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態の油
漏れ防止構造が実施されるパワーディバイダ20の一部
を示す断面図であり、図2は図1の右側から見たパワー
ディバイダ20の断面図であり、図3はパワーディバイ
ダ20によって油圧ポンプ21が連結されるエンジン2
2を示す断面図である。図1は図2の切断面線I−Iか
ら見た断面図であって、一部の歯車を省略して示してい
る。パワーディバイダ20は、動力伝達装置であって、
たとえば建設機械などの作業機械に備えられる内燃機関
であるエンジン22と、各油圧ポンプ21a,21b,
21cとを連結し、エンジン22の出力を各油圧ポンプ
21a〜21cに伝達する。各油圧ポンプ21a〜21
cからの油圧を利用し、作業機械が動作される。
【0017】パワーディバイダ20は、ハウジング23
を有し、このハウジング23の内部空間29に主歯車2
4および従歯車25a,25b,25cが収容されてい
る。主歯車24は、エンジン22の出力軸26に、その
出力軸26に対する回転が阻止された状態で装着され
る。各従歯車25は、各油圧ポンプ21の入力軸27
a,27b,27cに、各入力軸26に対する回転が阻
止された状態でそれぞれ装着される(以下同様に、各油
圧ポンプ21a〜21c、各従歯車25a〜25cおよ
び各入力軸27a〜27cを総称するときには、添え字
a〜cを省略する場合がある)。各従歯車25は主歯車
24にそれぞれ噛合され、主歯車24がエンジン22に
よって矢符A方向に回転駆動され、これに伴って各従歯
車25が矢符B1,B2,B3方向にそれぞれ回転駆動
され、この回転が各油圧ポンプ21に与えられて各油圧
ポンプ21が駆動される。
【0018】ハウジング23は、エンジン22の一側部
22aとこの一側部22aに装着されるハウジング本体
31とによって構成され、このようなハウジング23の
内部空間29には、主歯車24および各従歯車25の潤
滑油30が貯留されている。各従歯車25b,25cの
一部は潤滑油30に浸漬されており、主歯車24および
各従歯車25が回転駆動されることによって、たとえば
従歯車25bが矢符Cに示すように潤滑油30を撒上げ
る。このように潤滑油30が撒上げられてハウジング2
3の内部空間29で拡散され、主歯車24および各従歯
車25が潤滑される。
【0019】このハウジング23の上部には、潤滑油3
0を供給し、かつハウジング23の内部空間29を大気
に開放する略L字状の管路35が設けられている。この
管路35は、内径D1がたとえば20〜40mmであっ
て、水平管36と立上がり管37とを有している。水平
管36は、ハウジング23の一方の側壁38からハウジ
ング23の内部空間29に挿入され、軸線方向一端部4
0に内部空間29に臨んで開口する透孔42が形成され
て、内部空間29に臨んで開放するとともに、軸線方向
他端部41は、ハウジング29の外部に突出している。
立上がり管37は、この水平管36のハウジング29外
に突出した軸線方向他端部41に一体的に連なって、上
方に屈曲して立上がり、この立上がり管37の上端部に
はエアブリーザ43が装着されている。
【0020】このような管路35を設けることによっ
て、潤滑油30をエアブリーザ43から管路35内に注
ぎ込み、透孔42から内部空間29に流出させて補充す
ることができる。また、たとえば主歯車24および各従
歯車25が回転駆動されることによって、内部空間29
の空気の温度が上昇するなど、内部空間29の空気の温
度が変化しても、空気を外部に逃がす、または空気を外
部から取り込むことでき、内部空間29を大気圧にする
ことができる。
【0021】ハウジング23の一方の側壁38およびこ
の一方の側壁38に内部空間29を挟んで対向する他方
の側壁39の各内壁面45,46は、相互に平行であ
り、パワーディバイダ20を備える作業機械が水平なた
とえば地表面上に設置された状態で鉛直であり、各内壁
面45,46間の間隔L1は、たとえば60〜80mm
である。一方の側壁38には、ハウジング23の内外に
貫通する内径D2がたとえば25〜45mmの遊通孔4
8が形成されるとともに、他方の側壁39には、遊通孔
48と対向する位置に、内径D3がたとえば40〜60
mmであり、深さL2がたとえば330〜50mmの凹
所49が形成されている。
【0022】水平管36は、一方の側壁38の遊通孔4
8を遊通、すなわち緩やかに挿通して内部空間29に挿
入され、軸線方向一端部40が他方の側壁39に形成さ
れる凹所49に嵌まり込み、この軸線方向一端部40に
凹所49で下方に向けて開口する透孔42が形成されて
いる。また水平管36は、一方の側壁38の内壁面45
に垂直な軸線50に対して、軸線方向一端部40が軸線
方向他端部41よりも下方となるように予め定める角度
θを成して傾斜して設けられている。水平管36の軸線
51が軸線50と成す角度θは、作業機械に対応して、
その作業機械を設置して稼働することができるたとえば
地表面の最大傾斜角度以上、たとえば5〜10°に選ば
れている。また透孔42は、内径D4が10〜20mm
の円孔であり、管路35の内径D1に基づく外径、凹所
49の内径D3および深さL2ならびに透孔D4の内径
などを適宜選択することによって潤滑油30に浸漬され
る各従歯車25b,25cに臨まない位置に形成されて
いる。
【0023】このように一方の側壁38から内部空間2
9に挿入される水平管36は、他方の側壁39に形成さ
れる凹所49まで延び、この凹所49で透孔42によっ
て開放され、さらに一方の側壁38の内壁面45に垂直
な軸線50に対して角度θを成して傾斜して設けられ、
軸線方向一端部40が軸線方向他端部41よりも下方と
なっている。これによって撒上げられる潤滑油30は透
孔42から侵入しにくいうえ、作業機械が、ほぼ水平
な、または角度θ以下の角度を成して傾斜するたとえば
地表面上に設置されている場合には、水平管36は、水
平または軸線方向一端部40が軸線方向他端部41より
も下方となる状態にあるので、管路35内に注ぎ込まれ
た潤滑油30または主歯車24および各従歯車25が駆
動されることよって撒上げられて透孔42から侵入した
潤滑油30は、透孔42から内部空間29に流れ落ち、
潤滑油30が管路35内に溜まることがない。また水平
管36がハウジング23の一方の側壁38から他方の側
壁39まで延びているので、管路35の透孔42からエ
アブリーザ43までの距離を大きくして、撒上げられた
潤滑油30が、透孔42から管路35内に侵入したとし
ても、エアブリーザ43から外部に漏れ出にくい。さら
に、水平管36の軸線51は、潤滑油を撒上げる歯車2
5bに向かっていないので、撒上げられる潤滑油30
は、水平管36の透孔42から侵入したとしても、水平
管36の深部に入り込むことがなく、エアブリーザ43
から外部に漏れ出ることがない。
【0024】さらに角度θは、作業機械を設置して稼働
することができるたとえば地表面の傾斜角度以上の角度
に決定される。これによって、作業機械が稼働されると
きには、水平管36は、確実に水平または軸線方向一端
部40を軸線方向他端部41よりも下方にした状態とな
る。したがって、潤滑油30が管路35内に溜まってし
まう不具合を生じることがない。
【0025】このように1つの管路35によって、すな
わち従来技術に示したように複数の管路を設けることな
く、潤滑油30が管路35を介して外部に漏れ出ること
を確実に防ぐことができる。
【0026】このような管路35は、水平管36の軸線
方向他端部41に一体的に形成されるフランジ53を有
している。この管路35は、水平管36を軸線方向一端
部40側から座板54に挿通させた状態で、さらに軸線
方向一端部40側から遊通孔48を挿通させ、フランジ
53を座板54を介在させて一方の側壁38に複数、た
とえば4本のボルト55によって固定される。
【0027】フランジ53は、水平管36の軸線51に
垂直な平面に対して、水平管36の軸線51および立上
がり管37の軸線を含む仮想平面(図1の紙面に平行)
に垂直な軸線回りに、管路35の内側(図1において左
上側)となる部分が立上がり管37に近接する方向に角
度θと等しい角度だけ角変位した当接面60を有してい
る。座板54は均一な厚みを有し、この座板54には、
その厚み方向に対して角度θと等しい角度だけ角変位し
た軸線を有し、内径が水平管36の外径と等しい挿通孔
61が形成されている。ハウジング23の一方の側壁3
8は、遊通孔48の周囲に、内壁面45と平行な座面6
2が形成される取付座63を有している。
【0028】水平管36が座板54の挿通孔61に挿通
された状態で、座板54の一表面64は、フランジ53
の当接面60に全面にわって気密に当接している。すな
わち座板54は、挿通孔61の周囲で、周方向全周にわ
たって気密に当接している。この状態で、座板54の他
表面65を取付座63の座面62に当接させ、さらに座
板54と取付座63との間にOリングなどのシール部材
66を介在させて、フランジ53および座板54を挿通
させたボルト55を取付座63に螺着することによっ
て、管路35がハウジング23の一方の側壁38に気密
に固定される。
【0029】これによって、水平管36をその軸線51
まわりに角変位させることなく、管路53を各ボルト5
5によって気密にハウジング23に固定することができ
るので、管路35を、透孔42が確実に下方に向く状態
で固定することができる。したがって、従来技術のよう
に水平管36を直接一方の側壁38に螺着する場合と比
較して、ハウジング23および水平管36は、高い加工
精度を必要としないうえ、組立性も良好である。さらに
複数のボルト55を用いるので、水平管36の軸線51
まわりの位置決めも容易である。さらに、透孔42を確
実に下方に向けることができるので、透孔42を小さく
することが可能であり、潤滑油30が侵入しにくくする
ことができる。
【0030】図4は本発明の実施の他の形態の油漏れ防
止構造が実施されるパワーディバイダ20aの一部を示
す断面図であり、図5は図4の右側から見たパワーディ
バイダ20aの断面図である。図4は図5の切断面線V
−Vから見た断面図であって、一部の歯車を省略して示
している。パワーディバイダ20は、上述の形態のパワ
ーディバイダ20aと類似の構成を有しており、異なる
構成を有する部分についてだけ説明し、同様の構成を有
する部分は、同一の参照符号を付し、説明を省略する。
パワーディバイダ20aは、ハウジング23の他方の側
壁39に一側部71が固定され、他方の側壁39内壁面
46から一方の側壁38に近接する方向に立上がり、主
歯車24および各従歯車25と、凹所49との間で、凹
所49を覆う遮蔽壁体70が設けられる。
【0031】この遮蔽癖体70は、その一端部73がハ
ウジング23の一方の側壁38および他方の側壁39を
連結する連結壁77に固定され、弧状に湾曲してその内
側に水平管36が位置するように延び、他端部74が再
び連結壁77に固定される。この遮蔽壁体70は、他方
の側壁39の内壁面46から一方の側壁38に向かって
他側部72が立上がり、各側壁38,39の内壁面4
5,46間の間隔L1のほぼ2分の1の高さHを有す
る。
【0032】このように、凹所49が遮蔽壁体70によ
って覆われるので、主歯車24および各従歯車25によ
って撒上げられる潤滑油30が、凹所49に向けて飛散
しない。したがって、撒上げられる潤滑油30が水平管
36の透孔42から管路35内に侵入しにくく、潤滑油
30が管路35を介して外部に漏れ出ることをさらに確
実に防ぐことができる。さらに遮蔽壁体70は、各側壁
38,39の内壁面45,46間の間隔のほぼ2分の1
の高さHを有する。これによって、遮蔽壁体70が設け
られる部分においても、ハウジング内が一方側壁38か
ら他方の側壁39にわたって覆われてしまうことがな
く、潤滑油30の飛散を許容することができ、かつ潤滑
油30が透孔42から管路35内に侵入することを防ぐ
ことができる。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、パワーデ
ィバイダが備えられるたとえば作業機械が最大限傾斜し
た状態であっても、水平管は、水平または軸線方向一端
部が軸線方向他端部よりも下方となる状態にあるので、
管路内の潤滑油は、透孔からハウジングの内部空間に流
れ落ち、潤滑油が管路内に溜まることがない。また管路
の透孔からエアブリーザまでの距離を大きくして、潤滑
油が透孔から管路内に侵入しても、エアブリーザから外
部に押し出されにくい。さらに、水平管の軸線は、歯車
に向かっていないので、撒上げられる潤滑油が水平管の
透孔から深部に入り込むことがない。このように1つの
管路によって、潤滑油が管路を介して外部に漏れ出るこ
とを確実に防ぐことができる。
【0034】また本発明によれば、凹所が遮蔽壁体によ
って覆われるので、歯車によって撒上げられる潤滑油
が、凹所に向けて飛散しない。したがって、撒上げられ
る潤滑油が水平管の透孔から管路内に侵入しにくく、潤
滑油が管路を介して外部に漏れ出ることをさらに確実に
防ぐことができる。
【0035】さらに本発明によれば、水平管が一方の側
壁の内壁面に垂直な軸線に対して5〜10°傾斜して設
けられる。これによって、水平管は、確実に水平または
軸線方向一端部を軸線方向他端部よりも下方にした状態
となり、潤滑油が管路内に溜まってしまう不具合を確実
に防ぐことができる。
【0036】さらに本発明によれば、遮蔽壁体が設けら
れる部分においても、ハウジング内が一方側壁から他方
の側壁にわたって覆われてしまうことがなく、潤滑油の
飛散を許容することができ、かつ潤滑油が透孔から管路
内に侵入することをふせぐことができる。
【0037】さらに本発明によれば、ハウジングおよび
管路の高い加工精度を必要とすることなく、しかも簡単
な作業によって、管路の水平管に形成される透孔を確実
に下方に向けて、管路をハウジングに固定することがで
きる。したがって、管路を直接ハウジングに螺着する場
合と比較して、加工性が向上されるとともに、組立性が
向上されて、生産性が向上される。さらに、透孔を確実
に下方に向けることができるので、透孔を小さくするこ
とが可能であり、潤滑油が侵入しにくくすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の油漏れ防止構造が実施
されるパワーディバイダ20の一部を示す断面図であ
る。
【図2】図1の右側から見て示す断面図である。
【図3】エンジン22を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の他の形態の油漏れ防止構造が実
施されるパワーディバイダ20aの一部を示す断面図で
ある。
【図5】図4の右側から見て示す断面図である。
【図6】従来技術の油漏れ防止構造が採用されているパ
ワーディバイダ1の一部を示す断面図である。
【図7】傾斜した状態のパワーディバイダ1を示す断面
図である。
【符号の説明】
20,20a パワーディバイダ 21a〜21c 油圧ポンプ 22 エンジン 23 ハウジング 24,25a〜25c 歯車 29 内部空間 30 潤滑油 35 管路 36 水平管 37 立上がり管 38,39 側壁 42 透孔 43 エアブリーザ 49 凹所 53 フランジ 70 遮蔽壁体

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関によって回転駆動される歯車が
    収容されるハウジング内に、前記歯車の潤滑油が貯留さ
    れ、このハウジングの上部には、前記潤滑油を供給し、
    かつハウジング内の空間を大気に開放する略L字状の管
    路が設けられ、この管路は、ハウジングの一方の側壁か
    らハウジングの内部空間に挿入され、軸線方向一端部が
    内部空間に臨んで開放する水平管と、この水平管のハウ
    ジング外に突出した軸線方向他端部から上方に屈曲して
    連なる立上がり管とを有し、この立上がり管の上端部に
    はエアブリーザが装着されるパワーディバイダにおい
    て、水平管は、前記一方の側壁に内部空間を挟んで対向
    する他方の側壁に形成される凹所に軸線方向一端部が嵌
    まり込み、この軸線方向一端部には下方に向けて開口す
    る透孔が形成され、前記一方の側壁の内壁面に垂直な軸
    線に対して軸線方向一端部が軸線方向他端部よりも下方
    となるように予め定める角度を成して傾斜して設けられ
    ることを特徴とするパワーディバイダの油漏れ防止構
    造。
  2. 【請求項2】 他方の側壁には、その内壁面から一方の
    側壁に近接する方向に立上がり、歯車と凹所との間で凹
    所を覆う遮蔽壁体が設けられることを特徴とする請求項
    1記載のパワーディバイダの油漏れ防止構造。
  3. 【請求項3】 前記予め定める角度は、5〜10°に選
    ばれることを特徴とする請求項1または2記載のパワー
    ディバイダの油漏れ防止構造。
  4. 【請求項4】 遮蔽壁体は、他方の側壁の内壁面から一
    方の側壁に向かって各側壁の内壁面間の間隔のほぼ2分
    の1の高さを有することを特徴とする請求項2記載のパ
    ワーディバイダの油漏れ防止構造。
  5. 【請求項5】 一方の側壁には、水平管が遊通する遊通
    孔が形成され、水平管にはフランジが形成され、このフ
    ランジは複数のねじ部材によって一方の側壁に気密に固
    定されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載のパワーディバイダの油漏れ防止構造。
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