JP2831686B2 - 立体物の造形方法 - Google Patents

立体物の造形方法

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JP2831686B2 JP1074640A JP7464089A JP2831686B2 JP 2831686 B2 JP2831686 B2 JP 2831686B2 JP 1074640 A JP1074640 A JP 1074640A JP 7464089 A JP7464089 A JP 7464089A JP 2831686 B2 JP2831686 B2 JP 2831686B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、立体造形用熱硬化性樹脂組成物を用いた立
体物の造形方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
一般に、鋳型製作時に必要とされる製品形状に対応す
る模型、あるいは切削加工の倣い制御用又は形彫放電加
工電極用の模型の製作は、手加工により、あるいは、NC
フライス盤等を用いたNC切削加工により行われていた。
しかしながら、手加工による場合は、多くの手間と熟練
とを要するという問題があり、NC切削加工による場合
は、刃物刃先形状変更のための交換や摩耗等を考慮し
た、複雑な工作プログラムを作る必要があると共に、加
工面に生じた段を除くために、更に仕上げ加工を必要と
する場合があるという問題もある。最近、これらの従来
技術の問題点を解消し、鋳型製作用、倣い加工用、形彫
放電加工用の複雑な模型や種々の定形物を熱硬化型立体
物造形法により創成する新しい手法に関する技術開発が
期待されている。
この立体造形用熱硬化性樹脂としては、加熱による硬
化感度が優れていること、低粘度であること、硬化時の
体積収縮率が小さいこと、硬化物の機械強度が優れてい
ること、自己接着性が良いこと、酸素雰囲気下での硬化
特性が良いことなど、種々の特性が要求される。
熱硬化性樹脂には、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、フラン樹脂、キシレン・ホルムアルデヒ
ド樹脂、ケトン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂、アニリン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、エポキシ樹脂などがあるが、これまでの
市販のものには、立体造形用熱硬化性樹脂組成物として
最適なものはなかった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、かかる立体造形用熱硬化性樹脂として要求
される各種の諸特性を鋭意検討した結果、見出されたも
のである。
「本発明の目的は、熱硬化型立体物造形システムに最
適な樹脂組成物を用いた立体物の造形方法を提供するこ
とにある。
本発明の立体物造形方法は、必須成分として、(a)
熱硬化性カチオン重合性有機物質、及び(b)熱感受性
カチオン重合開始剤として次の一般式(I) [式中R1、R2は同一または異なる置換または非置換の炭
化水素基で、R1、R2は環を形成していてもよい。Aは次
の一般式(II)または(III) (ここで、R3〜R6は水素原子または置換もしくは非置換
の脂肪族基であり、R3〜R6のうち少なくとも1つは置換
もしくは非置換の脂肪族基であることを要する。またR7
〜R9は置換もしくは非置換の脂肪族基であり、R7〜R9
いずれか2つが環を形成していても良い。)で表される
基である。さらにX-は非求核性陰イオンである。] で表されるスルホニウム塩を含有する立体造形用熱硬化
性樹脂組成物を容器に入れる工程1、 立体造形用熱硬化性樹脂組成物の表面に熱エネルギー
を与えることにより硬化させ、所望厚さの第1の硬化物
を得る工程2、 第1の硬化物の上に立体造形用熱硬化性樹脂組成物の
層を形成させる工程3、 第1の硬化物の上に形成された立体造形用熱硬化性樹
脂組成物の層の表面に熱エネルギーを与えることにより
硬化させ、第1の硬化物上に所望厚さの第2の硬化物が
積層された積層体を得る工程4、 その後、工程3及び工程4を1回以上繰り返す工程
5、 を具備することを特徴とするものである。」 本発明の構成要素となる(a)熱硬化性カチオン重合
性有機物質とは、(b)熱感受性カチオン重合開始剤の
存在下、エネルギー線照射により高分子化又は架橋反応
するカチオン重合性化合物で、例えばエポキシ化合物、
環状エーテル化合物、環状ラクトン化合物、環状アセタ
ール化合物、環状チオエーテル化合物、スピロオルソエ
ステル化合物、ビニル化合物などの1種又は2種以上の
混合物からなるものである。かかるカチオン重合性化合
物の中でも、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ
基を有する化合物は、好ましいものであり、例えば従来
公知の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪
族エポキシ樹脂が挙げられる。
ここで芳香族エポキシ樹脂として好ましいものは、少
なくとも1個の芳香核を有する多価フェノール又はその
アルキレンオキサイド付加体のポリグリシジルエーテル
であって、例えばビスフェノールAやビスフェノールF
又はそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒド
リンとの反応によって製造されるグリシジルエーテル、
エポキシノボラック樹脂が挙げられる。
また、脂環族エポキシ樹脂として好ましいものとして
は、少なくとも1個の脂環族環を有する多価アルコール
のポリグリシジルエーテル、又はシクロヘキセン又はシ
クロペンテン環含有化合物を過酸化水素、過酸等の適当
な酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロ
ヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有
化合物が挙げられる。脂環族エポキシ樹脂の代表例とし
ては、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキ
シシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シ
クロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキ
シシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘ
キセンジオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサ
ン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル
メチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシク
ロヘキシル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサ
ンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシ
クロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイ
ド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキ
シシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサ
ヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタ
ル酸ジ−2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
更に脂肪族エポキシ樹脂として好ましいものは、脂肪
族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物
のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリ
グリシジルエステル、グリシジルアクリレートやグリシ
ジルメタクリレートのホモポリマー、コポリマーなどが
あり、その代表例としては、1,4−ブタンジオールのジ
グリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリ
シジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテ
ル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテ
ル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペン
タエリスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリエ
チレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピ
レングリコールのジグリシジルエーテル、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族
多価アルコールに1種又は2種以上のアルキレンオキサ
イドを付加することにより得られるポリエーテルポリオ
ールのポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖二塩基酸の
ジグリシジルエステルが挙げられる。更に脂肪族高級ア
ルコールのモノグリシジルエーテルや、フェノール、ク
レゾール、ブチルフェノール又はこれらにアルキレンオ
キサイドを付加することにより得られるポリエーテルア
ルコールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリ
シジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリ
ン酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシ
化アマニ油、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられ
る。
エポキシ化合物以外のカチオン重合性有機物質の例と
しては、トリメチレンオキシド、3,3−ジメチルオキセ
タン、3,3−ジクロロメチルオキセタンなどのオキセタ
ン化合物;テトラヒドロフラン、2,3−ジメチルテトラ
ヒドロフランのようなオキソラン化合物;トリオキサ
ン、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキサンシクロオ
クタンのような環状アセタール化合物;β−プロピオラ
クトン、ε−カプロラクトンのような環状ラクトン化合
物;エチレンスルフィド、チオエピクロロヒドリンのよ
うなチイラン化合物;1,3−プロピンスルフィド、3,3−
ジメチルチエタンのようなチエタン化合物;エチレング
リコールジビニルエーテル、アルキルビニルエーテル、
3,4−ジヒドロピラン−2−メチル(3,4−ジヒドロピラ
ン−2−カルボキシレート)、トリエチレングリコール
ジビニルエーテルのようなビニルエーテル化合物;エポ
キシ化合物とラクトンとの反応によって得られるスピロ
オルソエステル化合物;ビニルシクロヘキサン、イソブ
チレン、ポリブタジエンのようなエチレン性不飽和化合
物及び上記化合物の誘導体が挙げられる。これらのカチ
オン重合性有機物質は、単独あるいは2種以上のものを
所望の性能に応じて配合して使用することができる。
これらのカチオン重合性有機物質のうち特に好ましい
ものは1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有
する脂環族エポキシ樹脂であり、カチオン重合反応性、
低粘度化、体積収縮率、熱安定性などの点で良好な特性
を示す。
本発明の立体造形用熱硬化性樹脂組成物を構成する
(b)熱感受性カチオン重合開始剤は、加熱によりカチ
オン重合を開始させる物質を放出することができる化合
物であり、特に加熱によりルイス酸を放出することがで
きるオニウム塩である複塩が好ましく挙げられる。
かかるオニウム塩として、次の一般式(I)で表され
るスルホニウム塩を好ましく挙げることができる。
ここで上記式中R1、R2は同一または異なる置換または
非置換の炭化水素残基で、R1、R2は環を形成していても
よい。
またAは次の一般式(II)又は(III)で表される、
少なくとも1個の脂肪族基で置換されたアリル基または
三級の脂肪族基である。またAは基中に、不飽和結合
基、アルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン基、水酸基、カ
ルボキシル基、エステル基、エーテル基、シアノ基、カ
ルボニル基、スルホン基、チオエーテル基などの官能基
を含むことができる。
(ここで、R3〜R6は水素原子または置換もしくは非置換
の脂肪族基、好ましくはアルキル基であり、R3〜R6のう
ち少なくとも1つは置換もしくは非置換の脂肪族基、好
ましくはアルキル基であることを要する。またR7〜R9
置換もしくは非置換の脂肪族基、好ましくはアルキル基
であり、R7〜R9のいずれか2つが環を形成していても良
い。) さらにX-は非求核性陰イオンであり、式MQm -(MはB,
P,Sb,As,Fe,Al,Sn,Zn,Ti又はCdから選択される原子で、
好ましくはB,P,Sb,Asである。Qはハロゲン原子、mは
1〜6の数)で示すことができる。
好ましい非求核性陰イオンとしては、BF4 -,PF6 -,AsF6
-,SbF6 -等が挙げられる。
また他の非求核性陰イオンとして、式MQm-1OH(式
中、M、Q、mは上記に同じ)で示される陰イオンが挙
げられる。
さらに他の非求核性陰イオンとしては、過塩素酸イオ
ン(ClO3 -)、トリフルオロメチル亜硫酸イオン(CF3SO
3 -)、フルオロスルホン酸イオン(FSO3 -)、トルエン
スルホン酸イオン、トリニトロベンゼンスルホン酸イオ
ンなどが挙げられる。
こうしたスルホニウム塩は比較的容易に合成でき、例
えば対応するスルフィドを活性の高いアルキルハライド
と反応させ、ハロゲン陰イオンを有するスルホニウム塩
を合成し、しかる後にHMQm、NaMQm、KMQm、NH4MQ
m(M、Q、mは上記に同じ)などの試薬により、陰イ
オン交換を実施しても得られるし、あるいは直接的にス
ルフィドにトリエチルオキソニウムテトラフルオロボレ
ートの如きメールワイン試薬を反応させることにより、
好収率で合成することも可能である。
また三級の脂肪族基をスルフィドと反応させる場合
は、対応するアルコールを出発物質として酸性条件下で
反応を行い、スルホニウム塩を得ることができる。
上記一般式(I)で表されるスルホニウム塩として
は、例えば次に示す化合物が挙げられる。
又、前記一般式(I)で表されるスルホニウム塩以外
のスルホニウム塩として次に示す化合物が挙げられる。
これらの(b)熱感受性カチオン重合開始剤は、所望
の特性を得るため単独または2種類以上のものを配合し
て用いることができる。
本発明の組成物において、(a)熱硬化性カチオン重
合性有機物質は、立体造形用熱硬化性樹脂組成物として
所望の特性を得るため、複数の(a)熱硬化性カチオン
重合性有機物質を配合して使用することができる。
特に、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を
有する脂環族エポキシ樹脂を40重量%以上含有してなる
(a)熱硬化性カチオン重合性有機物質は、熱反応性が
良く、機械的強度や熱安定性に優れ、収縮率が3%以下
になり、非常に優れた熱硬化型立体物造形システムを構
成することができる。
本発明の立体造形用熱硬化性樹脂組成物における
(b)熱感受性カチオン重合開始剤は、(a)熱硬化性
カチオン重合性有機物質100重量部に対して0.05〜10重
量部、好ましくは0.1〜6重量部の範囲で添加すること
ができる。添加の際には適当な溶剤を使用して、(b)
熱感受性カチオン重合開始剤を溶剤に溶かして使用する
ことができる。
本発明の立体造形用熱硬化性樹脂組成物には、本発明
の効果を損なわない限り、必要に応じて、顔料や塗料な
どの着色剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、難粘剤、
酸化防止剤などの各種樹脂添加剤、シリカ、ガラス粉、
セラミック粉、金属粉などの充填剤、改質用樹脂などを
適量配合して使用することができる。
また、特にYAGレーザーの場合は、レーザー光エネル
ギー吸収のため、カーボンブラックを、本発明の組成物
100重量部に対して1〜30重量部添加するのが好まし
い。
本発明の立体造形用熱硬化性樹脂組成物の粘度は、常
温で2000cps以下のものが好ましく、1000cps以下のもの
がさらに好ましい。粘度があまり高くなると、造形所要
時間が長くなるため、作業性が悪くなる。
本発明の立体造形用熱硬化性樹脂組成物の硬化システ
ムの概略は次のとおりである。
本発明の立体造形用熱硬化性樹脂組成物の硬化の際に
使用する熱エネルギー源は、収束性を要するため、赤外
線レーザーが好ましく、例えば電力変換効率の良さと最
大出力の高さから、YAGレーザー、炭酸ガスレーザーな
どの赤外線レーザーが挙げられる。
立体物の造形方法は、まず本発明の立体造形用熱硬化
性樹脂組成物を容器に収容し、該組成物表面に熱エネル
ギーを照射し、容器と導光体を相対的に移動しつつ、該
導光体から硬化に必要な赤外線を選択的に供給すること
によって、所望形状の断面形状をもつ硬化層を形成し、
これを組成物液面下に一定深さで沈め、その上に形成さ
れる未硬化組成物の液層に対して、同様の硬化を行い、
これを繰り返して立体物全体を形成する。
本発明の立体造形用熱硬化性樹脂組成物は、赤外線に
よるカチオン重合反応により硬化が進むため、使用する
(a)熱硬化性カチオン重合性有機物質の種類によって
は、赤外線照射時、該組成物を30〜60℃程度に加熱する
ことにより、架橋化反応を効果的に促進することができ
るし、さらに得られた造形物を50〜150℃の温度で後硬
化することで、より機械的強度の優れた造形物を得るこ
とができる。
〔実施例〕
以下実施例によって本発明の代表的な例について、さ
らに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によっ
て制約されるものではない。また例中「部」は重量部を
意味する。
実施例1 (a)熱硬化性カチオン重合性有機物質として、3,4
−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシク
ロヘキサンカルボキシレート100部、(b)熱感受性カ
チオン重合開始剤として、プレニルテトラメチレンスル
ホニウムヘキサフルオロアンチモネート3部、更にカー
ボンブラック2部を充分混合して、本発明の立体造形用
熱硬化性樹脂組成物を得た。
樹脂組成物を入れる容器を乗せた3次元NC(数値制
御)テーブル、YAGレーザー(出力3W,波長1.06μm)と
光学系及びパーソナルコンピュータをメーンとする制御
部より構成される熱硬化型立体造形物システムを用い
て、上記立体造形用熱硬化性樹脂組成物から、底面の直
径12mm、高さ15mm、厚さ0.5mmの円錐を造形した。この
造形物は歪みがなく、収縮率が1.8%と非常に低く極め
て造形精度が高く、かつ機械強度が優れたものであっ
た。造形時間は60分であった。
実施例2 (a)熱硬化性カチオン重合性有機物質として、3,4
−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシク
ロヘキサンカルボキシレート80部、ブタンジオールジグ
リシジルエーテル20部、(b)熱感受性カチオン重合開
始剤として、プレニルテトラメチレンスルホニウムヘキ
サフルオロアルセネート1部、t−ブチルテトラメチレ
ンスルホニウムヘキサフルオロホスフェート1部、更に
カーボンブラック2部を充分混合して、本発明の立体造
形用熱硬化性樹脂組成物を得た。
実施例1に示した熱硬化型立体造形物システムを用い
て、上記立体造形用熱硬化性樹脂組成物から、底面の直
径12mm、高さ10mm、厚さ0.5mmの釣鐘状の造形物を作成
した。この造形物は歪みがなく、収縮率は2.5%で極め
て造形精度が高く、かつ機械強度が優れたものであっ
た。また本組成物は粘度が150cps(25℃)と非常に低い
ため、扱いやすく、YAGレーザーによる硬化性の優れた
ものであった。造形時間は60分であった。
実施例3 (a)熱硬化性カチオン重合性有機物質として、3,4−
エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロ
ヘキサンカルボキシレート50部、ビスフェノールAジグ
リシジルエーテル30部、トリエチレングリコールジビニ
ルエーテル20部、(b)熱感受性カチオン重合開始剤と
して、クロチルテトラメチレンスルホニウムヘキサフル
オロアンチモネート3部を充分混合して、本発明の立体
造形用熱硬化性樹脂組成物を得た。
樹脂組成物を入れる容器を乗せた3次元NC(数値制
御)テーブル、CO2ガスレーザー(出力5W,波長10.6μ
m)と光学系及びパーソナルコンピュータをメーンとす
る制御部より構成される熱硬化型立体造形物システムを
用いて、この組成物を50℃に加熱しながら底面の直径12
mm、高さ9mm、厚さ0.5mmのコップ状造形物を造形したと
ころ、歪みがなく、収縮率は3.0%で造形精度の優れた
ものが得られた。また造形物を50℃に加温していること
と、出力の大きなCO2ガスレーザーを使用することによ
り、造形時間は40分と短時間であった。
実施例4 (a)熱硬化性カチオン重合性有機物質として、3,4
−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシク
ロヘキサンカルボキシレート80部、ビニルシクロヘキセ
ンオキシド20部、(b)熱感受性カチオン重合開始剤と
して、クロチルテトラメチレンスルホニウムヘキサフル
オロアンチモネート3部、充填剤としてカーボンブラッ
ク10部を充分混合して、本発明の立体造形用熱硬化性樹
脂組成物を得た。
実施例1に示した熱硬化型立体造形物システムを用い
て、上記立体造形用熱硬化性樹脂組成物から、実施例2
と同じ釣鐘状の造形物を作成したところ、歪みがなく、
収縮率2.6%で機械的強度、造形精度、表面平滑性の優
れたものが得られた。造形時間は60分であった。
比較例1 3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ
シクロヘキサンカルボキシレート100部、三フッ化ホウ
素モノエチルアミン錯体5部を充分混合して、熱硬化性
カチオン重合性樹脂組成物を得た。
実施例1に示した熱硬化型立体造形物システムを用い
て、上記組成物から、実施例1と同様の円錐状の造形物
を作成しようとしたが、この組成物はYAGレーザーによ
る熱反応性が劣るため、層間剥離が生じ、目的の造形物
を得ることができなかった。
比較例2 ビスフェノールAジグリシジルエーテル100部、ジシ
アンジアミド8部、ベンジルジメチルアミン0.5部を充
分混合して、熱硬化性カチオン重合性樹脂組成物を得
た。
実施例1に示した熱硬化型立体造形物システムを用い
て、上記組成物から、実施例1と同様の円錐状の造形物
を作成しようとしたが、この組成物はYAGレーザーによ
る熱反応性が劣るため、層間剥離が生じ、目的の造形物
を得ることができなかった。また粘度が12000cps(25
℃)と高いため、作業性が非常に悪かった。
〔発明の効果〕
本発明の効果は立体造形用熱硬化性樹脂組成物として
最適の組成物を提供したことである。特に本発明の立体
造形用熱硬化性樹脂組成物は、硬化時の体積収縮が極め
て小さく、一般に5%以下、好ましいものは3%以下と
なる。
さらに本発明の立体造形用熱硬化性樹脂組成物は、加
熱による硬化感度が優れていること、低粘度であるこ
と、硬化時の体積収縮率が小さいこと、硬化物の機械強
度が優れていること、自己接着性が良いこと、酸素雰囲
気下での硬化特性が良いことなど、種々の良好な特性を
具備している。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−75618(JP,A) 特開 昭59−33320(JP,A) 特開 昭60−84303(JP,A) 特開 昭61−211366(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 2/00 - 2/60 C08L 63/00 - 63/10 C08G 59/68 - 59/72 C08G 85/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】必須成分として、(a)熱硬化性カチオン
    重合性有機物質、及び(b)熱感受性カチオン重合開始
    剤として次の一般式(I) [式中R1、R2は同一または異なる置換または非置換の炭
    化水素基で、R1、R2は環を形成していてもよい。Aは次
    の一般式(II)または(III) (ここで、R3〜R6は水素原子または置換もしくは非置換
    の脂肪族基であり、R3〜R6のうち少なくとも1つは置換
    もしくは非置換の脂肪族基であることを要する。またR7
    〜R9は置換もしくは非置換の脂肪族基であり、R7〜R9
    いずれか2つが環を形成していても良い。)で表される
    基である。さらにX-は非求核性陰イオンである。] で表されるスルホニウム塩を含有する立体造形用熱硬化
    性樹脂組成物を容器に入れる工程1、 立体造形用熱硬化性樹脂組成物の表面に熱エネルギーを
    与えることにより硬化させ、所望厚さの第1の硬化物を
    得る工程2、 第1の硬化物の上に立体造形用熱硬化性樹脂組成物の層
    を形成させる工程3、 第1の硬化物の上に形成された立体造形用熱硬化性樹脂
    組成物の層の表面に熱エネルギーを与えることにより硬
    化させ、第1の硬化物上に所望厚さの第2の硬化物が積
    層された積層体を得る工程4、 その後、工程3及び工程4を1回以上繰り返す工程5、 を具備することを特徴とする立体物の造形方法。
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