JPH0820728A - 光学的立体造形用樹脂組成物及びこれを用いた光学的立体造形法 - Google Patents

光学的立体造形用樹脂組成物及びこれを用いた光学的立体造形法

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JPH0820728A
JPH0820728A JP6153463A JP15346394A JPH0820728A JP H0820728 A JPH0820728 A JP H0820728A JP 6153463 A JP6153463 A JP 6153463A JP 15346394 A JP15346394 A JP 15346394A JP H0820728 A JPH0820728 A JP H0820728A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 造形後の変形を防止し、造形物の精度を向上
させることのできる光学的立体造形用樹脂組成物、及び
光学的立体造形方法の提供。 【構成】 エネルギー線硬化性樹脂組成物の任意の表面
に、エネルギー線を照射し、照射表面を硬化させて所望
の厚さの硬化層を形成し、該硬化層上に前述のエネルギ
ー線硬化性樹脂組成物をさらに供給して、これを同様に
硬化して前述の硬化層と連続した硬化層を得る積層操作
を行い、この操作を繰り返すことによって三次元の立体
物を得る方法において、エネルギー線硬化性樹脂組成物
が、エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質100 重
量部、エネルギー線を吸収する芳香族有機化合物0.001
〜5重量部、エネルギー線感受性カチオン重合開始剤0.
1〜15重量部を含有する光学的立体造形用樹脂組成物で
あり、透過率が90〜1.0 %である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学的立体造形用樹脂
組成物及びこれを用いた光学的立体造形法に関し、詳し
くは造形物の精度に優れる光学的立体造形用樹脂組成物
及びこれを用いた光学的立体造形法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学的立体造形とは、特開昭60-247515
号公報に記載されている様に、まず光硬化性を有する各
種樹脂を容器に入れ、上方からアルゴンレーザ、ヘリウ
ムカドミウムレーザ、半導体レーザ等のビームを該樹脂
の任意の部位に照射し、照射を連続的に行うことによっ
て、樹脂の上記ビーム照射部位を硬化させ、これにより
硬化層を形成する。続いて、該硬化層上に前述の光硬化
性を有する樹脂をさらに1層分供給して、これを上記と
同様にして硬化し、前述の硬化層と連続した硬化層を得
る積層操作を行い、この操作を繰り返すことによって目
的とする三次元の立体物を得る方法である。
【0003】従来、上記光学的立体造形に用いられてい
た樹脂としては、まずラジカル重合性樹脂組成物があ
り、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレー
ト、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート
等を主成分とした感光性樹脂が知られている。例えば特
開平2-145616号公報には、変形の低減を目的として、液
状樹脂と見かけ上比重差が0.2未満である微小粒子を含
む光学的立体造形用樹脂が開示され、特開平2-208305号
公報には反応性オリゴマーに対して特定の二官能性アク
リレートを多量に配合した樹脂組成物が開示されてい
る。また造形物の精度向上のために特開平3-15520号公
報には、エチレン系不飽和モノマー、光開始剤及び不溶
性潜在放射線偏光物質からなる組成物の報告、特開平3-
41126号公報には、エチレン系不飽和モノマー、光開始
剤及び可溶性潜在放射線偏光物質からなる組成物の報告
がなされている。さらに、特開平4-85314号公報にはシ
リコーンウレタンアクリレート、多官能エチレン性不飽
和結合を有する化合物及び重合開始剤を含む樹脂組成物
が開示されている。
【0004】また他の光学的立体造形用樹脂としては、
カチオン硬化型樹脂が知られている。例えば特開平1-21
3304号公報には、エネルギー線硬化型カチオン重合性有
機物質とエネルギー線感受性カチオン重合開始剤を含有
することを特徴とする発明が記載されている。特開平2-
28261号公報には、エネルギー線硬化型カチオン重合型
有機物質に一部エネルギー線硬化型ラジカル重合性有機
物質を配合した低収縮率、高解像度の樹脂が開示されて
いる。また特開平2-80423号公報には、光硬化性カチオ
ン重合型エポキシ樹脂にビニルエーテル樹脂とカチオン
重合開始剤と、ラジカル硬化性樹脂とラジカル硬化性開
始剤とを配合した樹脂組成物が開示されている。更に、
特開平2-75618号公報にはエネルギー線硬化性カチオン
重合性有機物質、エネルギー線感受性カチオン重合開始
剤、エネルギー線硬化性ラジカル重合性有機物質、エネ
ルギー線感受性ラジカル重合開始剤及び水素基含有ポリ
エステルを含有することを特徴とする光学的造形用樹脂
組成物が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ラジカ
ル重合性樹脂やそれを主成分とした光学的立体造形用樹
脂組成物は、ラジカル重合を用いているため、何れの樹
脂(組成物)を用いた場合でも酸素による硬化阻害が起
こり硬化時の硬化率が低くなってしまうことから、造形
後に必ず硬化に関与する光又は熱を与える「後硬化処
理」をする必要があり、この後硬化処理に際して造形物
が変形しやすいという欠点があった。また、特開平3-15
520号公報、特開平3-41126号公報、特開平2-208305号公
報等に記載の樹脂組成物も得られた造形物の実用強度が
そのままでは低いため後硬化処理を必要とし、後硬化処
理時に造形物が変形する欠点があった。また、特開平4-
85314号公報記載の樹脂組成物も後硬化処理を必要と
し、後硬化処理時の変形、歪等という点で上記と同様の
欠点があった。
【0006】また、特開平1-213304号公報、特開平2-80
423号公報、特開平2-75618号公報記載の様なカチオン硬
化型光学的立体造形用樹脂は、酸素による硬化障害が起
こらず、樹脂中の活性子により光遮断後も硬化が進行す
る事から後処理が不必要であり、変形が少ないという優
れた特徴を有しているが、与えられたエネルギー量の調
節が難しいため、目的とする硬化層の厚み以上に硬化が
進行し、造形物の厚さ方向の精度を上げることが困難で
あった。
【0007】本発明の目的は、前述の後硬化処理を必須
としないことにより後硬化処理に伴う変形を防止し、ま
た本発明特有の組成により造形物の精度を向上させるこ
とのできる光学的立体造形用樹脂組成物を提供すること
にある。また本発明の他の目的は、前述の後硬化処理を
必須としないことにより後硬化処理に伴う変形を防止
し、また本発明特有の組成により造形物の精度を向上さ
せることのできる光学的立体造形方法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究の結果、造形物の精度に優れる光
学的立体造形用樹脂組成物及びこれを用いた光学的立体
造形法を見出し、本発明を完成するに到った。すなわち
本発明は、必須の構成成分として、(1)エネルギー線
硬化性カチオン重合性有機物質を100重量部、(2)
エネルギー線を吸収する芳香族有機化合物を0.001
〜5重量部、(3)エネルギー線感受性カチオン重合開
始剤を0.1〜15重量部含有することを特徴とする光
学的立体造形用樹脂組成物を提供するものである。また
本発明は、エネルギー線硬化性樹脂組成物の任意の表面
に、エネルギー線を照射し、該樹脂組成物のエネルギー
線照射表面を硬化させて所望の厚さ(d)なる硬化層を
形成し、該硬化層上に前述のエネルギー線硬化性樹脂組
成物をさらに供給して、これを同様に硬化して前述の硬
化層と連続した硬化層を得る積層操作を行い、この操作
を繰り返すことによって三次元の立体物を得る光学的立
体造形法において、 (A)上記エネルギー線硬化性樹脂組成物が、必須の構
成成分として、(1)エネルギー線硬化性カチオン重合
性有機物質を100重量部、(2)エネルギー線を吸収
する芳香族有機化合物を0.001〜5重量部、(3)
エネルギー線感受性カチオン重合開始剤を0.1〜15
重量部含有する硬化性樹脂組成物であり、 (B)硬化性樹脂組成物の表面に照射されたエネルギー
線のエネルギー量に対する、エネルギー線を照射した硬
化性樹脂組成物表面から下方への距離がdなる部位に透
過したエネルギー線のエネルギー量の割合(以下、透過
率(%)とする)が90〜1.0%であることを特徴と
する光学的立体造形法を提供するものである。
【0009】本発明の光学的立体造形用樹脂組成物の構
成要素となる、(1)エネルギー線硬化性カチオン重合
性有機物質とは、エネルギー線照射により活性化したエ
ネルギー線感受性カチオン重合開始剤により高分子化ま
たは、架橋反応を起こす化合物をいう。例示すれば、エ
ポキシ化合物、環状ラクトン化合物、環状アセタール化
合物、環状チオエーテル化合物、スピロオルソエステル
化合物、ビニル化合物などであり、これらの1種または
2種以上の配合物を使用することができる。中でもエポ
キシ化合物が適している。該エポキシ化合物としては、
芳香族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、脂肪族
エポキシ化合物などが適している。
【0010】芳香族エポキシ化合物の具体例としては、
少なくとも1個の芳香族環を有する多価フェノールまた
はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエ
ーテル、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、
またこれらに更にアルキレンオキサイドを付加させた化
合物のグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂等
があげられる。
【0011】また、脂環式エポキシ化合物の具体例とし
ては、少なくとも1個の脂環族環を有する多価アルコー
ルのポリグリシジルエーテル、またはシクロヘキセン、
シクロペンテン環含有化合物を酸化剤でエポキシ化する
ことによって得られるシクロヘキセンオキサイドまたは
シクロペンテンオキサイド含有化合物が挙げられ、例え
ば水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,
4ーエポキシシクロヘキシルメチルー3,4ーエポキシシ
クロヘキサンカルボキシレート、2ー(3,4ーエポキシシ
クロヘキシルー5,5ースピロー3,4ーエポキシ)シクロヘ
キサンーメタジオキサン、ビス(3,4ーエポキシシクロ
ヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジ
オキサイド、4ービニルエポキシシクロヘキサン、ビス
(3,4ーエポキシー6ーメチルシクロヘキシルメチル)ア
ジペート、3,4ーエポキシー6ーメチルシクロヘキサンカ
ルボキシレート、メチレンビス(3,4ーエポキシシクロ
ヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エ
チレングリコールジ(3,4ーエポキシシクロヘキシルメ
チル)エーテル、エチレンビス(3,4ーエポキシシクロ
ヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフ
タル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジー
2ーエチルヘキシル等があげられる。
【0012】脂肪族エポキシ化合物の具体例としては、
脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド
付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸
のポリグリシジルエステル、グリシジルアクリレートま
たはグリシジルメタクリレートのホモポリマー、グリシ
ジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートのコ
ポリマー等が挙げられる。代表的な化合物として1,4ー
ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6ーヘキサン
ジオールジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリ
シジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシ
ジルエーテル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテ
ル、ジペンタエリスリトールのヘキサグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、
ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテルなど
の多価アルコールのグリシジルエーテル、また、プロピ
レングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコール
に1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加す
る事によって得られるポリエーテルポリオールのポリグ
リシジルエーテル、脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジル
エステルが挙げられる。さらに、脂肪族高級アルコール
のモノグリシジルエーテルや、フェノール、クレゾー
ル、ブチルフェノール、また、これらにアルキレンオキ
サイドを付加することによって得られるポリエーテルア
ルコールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリ
シジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリ
ン酸オクチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシ
化アマニ油、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられ
る。また、上記のエポキシ化合物のなかでは1分子中に
2個以上のエポキシ基を含有するものが特に好ましい。
【0013】本発明で用いることができる(1)エネル
ギー線硬化性カチオン重合性有機物質のエポキシ化合物
以外の具体例としては、トリメチレンオキサイド、3,3
−ジメチルオキセタン、3,3−ジクロロメチルオキセタ
ン等のオキセタン化合物;テトラヒドロフラン、2,3−
ジメチルテトラヒドロフラン等のオキソラン化合物;ト
リオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキサン
シクロオクタン等の環状アセタール化合物;β−プロピ
オラクトン、ε−カプロラクトン等の環状ラクトン化合
物;エチレンスルフィド、チオエピクロロヒドリン等の
チイラン化合物;1,3−プロピンスルフィド、3,3−ジメ
チルチエタン等のチエタン化合物;テトラヒドロチオフ
ェン誘導体等の環状チオエーテル化合物;エチレングリ
コールジビニルエーテル、アルキルビニルエーテル、3,
4−ジヒドロピランー2ーメチル(3,4−ジヒドロピラン
−2−カルボキシレート)、トリエチレングリコールジ
ビニルエーテル等のビニル化合物;エポキシ化合物とラ
クトンの反応によって得られるスピロオルソエステル化
合物;ビニルシクロヘキセン、イソブチレン、ポリブタ
ジエン等のエチレン性不飽和化合物及び上記誘導体等が
挙げられる。
【0014】なお、本発明においては、(1)のエネル
ギー線硬化性カチオン重合性有機物質として、上述した
カチオン重合性物質のうち1種または2種類以上の化合
物を配合して使用する事ができる。また、本発明におけ
る特に好ましい(1)エネルギー線硬化性カチオン重合
性有機物質の態様は、1分子中に少なくとも2個以上の
エポキシ基を有する脂環式エポキシ化合物であるが、こ
れに限定されるものではない。
【0015】本発明で使用する(2)のエネルギー線を
吸収する芳香族有機化合物とは、照射されたエネルギー
線を一部吸収する芳香族有機化合物であり、好ましくは
4から8員環が2個から5個縮合した骨格を持った芳香
環を有する有機化合物である。かかる化合物の代表的な
ものは表1の(1) 〜(25)に示される骨格を持ち、骨格中
に1つ以上の芳香族性を持った環を有する有機化合物で
ある。ここでA部は炭素であり、B部は炭素、硫黄、窒
素、酸素又はリンであり、またA部には水素が結合し、
酸素、硫黄以外のB部には水素,炭素数が1から20ま
でのアルキル基、フェニル基、ハロゲン(例えば−F,
−Cl,−Br,−I)、−OH、=O、−OR(ここ
でRは炭素数が1から20までのアルキル基又はフェニ
ル基)、−OCOR(ここでRは炭素数が1から20ま
でのアルキル基又はフェニル基)、−CHO、−COR
(ここでRは炭素数が1から20までのアルキル基又は
フェニル基)、−SR(ここでRは炭素数が1から20
までのアルキル基又はフェニル基)、−NRR’(ここ
でR,R’はそれぞれ同一もしくは異なる、炭素数が1
から20までのアルキル基又はフェニル基)、−NO2
又は−SO3 Hが結合するが、その数は化学的に許され
る範囲に限られる。
【0016】
【表1】
【0017】(2)のエネルギー線を吸収する芳香族有
機化合物のさらに具体的な例としては、ペンタレン、イ
ンデン、ナフタレン、アズレン、ヘプタレン、ビフェニ
レン、as−インダセン、s−インダセン、アセナフチ
レン、フルオレン、フェナレン、フェナントレン、アン
トラセン、フルオランテン、アセフェナントリレン、ア
セアントリレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、
ナフタセン、プレイアデン、ピセン、ペリレン、ペンタ
フェン、ペンタセン、9−アントラアルデヒド、9−ブ
ロモアントラセン、9、10−ジブロモアントラセン、
9、10−ジメチルアントラセン、9、10−ジエチル
アントラセン、9、10−ジメトキシアントラセン、
9、10−ジエトキシアントラセン、1、8、9−トリ
ヒドロキシアントラセン、アントラキノン、2−エチル
アントラキノン、9−ブロモフルオレン、9−フルオレ
ノン、2−ニトロフルオレン、2−アセチルフルオレ
ン、インドール、キノリン、3−メチルキノリン、イソ
キノリン、1−メチルイソキノリン、カルバゾール、ア
クリジン、ベンズイミダゾール、フェナントロリン、
2、3−ベンゾフラン、クマリン、キサンテン、ベンゾ
チアゾール、β−ナフトール、チオキサントン、2−メ
チルチオキサントン、2、4−ジエチルチオキサント
ン、2−イソプロピルチオキサントン、2、6−ジアセ
トキシナフタレン、アントラキノン−2−スルホン酸等
が挙げられる。
【0018】なお、本発明においては(2)のエネルギ
ー線を吸収する芳香族有機化合物として上述した芳香族
有機化合物のうち1種または2種以上の化合物を配合し
て使用する事ができる。また、本発明の光学的立体造形
用樹脂組成物における(2)のエネルギー線を吸収する
芳香族有機化合物の配合量は、(1)のエネルギー線硬
化性カチオン重合性有機物質100重量部に対して0.
001〜5重量部である。この配合量が0.001重量
部未満では添加の効果が十分に得られず、また5重量部
を超えると硬化時の深度が浅くなりすぎて好ましくな
い。また、上記の効果がさらに顕著にあらわれる配合は
(1)のエネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質1
00重量部に対して0.01〜2重量部である。ここで
示した配合割合以外では、上記の理由により本発明の目
的を達成することができない。
【0019】本発明で使用する(3)のエネルギー線感
受性カチオン重合開始剤とは、エネルギー線照射により
カチオン重合を開始させる物質を放出することが可能な
化合物であり、特に好ましいものは、照射によってルイ
ス酸を放出するオニウム塩である複塩またはその誘導体
である。かかる化合物の代表的なものとしては、一般式 [R1 a 2 b 3 c 4 d Z]m+ [MXn+mm- (A) で表される陽イオンと陰イオンの塩を挙げることができ
る。上記一般式(A)中、陽イオンはオニウムであり、
ZはS,Se,Te,P,As,Sb,Bi ,O,ハロ
ゲン(例えばI,Br,Cl)又はN=Nである。
1 ,R2 ,R3 ,R4 は、炭素数が1〜60で、炭素
以外の原子をいくつ含んでもよい有機の基で、同一でも
異なってもよい。また、R1 ,R2 ,R3 ,R4のうち
少なくとも1つは、芳香環を有する上記の如き有機の基
であることが好ましい。a,b,c,dはそれぞれ0〜
3なる整数であってa+b+c+dは、Zの価数に等し
い。Mはハロゲン化物錯体の中心原子である金属又は半
金属(Metalloid)であり、B,P,As,S
b,Fe,Sn,Bi,Al,Ca,In,Ti,Z
n,Sc,V,Cr,Mn,Co等である。Xはハロゲ
ンであり、mは陽イオンの正味の電荷であり、nはMの
価数を示す。上記一般式(A)中の陰イオン[M
n+mm-の具体例としてはテトラフルオロボレート
(BF4)- 、ヘキサフルオロホスフェート(PF6)-
ヘキサフルオロアンチモネート(SbF6)- 、ヘキサフ
ルオロアルセネート(AsF6)- 、ヘキサクロロアンチ
モネート(SbCl6)- 等が挙げられる。
【0020】更に本発明においては、一般式 [R1 a 2 b 3 c 4 d Z]+ [MXn(OH)]- (B) で表される陽イオンと陰イオンの塩も挙げることができ
る。一般式(B)中のR1 、R2 、R3 、R4 、Z、
M、X、a、b、c、d及びnは上記一般式(A)と同
じ意味を示し、上記で例示したものを用いることができ
る。また、その他用いることができるオニウム塩の陰イ
オンとしては、過塩素酸イオン(ClO4)- 、トリフル
オロメチル亜硫酸イオン(CF3 SO3)- 、フルオロス
ルホン酸イオン(FSO3)- 、トルエンスルホン酸陰イ
オン、トリニトロベンゼンスルホン酸陰イオン等が挙げ
られる。
【0021】本発明では、この様なオニウム塩のなかで
も特に芳香族オニウム塩を使用するのが特に有効であ
る。中でも、特開昭50−151997号、特開昭50
−158680号公報に記載の芳香族ハロニウム塩、特
開昭50−151997号、特開昭52−30899
号、特開昭56−55420号、特開昭55−1251
05号公報等に記載のVIA族芳香族オニウム塩、特開昭
50−158698号公報記載のVA族芳香族オニウム
塩、特開昭56−8428号、特開昭56−14940
2号、特開昭57−192429号公報等に記載のオキ
ソスルホキソニウム塩、特開昭49−17040号記載
の芳香族ジアゾニウム塩、米国特許第4139655号
明細書記載のチオビリリウム塩等が好ましい。また、そ
の他好ましいものとしては、鉄/アレン錯体やアルミニ
ウム錯体/光分解珪素化合物系開始剤等も挙げられる。
【0022】また、本発明の光学的立体造形用樹脂組成
物における(3)のエネルギー線感受性カチオン重合開
始剤の配合量は、(1)のエネルギー線硬化性カチオン
重合性有機物質100重量部に対して0.1〜15重量
部であり、好ましくは0.5〜10重量部である。この
配合量が0.1重量部に満たなければ該樹脂組成物が十
分硬化せず、15重量部より多ければ、十分な強度を有
する樹脂が得られない。ここで示した配合割合以外で
は、本発明の目的を達成することができない。
【0023】本発明の光学的立体造形用樹脂組成物に
は、必須ではないが必要に応じてラジカル重合系樹脂、
ラジカル重合開始剤、光増感剤、ポリエーテル化合物、
各種均一溶解性熱可塑性樹脂等を配合することができ
る。例えば、ラジカル重合系樹脂、ラジカル重合開始剤
などを配合した、本発明の樹脂組成物は、これらを配合
しない場合に比べて、光学的立体造形を行った際の硬化
速度が更に向上し、樹脂組成物として好ましいものとな
る。また、ベンゾフェノン、ベンゾインイソプロピルエ
ーテル等の光増感剤と併用することにより、同様の効果
がもたらされる。また、本発明の効果を損なわない限
り、必要に応じて熱感応性カチオン重合開始剤、顔料、
染料等の着色剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、難燃
剤、酸化防止剤等の各種樹脂添加物を添加することもで
きるが必須ではない。上記熱感応性カチオン重合開始剤
としては、例えば特開昭57ー49613号、特開昭5
8ー37004号公報記載の脂肪族オニウム塩類が挙げ
られる。本発明においては、本発明の効果を阻害しない
範囲で所望により、上記のようなラジカル重合系樹脂、
ラジカル重合開始剤、光増感剤、ポリエーテル化合物、
各種均一溶解性熱可塑性樹脂、熱感応性カチオン重合開
始剤や、顔料、染料等の着色剤、レベリング剤、消泡
剤、増粘剤、難燃剤、酸化防止剤等の各種樹脂添加物等
を通常の使用の範囲で併用することができるが、造形物
の歪みの点で、上記必須成分(1)、(2)及び(3)
の総量に対して150重量%以下とするのが好ましい。
【0024】本発明の樹脂組成物を硬化させる活性エネ
ルギー線としては、紫外線、電子線、X線、放射線、高
周波等があり、紫外線が経済的にもっとも好ましい。紫
外線の光源としては、紫外線レーザ、水銀ランプ、キセ
ノンランプ、ナトリウムランプ、アルカリ金属ランプ等
があるが、集光性が良好なことからレーザ光線が特に好
ましい。
【0025】本発明の樹脂組成物は、三次元立体モデル
をCAD/CAMデータとリンクさせることによって、
金型等を用いずに直接、取り出すことが可能であり、N
Cモデリングマシンでは創成不可能なモデル内側の精密
な加工等、更に、自由曲面の創成等にも利用する事が可
能であり工業的価値は非常に高い。例えば本発明の硬化
性樹脂組成物を用いた応用分野としては、設計途中での
外観検査、部品相互の組み合わせの不都合をチェックす
る為のモデル、少量多品種製造のロストワックス用ツリ
ーの一体造形等、非常に広い用途に利用する事が可能で
ある。また具体的な適応分野としては、自動車、電気・
電子部品、家具、建築、デザイン、鋳造、航空機、船舶
等の各種曲面体モデルや加工用モデルなどが挙げられ
る。さらには高精度の活性エネルギー線照射装置を用い
る事により数ミクロン以下の精度のマイクロマシンを創
生する事が出来る。
【0026】次に、本発明の光学的立体造形法について
詳述する。すなわち、本発明の光学的立体造形法は、エ
ネルギー線硬化性樹脂組成物の任意の表面に、エネルギ
ー線を照射し、該樹脂組成物のエネルギー線照射表面を
硬化させて所望の厚さ(d)なる硬化層を形成し、該硬
化層上に前述のエネルギー線硬化性樹脂組成物をさらに
供給して、これを同様に硬化して前述の硬化層と連続し
た硬化層を得る積層操作を行い、この操作を繰り返すこ
とによって三次元の立体物を得る光学的立体造形法にお
いて、 (A)上記エネルギー線硬化性樹脂組成物が、必須の構
成成分として、(1)エネルギー線硬化性カチオン重合
性有機物質を100重量部、(2)エネルギー線を吸収
する芳香族有機化合物を0.001〜5重量部、(3)
エネルギー線感受性カチオン重合開始剤を0.1〜15
重量部含有する硬化性樹脂組成物であり、 (B)硬化性樹脂組成物の表面に照射されたエネルギー
線の透過率が90〜1.0%であることを特徴とするも
のである。
【0027】本発明の光学的立体造形法に用いられるエ
ネルギー線硬化性樹脂組成物は、前述の光学的立体造形
用樹脂組成物であり、前述の光学的立体造形用樹脂組成
物に用いているものと同じ、(1)エネルギー線硬化性
カチオン重合性有機物質、(2)エネルギー線を吸収す
る芳香族有機化合物、(3)エネルギー線感受性カチオ
ン重合開始剤を、前述の配合で使用することができる。
本発明の光学的立体造形法を行うには、まず(1)エネ
ルギー線硬化性カチオン重合性有機物質と、(2)エネ
ルギー線を吸収する芳香族有機化合物と、(3)エネル
ギー線感受性カチオン重合開始剤から、(A)エネルギ
ー線硬化性樹脂組成物を得る。この工程は、周知の工程
によるのがよいが、例えば(1)、(2)、(3)を十
分混合する。この時の混合温度条件は、配合される樹脂
などの種類により異なるが、概ね20〜80℃の範囲で
行うのが好ましい。また、具体的な混合方法としては、
例えばプロペラの回転に伴う撹拌力を利用する撹拌法や
ロール練り込み法などが挙げられる。上記(1)、
(2)、(3)の好ましい配合比、また必要に応じて配
合される添加剤の種類とその配合比は、前述の光学的立
体造形用樹脂組成物に用いている(1)、(2)、
(3)の好ましい配合比、また必要に応じて配合される
添加剤の種類及びその配合比と同じ範囲又は種類を使用
することができる。このようにして得られた光学的立体
造形用樹脂組成物は、概ね常温で液体状である。
【0028】次に、上記(A)エネルギー線硬化性樹脂
組成物の任意の表面に、エネルギー線を照射し、該樹脂
組成物のエネルギー線照射表面を硬化させて所望の厚さ
(d)なる硬化層を形成し、該硬化層上に前述のエネル
ギー線硬化性樹脂組成物をさらに供給して、これを同様
に硬化して前述の硬化層と連続した硬化層を得る積層操
作を行い、この操作を繰り返すことによって三次元の立
体物を得る。具体例を示せば、上記(A)エネルギー線
硬化性樹脂組成物を、例えば特開昭60-247515号公報に
記載されているような容器に収納し、当該樹脂組成物表
面に導光体を挿入し、前記容器と当該導光体とを相対的
に移動しつつ、該導光体を介して当該樹脂組成物表面に
硬化に必要な活性エネルギー線を選択的に供給する事に
よって所望形状の固体を形成する、といった方法であ
る。
【0029】本発明の光学的立体造形法に使用する活性
エネルギー線の種類は、紫外線、電子線、X線、放射
線、高周波等があり、紫外線が経済的にもっとも好まし
い。紫外線の光源としては、紫外線レーザ、水銀ラン
プ、キセノンランプ、ナトリウムランプ、アルカリ金属
ランプ等があるが、集光性が良好なことからレーザ光線
が特に好ましい。
【0030】また、本発明において、エネルギー線の透
過率(ここにいう透過率は上記定義のもの)は90〜
1.0%である。90%を超えると、目的とする硬化樹
脂層の厚み以上に硬化が進行し、造形物の厚さ方向の精
度を上げることが困難になる。また、1.0%に満たな
ければ、硬化層同士の剥離が起こる。また、本発明の効
果がさらに顕著にあらわれる透過率は75〜10%であ
る。ここで示した透過率以外では、上記の理由により本
発明の目的を達成することができない。また、厚さdは
通常用いられる範囲で設定できるが、0.25〜0.0
5mmなる範囲が好ましい。
【0031】
【実施例】以下に本発明の各種実施例を記載するが、本
発明は特許請求の範囲を越えない限り以下の実施例に何
等限定されるものでは無い。また、部は重量部を意味す
る。また、本実施例では、透過率とは前記で定義した意
味とする。
【0032】実施例1 (1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質とし
て、3,4ーエポキシシクロヘキシルメチルー3,4ー
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート80部、1,
4ーブタンジオールジグリシジルエーテル20部、
(2)エネルギー線を吸収する芳香族有機化合物とし
て、9,10−ジエトキシアントラセン0.01部、
(3)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤として、
ビスー[4ー(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スル
フィドビスジヘキサフルオロアンチモネート0.2部を
用い、これらを40℃の温度条件で十分混合して光学的
造形用樹脂を得た。得られた樹脂組成物は、常温で低粘
性液体であり、淡黄色透明であった。次に得られた樹脂
組成物を入れる容器を載せた3次元NC(数値制御)テ
ーブル、Arレーザー(波長333、351、364n
m)と光学系及びパーソナルコンピューターを中心とし
た制御部からなる立体造形実験システムを用いて、この
樹脂組成物から0.1mmピッチで積層してCADによ
る設計寸法において幅100mm、長さ100mm,厚
さ10mmの立体造形物(以下試験片と称する)を得
た。実際に得られた試験片の厚さをマイクロメータを用
いて測定したところ、10.30mmであり、良好な精
度が得られた。なお、エネルギー線の透過率(ここで、
d=0.1mm)は85%であった。
【0033】実施例2 (1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質とし
て、3,4ーエポキシシクロヘキシルメチルー3,4ー
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート80部、1,
4ーブタンジオールジグリシジルエーテル20部、
(2)エネルギー線を吸収する芳香族有機化合物とし
て、アントラセン0.02部、(3)エネルギー線感受
性カチオン重合開始剤として、ビスー[4ー(ジフェニ
ルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスジヘキサフル
オロアンチモネート0.5部を用い、実施例1と同様に
混合して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物は常温
で低粘性液体であり、淡黄色透明であった。次に、この
樹脂組成物を用いた他は実施例1の方法に準じ、試験片
を作成した。得られた試験片の厚さは10.21mmで
あり、良好な精度が得られた。なお、エネルギー線の透
過率(ここで、d=0.1mm)は75%であった。
【0034】実施例3 (1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質とし
て、ビス(3,4ーエポキシシクロヘキシルメチル)ア
ジペート60部、1,4ーブタンジオールジグリシジル
エーテル20部、ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル20部、(2)エネルギー線を吸収する芳香族有機化
合物として、アントラセン0.02部、(3)エネルギ
ー線感受性カチオン重合開始剤として、ビスー[4ー
(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスジ
ヘキサフルオロアンチモネート3部を用い、実施例1と
同様に混合して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物
は常温で低粘性液体であり、淡黄色透明であった。次
に、この樹脂組成物を用いた他は実施例1の方法に準
じ、試験片を作成した。得られた試験片の厚さは10.
20mmであり、良好な精度が得られた。なお、エネル
ギー線の透過率(ここで、d=0.1mm)は71%で
あった。
【0035】実施例4 (1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質とし
て、ビス(3,4ーエポキシシクロヘキシルメチル)ア
ジペート60部、1,4ーブタンジオールジグリシジル
エーテル20部、トリエチレングリコールジビニルエー
テル20部、(2)エネルギー線を吸収する芳香族有機
化合物として、9,10ージエトキシアントラセン0.
05部、(3)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤
として、ビスー[4ー(ジフェニルスルホニオ)フェニ
ル]スルフィドビスジヘキサフルオロアンチモネート3
部を用い、実施例1と同様に混合して樹脂組成物を得
た。得られた樹脂組成物は常温で低粘性液体であり、淡
黄色透明であった。次に、この樹脂組成物を用いた他は
実施例1の方法に準じ、試験片を作成した。得られた試
験片の厚さは10.12mmであり、良好な精度が得ら
れた。なお、エネルギー線の透過率(ここで、d=0.
1mm)は45%であった。
【0036】実施例5 (1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質とし
て、ビス(3,4ーエポキシシクロヘキシルメチル)ア
ジペート30部、3,4ーエポキシシクロヘキシルメチ
ルー3,4ーエポキシシクロヘキサンカルボキシレート
45部、1,4ーブタンジオールジグリシジルエーテル
25部、(2)エネルギー線を吸収する芳香族有機化合
物として、2,4ージエチルチオキサントン0.05
部、(3)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤とし
て、ビスー[4ー(ジフェニルスルホニオ)フェニル]
スルフィドビスジヘキサフルオロアンチモネート3部を
用い、実施例1と同様に混合して樹脂組成物を得た。得
られた樹脂組成物は常温で低粘性液体であり、淡黄色透
明であった。次に、この樹脂組成物を用いた他は実施例
1の方法に準じ、試験片を作成した。得られた試験片の
厚さは10.14mmであり、良好な精度が得られた。
なお、エネルギー線の透過率(ここで、d=0.1m
m)は42%であった。
【0037】実施例6 (1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質とし
て、3,4ーエポキシシクロヘキシルメチルー3,4ー
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート75部、1,
4ーブタンジオールジグリシジルエーテル25部、
(2)エネルギー線を吸収する芳香族有機化合物とし
て、9,10ージエトキシアントラセン0.3部、
(3)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤として、
ビスー[4ー(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スル
フィドビスジヘキサフルオロアンチモネート3部、さら
にエネルギー線硬化性ラジカル重合性有機物質としてビ
スフェノールAジアクリレート10部、エネルギー線感
受性ラジカル重合開始剤としてベンゾフェノン1部を用
い、実施例1と同様に混合して樹脂組成物を得た。得ら
れた樹脂組成物は常温で低粘性液体であり、淡黄色透明
であった。次に、この樹脂組成物を用いた他は実施例1
の方法に準じ、試験片を作成した。得られた試験片の厚
さは10.01mmであり、良好な精度が得られた。な
お、エネルギー線の透過率(ここで、d=0.1mm)
は11%であった。
【0038】実施例7 (1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質とし
て、3,4ーエポキシシクロヘキシルメチルー3,4ー
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート75部、1,
4ーブタンジオールジグリシジルエーテル25部、
(2)エネルギー線を吸収する芳香族有機化合物とし
て、2ーイソプロピルチオキサントン0.4部、(3)
エネルギー線感受性カチオン重合開始剤として、ビスー
[4ー(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド
ビスジヘキサフルオロアンチモネート3部、さらにエネ
ルギー線硬化性ラジカル重合性有機物質としてビスフェ
ノールAジアクリレート10部、エネルギー線感受性ラ
ジカル重合開始剤としてベンゾフェノン1部を用い、実
施例1と同様に混合して樹脂組成物を得た。得られた樹
脂組成物は常温で低粘性液体であり、淡黄色透明であっ
た。次に、この樹脂組成物を用いた他は実施例1の方法
に準じ、試験片を作成した。得られた試験片の厚さは1
0.02mmであり、良好な精度が得られた。なお、エ
ネルギー線の透過率(ここで、d=0.1mm)は12
%であった。
【0039】実施例8 (1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質とし
て、3,4ーエポキシシクロヘキシルメチルー3,4ー
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート80部、1,
4−ブタンジオールジグリシジルエーテル20部、
(2)エネルギー線を吸収する芳香族有機化合物とし
て、9,10−ジエトキシアントラセン1部、2−イソ
プロピルチオキサントン0.4部、(3)エネルギー線
感受性カチオン重合開始剤として、ビス−[4−(ジフ
ェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスジヘキサ
フルオロホスフェート5部を用い、実施例1と同様に混
合して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物は常温で
低粘性液体であり、淡黄色透明であった。次に、この樹
脂組成物を用いた他は実施例1の方法に準じ、試験片を
作成した。得られた試験片の厚さは10.03mmであ
り、良好な精度が得られた。なお、エネルギー線の透過
率(ここで、d=0.1mm)は12%であった。
【0040】実施例9 (1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質とし
て、ビス(3,4ーエポキシシクロヘキシルメチル)ア
ジペート80部、1,4ーブタンジオールジグリシジル
エーテル20部、(2)エネルギー線を吸収する芳香族
有機化合物として、9,10ージエトキシアントラセン
1部、(3)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤と
して、ビスー[4ー(ジフェニルスルホニオ)フェニ
ル]スルフィドビスジヘキサフルオロアンチモネート1
0部とを40℃の温度条件で十分混合して光学的造形用
樹脂を得た。得られた樹脂組成物は、常温で低粘性液体
であり、淡黄色透明であった。次に得られた樹脂組成物
を入れる容器を載せた3次元NC(数値制御)テーブ
ル、Arレーザー(波長333、351、364nm)
と光学系及びパーソナルコンピュターを中心とした制御
部からなる立体造形実験システムを用いて、この樹脂組
成物から0.05mmピッチで積層してCADによる設
計寸法において幅10mm、長さ10mm,厚さ5mm
の立体造形物(以下試験片と称する)を得た。実際に得
られた試験片の厚さをマイクロメータを用いて測定した
ところ、5.008mmであり、良好な精度が得られ
た。なお、エネルギー線の透過率(ここで、d=0.0
5mm)は10%であった。
【0041】比較例1 (1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質とし
て、3,4ーエポキシシクロヘキシルメチルー3,4ー
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート80部、1,
4ーブタンジオールジグリシジルエーテル20部、
(3)カチオン重合開始剤として、ビスー[4ー(ジフ
ェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスジヘキサ
フルオロアンチモネート3部を用い、実施例1と同様に
混合して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物は常温
で低粘性液体であり、淡黄色透明であった。次に、この
樹脂組成物を用いた他は実施例1の方法に準じ、試験片
を作成した。得られた試験片の厚さは10.91mmで
あり、良好な精度が得られなかった。なお、この樹脂組
成物の表面に照射されたエネルギー線の透過率は98%
であった。
【0042】比較例2 (1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質とし
て、3,4ーエポキシシクロヘキシルメチルー3,4ー
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート75部、1,
4ーブタンジオールジグリシジルエーテル25部、
(3)カチオン重合開始剤として、ビスー[4ー(ジフ
ェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスジヘキサ
フルオロアンチモネート3部、さらにエネルギー線硬化
性ラジカル重合性有機物質としてビスフェノールAジア
クリレート10部、エネルギー線感受性ラジカル重合開
始剤としてベンゾフェノン1部を用い、実施例1と同様
に混合して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物は常
温で低粘性液体であり、淡黄色透明であった。次に、こ
の樹脂組成物を用いた他は実施例1の方法に準じ、試験
片を作成した。得られた試験片の厚さは11.05mm
であり、良好な精度が得られなかった。なお、この樹脂
組成物の表面に照射されたエネルギー線の透過率は95
%であった。
【0043】上記実施例1〜9及び比較例1〜2で得ら
れた樹脂組成物の組成、及び得られた試験片の厚さ、透
過率等の結果を表2にまとめて示す。
【0044】
【表2】
【0045】表2中の略号等は以下の意味を示す。 EpoEpo…3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,
4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート Bdiol …1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル Epoadi…ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチ
ル)アジペート BisA …ビスフェノールAジグリシジルエーテル Diviet…トリエチレングリコールジビニルエーテル Anthr …アントラセン DETA …9,10−ジエトキシアントラセン DETX …2,4−ジエチルチオキサントン ipTX …2−イソプロピルチオキサントン SbF6 …ビス−[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニ
ル]スルフィドビスジヘキサフルオロアンチモネート PF6 …ビス−[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニ
ル]スルフィドビスジヘキサフルオロホスフェート BisAc …ビスフェノールAジアクリレート Bezoph…ベンゾフェノン d …前記の通り 誤差 …目標とした試験片の厚さに対する実験で得られ
た試験片の厚さの差の割合 厚さ …実験で得られた試験片の厚さ 透過率…硬化性樹脂組成物の表面に照射されたエネルギ
ー線のエネルギー量に対する、エネルギー線を照射した
硬化性樹脂組成物表面から下方への距離がdなる部位に
透過したエネルギー線のエネルギー量の割合
【0046】
【発明の効果】本発明の光学的立体造形法は、エネルギ
ー線硬化性カチオン重合性有機物質を主成分とする本発
明の樹脂組成物を用いるため空気中の酸素の影響を受け
ず、エネルギー線硬化性ラジカル重合性化合物を主成分
とする樹脂組成物を用いた場合のように、いわゆる後硬
化処理の必要がない。従って、後硬化処理に起因する硬
化物の変形(歪)が改善される。また、本発明の樹脂組
成物にあっては、上記と同様の理由により、仮に該樹脂
組成中にエネルギー線硬化性ラジカル重合性化合物が配
合されていても、後硬化処理の必要がなく硬化物の変形
(歪)が改善される上、当該ラジカル重合性化合物によ
って、硬化速度が向上し、樹脂組成物としてより好まし
い物となる。
【0047】また、本発明の光学的立体造形法は、エネ
ルギー線を吸収する芳香族有機化合物が配合された樹脂
組成物を用いるため、当該樹脂組成物を用いて光学的立
体造形を行った際に厚さ方向の精度の良好な光学的立体
造形物を得る事ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 75/06 NTW G03F 7/027 G03H 1/02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 必須の構成成分として、(1)エネルギ
    ー線硬化性カチオン重合性有機物質を100重量部、
    (2)エネルギー線を吸収する芳香族有機化合物を0.
    001〜5重量部、(3)エネルギー線感受性カチオン
    重合開始剤を0.1〜15重量部含有することを特徴と
    する光学的立体造形用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 エネルギー線硬化性樹脂組成物の任意の
    表面に、エネルギー線を照射し、該樹脂組成物のエネル
    ギー線照射表面を硬化させて所望の厚さ(d)なる硬化
    層を形成し、該硬化層上に前述のエネルギー線硬化性樹
    脂組成物をさらに供給して、これを同様に硬化して前述
    の硬化層と連続した硬化層を得る積層操作を行い、この
    操作を繰り返すことによって三次元の立体物を得る光学
    的立体造形法において、 (A)上記エネルギー線硬化性樹脂組成物が、必須の構
    成成分として、(1)エネルギー線硬化性カチオン重合
    性有機物質を100重量部、(2)エネルギー線を吸収
    する芳香族有機化合物を0.001〜5重量部、(3)
    エネルギー線感受性カチオン重合開始剤を0.1〜15
    重量部含有する硬化性樹脂組成物であり、 (B)硬化性樹脂組成物の表面に照射されたエネルギー
    線のエネルギー量に対する、エネルギー線を照射した硬
    化性樹脂組成物表面から下方への距離がdなる部位に透
    過したエネルギー線のエネルギー量の割合(以下、透過
    率(%)とする)が90〜1.0%であることを特徴と
    する光学的立体造形法。
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