JP3886163B2 - 光学的立体造形用樹脂組成物及びこれを用いた光学的立体造形法 - Google Patents

光学的立体造形用樹脂組成物及びこれを用いた光学的立体造形法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光学的立体造形用樹脂組成物及びこれを用いた光学的立体造形法に関し、詳しくは造形後の変形が少なく、機械的特性に優れる光学的立体造形用樹脂組成物及びこれを用いた光学的立体造形法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学的立体造形とは、特開昭60-247515号公報に記載されている様に、まず光硬化性を有する各種樹脂を容器に入れ、上方からアルゴンレーザ、ヘリウムカドミウムレーザ、半導体レーザ等のビームを該樹脂の任意の部位に照射し、照射を連続的に行うことによって、樹脂の上記ビーム照射部位を硬化させ、これにより目的とする平面を創生して硬化層を形成する。続いて、該硬化層上に前述の光硬化性を有する樹脂をさらに1層分供給して、これを上記と同様にして硬化し、前述の硬化層と連続した硬化層を得る積層操作を行い、この操作を繰り返すことによって目的とする三次元の立体物を得る方法である。
【0003】
従来、上記光学的立体造形に用いられていた樹脂としては、まずラジカル重合性樹脂組成物があり、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート等を主成分とした感光性樹脂が知られている。例えば特開平2-145616号公報には、変形の低減を目的として、液状樹脂と見かけ上比重差が0.2未満である微小粒子を含む光学的立体造形用樹脂が開示され、特開平2-208305号公報には反応性オリゴマーに対して特定の二官能性アクリレートを多量に配合した樹脂組成物が開示されている。また特開平3-41126号公報には、エチレン系不飽和モノマー、光開始剤及び潜在放射線偏光物質からなる組成物の報告がなされ、特開平4-85314号公報にはシリコーンウレタンアクリレート、多官能エチレン性不飽和結合を有する化合物及び重合開始剤を含む樹脂組成物が開示されている。
【0004】
また他の光学的立体造形用樹脂としては、エポキシ系カチオン硬化型樹脂が知られている。例えば特開昭62-235318号公報には、トリアリールスルホニウム塩触媒を用いて分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物と分子内に2個以上のビニル基を有するビニル化合物とを同時に光硬化させることを特徴とする発明が記載されている。また特開平2-145616号公報には、変形の低減を目的としてエポキシ系カチオン硬化型樹脂を用いる例が開示されている。特開平1-213304号公報には、光硬化性カチオン重合型エポキシ樹脂に一部光重合性アクリレート樹脂を配合した低収縮率、高解像度の樹脂組成物が開示されている。また特開平2-80423号公報には、光硬化性カチオン重合型エポキシ樹脂にビニルエーテル樹脂とカチオン重合開始剤を配合し一部ラジカル硬化性樹脂とラジカル硬化開始剤とを配合した樹脂組成物が開示されている。更に特開平2-75618号公報にはエネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質、エネルギー線感受性カチオン重合開始剤、エネルギー線硬化性ラジカル重合性有機物質、エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤及び水素基含有ポリエステルを含有することを特徴とする光学的造形用樹脂組成物が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ラジカル重合性樹脂やそれを主成分とした光学的立体造形用樹脂組成物は、ラジカル重合を用いているため、何れの樹脂(組成物)を用いた場合でも酸素による硬化阻害が起こり硬化時の硬化率が低くなってしまうことから、造形後に必ず硬化に関与する光又は熱を与える「後硬化処理」をする必要があり、この後硬化処理に際して造形物が変形しやすいという欠点があった。
【0006】
また、特開平2-145616号公報記載の組成物は、経時的に微小粒子が分離して樹脂組成が変化してしまうという欠点があり、さらに添加する微粒子の大きさによって光の散乱が起こって光学的立体造形物の表面が荒れてしまうという欠点もあった。さらに特開平2-208305号公報、特開平3-41126号公報等記載の組成物では、いずれの樹脂組成物も得られた造形物の実用強度がそのままでは低いため後硬化処理を必要とし、このためラジカル重合性樹脂組成物と同様に後硬化処理時において造形物が変形するという欠点があった。また特開平4-85314号公報記載の樹脂組成物も後処理を必要とし、後処理時の変形・歪等という点で上記と同様の欠点があった。
【0007】
また、特開平1-213304号公報、特開平2-80423号公報、特開平2-75618号公報に記載されているカチオン硬化型樹脂を含む光学的立体造形用樹脂組成物は、自然と硬化が進行することから後硬化処理が不必要であり、従って変形が少ないという優れた特徴を有しているものの、樹脂組成物の主成分がエポキシ樹脂であることに由来して造形物が比較的脆いという欠点があった。
【0008】
また、特開昭62-235318号公報などの組成物は、光学的造形用樹脂を得ることを目的としていないため、目的とする硬化層の厚み以上に硬化が進行するため、出来上がった硬化物の精度が非常に悪く光学的立体造形用樹脂としては不適なものであった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光学的立体造形用樹脂組成物及びこれを用いた光学的立体造形法に関し、特に造形後の変形が少なく、機械的特性に優れる光学的立体造形用樹脂組成物及びこれを用いた光学的立体造形法に関する。
【0010】
すなわち本発明の光学的造形用樹脂組成物は、必須成分として
(1)エネルギー線硬化性カチオン重合性エポキシ化合物
(2)エネルギー線硬化性カチオン重合性基及び(1)に対する溶解性を向上させるエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの1種または2種をランダム重合付加またはブロック重合付加した基を同時に含むシリコーン樹脂
(3)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤
を含むことを特徴とするものである。
【0011】
本発明の構成要素となる(1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質とは、エネルギー線照射により高分子化または架橋反応によりカチオン重合を起こす化合物をいい、例えばエポキシ化合物、環状ラクトン化合物、環状アセタール化合物、環状チオエーテル化合物、スピロオルソエステル化合物、ビニル化合物などの1種または2種以上の配合物を示す。上記エポキシ化合物としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を含有する芳香族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂または脂環式エポキシ樹脂などが適している。
【0012】
芳香族エポキシ樹脂とは、少なくとも1個の芳香族環を有する多価フェノールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテルを示す。例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、更にアルキレンオキサイド付加物のグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂等が挙げられる。また脂環式エポキシ樹脂とは、少なくとも1個の脂環族環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテルまたはシクロヘキセン、シクロペンテン環含有化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が挙げられる。脂環式エポキシ樹脂としては、水素添加ビスフェノールAグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロシクロヘキセンジオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等が挙げられる。
【0013】
脂肪族エポキシ樹脂としては、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物ポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートのホモポリマー、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートのコポリマー等が挙げられる。代表的な化合物としては、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペンタエルスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖二塩基酸脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルやフェノール、クレゾール、ブチルフェノール、またこれらにアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。
【0014】
エポキシ化合物以外のカチオン重合性有機物質としては、トリメチレンオキサイド、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ジクロロメチルオキセタン等のオキセタン化合物、テトラヒドロフラン、2,3−ジメチルテトラヒドロフラン等のオキソラン化合物、トリオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキサンシクロオクタン等の環状アセタール化合物、β−プロピオラクトン、ε−カプロラクトン等の環状ラクトン化合物、エチレンスルフィド、チオエピクロルヒドリン等のチエタン化合物、1,3−プロピンスルフィド、3,3−ジメチルチエタン等のチエタン化合物、エチレングリコールジビニルエーテル、アルキルビニルエーテル、3,4−ジヒドロピラン−2−メチル(3,4−ジヒドロピラン−2−カルボキシレート)、トリエチレングリコールジビニルエーテル等のビニルエーテル化合物、エポキシ化合物とラクトンの反応によって得られるスピロオルソエステル化合物、ビニルシクロヘキセン、イソブチレン、ポリブタジエン等のエチレン性不飽和化合物及び上記誘導体等が挙げられる。
【0015】
なお、本発明においては、(1)のエネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質として、上述したカチオン重合性物質のうちの1種または2種類以上の化合物を配合して使用することができる。
【0016】
また、本発明における特に好ましいエネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質の態様は、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する脂環式エポキシ樹脂であるが、これに限定されるものではない。また本発明において更に好ましくは、エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質の配合割合を40〜95重量%とする。この配合割合が40重量%未満ではこの樹脂を含む樹脂組成物の硬化性が劣り、95重量%を越えて含有すると、この樹脂を含む樹脂組成物を硬化して得られる硬化物が脆くなり好ましくない。
【0017】
本発明の構成要素となる(2)エネルギー線硬化性カチオン重合性基及び(1)に対する溶解性を向上させる基を同時に含むシリコーン樹脂とは、主鎖がポリシロキサン結合で構成され、側鎖または分子鎖末端にカチオン重合性を有する反応性基を結合して有する化合物を示し、さらに一般的なシリコーン樹脂は有機性化合物に溶解性に乏しいことから、上記化合物の側鎖または分子鎖末端に溶解性向上を目的とした可溶性基が結合しているものを示す。
【0018】
側鎖または分子鎖末端のカチオン重合性を有する反応基とは、上記(1)に記載の各化合物におけるカチオン硬化性を有する反応基及び構造を示す。仮に、側鎖または分子鎖末端のカチオン重合性を有する反応基を分子中に含まないシリコーン樹脂を配合すると、積層構造を成し硬化した後、各層が容易に剥離してしまい光学的立体造形物となり得ない。従って、側鎖または分子鎖末端のカチオン重合性を有する反応基の含有は本発明において必須の条件である。
【0019】
本発明に用いる(2)のシリコーン樹脂は、好ましくはカチオン重合性を有する反応基がシリコーン分子鎖に2個以上結合されている化合物であり、更に好ましくはカチオン重合性を有する反応基が脂環式エポキシ基であるシリコーン樹脂である。このエネルギー線硬化性カチオン重合性基含有シリコーン樹脂の分子量は1000〜40000である。分子量が1000未満であると、この樹脂を含む樹脂組成物を硬化した場合に得られる硬化物の脆さは改善されず、分子量が40000を越えると、このエネルギー線硬化性カチオン重合性基含有シリコーン樹脂が(1)のエネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質に容易に溶解しなくなる傾向があるため好ましくない。
【0020】
また、上記カチオン重合性を有する反応基は、以下に示す式1から算出した反応基当量が150〜20000であるのが好ましい。仮にこの反応基当量が150未満である樹脂を配合した樹脂組成物とした場合は、硬化物の脆さ改善効果が不十分で、逆に20000を越えた値であると、当該樹脂組成物を硬化させる際の硬化反応が不十分となり、その結果、硬化後において未硬化の樹脂組成物が徐々に硬化物表面に染み出すこととなり不適である。
【0021】
【数1】
Figure 0003886163
【0022】
また、このエネルギー線硬化性カチオン重合性基含有シリコーン樹脂は、本発明の樹脂組成物中に2〜30重量%、更に好ましくは3〜15重量%の配合割合で含まれる。仮にこの配合割合が2重量%未満であると、樹脂組成物を硬化物とした場合の脆さが改善されず、30重量%を越えて添加すると硬化物が非常に柔軟になり、硬化物を目的とする形になし得ないため不適である。
【0023】
側鎖または分子鎖末端の溶解性向上を目的とした可溶性基とは、C2〜C20の主鎖を有する炭化水素化合物である。また好ましくは、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの1種または2種をランダム重合付加またはブロック重合付加したものであり、付加量は(1)のエネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質に容易に溶解できる溶解性を付与し得る程度であればよい。
【0024】
次に、上述した諸条件を満たす(2)のシリコーン樹脂の一般的な構造を以下に示すが、本発明は以下の構造によって限定されるものではない。
【0025】
【化1】
Figure 0003886163
【0026】
(式中、R1、R2はメチル基又はフェニル基を示す。R3はメチル基又はフェニル基又はカチオン重合性を示す反応基。R4はカチオン重合性を示す反応基。R5はメチル基又はフェニル基又は溶解性向上を目的とした可溶性基。R6は溶解性向上を目的とした可溶性基。R7、R8はCH3 又はH基である。)
上記式中、Xは1〜200、Yは1〜100、Zは5〜100を示し、これらX,Y,Zの組み合わせは、前述の分子量、反応基当量の条件に矛盾しない限りどの様な組み合わせも可能である。本発明にかかる(2)のシリコーン樹脂は、エネルギー線硬化性カチオン重合性基を含有するシリコーン樹脂、例えば東芝シリコーン(株)社製XF42−A4438、TSF4731等と、可溶性基含有シリコーン樹脂、例えば東芝シリコーン(株)社製TSF4421、TSF4422、XF42−A3160等とを化学的に結合させることによって得られるが、結果的に得られたシリコーン樹脂が上述した本発明にかかる(2)のシリコーン樹脂の諸条件を満たすものであれば、その合成方法は問わな
い。
【0027】
本発明で使用する(3)カチオン重合開始剤とは、エネルギー線照射によりカチオン重合を開始させる物質を放出することが可能な化合物をいい、特に好ましいものは、エネルギー線の照射によってルイス酸を放出するオニウム塩である複塩の一連のものを示す。かかる化合物の代表的なものは一般式
【0028】
【化2】
Figure 0003886163
【0029】
(式中、カチオンはオニウムであり、ZはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、ハロゲン(例えばI、Br、Cl)またはN=Nである。R1、R2、R3、R4は同一であっても異なってもよい有機の基である。a、b、c、dはそれぞれ0〜3の整数であって、a〜dの総和はZの価数に等しい。Mはハロゲン化物錯体の中心原子である金属又は半金属(Metalloid)を示し、例えばB、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Co等である。Xはハロゲンを示し、mはハロゲン化物錯体イオンの正味の電荷を示し、nはハロゲン化物錯体イオン中の原子の数を示す。)
で表される。また上記一般式の陰イオンMXn+m の具体例としては、テトラフルオロボレート(BF4 -)、ヘキサフルオロホスフェート(PF6 -)、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF6 -)、ヘキサフルオロアルセネート(AsF6 -)、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl6 -)等が挙げられる。
【0030】
更に本発明においては、(3)カチオン重合開始剤として一般式MXn(OH)-で表される陰イオンも用いることができる。また、その他の陰イオンとしては、過塩素酸イオン(ClO4 -)、トリフルオロメチル亜硫酸イオン(CF3SO3 -)、フルオロスルホン酸イオン(FSO3 -)、トルエンスルホン酸陰イオン、トリニトロベンゼンスルホン酸陰イオン等が挙げられる。
【0031】
本発明では、この様なオニウム塩の中でも特に芳香族オニウム塩をカチオン重合開始剤と使用するのが特に有効である。中でも、特開昭50−151997号、特開昭50−158680号公報に記載の芳香族ハロニウム塩、特開昭50−151997号、特開昭52−30899号、特開昭56−55420号、特開昭55−125105号公報等に記載のVI A族芳香族オニウム塩、特開昭50−158698号公報記載のV A族芳香族オニウム塩、特開昭56−8428号、特開昭56−149402号、特開昭57−192429号公報等に記載のオキソスルホキソニウム塩、特開昭49−17040号記載の芳香族ジアゾニウム塩、米国特許第4139655号明細書記載のチオビリリウム塩等が好ましい。また、その他に好ましいものとしては、鉄/アレン錯体やアルミニウム錯体/光分解珪素化合物系開始剤等も挙げられる。かかるカチオン開始剤には、ベンゾフェノン、ベンゾインイソプロピルエーテル、チオキサントン等の光増感剤を併用してもよい。
【0032】
また本発明においては、(1)の有機物質、(2)のシリコーン樹脂及び(3)のカチオン重合開始剤の総和の配合割合が、樹脂組成物中55〜100重量%である。この配合割合が55重量%未満の樹脂組成物では、光学的立体造形を行った場合に造形物が歪み好ましくない。
【0033】
なお、本発明においては、必須ではないが必要に応じてラジカル重合系樹脂、ラジカル重合開始剤、ポリエーテル化合物、各種均一溶解性熱可塑性樹脂等を配合することができる。例えば、ラジカル重合系樹脂、ラジカル重合開始剤などを配合した、本発明の樹脂組成物は、これらを配合しない場合に比べて、光学的立体造形を行った際の硬化物の硬化速度がさらに向上し、樹脂組成物として好ましいものとなる。
【0034】
また、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて熱感応性カチオン重合開始剤、顔料、染料等の着色剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、難燃剤または酸化防止剤等の各種樹脂添加物を添加することもできるが必須ではない。上記熱感応性カチオン重合開始剤としては、例えば特開昭57−49613号、特開昭58−37004号公報記載の脂肪族オニウム塩類が挙げられる。
【0035】
本発明の樹脂組成物を硬化させる活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、X線、放射線、高周波等があり、紫外線が経済的に最も好ましい。また紫外線の光源としては、紫外線レーザ、水銀ランプ、キセノンランプ、ナトリウムランプ、アルカリ金属ランプ等が挙げられるが、集光性が良好なことからレーザ光線が特に好ましい。
【0036】
本発明の樹脂組成物は、三次元立体モデルをCAD/CAMデータとリンクさせることによって、金型等を用いずに直接取り出すことが可能であり、NCモデリングマシンでは創成不可能なモデル内側の精密な加工等、更に自由曲面の創成等にも利用することが可能であり工業的価値は非常に高い。例えば本発明の樹脂組成物を用いた応用分野としては、設計途中での外観検査、部品相互の組み合わせの不都合をチェックする為のモデル、少量多品種製造のロストワックス用ツリーの一体造形等、非常に広い用途に利用することが可能である。
また具体的な適応分野としては、自動車、電気・電子部品、家具、建築、デザイン、鋳造、航空機、船舶等の各種曲面体モデルや加工用モデルなどが挙げられる。
【0037】
次に、本発明の光学的立体造形法について詳述する。本発明の光学的立体造形法は、エネルギー線硬化性樹脂の任意の部位にエネルギー線を照射し、該樹脂の上記エネルギー線照射部位を硬化させて目的とする平面を創生して硬化層を形成し、該硬化層上に前述のエネルギー線硬化性樹脂をさらに供給して、これを同様に硬化して前述の硬化層と連続した硬化層を得る積層操作を行い、この操作を繰り返すことによって目的とする三次元の立体物を得る光学的立体造形法において、上記エネルギー線硬化性樹脂が
(1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質と、
(2)エネルギー線硬化性カチオン重合性基及び(1)に対する溶解性を向上させる基を同時に含むシリコーン樹脂と
(3)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤と、必要な添加剤とを混合した樹脂組成物であることを特徴とするもので、すなわち、先に述べた本発明の光学的立体造形用樹脂組成物を用いた光学的立体造形法である。従って、上記(1)(2)(3)については既に述べているので説明を割愛する。
【0038】
本発明の光学的立体造形法を行うには、まず(1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質と、(2)エネルギー線硬化性カチオン重合性基含有シリコーン樹脂と、(3)カチオン重合開始剤とを十分混合する。この時の混合温度条件は、配合される樹脂等の種類により異なるが、概ね20〜80℃の範囲で行うのが好ましい。また、具体的な混合方法としては、例えばプロペラの回転に伴う攪拌力を利用する攪拌法やロールねり込み法などが挙げられる。なお、上記(1)(2)(3)の好ましい配合比、また必要に応じて配合される添加剤の種類とその配合比については、本発明の光学的立体造形用樹脂組成物の説明において既に述べているので割愛する。このようにして得られた光学的立体造形用樹脂組成物は、概ね常温で液体状である。
【0039】
次に、上記光学的立体造形用樹脂組成物を、例えば特開昭60−247515号公報に記載されているように容器に収納し、当該樹脂組成物表面に導光体を挿入し、前記容器と当該導光体とを相対的に移動しつつ、該導光体を介して当該樹脂組成物表面に硬化に必要な活性エネルギー線を選択的に供給することによって所望形状の固体を形成することができる。
【0040】
本発明の光学的立体造形法に使用する活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、X線、放射線、高周波等があり、紫外線が経済的に最も好ましい。また紫外線の光源としては、紫外線レーザ、水銀ランプ、キセノンランプ、ナトリウムランプ、アルカリ金属ランプ等が挙げられるが、集光性が良好なことからレーザ光線が特に好ましい。
【0041】
【実施例】
以下に各種実施例を記載するが、本発明は、以下の実施例によって何等限定されるものではない。また、下記実施例中「部」とは重量部を意味する。
【0042】
(実施例1)
(1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質として3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート75部および1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル19部と、(2)エネルギー線硬化性カチオン重合性基含有シリコーン樹脂として、総分子量1100(ポリスチレン換算)、反応基当量500である下記式で示される化合物
【0043】
【化3】
Figure 0003886163
【0044】
(式中、R1、R2、R3、R5、R7、R8はメチル基を表し、R4はエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドブロック重合1:1で10mol付加物を表し、R6は3,4−エポキシシクロヘキシルメチル基を表す。)
を3部と、(3)カチオン重合開始剤としてビス−〔4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル〕スルフィドビスジヘキサフルオロアンチモネート3部とを20〜80℃の温度条件で十分混合して光学的造形用樹脂を得た。得られた樹脂は、常温で低粘性液体状であり、淡黄色透明であった。
【0045】
次に、得られた樹脂組成物を入れる容器を載せた3次元NC(数値制御)テーブル、Arレーザー(波長333、351、364nm)と光学系及びパーソナルコンピューターを中心とした制御部からなる立体造形実験システムを用いて、この樹脂組成物を0.1mmピッチで積層して150×10×5mm(以下、試験片Aと称する)の立体造形物を得た。また上記と同様の手法により63.5×12.7×12.7mm(以下、試験片Bと称する)の立体造形物、さらに、JIS 6911、5.18.2で規定されている厚み5mm(以下、試験片Cと称する)の立体造形物を得た。
【0046】
次に、上記試験片AをJIS K6911、5.17の方法に従って破壊し、曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。また、試験片BをJIS K6911、5.21に規定される方法に従って破壊し、アイゾット衝撃強度を測定した。ただし、JIS K6911、5.21に規定されるノッチは付けなかった。また、試験片CをJIS K6911、5.18に規定された方法に従って破壊し、引っ張り強度、伸び率を測定した。なお、上記各試験において用いた各試験片は、立体造形物として得た後1週間、暗所に保管した物を使用した。
【0047】
得られた各物性値は以下の通りであり、非常に良好であった。
曲げ強度 10.2kg/mm2
曲げ弾性率 350kg/mm2
引っ張り強度 9.4kg/mm2
引っ張り弾性率 320kg/mm2
伸び率 8%
アイゾット衝撃強度 31.4Kg・cm/cm
また、CADによる設計寸法300×100×10mm(以下、試験片Dと称する)の立体造形物は最大誤差0.09%の精度であり、図1に示すように水平の基準面に上記試験片Dを載置したときの歪みdの測定値は0.2mmであり良好なものであった。
【0048】
(実施例2)
(1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質として3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート53部および1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル14部と、(2)エネルギー線硬化性カチオン重合性基含有シリコーン樹脂を30部と、(3)カチオン重合開始剤としてビス−〔4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル〕スルフィドビスジヘキサフルオロアンチモネート3部とを配合した樹脂組成物を用いた他は実施例1に準じ、光学的造形用樹脂組成物および試験片A,B,C,Dを得た。得られた樹脂組成物は常温で低粘性液体状であり、淡黄色透明であった。またこれらの試験片A,B,Cについて得られた各物性値は以下の通りであり非常に良好であった。
【0049】
曲げ強度 7.8kg/mm2
曲げ弾性率 295kg/mm2
引っ張り強度 8.1kg/mm2
引っ張り弾性率 288kg/mm2
伸び率 26%
アイゾット衝撃強度 49.1kg・cm/cm
また、試験片Dによる立体造形物の最大誤差は0.08%であり非常に良好だった。また、実施例1と同様に図1に示す方法により測定した歪は0.3mmであり、非常に優れたものであった。
【0050】
(実施例3)
使用する(2)エネルギー線硬化性カチオン重合性基含有シリコーン樹脂を、実施例1で示した式において、R1、R2、R3、R5、R7、R8がメチル基、R4がエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドブロック重合1:1で34mol付加物、R6が3,4−エポキシシクロヘキシルメチル基であり、総分子量39000(ポリスチレン換算)、反応基当量5000のものを使用した以外は実施例1の配合・及び試験方法に準じ、光学的造形用樹脂組成物および試験片A,B,C,Dを得た。得られた樹脂組成物は常温で低粘性液体状であり、淡黄色透明であった。またこれらの試験片A,B,Cについて得られた各物性値は以下の通りであり非常に良好であった。
【0051】
曲げ強度 8.6kg/mm2
曲げ弾性率 328kg/mm2
引っ張り強度 9.9kg/mm2
引っ張り弾性率 345kg/mm2
伸び率 10%
アイゾット衝撃強度 37.1kg・cm/cm
また、試験片Dによる立体造形物の最大誤差は0.14%で歪がなく、非常に良好であった。
【0052】
(実施例4)
(1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質として3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート53部、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル14部さらに(2)エネルギー線硬化性カチオン重合性基含有シリコーン樹脂を30部に変更したほかは、実施例3の方法に準じ、光学的造形用樹脂組成物および試験片A,B,C,Dを得た。またこれらの試験片A,B,Cについて得られた各物性値は以下の通りであり非常に良好であった。
【0053】
曲げ強度 7.0kg/mm2
曲げ弾性率 264kg/mm2
引っ張り強度 7.2kg/mm2
引っ張り弾性率 270kg/mm2
伸び率 32%
アイゾット衝撃強度 49.8kg・cm/cm
また、試験片Dによる立体造形物の最大誤差は0.09%で、実施例1と同様に図1に示す方法により測定した歪は0.1mm以下となり非常に良好であった。
【0054】
(実施例5)
(1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質として3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート63部および1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル19部と、エネルギー線硬化性ラジカル重合有機物質としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート11部と、エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤としてベンゾフェノン1部と、(2)エネルギー線硬化性カチオン重合性基含有シリコーン樹脂として実施例1と同様の化合物3部とを配合した樹脂を用いた以外は実施例1の方法に準じ、光学的造形用樹脂組成物および試験片A,B,C,Dを得た。またこれらの試験片A,B,Cについて得られた各物性値は以下の通りであり非常に良好であった。
【0055】
曲げ強度 9.8kg/mm2
曲げ弾性率 325kg/mm2
引っ張り強度 10.1Kg/mm2
引っ張り弾性率 348kg/mm2
伸び率 9%
アイゾット衝撃強度 34.4kg・cm/cm
また、試験片Dによる立体造形物の最大誤差は0.10%で、実施例1と同様に図1に示す方法により測定した歪は0.3mmで非常に良好であった。
【0056】
(実施例6)
(1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質として3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート43部、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル14部さらにエネルギー線硬化性ラジカル重合有機物質としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート9部、エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤としてベンゾフェノン1部、硬化性カチオン重合性基含有シリコーン樹脂を30部に変更した以外は実施例5の方法に準じ、光学的造形用樹脂組成物および試験片A,B,C,Dを得た。またこれらの試験片A,B,Cについて得られた各物性値は以下の通りであり非常に良好であった。
【0057】
曲げ強度 8.4kg/mm2
曲げ弾性率 245kg/mm2
引っ張り強度 7.6kg/mm2
引っ張り弾性率 251kg/mm2
伸び率 18%
アイゾット衝撃強度 46.8kg・cm/cm
また、試験片Dによる立体造形物の最大誤差は0.08%で、実施例1と同様に図1に示す方法により測定した歪は0.1mm以下で非常に良好であった。
【0058】
(比較例1)
(1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質として3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンジカルボキシレート78部、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル19部と、(3)カチオン重合開始剤としてビス−〔4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル〕スルフィドビスジヘキサフルオロアンチモネート3部とを十分混合して光学的造形用樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物は常温で低粘性液体状であり、淡黄色透明であった。この樹脂組成物を用いた以外は実施例1の方法に準じ、試験片A,B,C,Dを得た。またこれらの試験片A,B,Cについて得られた各物性値は以下の通りであり、アイゾット衝撃強度が低く脆いものであった。
【0059】
曲げ強度 10.7kg/mm2
曲げ弾性率 342kg/mm2
引っ張り強度 9.5kg/mm2
引っ張り弾性率 318kg/mm2
伸び率 6%
アイゾット衝撃強度 10.1kg・cm/cm
また、試験片Dによる立体造形物の最大誤差は0.14%で、実施例1と同様に図1に示す方法により測定した歪は0.9mmであった。
【0060】
(比較例2)
(1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質として3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート66部および1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル19部と、(3)カチオン重合開始剤としてビス−〔4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル〕スルフィドビスジヘキサフルオロアンチモネート3部と、エネルギー線硬化性ラジカル重合有機物質としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート11部と、エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤としてベンゾフェノン1部とを配合した樹脂を用いた以外は、実施例1の方法に準じ、光学的造形用樹脂組成物および試験片A,B,C,Dを得た。また上記試験片A,B,Cについて得られた各物性値は以下の通りで、アイゾット衝撃強度が低く脆いものであった。
【0061】
曲げ強度 8.2kg/mm2
曲げ弾性率 241kg/mm2
引っ張り強度 7.9kg/mm2
引っ張り弾性率 224kg/mm2
伸び率 4%
アイゾット衝撃強度 10.1kg・cm/cm
また、試験片Dによる立体造形物の最大誤差は1.29%であり、実施例1と同様に図1に示す方法により測定した歪は2.1mmであった。
【0062】
【発明の効果】
本発明の光学的立体造形法は、エネルギー線硬化性カチオン有機物質を主成分とする本発明の樹脂組成物を用いるため空気中の酸素の影響を受けず、エネルギー線硬化性ラジカル重合樹脂を主成分とする樹脂組成物を用いた場合のように、いわゆる後硬化処理の必要がない。従って、後硬化処理に起因する硬化物の変形(歪)が改善される。
【0063】
また、本発明の樹脂組成物にあっては、上記と同様の理由により仮に該樹脂組成物中に所望によりエネルギー線硬化性ラジカル重合性樹脂が配合されていても、後硬化処理の必要がなく硬化物の変形(歪)が改善される上、当該ラジカル重合性樹脂によって、硬化物の硬化速度がさらに向上し、樹脂組成物として好ましいものになる。
【0064】
また、本発明の光学的立体造形法は、エネルギー線硬化性カチオン有機物質と、エネルギー線硬化性カチオン重合性基を含有するシリコーン樹脂とが配合されている本発明の樹脂組成物を用いるため、当該樹脂組成物をエネルギー線照射によって硬化させた際に、得られる硬化物の脆さを改善することができる。また、上記エネルギー線硬化性カチオン重合性基を含むため、光学的立体造形を行った際に硬化物の積層単位での剥離が起こらず光学的立体造形物を良好に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例及び比較例における試験片Dの歪みの測定方法を説明するための図である。
【符号の説明】
D…試験片D

Claims (2)

  1. (1)エネルギー線硬化性カチオン重合性エポキシ化合物
    (2)エネルギー線硬化性カチオン重合性基及び(1)に対する溶解性を向上させるエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの1種または2種をランダム重合付加またはブロック重合付加した基を同時に含むシリコーン樹脂
    (3)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤
    を含むことを特徴とする光学的立体造形用樹脂組成物。
  2. エネルギー線硬化性樹脂の任意の部位にエネルギー線を照射し、該樹脂の上記エネルギー線照射部位を硬化させて目的とする平面を創生して硬化層を形成し、該硬化層上に前述のエネルギー線硬化性樹脂をさらに供給して、これを同様に硬化して前述の硬化層と連続した硬化層を得る積層操作を行い、この操作を繰り返すことによって目的とする三次元の立体物を得る光学的立体造形法において、上記エネルギー線硬化性樹脂が
    (1)エネルギー線硬化性カチオン重合性エポキシ化合物と、
    (2)エネルギー線硬化性カチオン重合性基及び(1)に対する溶解性を向上させるエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの1種または2種をランダム重合付加またはブロック重合付加した基を同時に含むシリコーン樹脂と
    (3)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤と、必要な添加剤とを混合して得られる樹脂組成物であることを特徴とする光学的立体造形法。
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