JPH07156267A - 光学的立体造形用樹脂組成物及びこれを用いた光学的立体造形法 - Google Patents

光学的立体造形用樹脂組成物及びこれを用いた光学的立体造形法

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JPH07156267A
JPH07156267A JP5311475A JP31147593A JPH07156267A JP H07156267 A JPH07156267 A JP H07156267A JP 5311475 A JP5311475 A JP 5311475A JP 31147593 A JP31147593 A JP 31147593A JP H07156267 A JPH07156267 A JP H07156267A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 造形後の変形が少なく、機械的特性が優れる
光学的立体造形用樹脂組成物及びこれを用いた光学的立
体造形法の提供 【構成】 (1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機
物質、(2)エネルギー線硬化性カチオン重合性基及び(1)
に対する溶解性を向上させる基を同時に含むシリコーン
樹脂、(3)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤を含
むことを特徴とする光学的立体造形用樹脂組成物。 【効果】 本発明の光学的立体造形法は、エネルギー線
硬化性カチオン有機物質を主成分とする本発明の樹脂組
成物を用いるため空気中の酸素の影響を受けず、エネル
ギー線硬化性ラジカル重合樹脂を主成分とする樹脂組成
物のように、いわゆる後硬化処理の必要がない。従っ
て、後硬化処理に起因する硬化物の変形(歪)を改善す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学的立体造形用樹脂
組成物及びこれを用いた光学的立体造形法に関し、詳し
くは造形後の変形が少なく、機械的特性に優れる光学的
立体造形用樹脂組成物及びこれを用いた光学的立体造形
法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学的立体造形とは、特開昭60-247515
号公報に記載されている様に、まず光硬化性を有する各
種樹脂を容器に入れ、上方からアルゴンレーザ、ヘリウ
ムカドミウムレーザ、半導体レーザ等のビームを該樹脂
の任意の部位に照射し、照射を連続的に行うことによっ
て、樹脂の上記ビーム照射部位を硬化させ、これにより
目的とする平面を創生して硬化層を形成する。続いて、
該硬化層上に前述の光硬化性を有する樹脂をさらに1層
分供給して、これを上記と同様にして硬化し、前述の硬
化層と連続した硬化層を得る積層操作を行い、この操作
を繰り返すことによって目的とする三次元の立体物を得
る方法である。
【0003】従来、上記光学的立体造形に用いられてい
た樹脂としては、まずラジカル重合性樹脂組成物があ
り、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレー
ト、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート
等を主成分とした感光性樹脂が知られている。例えば特
開平2-145616号公報には、変形の低減を目的として、液
状樹脂と見かけ上比重差が0.2未満である微小粒子を含
む光学的立体造形用樹脂が開示され、特開平2-208305号
公報には反応性オリゴマーに対して特定の二官能性アク
リレートを多量に配合した樹脂組成物が開示されてい
る。また特開平3-41126号公報には、エチレン系不飽和
モノマー、光開始剤及び潜在放射線偏光物質からなる組
成物の報告がなされ、特開平4-85314号公報にはシリコ
ーンウレタンアクリレート、多官能エチレン性不飽和結
合を有する化合物及び重合開始剤を含む樹脂組成物が開
示されている。
【0004】また他の光学的立体造形用樹脂としては、
エポキシ系カチオン硬化型樹脂が知られている。例えば
特開昭62-235318号公報には、トリアリールスルホニウ
ム塩触媒を用いて分子内に2個以上のエポキシ基を有す
るエポキシ化合物と分子内に2個以上のビニル基を有す
るビニル化合物とを同時に光硬化させることを特徴とす
る発明が記載されている。また特開平2-145616号公報に
は、変形の低減を目的としてエポキシ系カチオン硬化型
樹脂を用いる例が開示されている。特開平1-213304号公
報には、光硬化性カチオン重合型エポキシ樹脂に一部光
重合性アクリレート樹脂を配合した低収縮率、高解像度
の樹脂組成物が開示されている。また特開平2-80423号
公報には、光硬化性カチオン重合型エポキシ樹脂にビニ
ルエーテル樹脂とカチオン重合開始剤を配合し一部ラジ
カル硬化性樹脂とラジカル硬化開始剤とを配合した樹脂
組成物が開示されている。更に特開平2-75618号公報に
はエネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質、エネル
ギー線感受性カチオン重合開始剤、エネルギー線硬化性
ラジカル重合性有機物質、エネルギー線感受性ラジカル
重合開始剤及び水素基含有ポリエステルを含有すること
を特徴とする光学的造形用樹脂組成物が開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ラジカ
ル重合性樹脂やそれを主成分とした光学的立体造形用樹
脂組成物は、ラジカル重合を用いているため、何れの樹
脂(組成物)を用いた場合でも酸素による硬化阻害が起
こり硬化時の硬化率が低くなってしまうことから、造形
後に必ず硬化に関与する光又は熱を与える「後硬化処
理」をする必要があり、この後硬化処理に際して造形物
が変形しやすいという欠点があった。
【0006】また、特開平2-145616号公報記載の組成物
は、経時的に微小粒子が分離して樹脂組成が変化してし
まうという欠点があり、さらに添加する微粒子の大きさ
によって光の散乱が起こって光学的立体造形物の表面が
荒れてしまうという欠点もあった。さらに特開平2-2083
05号公報、特開平3-41126号公報等記載の組成物では、
いずれの樹脂組成物も得られた造形物の実用強度がその
ままでは低いため後硬化処理を必要とし、このためラジ
カル重合性樹脂組成物と同様に後硬化処理時において造
形物が変形するという欠点があった。また特開平4-8531
4号公報記載の樹脂組成物も後処理を必要とし、後処理
時の変形・歪等という点で上記と同様の欠点があった。
【0007】また、特開平1-213304号公報、特開平2-80
423号公報、特開平2-75618号公報に記載されているカチ
オン硬化型樹脂を含む光学的立体造形用樹脂組成物は、
自然と硬化が進行することから後硬化処理が不必要であ
り、従って変形が少ないという優れた特徴を有している
ものの、樹脂組成物の主成分がエポキシ樹脂であること
に由来して造形物が比較的脆いという欠点があった。
【0008】また、特開昭62-235318号公報などの組成
物は、光学的造形用樹脂を得ることを目的としていない
ため、目的とする硬化層の厚み以上に硬化が進行するた
め、出来上がった硬化物の精度が非常に悪く光学的立体
造形用樹脂としては不適なものであった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、光学的立体造
形用樹脂組成物及びこれを用いた光学的立体造形法に関
し、特に造形後の変形が少なく、機械的特性に優れる光
学的立体造形用樹脂組成物及びこれを用いた光学的立体
造形法に関する。
【0010】すなわち本発明の光学的造形用樹脂組成物
は、必須成分として (1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質 (2)エネルギー線硬化性カチオン重合性基及び(1)に対す
る溶解性を向上させる基を同時に含むシリコーン樹脂 (3)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤 を含むことを特徴とするものである。
【0011】本発明の構成要素となる(1)エネルギー線
硬化性カチオン重合性有機物質とは、エネルギー線照射
により高分子化または架橋反応によりカチオン重合を起
こす化合物をいい、例えばエポキシ化合物、環状ラクト
ン化合物、環状アセタール化合物、環状チオエーテル化
合物、スピロオルソエステル化合物、ビニル化合物など
の1種または2種以上の配合物を示す。上記エポキシ化
合物としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を含有
する芳香族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂または脂
環式エポキシ樹脂などが適している。
【0012】芳香族エポキシ樹脂とは、少なくとも1個
の芳香族環を有する多価フェノールまたはそのアルキレ
ンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテルを示す。
例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、更にアル
キレンオキサイド付加物のグリシジルエーテル、エポキ
シノボラック樹脂等が挙げられる。また脂環式エポキシ
樹脂とは、少なくとも1個の脂環族環を有する多価アル
コールのポリグリシジルエーテルまたはシクロヘキセ
ン、シクロペンテン環含有化合物を酸化剤でエポキシ化
することによって得られるシクロヘキセンオキサイドま
たはシクロペンテンオキサイド含有化合物が挙げられ
る。脂環式エポキシ樹脂としては、水素添加ビスフェノ
ールAグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキ
シルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシ
レート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−ス
ピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタジオキサ
ン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジ
ペート、ビニルシクロシクロヘキセンジオキサイド、4
−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキ
シ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4
−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルカルボキシレー
ト、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、
ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコ
ールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテ
ル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカル
ボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオク
チル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘ
キシル等が挙げられる。
【0013】脂肪族エポキシ樹脂としては、脂肪族多価
アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物ポリ
グリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシ
ジルエステル、グリシジルアクリレートまたはグリシジ
ルメタクリレートのホモポリマー、グリシジルアクリレ
ートまたはグリシジルメタクリレートのコポリマー等が
挙げられる。代表的な化合物としては、1,4−ブタンジ
オールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオール
ジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエ
ーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエー
テル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペ
ンタエルスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリ
エチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロ
ピレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレン
グリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1
種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加するこ
とによって得られるポリエーテルポリオールのポリグリ
シジルエーテル、脂肪族長鎖二塩基酸脂肪族高級アルコ
ールのモノグリシジルエーテルやフェノール、クレゾー
ル、ブチルフェノール、またこれらにアルキレンオキサ
イドを付加することによって得られるポリエーテルアル
コールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシ
ジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン
酸オクチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシ化
アマニ油、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。
【0014】エポキシ化合物以外のカチオン重合性有機
物質としては、トリメチレンオキサイド、3,3−ジメチ
ルオキセタン、3,3−ジクロロメチルオキセタン等のオ
キセタン化合物、テトラヒドロフラン、2,3−ジメチル
テトラヒドロフラン等のオキソラン化合物、トリオキサ
ン、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキサンシクロオ
クタン等の環状アセタール化合物、β−プロピオラクト
ン、ε−カプロラクトン等の環状ラクトン化合物、エチ
レンスルフィド、チオエピクロルヒドリン等のチエタン
化合物、1,3−プロピンスルフィド、3,3−ジメチルチエ
タン等のチエタン化合物、エチレングリコールジビニル
エーテル、アルキルビニルエーテル、3,4−ジヒドロピ
ラン−2−メチル(3,4−ジヒドロピラン−2−カルボキ
シレート)、トリエチレングリコールジビニルエーテル
等のビニルエーテル化合物、エポキシ化合物とラクトン
の反応によって得られるスピロオルソエステル化合物、
ビニルシクロヘキセン、イソブチレン、ポリブタジエン
等のエチレン性不飽和化合物及び上記誘導体等が挙げら
れる。
【0015】なお、本発明においては、(1)のエネルギ
ー線硬化性カチオン重合性有機物質として、上述したカ
チオン重合性物質のうちの1種または2種類以上の化合
物を配合して使用することができる。
【0016】また、本発明における特に好ましいエネル
ギー線硬化性カチオン重合性有機物質の態様は、1分子
中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する脂環式エ
ポキシ樹脂であるが、これに限定されるものではない。
また本発明において更に好ましくは、エネルギー線硬化
性カチオン重合性有機物質の配合割合を40〜95重量%と
する。この配合割合が40重量%未満ではこの樹脂を含む
樹脂組成物の硬化性が劣り、95重量%を越えて含有する
と、この樹脂を含む樹脂組成物を硬化して得られる硬化
物が脆くなり好ましくない。
【0017】本発明の構成要素となる(2)エネルギー線
硬化性カチオン重合性基及び(1)に対する溶解性を向上
させる基を同時に含むシリコーン樹脂とは、主鎖がポリ
シロキサン結合で構成され、側鎖または分子鎖末端にカ
チオン重合性を有する反応性基を結合して有する化合物
を示し、さらに一般的なシリコーン樹脂は有機性化合物
に溶解性に乏しいことから、上記化合物の側鎖または分
子鎖末端に溶解性向上を目的とした可溶性基が結合して
いるものを示す。
【0018】側鎖または分子鎖末端のカチオン重合性を
有する反応基とは、上記(1)に記載の各化合物における
カチオン硬化性を有する反応基及び構造を示す。仮に、
側鎖または分子鎖末端のカチオン重合性を有する反応基
を分子中に含まないシリコーン樹脂を配合すると、積層
構造を成し硬化した後、各層が容易に剥離してしまい光
学的立体造形物となり得ない。従って、側鎖または分子
鎖末端のカチオン重合性を有する反応基の含有は本発明
において必須の条件である。
【0019】本発明に用いる(2)のシリコーン樹脂は、
好ましくはカチオン重合性を有する反応基がシリコーン
分子鎖に2個以上結合されている化合物であり、更に好
ましくはカチオン重合性を有する反応基が脂環式エポキ
シ基であるシリコーン樹脂である。このエネルギー線硬
化性カチオン重合性基含有シリコーン樹脂の分子量は10
00〜40000である。分子量が1000未満であると、この樹
脂を含む樹脂組成物を硬化した場合に得られる硬化物の
脆さは改善されず、分子量が40000を越えると、このエ
ネルギー線硬化性カチオン重合性基含有シリコーン樹脂
が(1)のエネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質に
容易に溶解しなくなる傾向があるため好ましくない。
【0020】また、上記カチオン重合性を有する反応基
は、以下に示す式1から算出した反応基当量が150〜200
00であるのが好ましい。仮にこの反応基当量が150未満
である樹脂を配合した樹脂組成物とした場合は、硬化物
の脆さ改善効果が不十分で、逆に20000を越えた値であ
ると、当該樹脂組成物を硬化させる際の硬化反応が不十
分となり、その結果、硬化後において未硬化の樹脂組成
物が徐々に硬化物表面に染み出すこととなり不適であ
る。
【0021】
【数1】
【0022】また、このエネルギー線硬化性カチオン重
合性基含有シリコーン樹脂は、本発明の樹脂組成物中に
2〜30重量%、更に好ましくは3〜15重量%の配合割合
で含まれる。仮にこの配合割合が2重量%未満である
と、樹脂組成物を硬化物とした場合の脆さが改善され
ず、30重量%を越えて添加すると硬化物が非常に柔軟に
なり、硬化物を目的とする形になし得ないため不適であ
る。
【0023】側鎖または分子鎖末端の溶解性向上を目的
とした可溶性基とは、C2〜C20の主鎖を有する炭化水素
化合物である。また好ましくは、エチレンオキサイドと
プロピレンオキサイドの1種または2種をランダム重合
付加またはブロック重合付加したものであり、付加量は
(1)のエネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質に容
易に溶解できる溶解性を付与し得る程度であればよい。
【0024】次に、上述した諸条件を満たす(2)のシリ
コーン樹脂の一般的な構造を以下に示すが、本発明は以
下の構造によって限定されるものではない。
【0025】
【化1】
【0026】(式中、R1、R2はメチル基又はフェニル基
を示す。R3はメチル基又はフェニル基又はカチオン重合
性を示す反応基。R4はカチオン重合性を示す反応基。R5
はメチル基又はフェニル基又は溶解性向上を目的とした
可溶性基。R6は溶解性向上を目的とした可溶性基。R7
R8はCH3 又はH基である。) 上記式中、Xは1〜200、Yは1〜100、Zは5〜100を示
し、これらX,Y,Zの組み合わせは、前述の分子量、反応
基当量の条件に矛盾しない限りどの様な組み合わせも可
能である。本発明にかかる(2)のシリコーン樹脂は、エ
ネルギー線硬化性カチオン重合性基を含有するシリコー
ン樹脂、例えば東芝シリコーン(株)社製XF42−A443
8、TSF4731等と、可溶性基含有シリコーン樹脂、例えば
東芝シリコーン(株)社製TSF4421、TSF4422、XF42−A3
160等とを化学的に結合させることによって得られる
が、結果的に得られたシリコーン樹脂が上述した本発明
にかかる(2)のシリコーン樹脂の諸条件を満たすもので
あれば、その合成方法は問わない。
【0027】本発明で使用する(3)カチオン重合開始剤
とは、エネルギー線照射によりカチオン重合を開始させ
る物質を放出することが可能な化合物をいい、特に好ま
しいものは、エネルギー線の照射によってルイス酸を放
出するオニウム塩である複塩の一連のものを示す。かか
る化合物の代表的なものは一般式
【0028】
【化2】
【0029】(式中、カチオンはオニウムであり、Zは
S、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、ハロゲン(例えばI、B
r、Cl)またはN=Nである。R1、R2、R3、R4は同一であっ
ても異なってもよい有機の基である。a、b、c、dはそれ
ぞれ0〜3の整数であって、a〜dの総和はZの価数に等
しい。Mはハロゲン化物錯体の中心原子である金属又は
半金属(Metalloid)を示し、例えばB、P、As、Sb、F
e、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Co等
である。Xはハロゲンを示し、mはハロゲン化物錯体イオ
ンの正味の電荷を示し、nはハロゲン化物錯体イオン中
の原子の数を示す。)で表される。また上記一般式の陰
イオンMXn+m の具体例としては、テトラフルオロボレー
ト(BF4 -)、ヘキサフルオロホスフェート(PF6 -)、ヘキサ
フルオロアンチモネート(SbF6 -)、ヘキサフルオロアル
セネート(AsF6 -)、ヘキサクロロアンチモネート(SbC
l6 -)等が挙げられる。
【0030】更に本発明においては、(3)カチオン重合
開始剤として一般式MXn(OH)-で表される陰イオンも用い
ることができる。また、その他の陰イオンとしては、過
塩素酸イオン(ClO4 -)、トリフルオロメチル亜硫酸イオ
ン(CF3SO3 -)、フルオロスルホン酸イオン(FSO3 -)、トル
エンスルホン酸陰イオン、トリニトロベンゼンスルホン
酸陰イオン等が挙げられる。
【0031】本発明では、この様なオニウム塩の中でも
特に芳香族オニウム塩をカチオン重合開始剤と使用する
のが特に有効である。中でも、特開昭50−151997号、特
開昭50−158680号公報に記載の芳香族ハロニウム塩、特
開昭50−151997号、特開昭52−30899号、特開昭56−554
20号、特開昭55−125105号公報等に記載のVI A族芳香族
オニウム塩、特開昭50−158698号公報記載のV A族芳香
族オニウム塩、特開昭56−8428号、特開昭56−149402
号、特開昭57−192429号公報等に記載のオキソスルホキ
ソニウム塩、特開昭49−17040号記載の芳香族ジアゾニ
ウム塩、米国特許第4139655号明細書記載のチオビリリ
ウム塩等が好ましい。また、その他に好ましいものとし
ては、鉄/アレン錯体やアルミニウム錯体/光分解珪素
化合物系開始剤等も挙げられる。かかるカチオン開始剤
には、ベンゾフェノン、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、チオキサントン等の光増感剤を併用してもよい。
【0032】また本発明においては、(1)の有機物質、
(2)のシリコーン樹脂及び(3)のカチオン重合開始剤の総
和の配合割合が、樹脂組成物中55〜100重量%である。
この配合割合が55重量%未満の樹脂組成物では、光学的
立体造形を行った場合に造形物が歪み好ましくない。
【0033】なお、本発明においては、必須ではないが
必要に応じてラジカル重合系樹脂、ラジカル重合開始
剤、ポリエーテル化合物、各種均一溶解性熱可塑性樹脂
等を配合することができる。例えば、ラジカル重合系樹
脂、ラジカル重合開始剤などを配合した、本発明の樹脂
組成物は、これらを配合しない場合に比べて、光学的立
体造形を行った際の硬化物の硬化速度がさらに向上し、
樹脂組成物として好ましいものとなる。
【0034】また、本発明の効果を損なわない限り、必
要に応じて熱感応性カチオン重合開始剤、顔料、染料等
の着色剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、難燃剤また
は酸化防止剤等の各種樹脂添加物を添加することもでき
るが必須ではない。上記熱感応性カチオン重合開始剤と
しては、例えば特開昭57−49613号、特開昭58−37004号
公報記載の脂肪族オニウム塩類が挙げられる。
【0035】本発明の樹脂組成物を硬化させる活性エネ
ルギー線としては、紫外線、電子線、X線、放射線、高
周波等があり、紫外線が経済的に最も好ましい。また紫
外線の光源としては、紫外線レーザ、水銀ランプ、キセ
ノンランプ、ナトリウムランプ、アルカリ金属ランプ等
が挙げられるが、集光性が良好なことからレーザ光線が
特に好ましい。
【0036】本発明の樹脂組成物は、三次元立体モデル
をCAD/CAMデータとリンクさせることによって、
金型等を用いずに直接取り出すことが可能であり、NC
モデリングマシンでは創成不可能なモデル内側の精密な
加工等、更に自由曲面の創成等にも利用することが可能
であり工業的価値は非常に高い。例えば本発明の樹脂組
成物を用いた応用分野としては、設計途中での外観検
査、部品相互の組み合わせの不都合をチェックする為の
モデル、少量多品種製造のロストワックス用ツリーの一
体造形等、非常に広い用途に利用することが可能であ
る。また具体的な適応分野としては、自動車、電気・電
子部品、家具、建築、デザイン、鋳造、航空機、船舶等
の各種曲面体モデルや加工用モデルなどが挙げられる。
【0037】次に、本発明の光学的立体造形法について
詳述する。本発明の光学的立体造形法は、エネルギー線
硬化性樹脂の任意の部位にエネルギー線を照射し、該樹
脂の上記エネルギー線照射部位を硬化させて目的とする
平面を創生して硬化層を形成し、該硬化層上に前述のエ
ネルギー線硬化性樹脂をさらに供給して、これを同様に
硬化して前述の硬化層と連続した硬化層を得る積層操作
を行い、この操作を繰り返すことによって目的とする三
次元の立体物を得る光学的立体造形法において、上記エ
ネルギー線硬化性樹脂が (1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質と、 (2)エネルギー線硬化性カチオン重合性基及び(1)に対す
る溶解性を向上させる基を同時に含むシリコーン樹脂と (3)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤と、必要な
添加剤とを混合した樹脂組成物であることを特徴とする
もので、すなわち、先に述べた本発明の光学的立体造形
用樹脂組成物を用いた光学的立体造形法である。従っ
て、上記(1)(2)(3)については既に述べているので説明
を割愛する。
【0038】本発明の光学的立体造形法を行うには、ま
ず(1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質と、
(2)エネルギー線硬化性カチオン重合性基含有シリコー
ン樹脂と、(3)カチオン重合開始剤とを十分混合する。
この時の混合温度条件は、配合される樹脂等の種類によ
り異なるが、概ね20〜80℃の範囲で行うのが好ましい。
また、具体的な混合方法としては、例えばプロペラの回
転に伴う攪拌力を利用する攪拌法やロールねり込み法な
どが挙げられる。なお、上記(1)(2)(3)の好ましい配合
比、また必要に応じて配合される添加剤の種類とその配
合比については、本発明の光学的立体造形用樹脂組成物
の説明において既に述べているので割愛する。このよう
にして得られた光学的立体造形用樹脂組成物は、概ね常
温で液体状である。
【0039】次に、上記光学的立体造形用樹脂組成物
を、例えば特開昭60−247515号公報に記載されているよ
うに容器に収納し、当該樹脂組成物表面に導光体を挿入
し、前記容器と当該導光体とを相対的に移動しつつ、該
導光体を介して当該樹脂組成物表面に硬化に必要な活性
エネルギー線を選択的に供給することによって所望形状
の固体を形成することができる。
【0040】本発明の光学的立体造形法に使用する活性
エネルギー線としては、紫外線、電子線、X線、放射
線、高周波等があり、紫外線が経済的に最も好ましい。
また紫外線の光源としては、紫外線レーザ、水銀ラン
プ、キセノンランプ、ナトリウムランプ、アルカリ金属
ランプ等が挙げられるが、集光性が良好なことからレー
ザ光線が特に好ましい。
【0041】
【実施例】以下に各種実施例を記載するが、本発明は、
以下の実施例によって何等限定されるものではない。ま
た、下記実施例中「部」とは重量部を意味する。
【0042】(実施例1) (1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質として
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシ
クロヘキサンカルボキシレート75部および1,4−ブタン
ジオールジグリシジルエーテル19部と、(2)エネルギー
線硬化性カチオン重合性基含有シリコーン樹脂として、
総分子量1100(ポリスチレン換算)、反応基当量500で
ある下記式で示される化合物
【0043】
【化3】
【0044】(式中、R1、R2、R3、R5、R7、R8はメチル
基を表し、R4はエチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イドブロック重合1:1で10mol付加物を表し、R6は3,4
−エポキシシクロヘキシルメチル基を表す。)を3部
と、(3)カチオン重合開始剤としてビス−〔4−(ジフェ
ニルスルホニオ)フェニル〕スルフィドビスジヘキサフ
ルオロアンチモネート3部とを20〜80℃の温度条件で十
分混合して光学的造形用樹脂を得た。得られた樹脂は、
常温で低粘性液体状であり、淡黄色透明であった。
【0045】次に、得られた樹脂組成物を入れる容器を
載せた3次元NC(数値制御)テーブル、Arレーザー
(波長333、351、364nm)と光学系及びパーソナルコン
ピューターを中心とした制御部からなる立体造形実験シ
ステムを用いて、この樹脂組成物を0.1mmピッチで積層
して150×10×5mm(以下、試験片Aと称する)の立体
造形物を得た。また上記と同様の手法により63.5×12.7
×12.7mm(以下、試験片Bと称する)の立体造形物、さ
らに、JIS 6911、5.18.2で規定されている厚み5mm(以
下、試験片Cと称する)の立体造形物を得た。
【0046】次に、上記試験片AをJIS K6911、5.17の
方法に従って破壊し、曲げ強度および曲げ弾性率を測定
した。また、試験片BをJIS K6911、5.21に規定される
方法に従って破壊し、アイゾット衝撃強度を測定した。
ただし、JIS K6911、5.21に規定されるノッチは付けな
かった。また、試験片CをJIS K6911、5.18に規定され
た方法に従って破壊し、引っ張り強度、伸び率を測定し
た。なお、上記各試験において用いた各試験片は、立体
造形物として得た後1週間、暗所に保管した物を使用し
た。
【0047】得られた各物性値は以下の通りであり、非
常に良好であった。 曲げ強度 10.2kg/mm2 曲げ弾性率 350kg/mm2 引っ張り強度 9.4kg/mm2 引っ張り弾性率 320kg/mm2 伸び率 8% アイゾット衝撃強度 31.4Kg・cm/cm また、CADによる設計寸法300×100×10mm(以下、試
験片Dと称する)の立体造形物は最大誤差0.09%の精度
であり、図1に示すように水平の基準面に上記試験片D
を載置したときの歪みdの測定値は0.2mmであり良好な
ものであった。
【0048】(実施例2) (1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質として
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシ
クロヘキサンカルボキシレート53部および1,4−ブタン
ジオールジグリシジルエーテル14部と、(2)エネルギー
線硬化性カチオン重合性基含有シリコーン樹脂を30部
と、(3)カチオン重合開始剤としてビス−〔4−(ジフ
ェニルスルホニオ)フェニル〕スルフィドビスジヘキサ
フルオロアンチモネート3部とを配合した樹脂組成物を
用いた他は実施例1に準じ、光学的造形用樹脂組成物お
よび試験片A,B,C,Dを得た。得られた樹脂組成物
は常温で低粘性液体状であり、淡黄色透明であった。ま
たこれらの試験片A,B,Cについて得られた各物性値
は以下の通りであり非常に良好であった。
【0049】曲げ強度 7.8kg/mm2 曲げ弾性率 295kg/mm2 引っ張り強度 8.1kg/mm2 引っ張り弾性率 288kg/mm2 伸び率 26% アイゾット衝撃強度 49.1kg・cm/cm また、試験片Dによる立体造形物の最大誤差は0.08%で
あり非常に良好だった。また、実施例1と同様に図1に
示す方法により測定した歪は0.3mmであり、非常に優れ
たものであった。
【0050】(実施例3)使用する(2)エネルギー線硬
化性カチオン重合性基含有シリコーン樹脂を、実施例1
で示した式において、R1、R2、R3、R5、R7、R8がメチル
基、R4がエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドブ
ロック重合1:1で34mol付加物、R6が3,4−エポキシシ
クロヘキシルメチル基であり、総分子量39000(ポリス
チレン換算)、反応基当量5000のものを使用した以外は
実施例1の配合・及び試験方法に準じ、光学的造形用樹
脂組成物および試験片A,B,C,Dを得た。得られた
樹脂組成物は常温で低粘性液体状であり、淡黄色透明で
あった。またこれらの試験片A,B,Cについて得られ
た各物性値は以下の通りであり非常に良好であった。
【0051】曲げ強度 8.6kg/mm2 曲げ弾性率 328kg/mm2 引っ張り強度 9.9kg/mm2 引っ張り弾性率 345kg/mm2 伸び率 10% アイゾット衝撃強度 37.1kg・cm/cm また、試験片Dによる立体造形物の最大誤差は0.14%で
歪がなく、非常に良好であった。
【0052】(実施例4) (1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質として
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシ
クロヘキサンカルボキシレート53部、1,4−ブタンジオ
ールジグリシジルエーテル14部さらに(2)エネルギー線
硬化性カチオン重合性基含有シリコーン樹脂を30部に変
更したほかは、実施例3の方法に準じ、光学的造形用樹
脂組成物および試験片A,B,C,Dを得た。またこれ
らの試験片A,B,Cについて得られた各物性値は以下
の通りであり非常に良好であった。
【0053】曲げ強度 7.0kg/mm2 曲げ弾性率 264kg/mm2 引っ張り強度 7.2kg/mm2 引っ張り弾性率 270kg/mm2 伸び率 32% アイゾット衝撃強度 49.8kg・cm/cm また、試験片Dによる立体造形物の最大誤差は0.09%
で、実施例1と同様に図1に示す方法により測定した歪
は0.1mm以下となり非常に良好であった。
【0054】(実施例5) (1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質として
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシ
クロヘキサンカルボキシレート63部および1,4−ブタン
ジオールジグリシジルエーテル19部と、エネルギー線硬
化性ラジカル重合有機物質としてジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート11部と、エネルギー線感受性ラジ
カル重合開始剤としてベンゾフェノン1部と、(2)エネ
ルギー線硬化性カチオン重合性基含有シリコーン樹脂と
して実施例1と同様の化合物3部とを配合した樹脂を用
いた以外は実施例1の方法に準じ、光学的造形用樹脂組
成物および試験片A,B,C,Dを得た。またこれらの
試験片A,B,Cについて得られた各物性値は以下の通
りであり非常に良好であった。
【0055】曲げ強度 9.8kg/mm2 曲げ弾性率 325kg/mm2 引っ張り強度 10.1Kg/mm2 引っ張り弾性率 348kg/mm 伸び率 9% アイゾット衝撃強度 34.4kg・cm/cm また、試験片Dによる立体造形物の最大誤差は0.10%
で、実施例1と同様に図1に示す方法により測定した歪
は0.3mmで非常に良好であった。
【0056】(実施例6) (1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質として
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシ
クロヘキサンカルボキシレート43部、1,4−ブタンジオ
ールジグリシジルエーテル14部さらにエネルギー線硬化
性ラジカル重合有機物質としてジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート9部、エネルギー線感受性ラジカル
重合開始剤としてベンゾフェノン1部、硬化性カチオン
重合性基含有シリコーン樹脂を30部に変更した以外は実
施例5の方法に準じ、光学的造形用樹脂組成物および試
験片A,B,C,Dを得た。またこれらの試験片A,
B,Cについて得られた各物性値は以下の通りであり非
常に良好であった。
【0057】曲げ強度 8.4kg/mm2 曲げ弾性率 245kg/mm2 引っ張り強度 7.6kg/mm2 引っ張り弾性率 251kg/mm2 伸び率 18% アイゾット衝撃強度 46.8kg・cm/cm また、試験片Dによる立体造形物の最大誤差は0.08%
で、実施例1と同様に図1に示す方法により測定した歪
は0.1mm以下で非常に良好であった。
【0058】(比較例1) (1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質として
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシ
クロヘキサンジカルボキシレート78部、1,4−ブタンジ
オールジグリシジルエーテル19部と、(3)カチオン重合
開始剤としてビス−〔4−(ジフェニルスルホニオ)フ
ェニル〕スルフィドビスジヘキサフルオロアンチモネー
ト3部とを十分混合して光学的造形用樹脂組成物を得
た。得られた樹脂組成物は常温で低粘性液体状であり、
淡黄色透明であった。この樹脂組成物を用いた以外は実
施例1の方法に準じ、試験片A,B,C,Dを得た。ま
たこれらの試験片A,B,Cについて得られた各物性値
は以下の通りであり、アイゾット衝撃強度が低く脆いも
のであった。
【0059】曲げ強度 10.7kg/mm2 曲げ弾性率 342kg/mm2 引っ張り強度 9.5kg/mm2 引っ張り弾性率 318kg/mm2 伸び率 6% アイゾット衝撃強度 10.1kg・cm/cm また、試験片Dによる立体造形物の最大誤差は0.14%
で、実施例1と同様に図1に示す方法により測定した歪
は0.9mmであった。
【0060】(比較例2) (1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質として
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシ
クロヘキサンカルボキシレート66部および1,4−ブタン
ジオールジグリシジルエーテル19部と、(3)カチオン重
合開始剤としてビス−〔4−(ジフェニルスルホニオ)
フェニル〕スルフィドビスジヘキサフルオロアンチモネ
ート3部と、エネルギー線硬化性ラジカル重合有機物質
としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート11部
と、エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤としてベン
ゾフェノン1部とを配合した樹脂を用いた以外は、実施
例1の方法に準じ、光学的造形用樹脂組成物および試験
片A,B,C,Dを得た。また上記試験片A,B,Cに
ついて得られた各物性値は以下の通りで、アイゾット衝
撃強度が低く脆いものであった。
【0061】曲げ強度 8.2kg/mm2 曲げ弾性率 241kg/mm 引っ張り強度 7.9kg/mm2 引っ張り弾性率 224kg/mm2 伸び率 4% アイゾット衝撃強度 10.1kg・cm/cm また、試験片Dによる立体造形物の最大誤差は1.29%で
あり、実施例1と同様に図1に示す方法により測定した
歪は2.1mmであった。
【0062】
【発明の効果】本発明の光学的立体造形法は、エネルギ
ー線硬化性カチオン有機物質を主成分とする本発明の樹
脂組成物を用いるため空気中の酸素の影響を受けず、エ
ネルギー線硬化性ラジカル重合樹脂を主成分とする樹脂
組成物を用いた場合のように、いわゆる後硬化処理の必
要がない。従って、後硬化処理に起因する硬化物の変形
(歪)が改善される。
【0063】また、本発明の樹脂組成物にあっては、上
記と同様の理由により仮に該樹脂組成物中に所望により
エネルギー線硬化性ラジカル重合性樹脂が配合されてい
ても、後硬化処理の必要がなく硬化物の変形(歪)が改
善される上、当該ラジカル重合性樹脂によって、硬化物
の硬化速度がさらに向上し、樹脂組成物として好ましい
ものになる。
【0064】また、本発明の光学的立体造形法は、エネ
ルギー線硬化性カチオン有機物質と、エネルギー線硬化
性カチオン重合性基を含有するシリコーン樹脂とが配合
されている本発明の樹脂組成物を用いるため、当該樹脂
組成物をエネルギー線照射によって硬化させた際に、得
られる硬化物の脆さを改善することができる。また、上
記エネルギー線硬化性カチオン重合性基を含むため、光
学的立体造形を行った際に硬化物の積層単位での剥離が
起こらず光学的立体造形物を良好に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例及び比較例における試験片Dの歪みの
測定方法を説明するための図である。
【符号の説明】
D…試験片D

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)エネルギー線硬化性カチオン重合性
    有機物質 (2)エネルギー線硬化性カチオン重合性基及び(1)に対す
    る溶解性を向上させる基を同時に含むシリコーン樹脂 (3)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤 を含むことを特徴とする光学的立体造形用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 エネルギー線硬化性樹脂の任意の部位に
    エネルギー線を照射し、該樹脂の上記エネルギー線照射
    部位を硬化させて目的とする平面を創生して硬化層を形
    成し、該硬化層上に前述のエネルギー線硬化性樹脂をさ
    らに供給して、これを同様に硬化して前述の硬化層と連
    続した硬化層を得る積層操作を行い、この操作を繰り返
    すことによって目的とする三次元の立体物を得る光学的
    立体造形法において、上記エネルギー線硬化性樹脂が (1)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質と、 (2)エネルギー線硬化性カチオン重合性基及び(1)に対す
    る溶解性を向上させる基を同時に含むシリコーン樹脂と (3)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤と、必要な
    添加剤とを混合して得られる樹脂組成物であることを特
    徴とする光学的立体造形法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009128519A1 (ja) * 2008-04-16 2009-10-22 株式会社小松ライト製作所 撮像用レンズユニット
WO2011001911A1 (ja) * 2009-07-01 2011-01-06 協立化学産業株式会社 速硬化性に優れたエネルギー線硬化型エポキシ樹脂組成物

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