JP2538652B2 - 光学的造形用樹脂組成物 - Google Patents

光学的造形用樹脂組成物

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JP2538652B2 JP63234497A JP23449788A JP2538652B2 JP 2538652 B2 JP2538652 B2 JP 2538652B2 JP 63234497 A JP63234497 A JP 63234497A JP 23449788 A JP23449788 A JP 23449788A JP 2538652 B2 JP2538652 B2 JP 2538652B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、活性エネルギー線硬化型の光学的造形用樹
脂組成物に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
一般に、鋳型製作時に必要とされる製品形状に対応す
る模型、あるいは切削加工の倣い制御用又は形彫放電加
工電極用の模型の製作は、手加工により、あるいは、NC
フライス盤等を用いたNC切削加工により行われていた。
しかしながら、手加工による場合は、多くの手間と熟練
とを要するという問題があり、NC切削加工による場合
は、刃物刃先形状変更のための交換や摩耗等を考慮し
た、複雑な工作プログラムを作る必要があると共に、加
工面に生じた段を除くために、更に仕上げ加工を必要と
する場合があるという問題もある。最近、これらの従来
技術の問題点を解消し、鋳型製作用、倣い加工用、形彫
放電加工用の複雑な模型や種々の定形物を光学的造形法
により創成する新しい手法に関する技術開発が期待され
ている。
この光学的造形用樹脂としては、エネルギー線による
硬化感度が優れていること、エネルギー線による硬化の
解像度が良いこと、硬化後の紫外線透過率が良いこと、
低粘度であること、γ特性が大きいこと、硬化時の体積
収縮率が小さいこと、硬化物の機械強度が優れているこ
と、自己接着性が良いこと、酸素雰囲気下での硬化特性
が良いことなど、種々の特性が要求される。
一方、特開昭62−235318号公報には、トリアリールス
ルホニウム塩触媒を用いて、分子内に2個以上のエポキ
シ基を有するエポキシ化合物と、分子内に2個以上のビ
ニル基を有するビニル化合物と同時に光硬化させること
を特徴とする発明が記載されている。しかしながら、こ
の発明の合成方法は、特に光学的造形用樹脂を得ること
を目的とはしていないため、これによって得られる樹脂
を光学的造形用樹脂として用いても、光学的造形システ
ムに最適なものではなかった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、かかる光学的造形用樹脂として要求される
各種の諸特性を有する感光性樹脂を鋭意検討した結果、
見出されたものである。
本発明の目的は、活性エネルギー線による光学的造形
システムに最適な樹脂組成物を提供することにある。
本発明の光学的造形用樹脂組成物は、必須成分とし
て、(a)1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基
を有する脂環族エポキシ樹脂を40重量%以上含有し、か
つ1分子中に少なくとも2個以上のビニル基を有するビ
ニルエーテル樹脂を30重量%以上含有するエネルギー線
硬化性カチオン重合性有機物質、(b)エネルギー線感
受性カチオン重合開始剤、(c)エネルギー線硬化性ラ
ジカル重合性有機物質、(d)エネルギー線感受性ラジ
カル重合開始剤を含有することを特徴とする。
本発明の光学的造形用樹脂組成物の必須成分(a)に
含まれる1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を
有する脂環族エポキシ樹脂の代表例としては、水素添加
ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキ
シシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサ
ンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−
メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシ
ルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジオキサ
イド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4
−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペ
ート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3,4
−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレー
ト、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、
ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコ
ールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エー
テル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカ
ルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオ
クチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチル
ヘキシルなどが挙げられる。
また、同様必須成分(a)に含まれる1分子中に少な
くとも2個以上のビニル基を有するビニルエーテル樹脂
としては、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエ
チレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリ
コールジビニルエーテル、アルキルビニルエーテル、3,
4−ジヒドロピラン−2−メチル(3,4−ジヒドロピラン
−2−カルボキシレート)、ジプロピレングリコールジ
ビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエー
テル、ブタンジオールジビニルエーテル、エチレンオキ
サイド付加ブタンジオールのジビニルエーテル、ビスフ
ェノールA、水添ビスフェノールA、側鎖型ビスフェノ
ールAのジビニルエーテル等が挙げられる。
本発明のエネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質
として、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を
有する脂環族エポキシ樹脂を所定量以上用いることによ
り、カチオン重合反応性、低粘度化、紫外線透過性、厚
膜硬化性、体積収縮率、解像度などの点で良好な特性を
示す。また、1分子中に少なくとも2個以上のビニル基
を有するビニルエーテル樹脂を所定量以上用いることで
カチオン重合反応性が著しく促進される。
本発明の構成要素となるエネルギー線硬化性カチオン
重合性有機物質(a)には、上記必須化合物以外にエネ
ルギー線感受性カチオン重合開始剤(b)の存在下、エ
ネルギー線照射により高分子化又は架橋反応するカチオ
ン重合性化合物、例えばエポキシ化合物、環状エーテル
化合物、環状ラクトン化合物、環状アセタール化合物、
環状チオエーテル化合物、スピロオルソエステル化合
物、ビニル化合物などの1種又は2種以上の混合物を加
えることができる。そのような化合物として例えば従来
公知の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪
族エポキシ樹脂が挙げられる。
ここで芳香族エポキシ樹脂として好ましいものは、少
なくとも1個の芳香核を有する多価フェノール又はその
アルキレンオキサイド付加体のポリグリシジルエーテル
であって、例えばビスフェノールAやビスフェノールF
又はそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒド
リンとの反応によって製造されるグリシジルエーテル、
エポキシノボラック樹脂が挙げられる。
更に脂肪族エポキシ樹脂として好ましいものは、脂肪
族多価アルコール、又はそのアルキレンオキサイド付加
物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポ
リグリシジルエステル、グリシジルアクリレートやグリ
シジルメタクリレートのホモポリマー、コポリマーなど
があり、その代表例としては、1,4−ブタンジオールの
ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグ
リシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテ
ル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、
ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン
等の脂肪族多価アルコールに1種又は2種以上のアルキ
レンオキサイドを付加することにより得られるポリエー
テルポリオールのポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖
二塩基酸のジグリシジルエステルが挙げられる。更に脂
肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルやフェノ
ール、クレゾール、ブチルフェノール又はこれらにアル
キレンオキサイドを付加することにより得られるポリエ
ーテルアルコールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪
酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシ
ステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチル、
エポキシ化アマニ油、エポキシ化ポリブタジエン等が挙
げられる。
エポキシ化合物以外のカチオン重合性有機物質の例と
しては、トリメチレンオキシド、3,3−ジメチルオキセ
タン、3,3−ジクロロメチルオキセタンなどのオキセタ
ン化合物;テトラヒドロフラン、2,3−ジメチルテトラ
ヒドロフランのようなオキソラン化合物;トリオキサ
ン、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキサンシクロオ
クタンのような環状アセタール化合物;β−プロピオラ
クトン、ε−カプロラクトンのような環状ラクトン化合
物;エチレンスルフィド、チオエピクロロヒドリンのよ
うなチイラン化合物;1,3−プロピンスルフィド、3,3−
ジメチルチエタンのようなチエタン化合物;エポキシ化
合物とラクトンとの反応によって得られるスピロオルソ
エステル化合物;ビニルシクロヘキサン、イソブチレ
ン、ポリブタジエンのようなエチレン性不飽和化合物及
び上記化合物の誘導体が挙げられる。
本発明で使用するエネルギー性感受性カチオン重合開
始剤(b)とは、エネルギー線照射によりカチオン重合
を開始させる物質を放出することが可能な化合物であ
り、特に好ましいものは、照射によりルイス酸を放出す
るオニウム塩である複塩の一群のものである。かかる化
合物の代表的なものは、一般式 〔R1 aR2 bR3 cR4 dZ〕+m〔MXn+m-m 〔式中カチオンはオニウムであり、ZはS,Se,Te,P,As,S
b,Bi,O,ハロゲン(例えばI,Br,Cl)、N≡Nであり、
R1,R2,R3,R4は同一でも異なっていてもよい有機の基で
ある。a,b,c,dはそれぞれ0〜3の整数であってa+b
+c+dは、Zの価数に等しい。Mは、ハロゲン化物錯
体の中心原子である金属又は半金属(metalloid)であ
り、B,P,As,Sb,Fe,Sn,Bi,Al,Ca,In,Ti,Zn,Sc,V,Cr,Mn,C
o等である。Xはハロゲンであり、mは陽イオンの正味
の電荷、nはMの価数である。〕で表される。
上記一般式の陰イオンMXn+mの具体例としては、テト
ラフルオロボレート(BF4 -)、ヘキサフルオロホスフェ
ート(PF6 -)、ヘキサフルオロアンチモネート(Sb
F6 -)、ヘキサフルオロアルセネート(AsF6 -)、ヘキク
ロロアンチモネート(SbCl6 -)等が挙げられる。
更に一般式MXn(OH)で表される陰イオンも用いる
ことができる。また、その他の陰イオンとしては、過塩
素酸イオン(ClO4 -)、トリフルオロメチル亜硫酸イオ
ン(CF3SO3 -)、フルオロスルホン酸イオン(FSO3 -)、
トルエンスルホン酸陰イオン、トリニトロベンゼンスル
ホン酸陰イオン等が挙げられる。
このようなオニウム塩の中でも特に芳香族オニウム塩
をカチオン重合開始剤として使用するのが、特に有効で
あり、中でも特開昭50−151996号、特開昭50−158680号
公報等に記載の芳香族ハロニウム塩、特開昭50−151997
号、特開昭52−30899号、特開昭56−55420号、特開昭55
−125105号公報等に記載のVI A族芳香族オニウム塩、特
開昭50−158698号公報等に記載のV A族芳香族オニウム
塩、特開昭56−8428号、特開昭56−149402号、特開昭57
−192429号公報等に記載のオキソスルホキソニウム塩、
特公昭49−17040号公報等に記載の芳香族ジアゾニウム
塩、米国特許第4139655号明細書等に記載のチオビリリ
ウム塩等が好ましい。また、鉄/アレン錯体やアルミニ
ウム錯体/光分解ケイ素化合物系開始剤等も挙げられ
る。
かかるカチオン重合開始剤には、ベンゾフェノン、ベ
ンゾインイソプロピルエーテル、チオキサントンなどの
光増感剤を併用することもできる。
本発明で使用するエネルギー線硬化性ラジカル重合性
有機物質(c)とはエネルギー線感受性ラジカル重合開
始剤(d)の存在下、エネルギー線照射により高分子化
又は架橋反応するラジカル重合性化合物で、例えばアク
リレート化合物、メタクリレート化合物、アリルウレタ
ン化合物、不飽和ポリエステル化合物、ポリチオール化
合物などの1種又は2種以上の混合物からなるものであ
る。かかるラジカル重合性化合物の中でも、1分子中に
少なくとも1個以上のアクリル基を有する化合物は好ま
しいものであり、例えばエポキシアクリレート、ウレタ
ンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエー
テルアクリレート、アルコール類のアクリル酸エステル
が挙げられる。
ここで、エポキシアクリレートとして、好ましいもの
は、従来公知の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹
脂、脂肪族エポキシ樹脂などと、アクリル酸とを反応さ
せて得られるアクリレートである。これらのエポキシア
クリレートのうち、特に好ましいものは、芳香族エポキ
シ樹脂のアクリレートであり、少なくとも1個の芳香核
を有する多価フェノール又はそのアルキレンオキサイド
付加体のポリグリシジルエーテルを、アクリル酸と反応
させて得られるアクリレートであって、例えば、ビスフ
ェノールA、又はそのアルキレンオキサイド付加体と、
エピクロルヒドリンとの反応によって得られるグリシジ
ルエーテルを、アクリル酸と反応させて得られるアクリ
レート、エポキシノボラック樹脂とアクリル酸とを反応
させて得られるアクリレートが挙げられる。
ウレタンアクリレートとして好ましいものは、1種又
は2種以上の水酸基含有ポリエステルや、水酸基含有ポ
リエーテルに水酸基含有アクリル酸エステルとイソシア
ネート類を反応させて得られるアクリレートや、水酸基
含有アクリル酸エステルとイソシアネート類を反応させ
て得られるアクリレートである。ここで使用する水酸基
含有ポリエステルとして好ましいものは、1種又は2種
以上の脂肪族多価アルコールと、1種又は2種以上の多
塩基酸とのエステル化反応によって得られる水酸基含有
ポリエステルであって、脂肪族多価アルコールとして
は、例えば1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ト
リメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリト
ール、ジペンタエリスリトールが挙げられる。多塩基酸
としては、例えば、アジピン酸、テレフタル酸、無水フ
タル酸、トリメリット酸が挙げられる。水酸基含有ポリ
エーテルとして好ましいものは、脂肪族多価アルコール
に1種又は2種以上のアルキレンオキサイドを付加する
事によって得られる水酸基含有ポリエーテルであって、
脂肪族多価アルコールとしては、例えば、1,3−ブタン
ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グ
リセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリト
ールが挙げられる。アルキレンオキサイドとしては、例
えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドが挙
げられる。水酸基含有アクリル酸エステルとして好まし
いものは、脂肪族多価アルコールと、アクリル酸とのエ
ステル化反応によって得られる水酸基含有アクリル酸エ
ステルであって、脂肪族多価アルコールとしては、例え
ば、エチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−
ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペン
タエリスリトール、ジペンタエリスリトールが挙げられ
る。かかる水酸基含有アクリル酸エステルのうち、脂肪
族2価アルコールとアクリル酸とのエステル化反応によ
って得られる水酸基含有アクリル酸エステルは、特に好
ましく、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレートが挙
げられる。イソシアネート類としては、分子中に少なく
とも1個以上のイソシアネート基をもつ化合物が好まし
いが、トリレンジイソシアネートや、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの2
価のイソシアネート化合物が特に好ましい。
ポリエステルアクリレートとして好ましいものは、水
酸基含有ポリエステルとアクリル酸とを反応させて得ら
れるポリエステルアクリレートである。ここで使用する
水酸基含有ポリエステルとして好ましいものは、1種又
は2種以上の脂肪族多価アルコールと、1種又は2種以
上の1塩基酸、多塩基酸、及びフェノール類とのエステ
ル化反応によって得られる水酸基含有ポリエステルであ
って、脂肪族多価アルコールとしては、例えば1,3−ブ
タンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリ
スリトールが挙げられる。1塩基酸としては、例えば、
ギ酸、酢酸、ブチルカルボン酸、安息香酸が挙げられ
る。多塩基酸としては、例えばアジピン酸、テレフタル
酸、無水フタル酸、トリメリット酸が挙げられる。フェ
ノール類としては、例えばフェノール、p−ノニルフェ
ノールが挙げられる。
ポリエーテルアクリレートとして好ましいものは、水
酸基含有ポリエーテルと、アクリル酸とを反応させて得
られるポリエーテルアクリレートである。ここで使用す
る水酸基含有ポリエーテルとして好ましいものは、脂肪
族多価アルコールに1種又は2種以上のアルキレンオキ
サイドを付加する事によって得られる水酸基含有ポリエ
ーテルであって、脂肪族多価アルコールとしては、例え
ば1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロー
ルプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトールが挙げられる。アルキレンオキサイ
ドとしては、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイドが挙げられる。
アルコール類のアクリル酸エステルとして好ましいも
のは、分子中に少なくとも1個の水酸基をもつ芳香族、
又は脂肪族アルコール、及びそのアルキレンオキサイド
付加体と、アクリル酸とを反応させて得られるアクリレ
ートであり、例えば2−エチルヘキシルアクリレート、
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、イソアミルアクリレート、ラウリ
ルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソオクチ
ルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレー
ト、イソボルニルアクリレート、ベンジルアクリレー
ト、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタン
ジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジア
クリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ト
リエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグ
リコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジア
クリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレートが挙げられる。
これらのアクリレートのうち、多価アルコールのポリ
アクリレート類が特に好ましい。
これらのラジカル重合性有機物質は、単独あるいは2
種以上のものを所望の性能に応じて、配合して使用する
事ができる。
以上の(c)エネルギー線硬化性ラジカル重合性有機
物質のうち、特に好ましいのは、1分子中に少なくとも
3個以上の不飽和二重結合を有する化合物である。
本発明で使用するエネルギー線感受性ラジカル重合開
始剤(d)とは、エネルギー線照射によりラジカル重合
を開始させる物質を放出する事が可能な化合物であり、
アセトフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合
物、ベンジル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオ
キサントン系化合物などのケトン類が好ましい。アセト
フェノン系化合物としては、例えばジエトキシアセトフ
ェノン、2−ヒドロキシメチル−1−フェニルプロパン
−1−オン、4′−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2
−メチル−プロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メ
チル−プロピオフェノン、p−ジメチルアミノアセトフ
ェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、p
−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−アジド
ベンザルアセトフェノンが挙げられる。ベンゾインエー
テル系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾイ
ンメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾ
インイソプロピルエーテル、ベンゾインノルマルブチル
エーテル、ベンゾインイソブチルエーテルが挙げられ
る。ベンジル系化合物としては、ベンジル、ベンジルメ
チルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセター
ル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが挙
げられる。ベンゾフェノン系化合物としては、例えばベ
ンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラ
ースケトン、4,4′−ビスジエチルアミノベンゾフェノ
ン、4,4′−ジクロロベンゾフェノンが挙げられる。チ
オキサントン系化合物としては、チオキサントン、2−
メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2
−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサン
トンが挙げられる。
これらのエネルギー線感受性ラジカル重合開始剤
(d)は、単独あるいは2種以上のものを所望の性能に
応じて配合して使用することができる。
次に、本発明における(a)エネルギー線硬化性カチ
オン重合性有機物質、(b)エネルギー線感受性カチオ
ン重合開始剤、(c)エネルギー線硬化性ラジカル重合
性有機物質、(d)エネルギー線感受性ラジカル重合開
始剤の組成割合について説明する。組成割合について
は、部(重量部)で説明する。
即ち、本発明におけるエネルギー線硬化性カチオン重
合性有機物質(a)及びエネルギー線硬化性ラジカル重
合性有機物質(c)の組成割合は、エネルギー線硬化性
カチオン重合性有機物質(a)と、エネルギー線硬化性
ラジカル重合性有機物質(c)の合計を100部とする
と、エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質(a)
を40〜95部、即ち、エネルギー線硬化性ラジカル重合性
有機物質(c)を5〜60部含有するものが好ましく、更
に好ましくはエネルギー線硬化性カチオン重合性有機物
質(a)を50〜90部、即ち、エネルギー線硬化性ラジカ
ル重合性有機物質(c)を10〜50部含有するものが、光
学的造形用樹脂組成物として、特に優れた特性を有す
る。
本発明の組成物において、エネルギー線硬化性カチオ
ン重合性有機物質(a)及びエネルギー線硬化性ラジカ
ル重合性有機物質(c)は、光学的造形用樹脂組成物と
して所望の特性を得るために、複数のエネルギー線硬化
性有機物質、即ち、エネルギー線硬化性カチオン重合性
有機物質(a)、及びエネルギー線硬化性ラジカル重合
性有機物質(c)を配合して使用するとができる。
本発明の組成物におけるエネルギー線感受性カチオン
重合開始剤(b)の含有量は、エネルギー線硬化性有機
物質100部、即ち、エネルギー線硬化性カチオン重合性
有機物質(a)とエネルギー線硬化性ラジカル重合性有
機物質(c)の合計100部に対して、0.1〜10部、好まし
くは0.5〜6部の範囲で含有することができる。又、本
発明の組成物におけるエネルギー線感受性ラジカル重合
開始剤(d)の含有量は、エネルギー線硬化性有機物質
100部に対して、0.1〜10部、好ましくは0.2〜5部の範
囲で含有することができる。エネルギー線感受性カチオ
ン重合開始剤(b)及びエネルギー線感受性ラジカル重
合開始剤(d)は、光学的造形用樹脂組成物として、所
望の特性を得るために、複数のエネルギー線感受性カチ
オン重合開始剤(b)及びエネルギー線感受性ラジカル
重合開始剤(d)を配合して使用することができる。ま
たこれらの重合開始剤をエネルギー線硬化性有機物質と
混合する時は、重合開始剤を適当な溶剤に溶かして使用
することもできる。
本発明の組成物において、エネルギー線硬化性カチオ
ン重合性有機物質(a)の組成割合が多すぎる場合、即
ちエネルギー線硬化性ラジカル重合性有機物質(c)の
組成割合が少なすぎる場合、得られる組成物は、活性エ
ネルギー線による硬化反応の際、空気中の酸素による影
響を受けにくく、又、硬化時の体積収縮を小さくするこ
とができるため、硬化物に歪みが割れ等が生じ憎く、更
に低粘度の樹脂組成物が容易に得られるため、造形時間
を短縮する事ができる。しかし、活性エネルギー線によ
る硬化反応の際、活性エネルギー線の照射部分から周辺
部分へと重合反応が進み易いため、解像度が悪く、又、
活性エネルギー線の照射後、重合反応が終了するまで数
秒間の時間を要する。逆にエネルギー線硬化性ラジカル
重合性有機物質(a)の組成割合が少なすぎる場合、即
ち、エネルギー線硬化性ラジカル重合性有機物質(c)
の組成割合が多すぎる場合、活性エネルギー線の照射部
分から周辺部分へと重合反応が進みにくいため解像度が
良く、又、活性エネルギー線の照射後重合反応が終了す
るまで、ほとんど時間を要さない。しかし、活性エネル
ギー線による硬化反応の際、空気中の酸素により重合反
応が阻害され易く、又、硬化時の体積収縮が大きいため
硬化物にゆがみや割れなどが生じ易く、更に、低粘度化
するため低粘度ラジカル重合性樹脂を使用すると、皮膚
刺激性が大きい。この様な組成物はいずれも光学的造形
用樹脂組成物としては、適当ではない。
本発明の光学的造形用樹脂組成物を、特に(a)エネ
ルギー線硬化性カチオン重合性有機物質が、1分子中に
少なくとも2個以上のエポキシ基を有する脂環族エポキ
シ樹脂を40重量%以上含有し、かつ1分子中に少なくと
も2個以上のビニル基を有するビニルエーテル樹脂を30
重量%以上含有し、(c)エネルギー線硬化性ラジカル
重合性有機物質が、1分子中に少なくとも3個以上の不
飽和二重結合を有する化合物を50重量%以上含有するよ
うに構成した場合、エネルギー線反応性が良く、機械的
強度や解像度に優れ、収縮率が3%以下になり、非常に
優れた光学的造形システムを構成することができる。
本発明の光学的造形用樹脂組成物は、本発明の効果を
損なわない限り、必要に応じて、熱感受性カチオン重合
開始剤;顔料、染料等の着色剤;消泡剤、レベリング
剤、増粘剤、難燃剤、酸化防止剤等の各種樹脂添加剤;
シリカ、ガラス粉、セラミックス粉、金属粉等の充填
剤;改質用樹脂などを適量配合して使用することができ
る。熱感受性カチオン重合開始剤としては、例えば、特
開昭57−49613号、特開昭58−37004号公報記載の脂肪族
オニウム塩類が挙げられる。
本発明組成物の粘度としては、好ましくは常温で2000
cps以下のもの、更に好ましくは、1000cps以下のもので
ある。粘度があまり高くなると、造形所要時間が長くな
るため、作業性が悪くなる傾向がある。
一般に造形用樹脂組成物は、硬化時に体積収縮をする
ので、精度の点から収縮の小さいことが要望される。本
発明組成物の硬化時の体積収縮率としては、好ましくは
5%以下、更に好ましくは3%以下のものである。
本発明の具体的実施方法としては、特開昭60−247515
号公報に記載されている様に、本発明の光学的造形用樹
脂組成物を容器に収容し、該樹脂組成物中に導光体を挿
入し、前記容器と該導光体とを相対的に、移動しつつ該
導光体から硬化に必要な活性エネルギー線を選択的に供
給することによって、所望形状の固体を形成することが
できる。本発明組成物を硬化する際に使用する活性エネ
ルギー線としては、紫外線、電子線、X線、放射線、あ
るいは高周波等を用いることができる。これらのうちで
も、1800〜5000Åの波長を有する紫外線が経済的に好ま
しく、その光源としては、紫外線レーザー、水銀ラン
プ、キセノンランプ、ナトリウムランプ、アルカリ金属
ランプ等が使用できる。特に好ましい光源としては、レ
ーザー光源であり、エネルギーレベルを高めて造形時間
を短縮し、良好な集光性を利用して、造形精度を向上さ
せることが可能である。また、水銀ランプ等の各種ラン
プからの紫外線を集光した点光源も有効である。更に、
硬化に必要な活性エネルギー線を、本樹脂組成物に選択
的に供給するためには、該樹脂組成物の硬化に適した波
長の2倍に相等しい波長を有し、かつ位相のそろった2
つ以上の光束を該樹脂組成物中において、相互に交叉す
るように照射して2光子吸収により、該樹脂組成物の硬
化に必要なエネルギー線を得、該光の交叉箇所を移動し
て行うこともできる。前記位相のそろった光束は、例え
ばレーザー光により得ることができる。
本発明組成物は、活性エネルギー線によるカチオン重
合反応及びラジカル重合反応により硬化が進むため、使
用するカチオン重合性有機物質(a)及びラジカル重合
性有機物質(c)の種類によっては、活性エネルギー線
照射時、該樹脂組成物を、30〜100℃程度に加熱するこ
とにより、架橋硬化反応を効果的に促進することもでき
るし、更に、エネルギー線照射して、得られた造形物を
40〜100℃の温度に加熱処理又は水銀ランプなどで、UV
照射処理をすることで、より機械強度の優れた造形物を
得ることもできる。
本発明の光学的造形用樹脂組成物は、三次元立体モデ
ルを層状形成物の積み重ねによって作成するための非常
に優れたものであり、金型を用いないでモデルの創成加
工ができ、しかも自由曲面など、CAD/CAMとドッキング
によりあらゆる形状が高精度に創成できるなど、工業的
価値は極めて大きい。例えば、本樹脂組成物の応用分野
としては、設計の途中で外観デザインを審査するための
モデル、部品相互の組み合わせの不都合をチェックする
ためのモデル、鋳型を製作するための木型、金型を製作
するための倣い加工用モデルなど、幅広い用途に利用す
ることができる。
具体的な適用分野としては、自動車、電子・電気部品
・家具、建築構造物、玩具、容器類、鋳物、人形、など
各種曲面体のモデルや加工用が挙げられる。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明の代表的な例について、
更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によ
って制約されるものではない。例中「部」は重量部を意
味する。
実施例 (a)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質とし
て、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキ
シシクロヘキサンカルボキシレート55部、ビスフェノー
ルAジビニルエーテル30部、(b)エネルギー線感受性
カチオン重合開始剤として、ビス−〔4−(ジフェニル
スルホニオ)フェニル〕スルフィドビスジヘキサフルオ
ロアンチモネート3部、(c)エネルギー線硬化性ラジ
カル重合性有機物質として、ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート15部、(d)エネルギー線感受性ラジ
カル重合開始剤として、ベンゾフェノン1部を充分混合
して、光学的造形用樹脂組成物を得た。樹脂組成物を入
れる容器をのせた三次元NC(数値制御)テーブル、ヘリ
ウム・カドミウムレーザー(波長325nm)と、光学系及
びパーソナルコンピューターをメーンとする制御部より
構成される光造形実験システムを用いて、この樹脂組成
物から底面の直径12mm、高さ15mm、厚さ0.5mmの円錐を
造形した。この造形物は歪みがなく、極めて造形精度が
高く、かつ機械強度が優れたものであった。
レーザーによる重合速度を比較するため、造形に要す
る時間を測定したところ、30分と短時間であった。
実施例2 (a)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質と
して、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポ
キシシクロヘキサンカルボキシレート45部、トリエチレ
ングリコールジビニルエーテル25部、(b)エネルギー
線感受性カチオン重合開始剤として、ビス−〔4−(ジ
フェニルスルホニオ)フェニル〕スルフィドビスジヘキ
サフルオロアンチモネート3部、(c)エネルギー線硬
化性ラジカル重合性有機物質として、ジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート20部、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート10部、(d)エネルギー線感受性ラ
ジカル重合開始剤として、ベンジルジメチルケタール1
部を充分混合して、光学的造形用樹脂組成物を得た。実
施例1に示したレーザー光造形実験システムを用いて、
つりがね状の造形物を作成したところ、この造形物は歪
みがなく、極めて造形精度が高く、かつ機械強度の優れ
たものであった。また、本樹脂組成物は、粘度が130cps
(25℃)と低粘度で扱い易く、レーザー光による硬化性
の優れたものであった。
レーザーによる重合速度を測定するため、実施例1と
同様の円錐状造形物を作成したところ、造形時間は30分
であった。
実施例3 (a)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質と
して、ビスフェノールAジグリシジルエーテル10部、3,
4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシク
ロヘキサンカルボキシレート30部、エチレングリコール
ジビニルエーテル20部、(b)エネルギー線感受性カチ
オン重合開始剤として、トリフェニルスルホニウムヘキ
サフルオロアンチモネート2部、(c)エネルギー線硬
化性ラジカル重合性有機物質として、ビスフェノールA
エポキシアクリレート15部、ペンタエリスリトールトリ
アクリレート25部、(d)エネルギー線感受性ラジカル
重合開始剤として、2,2−ジエトキシアセトフェノン2
部を充分混合して、光学的造形用樹脂組成物を得た。実
施例1に示したレーザー光造形実験システムを用いて、
この組成物を60℃に加温しながらコップ状造形物を作成
したところ、この造形物は歪みがなく、造形精度の優れ
たものが得られた。
レーザーによる重合速度を測定するため、実施例1と
同様の円錐状造形物を作成したところ、60℃に加温して
いるため反応速度が速く、造形時間が20分と非常に短時
間であった。
実施例4 (a)エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質と
して、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポ
キシシクロヘキサンカルボキシレート50部、トリメチロ
ールプロパントリビニルエーテル30部、(b)エネルギ
ー線感受性カチオン重合開始剤として、トリフェニルス
ルホニウムヘキサフルオロアンチモネート2部、(c)
エネルギー線硬化性ラジカル重合性有機物質として、ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート20部、(d)
エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤として、ベンゾ
インイソプロピルエーテル2部を充分混合して、光学的
造形用樹脂組成物を得た。実施例1に示したレーザー光
造形実験システムを用いてつりがね状の造形物を作成し
たところ、歪みがなく、機械的強度、造形精度、表面平
滑性の優れたものが得られた。
レーザーによる重合速度を測定するため、実施例1と
同様の円錐状造形物を作成したところ、造形時間は30分
であった。
比較例1 3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ
シクロヘキサンカルボキシレート60部、ビスフェノール
Aジグリシジルエーテル20部、1,4−ブタンジオールジ
グリシジルエーテル20部、トリフェニルスルホニウムヘ
キサフルオロアンチモネート3部を充分混合し、エネル
ギー線硬化性カチオン重合性樹脂組成物を得た。この組
成物を使用して、実施例1に示したレーザー光造形実験
システムを用いて、実施例1と同様の円錐状造形物を作
成したところ、この造形物は、歪みがなく、又、機械強
度も優れたものであったが、本樹脂組成物はレーザー光
による硬化時に解像度が悪いため、造形物の表面がざら
ざらとした造形精度の悪いものであった。又、レーザー
照射時より重合反応が終了するまで、数秒間待たねばな
らず、造形所要時間が120分と長時間であった。
比較例2 ビスフェノールAエポキシアクリレート70部、トリメ
チロールプロパントリアクリレート30部、ベンジルジメ
チルケタール3部を充分混合して、エネルギー線硬化性
ラジカル重合性樹脂組成物を得た。この組成物を使用し
て、実施例1に示したレーザー光造形実験システムを用
いて、実施例1と同様の円錐状造形物を作成したとこ
ろ、造形時間は45分と比較的短時間であったが、この造
形物は、大きな硬化収縮による歪みが発生し、造形精度
の劣るものであった。
比較例3 3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ
シクロヘキサンカルボキシレート75部、トリエチレング
リコールジビニルエーテル10部、ビス−〔4−(ジフェ
ニルスルホニオ)フェニル〕スルフィドビスジヘキサフ
ルオロアンチモネート3部、ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート15部、ベンゾフェノン1部を充分混合
して、エネルギー線硬化性カチオン/ラジカル重合性樹
脂組成物を得た。この組成物を使用して、実施例1に示
したレーザー光造形実験システムを用いて、実施例1と
同様の円錐状造形物を作成した。この造形物は歪みがな
く機械強度の優れたものであったが、ビニルエーテル樹
脂の含有量が少ないため造形時間が50分で、本発明の光
学的造形用樹脂組成物と比較すると明らかに劣ってい
た。
〔発明の効果〕
本発明の光学的造形用樹脂組成物は、エネルギー線硬
化性カチオン重合性有機物質及びエネルギー線硬化性ラ
ジカル重合性有機物質の混合組成物であるため、エネル
ギー線硬化性カチオン重合性有機物質の特性と、エネル
ギー線硬化性ラジカル重合性有機物質の特性の両方の利
点をもつ樹脂組成物である。カチオン重合性樹脂組成物
は、活性エネルギー線による硬化反応の際、空気中の酸
素による影響を全く受けることがない、硬化時の体積収
縮を小さくすることができるため、硬化物に歪みや割れ
等が生じにくい、硬化物の強度が優れている、低粘度樹
脂組成物が容易なため造形時間を短縮することができ
る、等の利点がある。しかし、活性エネルギー線による
硬化反応の際、活性エネルギー線の照射部分から周辺部
分へと重合反応が進み易いため、解像度が悪い、活性エ
ネルギー線の照射後、重合反応が終了するまで数秒間の
時間を要する、等の欠点がある。一方、ラジカル重合性
樹脂組成物は、活性エネルギー線による硬化反応の際、
活性エネルギー線の照射部分から周辺部分へと重合反応
が進みにくいため解像度が良い、活性エネルギー線の照
射後、重合反応が終了するまで、ほとんど時間を要さな
い、という利点がある。しかし、空気中の酸素により重
合反応が阻害される、硬化時の収縮率が大きい、硬化物
の機械的強度が劣る、低粘度樹脂は、皮膚刺激性が大き
い、臭気が強い等の欠点がある。
本発明では、(a)エネルギー線硬化性カチオン重合
性有機物質、(b)エネルギー線感受性カチオン重合開
始剤、(c)エネルギー線硬化性ラジカル重合性有機物
質、(d)エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤を混
合することにより、以下のような特徴をもつ光学的造形
用樹脂組成物を得ることができた。即ち、空気中の酸素
による影響をほとんど受けることがない。硬化時の体積
収縮を小さくすることができるため、硬化物に歪みや割
れ等が生じにくい。低粘度樹脂組成物が容易なため、造
形時間を短縮することができる。活性エネルギー線照射
の際、活性エネルギー線の照射部分から周辺部分へと、
重合反応が進みにくいため解像度が良い。活性エネルギ
ー線の照射後、重合反応が終了するまでほとんど時間を
要さない。硬化物の機械的強度や硬度が優れている。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】必須成分として、(a)1分子中に少なく
    とも2個以上のエポキシ基を有する脂環族エポキシ樹脂
    を40重量%以上含有し、かつ1分子中に少なくとも2個
    以上のビニル基を有するビニルエーテル樹脂を30重量%
    以上含有するエネルギー線硬化性カチオン重合性有機物
    質、(b)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤、
    (c)エネルギー線硬化性ラジカル重合性有機物質、
    (d)エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤を含有す
    ることを特徴とする光学的造形用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(c)エネルギー線硬化性ラジカル重合性
    有機物質が、1分子中に少なくとも3個以上の不飽和二
    重結合を有する化合物を50重量%以上含有することを特
    徴とする請求項1記載の光学的造形用樹脂組成物。
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