JP2829664B2 - 含ケイ素α−シアノアクリレートの製造法 - Google Patents

含ケイ素α−シアノアクリレートの製造法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は含ケイ素α−シアノアクリレートの製造法に
関する。
(従来の技術とその課題) 一般式 で示されるα−シアノアクリレートは、被着材表面に吸
着されている微量の水分により急速に重合、硬化し、極
めて強度の高い接着力が得られることから、常温一液型
の瞬間接着剤として、金属、プラスチックス、ゴム、木
材などの接着に広く利用されている。
α−シアノアクリレートとしては、Rがアルキル基で
あるメチルα−シアノアクリレート、エチルα−シアノ
アクリレート、イソプロピルα−シアノアクリレートな
どのアルキルα−シアノアクリレート類、Rが不飽和基
であるアリルα−シアノアクリレート、プロパギルα−
シアノアクリレートなどのアルケニルまたはアルキニル
α−シアノアクリレート類、2,2,2−トリフルオロエチ
ルα−シアノアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロ
プロピルα−シアノアクリレートなどのフルオロアルキ
ルα−シアノアクリレート類(特公昭57−87404)、2
−メトキシエチルα−シアノアクリレート、2−エトキ
シエチルα−シアノアクリレートなどのアルコキシアル
キルα−シアノアクリレート類などが知られている。
しかして一般にα−シアノアクリレートを接着剤とし
て使用した場合、揮発したシアノアクリレートモノマー
が大気中の水分で重合し、白い粉となって接着部周辺に
付着する(白化現象)ため、接着物の外観を損なうとい
う問題がある。また、電気・電子部品の組立て等に使用
された場合、揮発モノマーが接点部を汚し、接点不良を
引きおこしたり、また可動部で硬化し、作動不良の原因
となることがある。
本発明者等は含ケイ素シアノアクリレートが重合、硬
化時に白化現象を起こさず無臭性で作業性に優れると共
に、その構造特性から従来のα−シアノアクリレートに
はない特性を示しうることを知見した。しかしながら通
常のシアノアクリレートの製造方法に従ってこれを製造
することは困難である。
通常のシアノアクリレートを与える対応するシアノア
セテートは、従来、シアノ酢酸と対応するアルコールか
ら、酸触媒を用いて次の反応で製造されている。
しかしながら、この方法は含ケイ素シアノアセテート
合成には不適当である。トリメチルシリルエタノールを
例にとって説明すると、酸により生成するトリメチルシ
リルエチルカチオンは、シアノ酢酸と反応せずにトリメ
チルシリルカチオンとエチレンに分解してしまうため
に、通常の条件では目的とするシアノアセテートは生成
されない。
また、トリメチルシリルロタノールでは、生成するカ
チオンはネオペンチル型のカチオンであるために、より
安定な3級カチオンへの転移が予想される。
本発明の目的は前記した特徴をもつ含ケイ素シアノア
クリレートの効率的な製造方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は一般式 但しR1は炭素数1〜6のアルキレン基を示し、R2〜R4
は炭素数1〜6のアルキル基を示す、で表される含ケイ
素α−シアノアクリレートの製造方法に関する。
本発明は一般式 但しR1〜R4の定義は前記のとおりである、で示される
含ケイ素α−シアノアセテートを合成し、このシアノア
セテートをホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒ
ドと塩基性触媒の存在下に脱水縮合させて縮重合体を製
造し、次いで、この縮重合体を加熱解重合(熱分解)す
ることを特徴とする上記一般式(I)で表される含ケイ
素α−シアノアクリレートの製造方法である。
本発明の含ケイ素α−シアノアクリレートは前記一般
式を満足する限りR1〜R4は更には限定されないが、R1
例としてはメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン
等の基があり、R2〜R4としてはメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル等がある。
以下に上記の製造法について具体的に説明する。
a. 含ケイ素シアノアセテートの製造 一般式IIで示される含ケイ素シアノアセテートは、以
下に示したスキームに従って、シアノ酢酸と対応するア
ルコールから、2−ハロピリジニウム塩/3級アミンを縮
合剤とするエステル化反応により製造することができ
る。
上記の反応における2−ハロピリジニウム塩として
は、ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウム(R=
CH3,X=Cl,Y=I)、ヨウ化2−ブロモ−1−メチルピ
リジニウム(R=CH3,X=Br,Y=I)、テトラフルオロ
ホウ酸2−クロロ−1−エチルピリジニウム(R=C
2H5,X=Cl,Y=BF4)、テトラフルオロホウ酸2−ブロモ
−1−エチルピリジニウム(R=C2H5,X=Br,Y=BF4
などがある。また3級アミンとしては、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミン、2,6−ルチジン、ピリジンなど
がある。
上記の反応を利用することにより収率よく含ケイ素シ
アノアセテートを製造することができる。
b. 含ケイ素α−シアノアクリレートの製造 上記のようにして得た含ケイ素シアノアセテートとホ
ルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドを塩基性触
媒の存在下に脱水縮合させて縮重合体を得る。
次いで、この縮重合体を減圧下、好ましくは140〜250
℃で解重合することにより、本発明の含ケイ素α−シア
ノアクリレートが得られる。
かくして得られる含ケイ素α−シアノアクリレートは
非常に活性の高いモノマーであるので、これを安定に保
存するために安定剤を加えることが望ましい。このよう
な安定剤としては、例えば、アニオン重合抑制剤とし
て、亜硫酸(SO2)、サルトン化合物、有機スルホン
酸、メルカプタン、トリフルオロ酢酸、フッ化ホウ素酸
など、またラジカル重合抑制剤として、キノン類、カテ
コール、ピロガロール、2,6−ジ−t−ブチルフェノー
ルなどが挙げられる。これらの添加量は、その抑制能力
によって異なるが、モノマーに対し1〜10,000ppm、特
に10〜1,000ppmの範囲が好ましい。
本発明の含ケイ素α−シアノアクリレートは、蒸気圧
が低く、このため硬化時に白化現象をおこすことがな
く、また臭いもほとんどないので、作業環境をよごすこ
ともない。またα−シアノアクリレート特有の接着力と
ケイ素原子のもつ特徴をも兼備しており、接着剤として
はもちろんのこと、コーティング剤等としても応用でき
る。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
実施例1 (含ケイ素α−シアノアセテートの製造) シアノ酢酸8.5g(0.1モル)、トリメチルシリルメタ
ノール10.43g(0.1モル)、ヨウ化2−クロロ−1−メ
チルピリジニウム30.66g(0.12モル)、トリエチルアミ
ン24.3g(0.24モル)、テトラヒドロフラン200mlを反応
容器に入れ、アルゴン雰囲気下、50℃で3時間反応させ
た後、これにチオ硫酸ナトリウム10%水溶液を加え、エ
ーテルで抽出した。有機層をチオ硫酸ナトリウム10%水
溶液および水で順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで一
晩乾燥した。乾燥剤を濾別し、減圧下に溶媒を除去し、
減圧蒸留によりトリメチルシリルメチルα−シアノアセ
テート(NCCH2CO2CH2SiMe3)14.6g(沸点81−82℃/2mmH
g,収率85%)を得た。
以下、同様に各種含ケイ素α−シアノアセテートを製
造した。生成物と収率と物性値は次のとおりである。
トリメチルシリルエチルα−シアノアセテート(NCCH
2CO2C2H4SiMe3)、収率83%,沸点94−95℃/2mmHg。
トリメチルシリルn−プロピルα−シアノアセテート
(NCCH2CO2C3H6SiMe3)、収率82%,沸点94−95℃/0.9m
mHg。
(含ケイ素α−シアノアクリレートの製造) トリメチルシリルメチルα−シアノアセテート8.56g
(0.05モル)、パラホルムアルデヒド1.35g(0.045モ
ル)、トルエン25.7g、トリエチレンジアミン8.6mgを還
流下に反応させ、生成水を共沸脱水し、次いでジオクチ
ルフタレート6.4g、ハイドロキノン87mg、五酸化リン0.
17gを加え、150〜210℃減圧下解重合して、粗トリメチ
ルシリルメチルα−シアノアクリレート3.86gを得た。
これを再蒸留することにより、トリメチルシリルメチル
α−シアノアクリレート2.48g(沸点67℃/2mmHg,精製収
率30%)を得た。
以下、同様に含ケイ素α−シアノアクリレートを製造
した。生成物の物性値は次のとおりである。
トリメチルシリルエチルα−シアノアクリレート 60MHz 1H−NMR[CDCl3/CHCl3(δ=7.24ppm)] δ(ppm):6.92(s,1H),6.51(s,1H),4.44−4.16(m,
2H),1.21−0.92(m,2H),0.04(s,9H)。
トリメチルシリルn−プロピルα−シアノアクリレート 60MHz 1H−NMR[CDCl3/CHCl3(δ=7.24ppm)] δ(ppm):6.91(s,1H),6.51(s,1H),4.15(t,J=7.0
Hz,2H),1.96−1.46(m,2H),0.69−0.39(m,2H),0.06
(s,1H)。
実施例2 白化現象をみるために、清浄にしたシャーレを黒い紙
の上に置き、このシャーレの中へ本発明の含ケイ素α−
シアノアクリレートを一滴落とした。これを室温下24時
間放置し、その白化状況を調べた。また比較として、公
知のα−シアノアクリレートについても同様の方法によ
り、その白化状況を調べた。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 但しR1は炭素数1〜6のアルキレン基を示し、R2〜R4
    炭素数1〜6のアルキル基を示す、で表されるシアノア
    セテートとホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒ
    ドとを塩基性触媒の存在下に脱水縮合させて縮重合体を
    製造し、次いで、得られた縮重合体を加熱して解重合す
    ることを特徴とする一般式 但しR1〜R4は前記定義のとおりである、で表される含ケ
    イ素α−シアノアクリレートの製造法。
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