JP2826561B2 - チタンまたはチタン合金の表面処理方法 - Google Patents

チタンまたはチタン合金の表面処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は例えば他種金属部品との摺動部品として使
用可能なチタンまたはチタン合金の表面処理方法に関す
る。
(従来の技術) 一般に、例えば車両用のエンジン部品には多数の金属
部品が使用されている。ところで、従来からこの種のエ
ンジン部品の一部を鉄鋼材料よりも比重が小さいチタン
またはチタン合金によって形成し、エンジン全体の軽量
化を図ることが行われている。しかしながら、チタンま
たはチタン合金によって形成された部品を格別な表面処
理を施すことなく他種金属部品との摺動部品として使用
した場合には相手金属部品との焼付きが発生し易く、ま
た摩耗による損傷が著しいという問題がある。そこで、
チタンまたはチタン合金部品に窒化、浸炭、めっき等の
表面処理を施すことにより、相手金属部品との焼付きを
防止することが従来から行われている。
しかしながら、チタンまたはチタン合金部品に窒化等
の表面処理を施した場合には部品の硬度が大幅に上昇す
るので、この表面処理部品と摺接する相手金属部品側の
摩耗量が大きくなり、耐久性が損われる問題があった。
また、チタンまたはチタン合金部品の表面にめっき処理
を施した場合には相手金属部品側との摺動動作にともな
いめっき処理層が剥離し易いので、信頼性の面で問題が
あり、低コストで信頼性の優れた表面処理方法の開発が
要望されているのが実情であった。
(発明が解決しようとする課題) 従来構成のものにあってはチタンまたはチタン合金部
品に窒化等の表面処理を施した場合にはこの表面処理部
品と摺接する相手金属部品側の摩耗量が大きくなり、耐
久性が損われる問題が発生するとともに、チタンまたは
チタン合金部品の表面にめっき処理を施した場合にはめ
っき処理層が剥離し易く、信頼性の面で問題があった。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、チタ
ンまたはチタン合金部品の耐焼付き性および耐摩粍性の
向上を図ることができると同時に、チタンまたはチタン
合金部品に摺接する相手部品側の摩耗量の増大を防止し
て耐久性の向上を図ることができるチタンまたはチタン
合金の表面処理方法を提供することを目的とするもので
ある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) この発明はチタンまたはチタン合金によって形成され
る被処理体を酸化性雰囲気中で加熱状態で所定時間保持
させて前記被処理体の表面に酸化物層および酸素富化層
の複合層を形成する加熱工程と、この加熱工程終了後、
前記被処理体を水冷または強制空冷により急冷すること
によって前記被処理体の表面複合層の最外層のスケール
層を除去するスケール層除去工程とを設けたものであ
る。
(作用) チタンまたはチタン合金によって形成される被処理体
を酸化性雰囲気中で加熱状態で所定時間保持させ、前記
被処理体の表面に酸化物層および酸素富化層の複合層を
形成させたのち、被処理体を水冷または強制空冷により
急冷することによって前記被処理体の表面複合層の最外
層のスケール層を除去することにより、被処理体表面に
チタンまたはチタン合金部品に摺接する相手部品側と略
同程度の硬度の硬化層を比較的深く形成し、チタンまた
はチタン合金部品の耐焼付き性および耐摩粍性の向上を
図ると同時に、チタンまたはチタン合金部品に摺接する
柚子部品側の摩耗量の増大を防止して耐久性の向上を図
るようにしたものである。
(実施例) 以下、この発明の一実施例を図面を参照して説明す
る。第1図はエンジンの弁機構1の要部の概略構成を示
すもので、2は吸気弁または排気弁等のバルブ本体であ
る。このバルブ本体2にはバルブステム3の上端部にバ
ルブスプリングリテーナ4が固定されており、このバル
ブ本体2のバルブステム3の周囲に装着されたバルブス
プリング5の上端部がバルブスプリングリテーナ4に圧
接状態で保持されている。この場合、バルブスプリング
5は例えば鉄鋼材料によって形成されているとともに、
バルブスプリングリテーナ4はチタンまたはチタン合
金、例えばTi−22V−4Al合金によって形成されている。
また、バルブスプリングリテーナ4を形成するTi−22
V−4Al合金は所定形状に形成されたのち、次の方法によ
って表面処理されている。
まず、Ti−22V−4Al合金によって形成されるバルブス
プリングリテーナ4の被処理体を酸化性雰囲気中、例え
ば大気中で加熱状態で所定時間保持させ、被処理体の表
面に酸化物層および酸素富化層の複合層を形成する(加
熱工程)。この加熱工程中は例えば900℃の加熱温度で3
0分問保持させる。
さらに、この加熱工程終了後、被処理体を急冷して被
処理体の表面複合層の最外層のスケール層を除去する
(スケール層除去工程)。この場合、被処理体の急冷作
業は水冷によって行われている。
なお、第2図(A),(B),(C)は上記表面処理
方法の加熱工程時の加熱温度の違いによるチタン11の表
面の酸化被膜の構造の差異の一例を示すものである。こ
こで、第2図(A)は加熱工程時の加熱温度を700〜800
℃に設定した場合の酸化被膜構造、同図(B)は加熱工
程時の加熱温度を825〜850℃で長時間保持させた場合の
酸化被膜構造、同図(C)は加熱工程時の加熱温度を87
5〜1050℃で長時間保持させた場合の酸化被膜構造をそ
れぞれ示すものである。この場合、第2図(A)では青
銅色のチタン11の表面に単一のTiO2(ルチル)層12が形
成されている。さらに、同図(B)および(C)ではチ
タン11の表面に複数の酸化物層および酸素富化層の複合
層13,14がそれぞれ形成されている。この第2図(B)
の複合層13は内面側から順にI層13aがチタン+TiO粉末
層、II層13bがTiO+金属チタン層、III層13cが暗青色の
TiO2層、IV属13dが淡青色のTiO2層、V層13eが黄褐色の
TiO2層によって形成されている。また、第2図(C)の
複合層14は内面側から順にI層14aがチタン+TiO粉末
層、II層14bがTiO+金属チタン層、III層14cがTiO層、I
V層14dがTi23層、V層14eが暗青色のTiO2層によって
形成されている。
また、下表は上記表面処理が行なわれたTi−22V−4Al
合金の表面硬さを調べた実験結果 を示すものである。
さらに、第3図は上記表面処理が行なわれた被処理体
の表面からの距離と硬度との関係を調べた実験結果(断
面硬さ分布)を示すものである。なお、第3図中で、a
は被処理体を900℃の加熱温度で30分間保持させた場合
の特性、bは被処理体を700℃の加熱温度で30分間保持
させた場合の特性をそれぞれ示すものである。
また、第4図はバルブスプリングリテーナ4のモータ
リング耐久試験結果(バルブスプリングリテーナ4にお
けるバルブスプリング5の座面5aの摩耗量Δtの変化状
態)を示すものである。なお、第4図中、cは表面処理
を施していない場合の特性、dは浸炭焼入れ処理を施し
た場合の特性、eはイオン窒化処理を施した場合の特
性、gは本発明の表面処理を施した場合の特性をそれぞ
れ示すものである。また、fは鋼の代表例であるSCr415
に浸炭焼入れ処理を施した場合の特性を比較例として示
すものである。
したがって、上表および第3図,第4図からも明らか
なように上記表面処理方法によれば加熱工程終了後、被
処理体を急冷して被処理体の表面複合層13の最外層の多
孔性酸化物からなる外部酸化スケール層を除去するよう
にしたので、被処理体であるTi−22V−4Al合金部品によ
って形成されるバルブスプリングリテーナ4の表面にこ
のバルブスプリングリテーナ4に摺接するバルブスプリ
ング5側と略同程度の硬度の硬化層を比較的深く(例え
ば100μm以上)形成させることができる。そのため、T
i−22V−4Al合金部品の耐焼付き性および耐摩耗性の向
上を図ることができると同時に、Ti−22V−4Al合金部品
に摺接するバルブスプリング5側の摩耗量の増大を防止
して耐久性の向上を図ることができる。
さらに、第5図は上記表面処理が行なわれた被処理体
の各加熱温度毎の加熱時間と重量増加状態との関係を調
べた実験結果を示すものである。
したがって、この第5図からも明らかなように加熱工
程時に被処理体を900℃の加熱温度で30分間保持させる
ことにより、Ti−22V−4Al合金部品の表面処理時の寸法
変化および重量変化の低減を図ることができる。
なお、この発明は上記実施例に限定されるものではな
い。例えば、上記実施例では加熱工程中、900℃の加熱
温度で30分間保持させた場合について示したが、加熱工
程は700℃の加熱温度で10時間保持させてもよく、また1
050℃の加熱温度で5分間保持させてもよい。ここで、
加熱温度を700℃よりも砥く設定した場合には第6図に
示すように被処理体の硬度(ビッカース硬度)Hvが500
より低くなるので、耐摩耗性が悪くなる問題があるとと
もに、加熱温度を1050℃より高く設定した場合には被処
理体のチタン合金の母相の結晶粒が粗大化するので、機
械的な引張り強度や疲労強度が低下する問題が発生し、
さらに処理後の重量増加量が大きくなる問題もある。し
たがって、加熱工程時の加熱温度は700〜1050℃の範囲
内で適宜設定してもよい。この場合、加熱時間は低温側
では長く設定し、高温側では短くなるように設定するこ
とにより、上記実施例と同様の効果を得ることができ
る。
さらに、上記実施例では加熱工程終了後、水冷によっ
て被処理体を急冷させているが、強制空冷によって急冷
させてもよい。
また、上記実施例ではこの発明をバルブスプリングリ
テーナ4に適用した場合について示したが、コンロッ
ド、バルブスプリング、バルブステム等に適用してもよ
く、さらにその他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で
種々変形実施できることは勿論である。
[発明の効果] この発明によればチタンまたはチタン合金によって形
成される被処理体を酸化性雰囲気中で加熱状態で所定時
間保持させて前記被処理体の表面に酸化物層および酸素
富化層の複合層を形成する加熱工程と、この加熱工程終
了後、前記被処理体を水冷または強制空冷により急冷す
ることによって前記被処理体の表面複合層の最外層のス
ケール層を除去するスケール層除去工程とを設けたの
で、チタンまたはチタン合金部品の耐焼付き性および耐
摩粍性の向上を図ることができると同時に、チタンまた
はチタン合金部品に摺接する相手部品側の摩耗量の増大
を防止して耐久性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
図面はこの発明の一実施例を示すもので、第1図はエン
ジンの弁機構の要部の概略構成を示す縦断面図、第2図
(A)は加熱工程時の加熱温度を700〜800℃に設定した
場合の酸化被膜構造の概略構成図、同図(B)は加熱工
程時の加熱温度を825〜850℃で長時間保持させた場合の
酸化被膜構造の概略構成図、同図(C)は加熱工程時の
加熱温度を875〜1050℃で長時間保持させた場合の酸化
被膜構造の概略構成図、第3図は被処理体の表面からの
距離と硬度との関係を調べた実験結果を示す特性図、第
4図はバルブスプリングリテーナのモータリング耐久試
験結果を示す特性図、第5図は被処理体の各加熱温度毎
の加熱時間と重量増加状態との関係を調べた実験結果を
示す特性図、第6図は加熱温度と表面硬度との関係を示
す特性図である。 4……バルプスプリングリテーナ(被処理体)、13,14
…複合層。
フロントページの続き (72)発明者 虫明 守行 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 宮村 紀行 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 前嶋 正受 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (72)発明者 猿渡 光一 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−256956(JP,A) 特開 昭47−33837(JP,A) 特公 昭57−28725(JP,B2) 橋口隆吉編「金属工学講座9材料編11 非鉄金属材料」(昭49−12−5)朝倉 書店 p179−180

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタンまたはチタン合金によって形成され
    る被処理体を酸化性雰囲気中で加熱状態で所定時間保持
    させ、前記被処理体の表面に酸化物層および酸素富化層
    の複合層を形成する加熱工程と、この加熱工程終了後、
    前記被処理体を水冷または強制空冷により急冷すること
    によって前記被処理体の表面複合層の最外層のスケール
    層を除去するスケール層除去工程とを具備したことを特
    徴とするチタンまたはチタン合金の表面処理方法。
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