JP2826245B2 - 放電ランプ用電極及びその製造方法 - Google Patents

放電ランプ用電極及びその製造方法

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heater
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啓介 佐藤
唯夫 植月
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Matsushita Electric Works Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放電ランプ用電極及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】放電ランプ特に低圧放電ランプにおいて
は、電極として通常二重あるいは三重のコイル状のタン
グステンフィラメント21に電子放射性物質22として
Ba系酸化物を塗布した図12のようなフィラメント電
極が用いられているが、ランプ点灯の際にイオン化され
た封入ガスの衝撃(スパッタリング)や電極加熱による
蒸発のために、表面の電子放射性物質22を消耗し、こ
れが結果的にランプ寿命の原因となる。
【0003】この電子放射性物質の損失の少ないものと
して、焼結あるいは含浸電極の存在が一般に知られてい
る。しかし、これらは図13に示されるように、主に傍
熱構造である。即ち、ヒータ23と含浸電極24の間が
離れているために熱容量が大きく、そのために昇温する
のに多くの電力を必要とするのみでなく、時間もかか
る。なお、25はスリーブである。
【0004】これらの欠点を克服するものとして、特開
昭57−121125号公報に紹介される直熱構造があ
る。これは、図14に示すように、円柱状の含浸電極2
4の外周に旋盤などでらせん状の溝を形成し、さらにこ
の円柱の中心部をえぐり取り、図14のような後に残っ
たらせん状の外周を陰極として使用するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、この発明
で示されている直熱型電極は熱容量が小さく、少ない電
力で早く昇温できるものである。しかし、これを試作す
るには、含浸電極の材料の大部分を無駄にしてしまう結
果となり、不経済であることが問題となる。このよう
に、従来の発明では、昇温に時間がかかるか値段が高い
かのどちらかであり、一般のランプに使用するには不適
当なものであった。
【0006】本発明は上述の点に鑑みて提供したもので
あって、ランプの始動に十分な昇温が比較的小さい入力
で可能でかつ値段の安いスパッタリングに強い放電ラン
プ用電極及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、高融点金属の
ヒータと、該ヒータを同心円状に被覆する高耐熱性絶縁
膜と、該絶縁膜を同心円状に被覆する高融点金属粉末と
電子放射性物質の焼結体と、該焼結体に結合する通電線
とで構成したものである。また、請求項2においては、
コイル状の高融点金属のヒータに高耐熱性絶縁膜を被覆
し、その周辺にスパッタリングに強い高融点金属粉末と
電子放射物質の燒結体を被覆し、該燒結体に通電線を結
合して、ヒータ、絶縁膜、燒結体並びに通電線を一体成
形するようにしたものである。
【0008】
【作用】本発明によれば、従来のタングステンフィラメ
ント電極に比して、ランプ点灯時の電子放射性物質の損
失を低く抑えることができるために、低圧放電ランプの
長寿命化等を図ることができる。また、ランプの始動に
十分な昇温が比較的小さい入力で可能でかつ値段の安い
スパッタリングに強い放電ランプ用電極を提供すること
ができる。
【0009】また、請求項2によれば、従来の傍熱型含
浸電極より熱伝導の良好な、より直熱型に近い昇温特性
を有するものとなる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。本発明は、前記目的を達成するために、図1に示
すように、直線の高融点金属のヒータ1に高耐熱性絶縁
膜2を被覆し、その周囲にスパッタリングに強い高融点
金属粉末と電子放射性物質の焼結体3を被覆して通電線
4を結合した。これにより、昇温が比較的小さい入力で
ランプ始動に対して十分速くかつスパッタリングに強い
放電ランプ用電極としてことに特徴がある。
【0011】また、本発明による電極の寸法形状は、図
1に示すように、ヒータ1を中心とする同心円状モデル
において熱伝導方程式を解析することにより、電極表面
温度を最も効率的に上げることのできる条件で決定され
た。図2に前記解析による前記電極の昇温特性を、ま
た、図3に前記電極に対する前記解析と実験値との比較
をそれぞれ示す。
【0012】ランプの始動時に必要とされる条件、即ち
始動条件は、通電して1秒後で800〜1000°Cで
ある。前記解析で電極の形状寸法が決まれば、前記始動
条件を満たすヒータ発熱量は一意的に求まる。また回路
コストを考慮すれば、入力電流はなるべく小さく抑える
必要があるので、ヒータ1の抵抗は高いほうが望ましい
ことが分かる。今回の場合は、抵抗の温度依存性が比較
的小さく、比較的値の大きいカンタル線の直線ヒータを
使用した。上記ヒータの線径は、熱容量と強度の兼ね合
いにより0.05から0.4mmの間で決定された。
【0013】ヒータ1への通電は、焼結体3で短絡され
ることなく効率的に熱エネルギーへ変換されなければな
らない。ゆえにヒータ表面は高耐熱性の絶縁層2で被覆
した。今回はアルミナが主成分のセラミック絶縁層で被
覆し、その厚さは短絡されずに絶縁がとれる範囲におい
て、熱容量を極力小さくする方向で0.2mmに決定さ
れた。
【0014】表面層の焼結体3は、十分な量の電子放射
性物質を保持していなければならない一方で、熱容量は
あまり大きくできないという相反する条件が必要とされ
る。このために、上記焼結体3の厚さの最適値を求める
ことは難しいが、今回は安全側で考えて0.6mmとし
た。また上記焼結体3には、通電線4が結合される。上
記のような構造にすることにより、本発明による電極は
従来の傍熱型含浸電極より熱伝導の良好な、より直熱型
に近い昇温特性を有するものとなる。さらに図2に示さ
れるように、前記解析による結果は、前記電極(ヒータ
線径:0.4mm 絶縁層厚:0.2mm 表面層厚:
0.6mm)が前記始動条件を達成することが可能であ
ることを支持する。
【0015】また図3は、前記電極の昇温特性を、前記
解析結果と実験結果で比較したもので、比較的良い一致
を示している。放電ランプに本発明による電極を用いる
場合には、具体的には次のような手順で始動が行われ
る。まず、前記放電ランプの点灯前は、前記ヒータ1に
通電することで前記焼結体3を予熱し、熱電子を放出さ
せて放電のきっかけをつくる。
【0016】次に前記始動条件を満たしたならば、主放
電が開始し前記ヒータ1の通電は止められる。放電電流
は通電線4を通じて流れる。その後電極の温度はランプ
電流がカソードに流れこむこと(いわゆるセルフヒーテ
イング)により保たれ、焼結体3の細孔に充填された電
子放射性物質は電極表面に近い部分から電子を放出しな
がら徐々に蒸発して失われていく。
【0017】このように電子の供給は安定して行われ、
放電は持続する。しかも、その際のスパッタリング等に
よる電子放射性物質の消耗は、電極表面の細孔構造によ
り効果的に抑えられる。図1は本発明による放電ランプ
用電極の構造を示し、(a)は平面図、(b)は断面図
である。図1で1は通電加熱用ヒータで例えばタングス
テン線、2はヒータ外周を被覆しているセラミックス等
の絶縁膜、4は通電線、3はBa系酸化物とタングステ
ンの焼結体である。
【0018】本発明による電極の寸法形状は、ヒータ1
を中心とする同心円状モデルにおいて熱伝導方程式を解
析することにより、電極表面温度を最も効率的に上げる
ことのできる条件で決定される。図2は、本発明による
電極の昇温特性の解析結果であり、図3は昇温特性にお
ける解析結果と実験結果の比較である。
【0019】以上説明したように、本発明による放電ラ
ンプ用電極は、従来のタングステンフィラメント電極に
比して、ランプ点灯時の電子放射性物質の損失を低く抑
えることができるために、低圧放電ランプの長寿命化等
に効果がある。次に本発明の放電ランプ用電極の製造方
法を図4〜図11により説明する。先ず図4のように、
電子放射性物質6と高融点金属粉末5を混合した混合粉
末7を用意する。次に絶縁層をコーテイングしてあるヒ
ータ1を、図5のようなヒータ形状の開孔部9aを持つ
ピン9に装着する。
【0020】このピン9は、図6のような治具10に固
定される。次に、図7に示すように混合粉末7を治具1
1の上面まで、空気が入らないように均等かつ密に入る
ように充填する。次に図8のようにピン9と同様のヒー
タ形状の開孔部をもつピン12を治具13に固定し、治
具11の開孔部に挿入し軽くプレスする。次にプレスを
解除し、図8(b)のようにスペーサ14を抜く。
【0021】次に図9のように、再びプレスして粉体を
成形する。次に図10のように、治具10、治具13を
取り除く。治具11内部に残る成形物は、図11のよう
にピン12を固定した治具13を、スペーサ15をはさ
んで治具11の開孔部に挿入、プレスして取り出す。以
上の方法により、本発明による電極は傍熱型でありなが
ら、従来のそれとは異なる電極をヒータが貫いた一体成
形構造にすることができ、非常に昇温特性の良いものと
なる。
【0022】次に本発明の放電ランプ用電極の製造の具
体的な一実施例を説明する。先ず図4の電子放射性物質
6には、例えばBa系酸化物と高融点金属粉末5のタン
グステン粉末をそれぞれ重量比で2:8に混合したもの
を用いる。ヒータ1の絶縁層コーテイングは、例えばア
ルミナを主成分とするセラミックスコーテイングが施さ
れたタングステンコイル(外径:約0.8mm、長さ:
約17mm)を用いる。成形部は、治具9と12の先端
部の面(径:2mm)で上下にプレスされ、20kgf
/cm2 まで圧力をかけることで、粉体を2.5mmの
高さまで圧縮、成形する。
【0023】これにより、本発明による放電ランプ用電
極の製造方法によって、上記のような構造にすることに
より、従来の傍熱型含浸電極より熱伝導の良好な、より
直熱型に近い昇温特性を有するものとなる。
【0024】
【発明の効果】本発明は上述のように、高融点金属のヒ
ータと、該ヒータを同心円状に被覆する高耐熱性絶縁膜
と、該絶縁膜を同心円状に被覆する高融点金属粉末と電
子放射性物質の焼結体と、該焼結体に結合する通電線と
で構成したものであるから、従来のタングステンフィラ
メント電極に比して、ランプ点灯時の電子放射性物質の
損失を低く抑えることができるために、低圧放電ランプ
の長寿命化等を図ることができる効果を奏するものであ
る。また、ランプの始動に十分な昇温が比較的小さい入
力で可能でかつ値段の安いスパッタリングに強い放電ラ
ンプ用電極を提供することができる。
【0025】また、請求項2においては、コイル状の高
融点金属のヒータに高耐熱性絶縁膜を被覆し、その周辺
にスパッタリングに強い高融点金属粉末と電子放射物質
の燒結体を被覆し、該燒結体に通電線を結合して、ヒー
タ、絶縁膜、燒結体並びに通電線を一体成形するように
したものであるから、従来の傍熱型含侵電極より熱伝導
の良好な、より直熱型に近い昇温特性を有するものとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)は本発明の実施例の放電ランプ用
電極の側面図及び正面図である。
【図2】同上の電極の昇温特性の解析結果を示す図であ
る。
【図3】同上の昇温特性における解析結果と実験結果と
の比較を示す図である。
【図4】同上の放電ランプ用電極の製造を示す工程図で
ある。
【図5】同上の放電ランプ用電極の製造を示す工程図で
ある。
【図6】同上の放電ランプ用電極の製造を示す工程図で
ある。
【図7】同上の放電ランプ用電極の製造を示す工程図で
ある。
【図8】同上の放電ランプ用電極の製造を示す工程図で
ある。
【図9】同上の放電ランプ用電極の製造を示す工程図で
ある。
【図10】同上の放電ランプ用電極の製造を示す工程図
である。
【図11】同上の放電ランプ用電極の製造を示す工程図
である。
【図12】従来例の電極の構成図である。
【図13】他の従来例の電極の構成図である。
【図14】更に他の従来例の構成図である。
【符号の説明】
1 ヒータ 2 絶縁膜 3 焼結体 4 通電線

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高融点金属のヒータと、該ヒータを同心
    円状に被覆する高耐熱性絶縁膜と、該絶縁膜を同心円状
    に被覆する高融点金属粉末と電子放射性物質の焼結体
    と、該焼結体に結合する通電線とから成ることを特徴と
    する放電ランプ用電極。
  2. 【請求項2】 コイル状の高融点金属のヒータに高耐熱
    性絶縁膜を被覆し、その周辺にスパッタリングに強い高
    融点金属粉末と電子放射物質の燒結体を被覆し、該燒結
    体に通電線を結合して、ヒータ、絶縁膜、燒結体並びに
    通電線を一体成形するようにしたことを特徴とする放電
    ランプ用電極の製造方法。
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