JP2825368B2 - 電気機器用モールドコイルの硬化方法及びその硬化装置 - Google Patents
電気機器用モールドコイルの硬化方法及びその硬化装置Info
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Description
イルで構成された変圧器コイルを型内に配置した後、型
内にレジンを注入し、このレジンを加熱して硬化させる
変圧器用モールドコイルの硬化方法及びその硬化装置に
関する。
ルは、型内にコイルを配置した後、型内にレジンを注入
し、このレジンを加熱して硬化させて製造される。この
場合、型内に注入したレジンを硬化させるに際しては、
硬化が完了したレジンの内部に残留する応力を少なくす
るために、レジンの中心部から硬化させることが望まし
い。そこで従来より、加熱炉内に型を収容してレジンを
外側から加熱すると共に、コイルに電流を流して発熱さ
せることにより、レジンをその中心部から加熱して硬化
させたり、或いは、加熱炉を使用せずにコイルに電流を
流すことのみにより加熱硬化させたりしている。
昇すると硬化を開始し、この硬化開始時点からレジンの
量に応じて設定された時間、加熱を続けることにより、
硬化が完了することがわかっている。このため、従来構
成においては、型の表面に熱電対を貼着けて型の表面温
度を検出したり、または、加熱炉内の空気温度を検出し
たりすることにより、レジンの硬化開始温度を検出し、
もって無駄な加熱を行わないようにしていた。
来構成では、型の表面温度または加熱炉内の空気温度を
検出するといった間接的検出であるため、レジンの温度
を正確に検出することができなかった。このため、レジ
ンの硬化開始時点の検出が不正確になることから、未硬
化状態で加熱停止する誤りを防止するには、加熱時間を
長めに設定しなければならなかった。従って、無駄な加
熱を行ってしまうと共に、加熱硬化に要する時間が長く
なるという問題があった。
始時点を正確に検出でき、加熱の無駄を防止できると共
に、加熱硬化に要する時間を短縮できる電気機器用モー
ルドコイルの硬化方法及びその硬化装置を提供するにあ
る。
ルドコイルの硬化方法は、型内にコイルを配置し、前記
型内にレジンを注入し、前記コイルに電流を流して発熱
させることにより前記レジンを加熱して硬化させる方法
において、加熱電流に交流を採用し、前記コイルの端子
間電圧値、流れる電流の値及びその電圧と電流の相差角
に基づいて前記コイルの温度を検出し、その温度に応じ
て前記レジンの加熱を制御するようにしたところに特徴
を有する。
の硬化装置は、型内にコイルを配置し、前記型内にレジ
ンを注入し、前記コイルに電流を流して発熱させること
により前記レジンを加熱して硬化させるためのものにお
いて、前記コイルの端子間電圧値、コイルを流れる電流
の値及びその電圧と電流の相差角に基づいて前記コイル
の温度を検出する温度検出手段を設けると共に、この温
度検出手段からの検出出力に応じて前記レジンの加熱を
制御する加熱制御手段を設けたところに特徴を有する。
は、コイルの温度とレジンの温度はほぼ同じように上昇
する。また、コイルの材質が定まっていれば、温度と抵
抗率との間に一義的な関係がある。このため、レジンの
温度は、そのレジン中に埋設されるコイルの抵抗値から
正確に推測できる。コイルに交流を流した場合、コイル
の抵抗値が変化すると力率cosθが変化する。交流で
は電圧と電流の値から直接、抵抗値が求められないの
で、この力率cosθの値をパラメータとして使用した
ところに特徴がある。
流して発熱させてレジンを加熱し始めたとき、コイルの
端子間電圧値、コイルに流れる電流値およびその電圧及
び電流の相差角θに基づいてコイルの温度を検出してい
るから、レジンの温度ひいてはその硬化開始時点が正確
にわかる。そしてこの検出したコイルの温度に応じてレ
ジンの硬化開始時点からレジンの加熱時間を制御するこ
とにより、レジンの加熱時間を長めに設定しなければな
らない従来とは異なり、レジンが硬化したところで速や
かに加熱が停止される。このため、加熱の無駄がなくな
ると共に加熱硬化に要する時間が短くなる。
照しながら説明する。図1において、型1内には電気機
器である例えば変圧器或いは回転電機用のコイル2が配
置されている。この型1内にレジン3が注入される。上
記コイル2から導出された口出し線4a及び4bは、型
1の上壁部に貫通状に配設された貫通ブッシング5及び
6に接続されている。上記ブッシング5及び6には電力
調節器7を介して交流電源8が接続されている。この電
力調節器7は、例えばサイリスタを逆並列接続して構成
されており、電源8からの交流電力を位相制御してコイ
ル2に流す電流の大きさを調節し、コイル2の発熱出力
を調節する。上記電力調節器7には出力の高調波を抑制
するためのフィルター等が内蔵されている。
素で、これはコイル2の端子間電圧を検出してその電圧
値に対応する電圧検出信号を出力する。10は変流器を
備えた電流検出要素で、これはコイル2を流れる電流を
検出してその電流値に対応する電流検出信号を出力す
る。上記電圧検出要素9及び電流検出要素10からの各
検出信号はインターフェース回路11を介してマイクロ
コンピュータ12へ与えられる。このマイクロコンピュ
ータ12は、上記電圧検出信号及び電流検出信号を受け
てコイル2の抵抗値R、リアクタンス値ωL及び電圧と
電流の相差角θを算出し、これらの値からコイル2の材
質に応じた所定の温度換算式に従ってコイル2の温度を
算出するようになっている。尚、コイル2の材質が例え
ば銅とアルミニュウムの場合について温度換算式を下記
に示す。銅の場合 アルミニュウムの場合
きのコイル2の初期抵抗値、ωLはコイル2のリアクタ
ンス値であり、θは温度がtに上昇したときのコイル2
に流れる電流とその端子間電圧との相差角である。
要素9、電流検出要素10、電力調節器7及び交流電源
8等により、コイル2の温度を検出する温度検出手段1
3が構成されている。また、マイクロコンピュータ12
は、インターフェース回路14を介して制御信号を温度
表示装置15及び温度記録計16に与え、これら温度表
示装置15及び温度記録計16に上述のように算出した
コイル2の温度を表示及び記録するようになっている。
更に、マイクロコンピュータ12は加熱制御手段として
の機能を有しており、インターフェース回路14を介し
て制御信号を前記電力調節器7に与え、この電力調節器
7によりコイル2の発熱出力を調節する。そしてマイク
ロコンピュータ12は後述するように、レジン3が硬化
終了したとき、インターフェース回路14を介して制御
信号を表示ランプ17に与え、この表示ランプ17を点
灯させて硬化終了を報告するようになっている。次に上
記構成の作用を説明する。
型1の温度を図示しない温度センサーにより検出し、こ
の温度をコイル2の初期温度toとして記憶する。続い
てコイル2に交流電源8から電力調節器7を介して電流
を流す。この電流を流した直後に電圧検出要素9及び電
流検出要素10によりコイル2の端子間電圧値、コイル
2に流れる電流の値及び端子間電圧値と電流値の相差角
θを検出し、それらによってコイル2の初期抵抗値Ro
及びコイル2のリアクタンスωLを算出して記憶する。
この後、型1内にレジン3を注入し、引き続いてコイル
2に電流を流すことにより、コイル2を発熱させてレジ
ン3の加熱硬化を開始する。この加熱開始後は100〜
300mS間隔でコイル2の端子間電圧値、コイル2に
流れる電流値及び上記電圧と電流の相差角θからコイル
2の材質に合った温度換算式によりコイル2の温度tを
換算する。この場合、加熱し始めた初期状態では、コイ
ル2の温度とレジン3の温度はほぼ同じように上昇す
る。
に作業者がマイクロコンピュータ12に入力する。また
算出したコイル2の温度tは温度表示装置15に表示さ
れると共に温度記録計16に記録される。そしてレジン
3が硬化を開始する所定温度、即ちコイル2の検出温度
tが所定温度にまで上昇した際には、電力調節器7によ
りコイル2の発熱出力を低下させると共に、予め設定さ
れた設定時間が経過するまで加熱を続ける。これにより
レジン3の硬化が終了するものであり、硬化終了を表示
ランプ17を点灯して作業者に報知する。
ル2にレジン3の加熱用の電流を流し、そのコイル2の
端子間電圧値、コイル2を流れる電流値及び電圧と電流
の相差角に基づいてコイルの温度を検出しているから、
コイル2の温度ひいてはレジン3の硬化開始時点を正確
に知ることができる。そして、このように正確に検出し
たコイル2の温度に応じてレジン3の温度および加熱時
間を制御するので、未硬化状態で加熱停止する誤りを防
止するために加熱時間を長めに設定していた従来とは異
なり、レジン3の硬化終了時点を正確に検出でき、従っ
て、その硬化したところで速やかに加熱が停止されるよ
うになる。このため、加熱の無駄を防止できると共に、
加熱硬化に要する時間を短くできる。特に、コイルの大
きさがかなり大きい場合、即ちレジン量がかなり多い場
合には、コイルの温度が所定の温度に達するまでに長時
間かかることがある。このような場合、従来において
は、型の表面温度または加熱炉内の空気温度を検出する
のであるから、レジンの温度を正確に検出できない、即
ちレジンの硬化開始時点を正確に検出できないために、
加熱時間を極端に長くしてレジンが未硬化になることを
防止しており、加熱の無駄が多く且つ加熱硬化に要する
時間も非常に長かった。これに対して、本実施例ではレ
ジン3の硬化開始時点を正確に検出できるから、その後
はレジンの硬化開始時点から予め設定された時間だけ加
熱制御すれば良い。従って、コイルの大きさ即ちレジン
量の多少にかかわらず、レジンの硬化したところで速や
かに加熱を停止できるため、特にコイルが大きいときに
顕著な効果を発揮する。
で、一次、二次コイルを一緒にモールドする場合であ
る。図2において、18は二次コイル、19は一次コイ
ル2と二次コイル18を磁気結合させる鉄心、20a,
20bは二次コイル18の口出し線,21,22は二次
コイル18の口出し用貫通ブッシングである。この場合
には二次コイル18を予め型1の外側で短絡線23によ
り短絡しておき、ブッシング5,6から交流電圧を電源
8および電力調節器7を介して印加する。電源8側から
みれば、一箇のコイルに印加しており、第1の実施例と
まったく同様の作用および制御を行わせることができ
る。
流定格の大きい一次コイルを短絡し二次コイル側から励
磁して加熱することにより、一次コイルも発熱して電力
調節器7および電源8を小形,安価にすることができ
る。尚、一般の変圧器で一次,二次コイルを同時にモー
ルドする場合にも適用できる。
に、コイルの端子間電圧値、コイルを流れる電流値及び
電圧と電流の相差角からコイルの温度を検出し、その温
度に応じて前記レジンの加熱を制御する構成としたの
で、レジンの硬化開始時点を正確に検出でき、加熱の無
駄を防止できると共に加熱硬化に要する時間を短縮でき
るという優れた効果を有する。
図である。
図である。
ピュータ(加熱制御手段),13は温度検出手段を示
す。
Claims (2)
- 【請求項1】 型内にコイルを配置し、前記型内にレジ
ンを注入し、前記コイルに交流の電流を流して発熱させ
ることにより、前記レジンを加熱して硬化させる方法に
おいて、前記コイルの端子間電圧値、コイルを流れる電
流の値及びその電圧と電流の相差角に基ずいて前記コイ
ルの温度を検出し、その温度に応じて前記レジンの加熱
を制御するようにしたことを特徴とする電気機器用モー
ルドコイルの硬化方法。 - 【請求項2】 型内にコイルを配置し、前記型内にレジ
ンを注入し、前記コイルに交流の電流を流して発熱させ
ることにより、前記レジンを加熱して硬化させるための
ものにおいて、前記コイルの端子間電圧値、コイルを流
れる電流値及びその電圧と電流の相差角に基づいて前記
コイルの温度を検出する温度検出手段と、この温度検出
手段からの検出出力に応じて前記レジンの加熱を制御す
る加熱制御とを設けたことを特徴とする電気機器用モー
ルドコイルの硬化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16858891A JP2825368B2 (ja) | 1991-07-10 | 1991-07-10 | 電気機器用モールドコイルの硬化方法及びその硬化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16858891A JP2825368B2 (ja) | 1991-07-10 | 1991-07-10 | 電気機器用モールドコイルの硬化方法及びその硬化装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0521255A JPH0521255A (ja) | 1993-01-29 |
JP2825368B2 true JP2825368B2 (ja) | 1998-11-18 |
Family
ID=15870843
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16858891A Expired - Lifetime JP2825368B2 (ja) | 1991-07-10 | 1991-07-10 | 電気機器用モールドコイルの硬化方法及びその硬化装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2825368B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3173449B2 (ja) * | 1998-01-29 | 2001-06-04 | スタンレー電気株式会社 | 表示灯用蛍光ランプ |
JP2008135549A (ja) * | 2006-11-28 | 2008-06-12 | Denso Corp | リアクトル |
-
1991
- 1991-07-10 JP JP16858891A patent/JP2825368B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0521255A (ja) | 1993-01-29 |
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