JP2824620B2 - フラッシュバルブ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、便器に洗浄水を供給す
るフラッシュバルブに関し、特に便器の自動洗浄装置に
利用されるフラッシュバルブに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、便器自動洗浄装置は使用者を検
知するセンサーの検知信号に基づいて、フラッシュバル
ブを作動させることにより便器を自動的に洗浄するよう
に構成されており、より具体的には、このようなフラッ
シュバルブは使用者が便器から離れてセンサーからの検
知信号がなくなると電磁弁により作動され、洗浄を行う
ように構成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来のフラッシュ
バルブでは、トイレの使用状態がどのような場合であっ
ても常に一定量の洗浄水を供給するようになっており、
洗浄に要する水量が少なくて済む場合でも通常と同様な
量の洗浄水が放出されるため、洗浄水に無駄が生じる欠
点を有していた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項１の発明は上方に形成された水室内に水が充
満した状態で下降し水路を閉止する一方、水室の水が抜
けたときに供給水路からの供給水の水圧により上昇して
水路を開く主弁を備えたフラッシュバルブにおいて、前
記水室の水を逃がして前記主弁を開くための第１の電磁
弁に加えて、前記水室と前記供給水路との間に設けられ
たバイパス管路を開閉する第２の電磁弁を設け、前記第
１の電磁弁の作動後に前記第２の電磁弁を開くことによ
り、前記第１の電磁弁のみを作動させた場合よりも小量
の水を放水可能に構成したことを特徴とする。また、請
求項２の発明は請求項１の発明において、前記供給水路
を流れる水の流量を検出する流量センサーを備え、前記
第２の電磁弁は前記流量センサーの信号に基づいて、水
が流れっぱなしの場合には開作動する構成としたことを
特徴とする。

【０００５】

【作用】請求項１の発明では水室の水を逃がして主弁を
開くための第１の電磁弁に加えて、水室と供給水路との
間に設けられたバイパス管路を開閉する第２の電磁弁を
設け、第１の電磁弁の作動後に第２の電磁弁を開くこと
により、第１の電磁弁のみを作動させた場合よりも小量
の水を放水可能となっており、例えばトイレに設置され
る使用者検知センサーの検知時間に応じて、第１の電磁
弁のみを開き、あるいは第１の電磁弁に加えて第２の電
磁弁を開くことにより、使用状態に応じた放水を行うこ
とができる。また、請求項２の発明では第２の電磁弁を
流量センサーの信号に基づいて、水が流れっぱなしの場
合には開作動する構成としたことにより、水が流れっぱ
なしの場合には水室内に水圧を導き、水路を確実に閉止
することができる。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１に内部を部分的に示したトイレは大便器Ｂを
設置したものであり、壁面側に設けられたカウンターＫ
の内部には大便器Ｂに洗浄水を放出するためのフラッシ
ュバルブ１が配置されている。このフラッシュバルブ１
には第１の電磁弁４２Ａ及び第２の電磁弁４２Ｂが付設
されており、該電磁弁４２Ａ，４２Ｂによりフラッシュ
バルブ１が作動される。

【０００７】一方、大便器Ｂの横方向の壁面Ｈには使用
者を検知するための検知センサーＳが取付けられてお
り、この検知センサーＳは使用者が大便器Ｂに座った状
態で使用者を検知できる高さに配置されている。この検
知センサーＳはコントローラＣ（図２参照）に接続され
ており、該コントローラＣは上記フラッシュバルブ１に
接続されてその第１及び第２の電磁弁４２Ａ，４２Ｂの
作動制御を行うものである。また、このコントローラＣ
にはフラッシュバルブ１を流れる洗浄水の流量を検出す
る流量センサーＳｆの出力信号が入力されている。

【０００８】コントローラＣは検知センサーＳからの信
号が所定時間以上継続し、かつ検知信号が途絶えた後所
定時間経過後にフラッシュバルブ１を開いて洗浄水を流
すように構成されているものであるが、フラッシュバル
ブ１を開くにあたり、上記検知センサーＳからの信号の
継続時間に応じて、継続時間が所定の時間より長い場合
には大洗浄信号と判定して電磁弁４２Ａのみを作動さ
せ、一方、所定の時間よりも短い場合には小洗浄信号と
判定して第１及び第２の電磁弁４２Ａ，４２Ｂの双方を
作動させるものであり、第１の電磁弁４２Ａのみを作動
させる場合には電磁弁４２Ａ，４２Ｂの双方を作動させ
た場合よりも多量の洗浄水が供給されるようになってい
る。この理由は以下のフラッシュバルブ１の構成の説明
から明らかとなるであろう。

【０００９】図２及び図３に示すように、フラッシュバ
ルブ１は、本体部２内に上下動可能にピストン部３が配
設されており、そのピストン部３には主弁３０が形成さ
れている。主弁３０には、上下に貫通する水孔１１が例
えば４個形成されており、この各水孔１１は上方に形成
される水室Ｗと連通されたものである。また、主弁３０
の外周側には貫通する１個の小孔１４が形成されてい
る。

【００１０】起動弁９は、主弁３０内に保持リング３５
を介し固設された起動弁パッキン８に当接している。ま
た、前記水室Ｗ内に水が充満されている状態では前記主
弁３０は下降されており、その下端にピストンガイド７
を介し固定された弁パッキン６が水路Ｒを閉止した状態
に保持されている。

【００１１】また、水室Ｗ内の水を逃がすための水抜き
パイプ４１が本体部２上部に接続されており、その水抜
きパイプ４１は上記第１の電磁弁４２Ａにより開閉され
る。更に、本体部２上部には、バイパスパイプ４３が接
続されている。このバイパスパイプ４３の他端は供給水
路４６に接続されており、上記第２の電磁弁４２Ｂによ
り開閉される。なお、この供給水路４６には上記流量セ
ンサーＳｆが取付けられ、供給水路４６の流量信号がコ
ントローラＣに入力される。

【００１２】このような構造において、第１の電磁弁４
２Ａを励磁する図示していないスイッチがオンされ、水
室Ｗ内の水が水抜きパイプ４１から水路Ｒに逃げるか、
またはプッシュボタン１７が使用者により押圧されて押
し棒１８が前進すると、起動弁９が押し棒１８により押
されて傾動し、起動弁９の上端が開いて起動弁パッキン
８間との間に隙間が生じ、これにより水室Ｗ内の水が水
孔を通って下方の水路Ｒへ流出される。

【００１３】このように水室Ｗ内の水が抜けると、水室
Ｗは水の抜けた分だけ真空状態となるため、供給水路４
６からの洗浄水の水圧により主弁３０は上昇し、弁パッ
キン６が水路を開けて、洗浄水が一気に水路Ｒ内に、即
ちバキュームブレーカー１９側に流される。主弁３０は
開放されたままの状態を保持し続け、徐々に小孔１４か
ら水室Ｗ内に水が充満されて、水室Ｗが満水状態となる
と、主弁３０は下降して弁パッキン６が本体部２の座部
に当接して水路Ｒを閉止する。

【００１４】すなわち、第１の電磁弁４２Ａを作動させ
た場合には、該第１の電磁弁４２Ａが閉じた後もかなり
の時間の間放水状態が継続される大洗浄が得られ、この
状態が図４に示してある。

【００１５】一方、第１の電磁弁４２Ａが閉じた直後に
第２の電磁弁４２Ｂを作動させた場合には、該第２の電
磁弁４２Ｂを開くと水室Ｗ内には小孔１４からの水に加
えて供給水路４６から多量の水が流入するため水室Ｗは
すぐに満水状態となり、主弁３０の下降により上記と同
様水路Ｒが閉止される。すなわち第１の電磁弁４２Ａと
第２の電磁弁４２Ｂの両方を作動させた場合には、図５
に示したように第１の電磁弁４２Ａだけを作動させた場
合に比べて放水状態の継続時間が短くなり、すなわち小
洗浄が得られる。

【００１６】このように、本実施例では、検知センサー
Ｓからの信号の継続時間が所定の時間より長い場合には
第１の電磁弁４２Ａのみを作動させて大洗浄を行い、一
方、所定の時間よりも短い場合には第１及び第２の電磁
弁４２Ａ，４２Ｂの双方を作動させて小洗浄を行うもの
であり、洗浄水の無駄をなくすことができるものであ
る。なお、第２の電磁弁４２Ｂは第１の電磁弁４２Ａの
作動直後ではなく適宜時間経過後に作動させても良い。

【００１７】さらに、本実施例では流量センサーＳｆに
より供給水路４６の流量信号がコントローラＣに入力さ
れている。上記のように、ピストン部３の主弁３０は小
孔１４を通じて水室Ｗ内に水が充満されることにより下
降して水路Ｒを閉止するものであるが、小孔１４が詰ま
ると主弁３０が下降せず、洗浄水が流れっぱなしとなっ
てしまう。そこで、コントローラＣは流量信号に基づい
て電磁弁４２Ｂを作動させる。すると、供給水路４６の
洗浄水が水室Ｗに導かれ、主弁３０が下降して水路Ｒが
確実に閉ざされ、止水を行うことができる。

【００１８】

【発明の効果】請求項１の発明では使用状態に応じて第
１の電磁弁のみを開き、あるいは第１の電磁弁に加えて
第２の電磁弁を開くことにより、水量を選択することが
できるので、節水に寄与する。また、請求項２の発明で
は水が流れっぱなしの場合には水室内に水圧を導き、水
路を確実に閉止することができ、水の流れっぱなしを未
然に防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】トイレ内部の要部斜視図である。

【図２】本発明の一実施例によるフラッシュバルブの断
面図である。

【図３】フラッシュバルブの外観構成図である。

【図４】第１の電磁弁のみを作動させた場合の流量特性
図である。

【図５】第２の電磁弁のみを作動させた場合の流量特性
図である。

【符号の説明】

Ｗ 水室 Ｒ 水路 Ｓｆ 流量センサー １ フラッシュバルブ ３０ 主弁 ４２Ａ 第１の電磁弁 ４２Ｂ 第２の電磁弁 ４３ バイパスパイプ ４６ 供給水路

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上方に形成された水室内に水が充満した
   状態で下降し水路を閉止する一方、水室の水が抜けたと
   きに供給水路からの供給水の水圧により上昇して水路を
   開く主弁を備えたフラッシュバルブにおいて、前記水室
   の水を逃がして前記主弁を開くための第１の電磁弁に加
   えて、前記水室と前記供給水路との間に設けられたバイ
   パス管路を開閉する第２の電磁弁を設け、前記第１の電
   磁弁の作動後に前記第２の電磁弁を開くことにより、前
   記第１の電磁弁のみを作動させた場合よりも小量の水を
   放水可能に構成したことを特徴とするフラッシュバル
   ブ。
2. 【請求項２】 前記供給水路を流れる水の流量を検出す
   る流量センサーを備え、前記第２の電磁弁は前記流量セ
   ンサーの信号に基づいて、水が流れっぱなしの場合には
   開作動する構成としたことを特徴とする請求項１のフラ
   ッシュバルブ。