JP2824519B2 - アルミナ分散アルミニウム−チタン金属間化合物複合材料及びその製造方法 - Google Patents
アルミナ分散アルミニウム−チタン金属間化合物複合材料及びその製造方法Info
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- C04B41/45—Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウムあるいは
アルミニウム合金と二酸化チタンとの酸化還元反応を利
用した高強度複合材料及びその製造方法に係り、特に、
複合化段階でアルミニウム−二酸化チタン未反応複合材
料を中間製造し、これを前駆体として主にマトリックス
の固相域温度での熱処理により組織調整を含む硬化反応
制御を可能とする、アルミナ分散アルミニウム−チタン
金属間化合物複合材料及びその製造方法に関する。
アルミニウム合金と二酸化チタンとの酸化還元反応を利
用した高強度複合材料及びその製造方法に係り、特に、
複合化段階でアルミニウム−二酸化チタン未反応複合材
料を中間製造し、これを前駆体として主にマトリックス
の固相域温度での熱処理により組織調整を含む硬化反応
制御を可能とする、アルミナ分散アルミニウム−チタン
金属間化合物複合材料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、複合材料では繊維強化された複
合体がよく知られているが、これを基盤として展開し得
るものに、超微粉複合体、モザイク複合体、層状分布複
合体および一方向析出複合体への期待がある。こうした
複合体を視野に入れた高温構造用材料(軽量耐熱強度材
料)として金属間化合物を選択するとき、それは、優れ
た材料特性の一つである硬さや高温における強さを利用
しようとするもので、その材料開発の歴史は比較的浅い
といえる。
合体がよく知られているが、これを基盤として展開し得
るものに、超微粉複合体、モザイク複合体、層状分布複
合体および一方向析出複合体への期待がある。こうした
複合体を視野に入れた高温構造用材料(軽量耐熱強度材
料)として金属間化合物を選択するとき、それは、優れ
た材料特性の一つである硬さや高温における強さを利用
しようとするもので、その材料開発の歴史は比較的浅い
といえる。
【0003】金属間化合物の材料開発は、概して、その
耐熱性を生かしつつ実用上要請されている塑性(延性あ
るいは靱性)の確保と加工性をいかに解決していくかと
いう課題をかかえてきており、それらへのアプローチは
金属とセラミックスのあいだに広がるきわめて多岐にわ
たるものである。
耐熱性を生かしつつ実用上要請されている塑性(延性あ
るいは靱性)の確保と加工性をいかに解決していくかと
いう課題をかかえてきており、それらへのアプローチは
金属とセラミックスのあいだに広がるきわめて多岐にわ
たるものである。
【0004】また、同時に、優れて硬い実用材料および
その強化法(硬化法)についての要請・期待があり、本
発明が主に関与する分野である。こうしたなかで、ひと
つに、遷移金属のアルミナイドとしてチタンのアルミナ
イドがとりあげられ、結晶、組成等から種々の試みがな
されてきているものの、未だ十分な成果を得るに至って
いない。
その強化法(硬化法)についての要請・期待があり、本
発明が主に関与する分野である。こうしたなかで、ひと
つに、遷移金属のアルミナイドとしてチタンのアルミナ
イドがとりあげられ、結晶、組成等から種々の試みがな
されてきているものの、未だ十分な成果を得るに至って
いない。
【0005】これまでに、アルミニウムおよびアルミニ
ウム合金の全体あるいは表面を含む部分を硬化および強
化する方法として以下の3点がよく知られている。イ.
ジュラルミンにみられるようにMg,SiおよびCuの
析出元素を添加した合金で、溶体化に続く時効処理をお
こなうもの。ここでのビッカース硬さは180〜200
程度でこれを超えない。ロ.表面硬化法として工業的に
確立しているのは陽極酸化処理で、他では部分的に表面
窒化法、PVD(物理的蒸着)、CVD(化学的蒸着)
およびそれらの改良法によっている。また、イオン注入
やレーザを利用した表面合金化の試みを挙げてもよい。
しかし、これらの方法においては、いずれも得られる層
の性質や厚み、密着性、処理時間およびコスト等の点で
問題がある。ハ.セラミックスおよび/または金属の繊
維あるいは粒子をアルミニウムと複合化して強化した複
合材料(例:FRM)がある。これらのなかには反応硬
化により高い硬さを実現するものもあるが、複合化時に
すでに高い硬さをもってしまうものであったり、光学顕
微鏡レベルで不均一な組織しか得られないものである。
なかでも、二酸化チタンのアナターゼと呼ばれる結晶系
を有する粉末とアルミニウム合金の複合化においては、
島状あるいは層状の不均一な組織(光学顕微鏡組織)を
呈する。〔例えば、H.FUKUNAGA,Y.ARAMAKI:Journal of
Materials Science Letters 9 (1990)pp.23-25〕
ウム合金の全体あるいは表面を含む部分を硬化および強
化する方法として以下の3点がよく知られている。イ.
ジュラルミンにみられるようにMg,SiおよびCuの
析出元素を添加した合金で、溶体化に続く時効処理をお
こなうもの。ここでのビッカース硬さは180〜200
程度でこれを超えない。ロ.表面硬化法として工業的に
確立しているのは陽極酸化処理で、他では部分的に表面
窒化法、PVD(物理的蒸着)、CVD(化学的蒸着)
およびそれらの改良法によっている。また、イオン注入
やレーザを利用した表面合金化の試みを挙げてもよい。
しかし、これらの方法においては、いずれも得られる層
の性質や厚み、密着性、処理時間およびコスト等の点で
問題がある。ハ.セラミックスおよび/または金属の繊
維あるいは粒子をアルミニウムと複合化して強化した複
合材料(例:FRM)がある。これらのなかには反応硬
化により高い硬さを実現するものもあるが、複合化時に
すでに高い硬さをもってしまうものであったり、光学顕
微鏡レベルで不均一な組織しか得られないものである。
なかでも、二酸化チタンのアナターゼと呼ばれる結晶系
を有する粉末とアルミニウム合金の複合化においては、
島状あるいは層状の不均一な組織(光学顕微鏡組織)を
呈する。〔例えば、H.FUKUNAGA,Y.ARAMAKI:Journal of
Materials Science Letters 9 (1990)pp.23-25〕
【0006】従来より、このアルミニウム−チタン金属
間化合物は溶解法あるいは粉末冶金法およびその改良し
た方法によって提供されてきた例は少なくないが、金属
間化合物を母相とする複合体を考慮した、すなわち、ア
ルミニウム−チタン金属間化合物のマトリックスに微細
なアルミナを分散させた、少なくとも光学顕微鏡レベル
で均質な組織をもつ複合材料はみられなかった。
間化合物は溶解法あるいは粉末冶金法およびその改良し
た方法によって提供されてきた例は少なくないが、金属
間化合物を母相とする複合体を考慮した、すなわち、ア
ルミニウム−チタン金属間化合物のマトリックスに微細
なアルミナを分散させた、少なくとも光学顕微鏡レベル
で均質な組織をもつ複合材料はみられなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、チタン
酸カリウムウィスカーとアルミニウム合金の複合材料に
関する研究に関連した界面挙動の解析の過程で、このウ
ィスカー表面でアルミニウム合金と600℃前後での反
応によるα−アルミナの生成を認めた。〔土取,他:日
本金属学会春季講演概要集(1990, 第106 回)p.100〕
酸カリウムウィスカーとアルミニウム合金の複合材料に
関する研究に関連した界面挙動の解析の過程で、このウ
ィスカー表面でアルミニウム合金と600℃前後での反
応によるα−アルミナの生成を認めた。〔土取,他:日
本金属学会春季講演概要集(1990, 第106 回)p.100〕
【0008】さらに、今日に至って、このチタン酸カリ
ウムウィスカーと様似する結晶構造(TiO6 八面体)
を有した二酸化チタンについて、アルミニウムとの反応
性を検討するために二酸化チタン/アルミニウム合金複
合材料を作製し、この解析において、予測したとおり上
記と同様の結果を確認した。
ウムウィスカーと様似する結晶構造(TiO6 八面体)
を有した二酸化チタンについて、アルミニウムとの反応
性を検討するために二酸化チタン/アルミニウム合金複
合材料を作製し、この解析において、予測したとおり上
記と同様の結果を確認した。
【0009】本発明はこのような知見に基づいてなされ
たものであって、上述した硬さを中心とする問題点の解
消と、複合体の製法に関し大幅な改善を示唆する、金属
間化合物をマトリックスとした複合材料とその製造方法
およびこれにともなう表面を含む硬化法を提供しようと
するものである。すなわち、アルミニウムあるいはアル
ミニウム合金と二酸化チタン(ルチル)を未反応複合化
し、これを前駆体として熱処理することにより反応生成
物の組織調整を含む硬化反応を制御して得られるアルミ
ナ分散アルミニウム−チタン金属間化合物複合材料及び
その製造方法を提供することを目的とする。
たものであって、上述した硬さを中心とする問題点の解
消と、複合体の製法に関し大幅な改善を示唆する、金属
間化合物をマトリックスとした複合材料とその製造方法
およびこれにともなう表面を含む硬化法を提供しようと
するものである。すなわち、アルミニウムあるいはアル
ミニウム合金と二酸化チタン(ルチル)を未反応複合化
し、これを前駆体として熱処理することにより反応生成
物の組織調整を含む硬化反応を制御して得られるアルミ
ナ分散アルミニウム−チタン金属間化合物複合材料及び
その製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、粉末あるいは短繊維として調製および/ま
たはこれをプリフォームした二酸化チタン(ルチル)と
アルミニウムあるいはアルミニウム合金を圧力鋳造によ
り複合化・組織調整するものであるが、複合化条件によ
って工程を分かつので、以下〜にこれを説明する。
に本発明は、粉末あるいは短繊維として調製および/ま
たはこれをプリフォームした二酸化チタン(ルチル)と
アルミニウムあるいはアルミニウム合金を圧力鋳造によ
り複合化・組織調整するものであるが、複合化条件によ
って工程を分かつので、以下〜にこれを説明する。
【0011】工程上の分岐:主に粉末調製および/ま
たはこれをプリフォームした二酸化チタン(ルチル)の
予熱温度を400℃未満とし、且つアルミニウムあるい
はアルミニウム合金の溶湯処理温度を700℃未満とし
て、圧力鋳造により複合化する。この条件下で得られる
ものはアルミニウム(合金)と二酸化チタンの未反応複
合材料であるので、これにつづく熱処理を500℃以上
1000℃以下で選択的に時間保持するものとして、反
応生成物の組織調整を含む硬化反応制御をおこなう。こ
のとき、制御可能なビッカース硬さHv(300) は500〜
1200の範囲である。
たはこれをプリフォームした二酸化チタン(ルチル)の
予熱温度を400℃未満とし、且つアルミニウムあるい
はアルミニウム合金の溶湯処理温度を700℃未満とし
て、圧力鋳造により複合化する。この条件下で得られる
ものはアルミニウム(合金)と二酸化チタンの未反応複
合材料であるので、これにつづく熱処理を500℃以上
1000℃以下で選択的に時間保持するものとして、反
応生成物の組織調整を含む硬化反応制御をおこなう。こ
のとき、制御可能なビッカース硬さHv(300) は500〜
1200の範囲である。
【0012】工程上の分岐:主に粉末調製および/ま
たはこれをプリフォームした二酸化チタン(ルチル)の
予熱温度を400℃以上とし、且つアルミニウムあるい
はアルミニウム合金の溶湯処理温度を700℃以上85
0℃以下として、圧力鋳造により複合化する。この条件
下では複合化と同時に硬化反応が進行して、反応硬化生
成した金属間化合物複合材料を得る。このときのビッカ
ース硬さHv(300) は1000〜1200である。
たはこれをプリフォームした二酸化チタン(ルチル)の
予熱温度を400℃以上とし、且つアルミニウムあるい
はアルミニウム合金の溶湯処理温度を700℃以上85
0℃以下として、圧力鋳造により複合化する。この条件
下では複合化と同時に硬化反応が進行して、反応硬化生
成した金属間化合物複合材料を得る。このときのビッカ
ース硬さHv(300) は1000〜1200である。
【0013】工程上の分岐:圧力鋳造による複合化時
に、主に粉末調製および/またはこれをプリフォームし
た二酸化チタン(ルチル)の型内への配置の濃淡によ
り、任意の部分硬化をなそうとするもので、上記およ
びの条件下での複合化および反応硬化生成を局在化さ
せるものである。この方法は、表面を含む部分への硬化
法として、本発明の製造方法に包含されるものである。
に、主に粉末調製および/またはこれをプリフォームし
た二酸化チタン(ルチル)の型内への配置の濃淡によ
り、任意の部分硬化をなそうとするもので、上記およ
びの条件下での複合化および反応硬化生成を局在化さ
せるものである。この方法は、表面を含む部分への硬化
法として、本発明の製造方法に包含されるものである。
【0014】また、アルミニウムあるいはアルミニウム
合金に対する二酸化チタンの容積比が3%以上70%以
下の組成を有してなる複合体においては、二酸化チタン
の量比が増すにしたがって、金属基から金属間化合物基
(Al−Ti合金基)へ移行し、上記工程になる複合材
料のマトリックスとして金属間化合物を扱うので、これ
を化学量論組成についての有効範囲とするものである。
合金に対する二酸化チタンの容積比が3%以上70%以
下の組成を有してなる複合体においては、二酸化チタン
の量比が増すにしたがって、金属基から金属間化合物基
(Al−Ti合金基)へ移行し、上記工程になる複合材
料のマトリックスとして金属間化合物を扱うので、これ
を化学量論組成についての有効範囲とするものである。
【0015】(実施例) 以下、本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。(以下、物質名を化学式にて表示する。)図1にTi
O2/ 純Al複合材料の示差熱曲線を示すように、本発明の
製造方法により複合化した材料のマトリックスが純Alの
場合のTiO2(アナターゼ)とTiO2(ルチル)の高純度Ar
雰囲気中での示差熱分析(TG-DTA) の結果である。これ
によると、TiO2(ルチル)/Alでは600℃付近で発熱
がみられ、さらに純Alの溶解による吸熱ののち720℃
付近をピークとする大きな発熱がみられる。
る。(以下、物質名を化学式にて表示する。)図1にTi
O2/ 純Al複合材料の示差熱曲線を示すように、本発明の
製造方法により複合化した材料のマトリックスが純Alの
場合のTiO2(アナターゼ)とTiO2(ルチル)の高純度Ar
雰囲気中での示差熱分析(TG-DTA) の結果である。これ
によると、TiO2(ルチル)/Alでは600℃付近で発熱
がみられ、さらに純Alの溶解による吸熱ののち720℃
付近をピークとする大きな発熱がみられる。
【0016】これらの結果から、Alとの反応性は K2O・
6TiO2 ウィスカーよりTiO2(ルチル)の方が高く、それ
よりさらにTiO2(アナターゼ)の方が高いと考えられ
る。それぞれの反応生成物はα−Al2O3 とTi-Al 金属間
化合物であり、TiO2(ルチル)/Alではこれらが混在し
た光学顕微鏡レベルで均一な反応層(複合体)が得られ
た。
6TiO2 ウィスカーよりTiO2(ルチル)の方が高く、それ
よりさらにTiO2(アナターゼ)の方が高いと考えられ
る。それぞれの反応生成物はα−Al2O3 とTi-Al 金属間
化合物であり、TiO2(ルチル)/Alではこれらが混在し
た光学顕微鏡レベルで均一な反応層(複合体)が得られ
た。
【0017】TiO2(ルチル)の粉末(対Al容積比41.5
%)を冷間で加圧成形し、これをプリフォームとして、
電気炉によって250℃に加熱しておく。ついでこれを
200℃に予熱した金型内に配置するとともに680℃
に調整した所定量の純Alの溶湯を注入し、直ちに加圧し
て複合化をおこなう。
%)を冷間で加圧成形し、これをプリフォームとして、
電気炉によって250℃に加熱しておく。ついでこれを
200℃に予熱した金型内に配置するとともに680℃
に調整した所定量の純Alの溶湯を注入し、直ちに加圧し
て複合化をおこなう。
【0018】この複合化条件で複合処理した材料は、未
反応状態で複合して図2(a)に示す組織拡大模式図の
とおり均質な顕微鏡組織を呈する。つづく熱処理によっ
て反応硬化させた材料の顕微鏡組織の組織拡大模式図を
図2(b)に示す。ここで、1はα−Al2O3 (粒子)お
よび2はAl−Ti金属間化合物である。なお、比較のため
に、本発明に示す温度域を超える高温域で複合化した場
合の組織拡大模式図を図2(c)に示すが、ここでは局
部的には硬化しているものの不均一な材料組織を呈する
ことが確認されている。
反応状態で複合して図2(a)に示す組織拡大模式図の
とおり均質な顕微鏡組織を呈する。つづく熱処理によっ
て反応硬化させた材料の顕微鏡組織の組織拡大模式図を
図2(b)に示す。ここで、1はα−Al2O3 (粒子)お
よび2はAl−Ti金属間化合物である。なお、比較のため
に、本発明に示す温度域を超える高温域で複合化した場
合の組織拡大模式図を図2(c)に示すが、ここでは局
部的には硬化しているものの不均一な材料組織を呈する
ことが確認されている。
【0019】また、加熱による硬さの変化を図3に示
す。ここで示すAは複合化直後(as cast)の硬さで、ビ
ッカース硬さHv(300) が250程度であり、その後これ
を図中軸上の各温度で1時間保持した熱処理後では、反
応硬化してBないしEの硬さを示し、それぞれ異なる硬
さの複合材料が得られる。このとき、組織の均質性は失
われない。
す。ここで示すAは複合化直後(as cast)の硬さで、ビ
ッカース硬さHv(300) が250程度であり、その後これ
を図中軸上の各温度で1時間保持した熱処理後では、反
応硬化してBないしEの硬さを示し、それぞれ異なる硬
さの複合材料が得られる。このとき、組織の均質性は失
われない。
【0020】また、この複合化段階を利用して、複合化
直後の未反応複合材料に機械加工等の二次加工を施し、
つづく上記熱処理によって部分硬化させた機械強度部材
が得られる。
直後の未反応複合材料に機械加工等の二次加工を施し、
つづく上記熱処理によって部分硬化させた機械強度部材
が得られる。
【0021】(参考例) 本発明の保護範囲からは逸脱することになるが、以下に
示す方法によっても硬質材料は得られる。この場合、 Ti
O2(ルチル)の粉末(対Al容積比41.5%)を冷間で加圧
成形し、これをプリフォームとして、電気炉によって4
00℃に加熱しておく。ついでこれを200℃に予熱し
た金型内に配置するとともに700℃〜850℃に調整
した所定量の純Alの溶湯を注入し、直ちに加圧して複合
化をおこなう。
示す方法によっても硬質材料は得られる。この場合、 Ti
O2(ルチル)の粉末(対Al容積比41.5%)を冷間で加圧
成形し、これをプリフォームとして、電気炉によって4
00℃に加熱しておく。ついでこれを200℃に予熱し
た金型内に配置するとともに700℃〜850℃に調整
した所定量の純Alの溶湯を注入し、直ちに加圧して複合
化をおこなう。
【0022】この複合化条件で複合処理した材料は、複
合化時に反応硬化生成して図2(b)と同様な均質な顕
微鏡組織を呈する。このときのビッカース硬さHv(300)
は図3中Fに示す1000〜1200であり、各例中最
も高い硬さが得られる。
合化時に反応硬化生成して図2(b)と同様な均質な顕
微鏡組織を呈する。このときのビッカース硬さHv(300)
は図3中Fに示す1000〜1200であり、各例中最
も高い硬さが得られる。
【0023】さらに、上記各条件による複合化を、鋳造
用Al合金(JIS)のAC4C、AC8AおよびAC7
Aにおいて実行し、900〜1300のビッカース硬さ
Hv(300) を有する同様の金属間化合物複合材料が得られ
た。これらは、純Alに比して低融点であることから複合
化条件は広く、実用性が高いものである。
用Al合金(JIS)のAC4C、AC8AおよびAC7
Aにおいて実行し、900〜1300のビッカース硬さ
Hv(300) を有する同様の金属間化合物複合材料が得られ
た。これらは、純Alに比して低融点であることから複合
化条件は広く、実用性が高いものである。
【0024】
【発明の効果】本発明は以上の構成よりなるものであ
り、これによればまず未反応複合材料を製造し、この硬
化前の未反応複合材料に機械加工を施し、その後の熱処
理により組織調整を含み硬化反応制御して所望の高強度
複合材料を製造できるので、実用材料の開発という点で
工業上極めて有益な効果を奏するものである。
り、これによればまず未反応複合材料を製造し、この硬
化前の未反応複合材料に機械加工を施し、その後の熱処
理により組織調整を含み硬化反応制御して所望の高強度
複合材料を製造できるので、実用材料の開発という点で
工業上極めて有益な効果を奏するものである。
【0025】また、製造工程中の圧力鋳造時又は未反応
複合化直後に、形状にあわせた部分硬化のための処理を
取り込むことができるので、表面を含む材料の部分硬化
法としての適用が期待できる。
複合化直後に、形状にあわせた部分硬化のための処理を
取り込むことができるので、表面を含む材料の部分硬化
法としての適用が期待できる。
【0026】さらに、未反応複合材料が製造できること
により、これを前駆体として熱処理(硬化反応制御)す
ることができ、二酸化チタン分散アルミニウム(合金)
基複合材料から出発して、アルミナ分散アルミニウム−
チタン金属間化合物複合材料に組織調整(マトリックス
を変化)し得る、複合化条件が広範囲な製造方法を提供
するものといえるので、方法論的にまたコスト面で実用
的な複合材料開発に大きく寄与することが期待できる。
により、これを前駆体として熱処理(硬化反応制御)す
ることができ、二酸化チタン分散アルミニウム(合金)
基複合材料から出発して、アルミナ分散アルミニウム−
チタン金属間化合物複合材料に組織調整(マトリックス
を変化)し得る、複合化条件が広範囲な製造方法を提供
するものといえるので、方法論的にまたコスト面で実用
的な複合材料開発に大きく寄与することが期待できる。
【図1】本発明の実施例におけるTiO2/ 純Al複合材料の
示差熱曲線を示す図である。
示差熱曲線を示す図である。
【図2】本発明の実施例におけるTiO2(ルチル)/ 純Al
複合材料の各複合化条件による組織拡大模式図であり、
(a)は未反応複合化、(b)は熱処理による反応硬化
生成あるいは中温域での反応複合化による。また、
(c)は、高温域での複合化による不均一な組織を示
す。
複合材料の各複合化条件による組織拡大模式図であり、
(a)は未反応複合化、(b)は熱処理による反応硬化
生成あるいは中温域での反応複合化による。また、
(c)は、高温域での複合化による不均一な組織を示
す。
【図3】本発明の実施例におけるTiO2(ルチル)/ 純Al
複合材料の加熱による硬さの変化を示す図である。
複合材料の加熱による硬さの変化を示す図である。
1 α−Al2O3 (粒子) 2 Al−Ti金属間化合物(マトリックス)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新田 明 広島県呉市中央3丁目6番21号 広島県 立西部工業技術センター内 (72)発明者 筒本 隆博 広島県呉市中央3丁目6番21号 広島県 立西部工業技術センター内 (56)参考文献 特開 平2−294444(JP,A) 特開 平2−133535(JP,A) 特開 平2−175827(JP,A) 特開 昭61−163249(JP,A)
Claims (5)
- 【請求項1】 アルミニウムあるいはアルミニウム合金
と二酸化チタンとの酸化還元反応を利用した高強度複合
材料において、 アルミニウムあるいはアルミニウム合金とルチル結晶系
二酸化チタンとが未反応状態の複合体を形成してなるア
ルミニウム−二酸化チタン未反応複合材料を前駆体とし
て反応生成したα−アルミナとアルミニウム−チタン金
属間化合物からなる微細組織を有してなることを特徴と
するアルミナ分散アルミニウム−チタン金属間化合物複
合材料。 - 【請求項2】 アルミニウムあるいはアルミニウム合金
に対するルチル結晶系二酸化チタンの容積比が3%以上
70%以下の組成を有するものである請求項1記載のア
ルミナ分散アルミニウム−チタン金属間化合物複合材
料。 - 【請求項3】 アルミニウムあるいはアルミニウム合金
と二酸化チタンとの酸化還元反応を利用した高強度複合
材料の製造方法において、 アルミニウム−チタン金属間化合物(マトリツクス)中
にα−アルミナが均一に分散した複合材料を製造する方
法であって、 アルミニウムあるいはアルミニウム合金の溶湯と粉末又
は短繊維のルチル結晶系二酸化チタンとを圧力鋳造によ
り未反応複合化し、その後熱処理することにより主にマ
トリックスの固相域で反応生成物の組織調整を含む硬化
反応を制御することを特徴とするアルミナ分散アルミニ
ウム−チタン金属間化合物複合材料の製造方法。 - 【請求項4】 未反応複合化条件が粉末調製および/ま
たはこれをプリフォームしたルチル結晶系二酸化チタン
の予熱温度を400℃未満とし、かつ、アルミニウムあ
るいはアルミニウム合金の溶湯処理温度を700℃未満
とするものであり、熱処理条件が500℃以上1000
℃以下の温度で選択的に時間保持するものである請求項
3記載のアルミナ分散アルミニウム−チタン金属間化合
物複合材料の製造方法。 - 【請求項5】 複合時に粉末調製および/またはこれを
プリフォームしたルチル結晶系二酸化チタンを型内へ濃
淡配置し、事後の硬化反応への寄与を局在化させて材料
の部分硬化をなすようにした請求項3又は4記載のアル
ミナ分散アルミニウム−チタン金属間化合物複合材料の
製造方法。
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---|---|---|---|
JP3086084A JP2824519B2 (ja) | 1991-03-25 | 1991-03-25 | アルミナ分散アルミニウム−チタン金属間化合物複合材料及びその製造方法 |
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JP3086084A JP2824519B2 (ja) | 1991-03-25 | 1991-03-25 | アルミナ分散アルミニウム−チタン金属間化合物複合材料及びその製造方法 |
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JPH0681056A JPH0681056A (ja) | 1994-03-22 |
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