JPH0623416B2 - 耐摩耗性アルミニウム複合材料およびその製造方法 - Google Patents

耐摩耗性アルミニウム複合材料およびその製造方法

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JPH0623416B2
JPH0623416B2 JP386085A JP386085A JPH0623416B2 JP H0623416 B2 JPH0623416 B2 JP H0623416B2 JP 386085 A JP386085 A JP 386085A JP 386085 A JP386085 A JP 386085A JP H0623416 B2 JPH0623416 B2 JP H0623416B2
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aluminum
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、アルミニウムを成分とする軽量の耐摩耗性
複合材料およびその製造方法の改良に関する。
[従来の技術] アルミニウムは、軽量であるが、硬度が比較的低いた
め、種々の元素を添加することにより、強度を向上し、
それによって軽量性を生かした耐摩耗性アルミニウム材
料が種々提案されている。この種の耐摩耗性アルミニウ
ム材料としては、Siを共晶や過共晶組成の状態で多量
に添加されいるアルミニウム合金や、CuおよびMgな
どが添加されたアルミニウム合金が公知である。これら
のアルミニウム合金は、たとえば「Al−ある」(19
84年7月号,第25頁)に開示されている。
他方、SiCなどの炭化物を複合させたアルミニウム複
合材料も、「自動車技術」(第37巻,第8号,198
3年,第844頁)に開示されている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、前者すなわちSi,CuあるいはMgな
どを添加したアルミニウム合金では、耐摩耗性の向上が
十分でないという問題があった。
また、SiCなどの炭化物繊維を複合させたアルミニウ
ム複合材料では、該繊維とアルミニウムとの間の濡れ性
が良好でないため、予め混入される繊維の表面を前処理
しておかなかればならない。また、この種の強化繊維は
比較的高価格でもあり、そのためSiCなどの炭化物繊
維を複合させてなるアルミニウム複合材料も、工業的な
利用はほとんど進んでいない。
それゆえに、この発明の目的は、上述の問題点を解消
し、十分な耐摩耗性を有し、かつ安価に製造することが
可能な耐摩耗性アルミニウム複合材料およびその製造方
法を提供することにある。
問題点を解決するための手段] 本願発明者は、上述の問題点を鋭意検討した結果、Ni
を主成分とする粒子もしくは繊維をアルミニウムもしく
はアルミニウム合金中に分散させ、かつ分散粒子もしく
は分散された繊維の表面にAlとの金属間化合物を形成
すれば、十分な耐摩耗性を有し、かつ軽量のアルミニウ
ム複合材料を得ることを見出した。すなわち、本願発明
のうち第1の発明は、AlもしくはAlを主成分とする
合金中にNiを主成分とする粒子もしくは繊維が分散さ
れており、かつ該粒子もしくは繊維の少なくともの一部
が、AlとNiとを主成分とする金属間化合物とされち
る、耐摩耗性アルミニウム複合材料であり、第2の発明
は、溶融アルミニウムもしくは溶融アルミニウム合金に
Niを主成分とする粒子もしくは繊維を混合し、凝固さ
せ、しかる後熱処理を行うことを特徴とする、上記耐摩
耗性アルミニウム複合材料の製造方法である。
本願発明の製造方法において、溶融アルミニウム合金
に、Niを主成分とする粒子もしくは繊維を混合させ、
凝固させるに際しては、該Niを主成分とする粒子もし
くは繊維の分散状態は、Al合金の固相と液相とが共存
し得る領域で決定され得る。
なお、第1図は、この発明により得られる耐摩耗性アル
ミニウム複合材料の拡大断面図を示し、1がAl合金マ
トリックス、2がNi粒子、3は金属間化合物を示す。
[作用] この発明では、アルミニウムマトリクス中に分散されて
いるNi粒子もしくは繊維の表面にAlとの間で金属間
化合物が形成されるので、Ni粒子もしくは繊維は前処
理を施さずともAlと強固に接合されている。
[実施例の説明] 実施例 1 第2図に示すように、底面に貫通孔10,10…が形成
された容器11内に、粒径0.2mmのNi粒子を入れ、
しかる後ECアルミニウムの溶湯を該容器11内に注ぎ
込んだ。次に、加圧プレート12を矢印X方向に移動さ
せることにより、加圧し、凝固させた。得られた板状体
13では、第2図から明らかなように、下方部分にNi
粒子14が分布されていた。
上述のようにして得られた板状体13を520℃の温度
に2時間加熱した後、水焼入れを行ない、さらに170
℃の温度で8時間焼鈍した。このようにして得られたア
ルミニウム複合材料を観察したところ、AlとNiとの
反応による金属間化合物が、Ni粒子の表面に形成され
ているのが認められた。この金属間化合物は、上述した
加熱処理により生じるものであると考えらえる。
上記板状体13中に形成されていた金属間化合物層の硬
度を試験したところ、マイクロビッカース硬度は500
〜700の値を示した。したがって、この金属間化合物
層の硬度はかなり高いことがわかる。
上述のようにして得られたアルミニウム複合材料の下面
すなわちNi粒子が多く分布した側の面を、大越式摩耗
試験機で試験したところ、従来のECアルミニウム鋳物
と比べて、摩耗量は約1/15であることが確められ
た。また、熱伝導性および電気伝導性についても試験し
たところ、この実施例のアルミニウム複合材料は、従来
のECアルミニウム鋳物に比べてかわり高い熱伝導性お
よび電気伝導性を示すことがわかった。
実施例 2 Al−5.6%Cu合金の溶湯中に、直径約0.1mm、
長さ約3mmのNi−30%Cr合金の単繊維を5体積%
投入し、撹拌し、Al合金の固相と液相とが共存する状
態まで撹拌を続けた。しかる後、Ni−30%Cr合金
の短繊維が均一に分布した状態で凝固を完了させた。こ
のようにして得られた部材を、540℃の温度にて2時
間保持した後、水焼入れし、しかる後180℃の温度で
10時間加熱処理を施した。
上述のようにして得られたこの実施例のアルミニウム複
合材料を用いて、実施例1と同様に摩耗試験を行なっ
た。比較のために、同一組成のアルミニウム合金すなわ
ちAl−5.6%Cu合金についても摩耗試験を行なっ
た。その結果、この実施例のアルミニウム複合材料の摩
耗量は比較例に比べて約1/10であった。
次に、この実施例のアルミニウム複合材料を切断加工し
て、コンプレッサのベーン材として使用したところ、軽
量であり、かつ耐摩耗性が良好であるため耐久性に優れ
たベーン材であることが確められた。
[発明の効果] この発明によれば、Al中もしくはAlを主成分とする
合金中に、Niを主成分とする粒子もしくは繊維が分散
されており、かつ該粒子もしくは繊維の少なくとも一部
がAlとNiとを主成分とする金属間化合物とされてお
り、該金属間化合物はそれ自身硬度が高く、またマトリ
ックス金属であるAlと強固に接合しているものである
ため、十分な耐摩耗性を有するアルミニウム複合材料を
得ることが可能となる。また、Al合金マトリックス
に、少量のNiを添加することにより耐摩耗性を大幅に
改善し得るものであるため、Ni濃度の高い合金とすぜ
とも耐摩耗性を向上させることができ、したがって良好
な電気伝導性および熱伝導性をも兼備えた耐摩耗性アル
ミニウム複合材料を得ることができる。また、この発明
の製造方法では、NiとAlとの金属間化合物は熱処理
により形成されるものであるため、強化物質たるNi粒
子もしくは繊維に特別な前処理は必要としない。よっ
て、十分な耐摩耗性を有するアルミニウム複合材料を安
価に製造し得ることも可能となる。
この発明は、実施例の項で例示した軸受およびコンプレ
ッサのベーンに限らず、回転摺動部材および歯車等の様
々な耐摩耗性の要求される部材一般に利用し得るもので
あることを指摘しておく。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明における金属間化合物の形成状態を
説明するための拡大断面図である。第2図は、この発明
の一実施例を説明するための断面図であり、Al溶湯を
加圧成型する仮定を示す図である。 図において、1はAl合金マトリックス、2はNi粒
子、3は金属間化合物を示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】AlもしくはAlを主成分とする合金中
    に、Niを主成分とする粒子もしくは繊維が分散されて
    おり、かつ前記粒子もしくは繊維の少なくとも一部が、
    AlとNiとを主成分とする金属間化合物とされてい
    る、耐摩耗性アルミニウム複合材料。
  2. 【請求項2】溶融アルミニウムもしくは溶融アルミニウ
    ム合金にNiを主成分とする粒子もしくは繊維を混合し
    凝固させ、しかる後熱処理を行なうことにより、Alも
    しくはAlを主成分とする合金中に、Niを主成分とす
    る粒子もしくは繊維が分散されており、かつ前記粒子も
    しくは繊維の少なくとも一部がAlとNiとを主成分と
    する金属間化合物とされている、耐摩耗性アルミニウム
    複合材料の製造方法。
  3. 【請求項3】アルミニウム合金の固相と液相とが共存す
    る状態で、前記Niを主成分とする粒子もしくは繊維の
    分散状態が決定される、特許請求の範囲第2項記載の耐
    摩耗性アルミニウム複合材料の製造方法。
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