JP2824503B2 - エリスロポエチン活性増強物質およびその製造法 - Google Patents

エリスロポエチン活性増強物質およびその製造法

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JP2824503B2 JP7285291A JP28529195A JP2824503B2 JP 2824503 B2 JP2824503 B2 JP 2824503B2 JP 7285291 A JP7285291 A JP 7285291A JP 28529195 A JP28529195 A JP 28529195A JP 2824503 B2 JP2824503 B2 JP 2824503B2
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修一 岡
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤芽球系前駆細胞
(Colony Forming Unit-Erythroid、以下CFU-Eと略記す
る)の分化・増殖に対するエリスロポエチン(Erythrop
oietin)の作用を増強するエリスロポエチン活性増強物
質及びその遺伝子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】赤血球の造血因子であるエリスロポエチ
ンは、哺乳動物の肝臓(胎児期)または腎臓(生後)で
作られるホルモンで、血液前駆細胞を成熟赤血球へ増殖
・分化させる。生体内でのエリスロポエチン生産量を調
節しているものは血中酸素濃度であり、低酸素環境など
により体組織への酸素の供給が低下すると、腎臓におけ
るエリスロポエチン生産が昂進される。逆に、尿毒症な
どで腎臓機能の低下した場合には、エリスロポエチン生
成不全のために著しい貧血症状を呈する。
【0003】エリスロポエチンは、分子量39,000〜45,0
00の糖蛋白質であるが、分子量の約半分を糖が占めるた
めにその由来によって分子量に差異が認められている。
エリスロポエチン遺伝子のクローニング及び動物細胞中
での発現法が確立されたことによって高純度エリスロポ
エチンの大量生産が可能となり、現在、腎性貧血治療薬
・術前術後造血薬等の目的で臨床的に使用され始めてい
る。
【0004】エリスロポエチンが作用を及ぼす主たる標
的細胞は、一連の分化段階で定義されている赤芽球細胞
のうちでも比較的若い段階の細胞で、CFU-Eと呼ばれて
いる。このCFU-Eは形態的には他の幹細胞などとの区別
が不可能であり、in vitroにおいて、メチルセルロース
あるいは軟寒天を加えた半固形培地中で骨髄細胞を培養
することによって初めてCFU-E由来コロニーとして識別
されうる細胞で、通常、このCFU-E由来コロニーの形成
能をもってエリスロポエチンの生物活性として表示する
ことが多い。
【0005】これまでにエリスロポエチン類似の活性を
有する物質としては、Erythroid Potentiating Activit
y(EPA)[Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77巻 593-596頁
(1980年). U.S.Patent:US 4438032. PCT Int.Appl. W
O 86 02,100.]や ErythroidDifferentiating Factor
(EDF)[Biochem.Biophys.Res.Commun., 142巻 1095-
1103頁 (1987年). Eur.Pat.Appl. EP 210,461]が知ら
れている。EPA、EDF いずれも、動物細胞株によって生
産される極めて耐熱性の高いタンパク質である。EPA
は、CFU-Eコロニー形成活性とBFU-Eコロニー形成活性
(BFU-EはCFU-Eより一段階未分化の細胞)をあわせも
つ、即ち、エリスロポエチンよりやや作用域の広いエリ
スロポエチン様活性物質である。EDFは、赤芽性細胞がC
FU-Eより分化の進んだ段階でガン化したと考えられるマ
ウスフレンド細胞やヒト赤白血病細胞株を、正常細胞に
分化誘導する活性を持つ物質として発見されたが、その
後、アクチビンと同一物質であることが明らかになって
いる。
【0006】更に、エリスロポエチンとの共存によりCF
U-Eコロニーの形成を促進させる物質、即ち、エリスロ
ポエチン活性増強物質としては、分子量3200〜3500の E
rythrotropin I及び II [Biochem.Biophys.Res.Commu
n., 115巻 477-483頁 (1983)]、分子量11,000の Eryt
hrotropin-like peptide [Biochem.Biophys.Res.Commu
n., 133巻 404-409頁 (1985年)]、分子量130,000の E
rythroblast EnhancingFactor[Exp.Hematol., 11巻 1
8-31頁 (1983年)]などの報告がある。しかし、これら
はいずれも動物の臓器や細胞由来の物質であり、微生物
が生産する蛋白性物質でエリスロポエチン増強活性を示
す物質はまだ得られていない。
【0007】一方、巨核球ならびに血小板は、細胞分化
の系統的には赤血球と近縁関係にあり、また、エリスロ
ポエチンが巨核球分化を促進することも知られている
[Exp.Hematol., 17巻 10-16頁 (1989年)]。最近にな
ってトロンボポエチン(c-mplリガンド)[Nature、369
巻 533-538頁、565-574頁 (1994年)]が発見され、それ
が巨核球分化を支配する主要な促進物質であると広く認
識されつつあり、医薬製品化へ向けての大きな取り組み
がなされている。しかしながら、巨核球から血小板への
分化段階に関してはトロンボポエチンのみでは不十分
で、それ以外の活性物質の関与が推定されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来、微生物が生産す
る蛋白質で、エリスロポエチンによるCFU-E由来コロニ
ー形成を促進させる物質は知られていない。微生物由来
の蛋白性物質で、エリスロポエチン活性増強作用を示す
ものを見出すことができれば、ヒト血清中のエリスロポ
エチンレベルの測定などの臨床検査、とりわけ、エリス
ロポエチン生産能が低下した個体のエリスロポエチンレ
ベルの定量に有用であり、また、骨髄性白血病細胞の本
物質に対する反応性の差異による病態の解析や臨床検査
への利用が期待される。さらには、本物質の分解物や種
々の修飾・改変物、あるいはそれらをモデルとした合成
化合物等を、医薬品として利用することも期待される。
【0009】また、血小板減少症など重篤な症状の治療
薬として血小板分化促進物質の開発・臨床応用は現在の
急務であり、そのための基礎的研究試薬の開発も重要で
ある。エリスロポエチンとトロンボポエチンとは構造の
一部が極めて類似していることから考えて、エリスロポ
エチン活性増強物質が、巨核球・血小板の分化に関して
も促進的あるいは抑制的な活性を示す可能性が大きい。
従って、血小板分化促進物質の開発への一助となること
も期待される。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、配列番号3記
載のアミノ酸配列で示されるエリスロポエチン活性増強
物質又は該アミノ酸配列において1もしくは複数のアミ
ノ酸が付加、欠失もしくは置換されており且つエリスロ
ポエチン活性増強物質をもたらすアミノ酸配列をコード
して成るDNA配列である。
【0011】上記エリスロポエチン活性増強物質をコー
ドするDNA配列としては、例えば配列番号2記載のも
のが例示できる。さらに、本発明は上記DNA配列を含
む組み換え体DNAである。さらに、本発明は上記組み
換え体DNAを取り込ませた形質転換微生物である。
【0012】さらに、本発明は上記形質転換微生物を培
地に培養して、培養物からエリスロポエチン活性増強物
質を採取することからなるエリスロポエチン活性増強物
質の製造方法である。さらに、本発明は配列番号3記載
のアミノ酸配列を含むエリスロポエチン活性増強物質で
ある。
【0013】本発明は、エリスロポエチンによるCFU-E
由来コロニーの形成に対して促進的に作用する物質を広
く微生物界に検索し、放線菌Streptomyces thermoviola
ceussubsp.thermoviolaceus IFO 13905株等の菌体中
に、エリスロポエチン活性増強物質が存在することを見
出して、本発明を完成した。以下、本発明を具体的に説
明する。 1)エリスロポエチン活性増強物質生産微生物の単離 本発明のエリスロポエチン活性増強物質は、ストレプト
ミセス属菌などの放線菌、例えばStreptomyces hygrosc
opicus subsp. hygroscopicus IFO 13472株,Streptomyc
es thermodiastaticus IFO 13468株, Streptomyces the
rmoviolaceussubsp.thermoviolaceus IFO 13905株など
を、通常の放線菌培地で培養して菌体中に生産させるこ
とにより得ることができる。即ち、本発明における前記
の放線菌の培養は、例えば、炭素源としてはグルコー
ス、シュークロース、マルトース、デキストリン、グリ
セリン、でんぷん等を、窒素源としてはペプトン、肉エ
キス、酵母エキス、麦芽エキス、カゼイン等を用い、更
に無機塩としてはNaCl, K2HPO4, MgSO4, CuSO4等を用い
た中性液体培地で通気、撹はんすることによって行うこ
とができる。この時、培地のpHは、5〜8、好ましく
は7付近がよい。また、培養温度は、通常35〜40
℃、好ましくは37℃がよい。
【0014】培養菌体より、常法により菌体を破砕ある
いはリゾチーム等で溶菌して抽出液を得、これを遠心し
た上清を粗抽出液として回収してエリスロポエチン増強
活性を測定することにより、エリスロポエチン活性増強
物質生産微生物を選択することができる。 2)ストレプトミセス属に属する菌株からのエリスロポ
エチン活性増強物質遺伝子を含む染色体の単離 ストレプトミセス属に属する菌株からエリスロポエチン
活性増強物質遺伝子を含む染色体DNAの調製は、常法
に従って、例えばジェネティック・マニュアル・オブ・
ストレプトミセス(D.A.Hopwood, M.J.Bibb, K.F.Chate
r, T.Kieser, C.J.Bruton, H.M.Kieser, D.J.Lydiate,
C.P.Smith, J.M.Ward, H.Schrempf著、The John Innes
Foundation 出版社、1985年)に記載された方法によっ
て行うことができる。DNA供与菌としては、ストレプ
トミセス属に属し、エリスロポエチン活性増強物質生産
能を有する微生物であれば、すべて使用可能である。具
体的には、ストレプトミセス・サーモビオラセウス(St
reptomyces thermoviolaceus subsp. thermoviolaceu
s)IFO 13905株をあげることができる。
【0015】上記で得た染色体DNAをベクターDNA
に組み込んで組換え体DNAを作成する。染色体DNA
の組み込みの方法は、常法に従って、例えば染色体DN
AおよびベクターDNAを適当な制限エンドヌクレアー
ゼで切断して染色体DNA断片とベクターDNA断片を
調製した後、両者の混合液をDNAリガーゼにより結合
することによって行うことができる。ここで用いられる
ベクターDNAとしては、大腸菌を宿主とし、かつ蛋白
質を発現するためのプロモータを持つプラスミドであれ
ば良く、pUC18 等が好適に用いられる。また、制限エン
ドヌクレアーゼとしては、2’−デオキシグアノシン
(G)と2’−デオキシシチジン(C)含量の高いスト
レプトミセス属菌の染色体DNAを適当な長さに切断す
ることができ、かつ、ベクターのマルチクローニングサ
イトにも同一の切断配列を持つ酵素、例えば、BamH I
等があげられる。DNAリガーゼとしては、T4ファー
ジ由来のT4リガーゼが好適に用いられる。
【0016】上記方法によって得られた組換え体DNA
は、常法に従って、例えばモレキュラー・クローニング
(J.Sambrook, E.F.Fritsch, T.Maniatis 著、Cold Spr
ingHarbor Laboratory Press 出版社、1989年)に記載
された方法によって大腸菌に遺伝子導入することができ
る。エリスロポエチン活性増強物質遺伝子を含むDNA
断片を組み込んだベクターDNAを含有する菌株の選択
は、以下のように行うことができる。
【0017】まず、組換え体DNAを導入した菌株を、
0.1 mg/ml アンピシリン、0.04 mg/mlX−gal(5−
ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラク
トシド)および 0.04 mg/ml IPTG(イソプロピルチ
オ−β−D−ガラクトシド)を含むLB寒天培地(1%
バクトトリプトン、0.8%バクトイーストエキス、0.
5%NaCl、1.2%寒天(pH 7.2))で培養し、生
じたコロニーのうち白色のものを、組換え体DNAを含
む形質転換体として取得する。得られた形質転換体のう
ち任意のコロニーを、アンピシリンを含むLB液体培地
で個別に培養し、各菌体から組換え体プラスミドを調製
し、次いで、得られたプラスミド溶液の一部ずつを取っ
て集めた組換え体DNAプールを作成する。このDNA
プールを常法に従って大腸菌に遺伝子導入したのちアン
ピシリンを含むLB液体培地で培養し、培養菌体抽出液
についてエリスロポエチン活性増強活性の有無を測定す
る。活性のあるプールはさらにサブプールに分けて、同
様の操作を繰り返すことにより、エリスロポエチン活性
増強物質遺伝子を含むDNA断片を連結した組換え体D
NAを選択することができる。 3)エリスロポエチン活性増強物質の、グルタチオンS
−トランスフェラーゼとの融合蛋白質としての生産 上記のようにして得られたストレプトミセス属微生物由
来のエリスロポエチン活性増強物質遺伝子は、グルタチ
オンS−トランスフェラーゼ(glutathione S-transfer
ase 、以下GSTと略す)との融合蛋白質として大腸菌
で発現させることも可能である。GSTとの融合蛋白質
として生産させることはエリスロポエチン活性増強物質
の精製を非常に簡単にするという利点を持つ。
【0018】エリスロポエチン活性増強物質遺伝子を含
む組換え体DNAから、エリスロポエチン活性増強物質
をコードするDNA断片を適当な制限エンドヌクレアー
ゼで切り出して、GST発現ベクターの下流に、アミノ
酸のコドンのフレームが一致するように連結することに
よって、融合蛋白質の発現ベクターを作成できる。ここ
で用いられるベクターDNAとしては、GSTを発現す
ることが可能なプラスミドであればすべて使用可能であ
り、例えば、公知文献(Gene、67巻、31-40頁、1988
年)に記載の pGEX などが好適に用いられる。pGEXベク
ターのGST構造遺伝子の下流に、エリスロポエチン活
性増強物質遺伝子をアミノ酸フレームが一致するように
連結するためには、リンカーDNA等を挿入することが
必要な場合もある。GST発現ベクターとエリスロポエ
チン活性増強物質遺伝子の連結には、T4リガーゼ等が
好適に用いられる。
【0019】上記方法で得られた組換え体DNAは常法
に従って、GST発現ベクターの宿主(pGEXの場合は大
腸菌)に導入することができる。GSTとエリスロポエ
チン活性増強物質の遺伝子を組み込んだ組換え体DNA
を保有する菌株の選択は、次のように行うことができ
る。まず、組換え体DNAを導入した形質転換宿主を、
2)項と同様にアンピシリン、X−gal、IPTGを
含む寒天培地で培養し、生じた白色コロニーを組換え体
DNAの導入された形質転換体として取得する。得られ
た形質転換体から2)項と同様に組換え体プラスミドを
調製し、アガロースゲル電気泳動法により各プラスミド
の制限エンドヌクレアーゼ切断断片の大きさを確認する
ことによって、目的の組換え体DNAが導入された形質
転換株を選択することができる。
【0020】このようにして得られるGSTとエリスロ
ポエチン活性増強物質との融合蛋白質生産菌株は、栄養
培地で培養することにより、著量の融合蛋白質を蓄積す
る。培養に用いる培地としては、炭素源、窒素源、無機
質等を含有する合成培地、または天然培地のいずれも使
用できる。また、pGEXのように、IPTG等の誘導物質
によってその転写が活性化されるベクターの場合は、適
当量の誘導物質を適切なタイミングで添加することによ
り、融合蛋白質の生産を更に著しく高めることができ
る。
【0021】培養液からのエリスロポエチン活性増強物
質の精製は、以下のように行うことができる。すなわ
ち、培養液から遠心分離等の方法で回収した菌体をリン
酸緩衝液平衡化生理食塩水(phosphate-buffered salin
e、以下PBSと略す)に懸濁して超音波破砕等の方法
で菌体破砕を行うと、封入体画分に高純度の融合蛋白質
が回収される。また、可溶性画分にも融合蛋白質が回収
されるので、これをグルタチオン−セファロース等の、
GSTに親和性を持つアフィニティーゲルを用いて精製
することもできる。更に、pGEX-4T のように、GST蛋
白質の下流に基質特異性の高いエンド型プロテアーゼの
認識部位を持つベクターを用いた場合は、GSTとエリ
スロポエチン活性増強物質の連結部位に存在するペプチ
ド鎖を当該酵素によって切断した後、アフィニティーゲ
ルを用いて両者を分離することも可能である。
【0022】なお、本発明においては配列番号3記載の
アミノ酸配列で示されるエリスロポエチン活性増強物質
の前記アミノ酸配列において、1もしくは複数のアミノ
酸が付加、欠失もしくは置換されており且つエリスロポ
エチン活性増強物質をもたらすものは本発明に含まれる
ものであるが、ここで、アミノ酸の付加、欠失もしくは
置換は周知技術である部位特定変異誘発法により実施で
きる程度のものである。
【0023】以下に、エリスロポエチン活性増強物質の
活性測定方法について説明する。5〜8週齢のオスのI
CRマウスの大腿骨・けい骨より無菌的に骨髄細胞を
得、直ちに骨髄細胞(5×105 cells)、メチルセル
ロース(0.8%)、牛胎児血清(30%)、牛血清アル
ブミン(1%)、2−メルカプトエタノール(1×10
-4M)、ヒト尿由来エリスロポエチン叉は組換え体ヒト
エリスロポエチン(0.025 unit/ml)、被験液(1〜10
%)、及びα−MEM培地を混合して全量を5mlと
し、そのうち1mlを直径35mmの組織培養用プラス
チックデイッシュ(ヌンク社製 No.171099)に分注し、
5%CO2、100%湿度の条件下で、37℃で2日間
培養し、8個以上のベンジジン陽性細胞からなる細胞集
団を1個の CFU-Eコロニーとして算定する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、実施例により、本発明を具
体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によ
りその技術的範囲が限定されるものではない。
【0025】〔実施例1〕 エリスロポエチン活性増強
物質生産微生物の単離 1.5%グルコース、0.5%ペプトン、0.5%肉エキ
ス、0.5%酵母エキス、0.5%NaClを含むpH 7.0の
液体培地20mlを200mlの坂口フラスコ中で滅菌した
ものを3本用意し、 Streptomyces hygroscopicus sub
sp. hygroscopicus IFO 13472株, Streptomyces the
rmodiastaticus IFO 13468株, Streptomyces thermovio
laceus subsp. thermoviolaceus IFO 13905株の3種の
菌株の胞子を1本ずつ接種して、35℃で、24〜40
時間、往復振とう培養を行った。培養終了後、15,000xg
で遠心分離を行って菌体を採取した。得られた各培養菌
体を、50mMリン酸緩衝液(pH 7.2)200mlに
縣濁して5分間超音波破砕を行い、破砕液を15,000xgで
20分間遠心した上清を粗活性物質溶液として得た。得
られた粗抽出液を被験液としてCFU-Eコロニー形成を比
較したところ、表1に示すように、いずれもEPOによるC
FU-Eコロニー形成を著しく促進した。なお、ここで用い
た菌株は数100株の検索菌株より選出したものであ
る。
【0026】
【表1】 表 − 1 ──────────────────────────────────── 菌株 粗抽出液量 EPO量 CFU-Eコロニー形成数 (ml/5ml) (unit/ml) (個/105骨髄細胞) ──────────────────────────────────── − − 0.025 372 IFO 13472 0.1 0.025 512 IFO 13468 0.1 0.025 548 IFO 13905 0.1 0.025 748 ────────────────────────────────────
【0027】〔実施例2〕 エリスロポエチン活性増強
物質遺伝子のクローニング 1)エリスロポエチン活性増強物質遺伝子を含む染色体
DNAの調製 1.5%グルコース、0.5%ペプトン、0.5%肉エキ
ス、0.5%酵母エキス、0.5%NaClを含むpH 7.0の
液体培地100mlを500mlの三角フラスコ中で滅菌
し、ここにストレプトミセス・サーモビオラセウス(St
reptomyces thermoviolaceus subsp. thermoviolaceu
s)IFO 13905株を接種して、35℃、30時間往復振と
う培養を行った。得られた培養液を4℃で 15,000xg 、
10分間遠心分離して菌体を採取した。10%グリセロー
ル液で菌体を洗浄後、再び遠心分離して菌体を集菌し、
公知文献[Gene Cloning in Streptomyces、96巻、69-9
5頁、1982年]に記載されている方法で全染色体DNA
を抽出した。 2) 染色体DNA断片のベクターDNAへの導入 上記1)で得られた全染色体DNAのうち 16 μgをK
緩衝液(20mMトリス−塩酸緩衝液(pH 8.5)、10mM MgC
l2 、1mM ジチオスレイトール、100mM KCl)に溶解し、
制限エンドヌクレアーゼBamH I (宝酒造社製) 60 単
位を添加し、30℃で2時間反応し完全分解を行った。
次いで、これらDNA断片を 0.8% アガロースゲル電気
泳動により分子量分画を行い、 6〜 12 kbのDNA断片
を含む分画のみをDEAE−セルロース法にて回収し、
エタノール沈澱を行った後、TE緩衝液(10mM トリ
ス−塩酸緩衝液(pH 8.0)、1mM EDTA)に溶解
した。ベクターとしては、pUC18 をBamH I 切断した後
BAP(バクテリア アルカリフォスファターゼ)処理を
行って5’末端を脱リン酸化したもの(ファルマシア社
製)を用いた。染色体DNA溶液 5μlとベクター液 1
μlとを混合し、DNAライゲーションキット(宝酒造
社製)のライゲーション緩衝液( 40μl)とT4DN
Aリガーゼ溶液( 5μl)を添加し、16℃で2時間、
結合反応を行い、種々の組換え体DNAを含む組換え体
DNA混合液を得た。 3)大腸菌の形質転換 2)で得られた組換え体DNA混合物を用いて、大腸菌
を形質転換した。DNA感受性大腸菌JM108株(宝
酒造社製)を含有する溶液 100μlをエッペンドルフ社
ミクロチューブに入れて氷冷したものへ、2)で作成し
た組換え体DNA混合物 10 μlを加えて緩やかに混合
し、氷中で20分間静置した後、42℃の恒温水で45
秒間熱ショックを与え、直ちに氷冷した。これに1mlの
SOC培地(2%バクトトリプトン、0.5%バクトイ
ーストエキス、10mM NaCl、2.5mM KC
l、10mM MgSO4 、10mM MgCl2 、2
0mM グルコース(pH 7.0))を加え、37℃で1時
間静置した。この培養液を0.1 mg/mlアンピシリン、0.0
4 mg/mlX−gal、0.04 mg/mlIPTGを含むLB寒
天培地に塗布し、37℃で一晩培養した。翌朝生じたコ
ロニーのうち白色のものを形質転換体として取得した。 4)形質転換体から組換え体プラスミドDNAの調製 3)で得られた形質転換コロニーのうち任意のコロニー
を、0.1 mg/ml アンピシリンを含むLB液体培地2ml
に移植して、37℃で一晩振とう培養した後各菌体を遠
心分離にて回収し、各々から常法に従ってプラスミドD
NAを調製し、50μlのTE緩衝液に溶解した。 5)エリスロポエチン活性増強物質遺伝子を含む組換え
体DNAの選択 4)で得られたプラスミドDNA溶液の一部ずつを取っ
て集め、20種で1グループとした。これらのプラスミ
ドDNA混液を3)と同様の方法で、各グループ毎に形
質転換体を作成した。この形質転換コロニーをすべて、
0.1 mg/ml アンピシリンを含むLB液体培地100ml
に移植して、37℃で一晩振とう培養した。得られた各
菌体を遠心分離にて回収後、PBSに懸濁して超音波破
砕し、その遠心分離上清液を被験液としてエリスロポエ
チン増強活性を測定した。活性のあるグループはさらに
サブグループに分けて、同様の操作を繰り返すことによ
り、エリスロポエチン活性増強物質遺伝子を含むDNA
断片を連結したプラスミドDNAを選択した。このよう
にして最終的に、pUCE27をエリスロポエチン活性増強物
質遺伝子を含む組換え体DNAとして取得した。このpU
CE27は E.coli MV1184 に導入して、工業技術院生命工
学工業技術研究所にpUCE27として平成7年10月20日に寄
託した。そして、その寄託番号は FERM P-15246 であ
る。 6)クローン化したエリスロポエチン活性増強物質遺伝
子の解析 5)で得られた pUCE27 は、ストレプトミセス・サーモ
ビオラセウス IFO 13905の染色体DNAに由来する 10.
1 kbのDNA断片をインサートとして有していた。pUCE
27の制限酵素地図を第1図に示す。さらに第2図に示す
ように、pUCE27インサート部分についてベクターへの挿
入方向を逆転させたところ(pUCE279)、エリスロポエチ
ン増強活性は全く失われた。しかし、pUCE27インサート
部分を、pUC18 とプロモータ構造が同一方向である pUC
118 に挿入した誘導体(pUCE278)、および、pUCE27からS
pl I 下流の 6.2 kb を欠失した誘導体(pUCE20, pUCE2
1)では活性は維持されていた。従って、エリスロポエチ
ン活性増強物質遺伝子はBamH I からSpl I の間の 3.9
kb にコードされ、その転写はベクター由来のlacZプロ
モータによって調節されていると考えられた。 7)エリスロポエチン活性増強物質遺伝子の塩基配列の
決定 pUCE27由来のBamH I −Kpn I 断片(3.7 kb)を、pUC11
8および pUC119 のBamH I −Kpn I 間にサブクローニン
グし、さらに、キロシーケンス用デリーションキット
(宝酒造社製)を用いて、これらサブクローンのインサ
ートを短縮したクローンセットを作成した。これらのク
ローンセットから適当なDNA鎖長を持つクローンを選
択した後、常法に従ってDNA感受性大腸菌MV118
4株(ニッポンジーン社製)に形質転換した。そして、
一本鎖ファージM13KO7をヘルパーファージとし
て、モレキュラー・クローニングに示された方法によっ
て一本鎖DNAを調製し、各一本鎖DNAについて、−
21M13標識プライマーとTaq DNAポリメラーゼを
用いたジデオキシ法により、塩基配列の決定を行った。
反応条件等は、アプライドバイオシステムズ社のマニュ
アルに従って行った。pUCE27においてエリスロポエチン
活性増強物質をコードするヌクレオチド鎖の上流から約
1500 残基の塩基配列を配列番号1及び配列番号2に、
また、当該塩基配列から予想されるエリスロポエチン活
性増強物質遺伝子のアミノ酸配列を配列番号3に示す。
【0028】塩基配列AGGAAGを -10の位置に持つ
ATGコドンを翻訳開始部位であると推定した。このA
GGAAG配列は、Streptomyces lividans の 16S rRN
A の3’末端配列と強い相補性示すことから、ストレプ
トミセス属放線菌のリボゾーム結合サイト(RBS)と
して広く認識されている配列である。塩基配列番号はこ
のATGのAを1とした。プロモータ領域と推定される
上流塩基配列のうち、既知の「-35 配列」および「-10
配列」と類似した配列は、-111から -106 のTTGAC
C、および、-86 から -80のTCCGGATであった。
終止コドンTGAの下流には2つの逆向き相補鎖が認め
られたが、このような配列は転写終結部位として頻繁に
認められる特徴的な構造である。 全334アミノ酸残
基のエリスロポエチン活性増強物質(計算分子量 36,23
1)をコードすると推定される塩基配列は、ストレプト
ミセス属放線菌のオープンリーディングフレーム(OR
F)の特性である高いG+C含量を示した(全塩基平均
で72%、第3塩基で90%)。一方、エリスロポエチ
ン活性増強物質のプロモータ領域と推定される領域のG
+C含量は61%であった。
【0029】〔実施例3〕 エリスロポエチン活性増強
物質の、GST融合蛋白質としての生産 1)エリスロポエチン活性増強物質遺伝子を含むGST
発現プラスミドの構築 エリスロポエチン活性増強物質遺伝子は、翻訳開始コド
ンと推定されるATGのすぐ上流に、2つの終止コドン
が同一の翻訳フレームで存在していた。そこでこれらの
終止コドンを避けるために、開始コドンATGを含む制
限酵素認識サイト(Nsp Iサイト)から下流の断片を切
り出し、これを pUC18のSph I サイトに再連結すること
により開始コドンATGを再構成した。すなわち、pUCE
27からNsp I - Xho I (0.6 kb)断片とNot I - Kpn I
(3.1 kb)断片を制限エンドヌクレアーゼで切り出し、ア
ガロースゲル電気泳動で回収した後、まず 0.6 kb 断片
を、Sph I とSal I サイトで切断した pUC18に挿入して
閉環し、次いでこれをNot IとKpn I で切断して 3.1 kb
断片を挿入,閉環した(pUCE27-2とする)。次に、この
ATG再構成プラスミド(pUCE27-2)のSph I/Nsp I サ
イトのすぐ上流に隣接するHind III サイトを当該酵素
で切断し、T4DNAポリメラーゼ(宝酒造社製)で末
端平滑化後、予めT4ポリヌクレオチドキナーゼ(宝酒
造社製)で5’端をリン酸化しておいたEcoR I リンカ
ーを挿入し、閉環した(pUCE27-3とする)。最後に、pU
CE27-3からEcoR I - Sal I 断片(2.3 kb)を切り出し
て回収し、これをEcoR I サイトとSal I サイトで開環
した発現ベクター pGEX-4T-2に連結し、閉環した(pGES
A-2 とする)。この融合プラスミドpGESA-2は E.coli M
V1184 に導入して、工業技術院生命工学工業技術研究所
にpGESA として平成7年10月20日に寄託した。そして、
その寄託番号は FERM P-15247 である。その構造を図3
に示す。即ち、第3図に、組換え体プラスミド pGESA-2
におけるグルタチオンS−トランスフェラーゼとエリス
ロポエチン活性増強物質遺伝子との連結部分の塩基配列
と対応するアミノ酸配列を示す。なお、GSTとの連結
に関して pGEX-4T-2とは異なる2通りのフレームとなる
融合プラスミド(pGESA-4T-1, pGESA-4T-3)も作成し
た。
【0030】なお、各段階の改変プラスミドの調製は、
実施例1の2)、3)、4)項に示した方法に準じて行
い、各プラスミドDNAの一部を制限エンドヌクレアー
ゼで適宜切断して、アガロースゲル電気泳動法で切断片
サイズを判定して、構築プラスミドの選択と確認を行っ
た。 2)エリスロポエチン活性増強物質遺伝子を含むGST
融合プラスミドによる融合蛋白質の生産 DNA感受性大腸菌JM108株を、1)で得られた融
合プラスミド pGESA-4T-2 で形質転換し、得られた形質
転換コロニーを 0.1 mg/mlアンピシリンを含む2×YT
−G培地(1.6%バクトトリプトン、1%イーストエ
キス、0.5%NaCl、2%グルコース)200ml
中で振とう培養した。培養液の濁度(A600 )が約1.
0となったところで、IPTGを終濃度 0.1 mM となる
よう添加してさらに1時間培養を続けた。そして、遠心
分離により菌体を回収し、0.02%トゥイーン20お
よび4種のプロテアーゼ阻害剤( 20 μg/mlAPMSF
[(4−アミジノフェニル)−メタンスルフォニルフル
オライド]、0.5 μg/mlロイペプチン、0.01 mM EDT
A、1 μg/mlペプスタチン)を含むPBS(25ml)
に懸濁し、超音波破砕器で30秒間、氷冷しつつ菌体を
破砕した。 3) エリスロポエチン活性増強物質を含むGST融合
蛋白質の精製 2)の破砕液の遠心上清を可溶化融合蛋白質溶液として
回収し、34,000xgで30分間再遠心してから0.22μ
の滅菌済フィルターを通して除菌した。以後の操作は原
則としてすべて滅菌済みの製品を用いて行い、また、必
要に応じて再除菌した。濾液を、2mlのグルタチオン
−セファロース4Bゲルカラム(PBSで予め平衡化)
にアプライし、GST融合蛋白質をゲルに吸着させた。
0.02%トゥイーン20および4種のプロテアーゼ阻
害剤を含むPBS(4ml)でゲルを洗浄し、さらに2
0mlのPBSを流して非吸着性の蛋白質を流去した。
次いで、ゲルに吸着した融合蛋白質を、10mM還元型
グルタチオンで(2mlで10回)溶出した。溶出され
た融合蛋白質の量および純度をSDS−アクリルアミド
ゲル電気泳動で確認した。 4) GST融合蛋白質からエリスロポエチン活性増強
物質の分離・回収 3)で得られたGST融合蛋白質に1ミリ単位/mlの
トロンビンを加えて室温で一晩反応させ、GST部分と
エリスロポエチン活性増強物質部分とに加水分解した。
ただし、エリスロポエチン活性増強物質には、融合プラ
スミドの構築に起因するアミノ酸が8残基、N末端に付
加されている。熱水に浸漬してトロンビンを失活させた
後、加水分解液をPBSに対して充分に透析を行ってグ
ルタチオンを除去し、この透析液を、新たなグルタチオ
ン−セファロースカラムに通して、遊離GSTおよび残
存している可能性のある少量の融合蛋白質を吸着除去し
た。次いで、カラム非吸着液を、予め 6mg/ml ヘパリン
で処理してからPBSで平衡化しておいたアンチトロン
ビンIII−アガロースゲルカラム(1mlゲル)にアプ
ライし、トロンビンを吸着除去した。このゲルを0.0
2%トゥイーン20を含むPBS(1ml)で5回洗浄
し、カラム通過液と洗液とをエリスロポエチン活性増強
物質溶液として回収した。回収されたエリスロポエチン
活性増強物質の量および純度をSDS−アクリルアミド
ゲル電気泳動で確認した。 5) エリスロポエチン活性増強物質の確認 4)で得られた溶液について活性測定を行い、エリスロ
ポエチン増強活性を確認した。
【0031】また、SDS−アクリルアミドゲル電気泳
動において、エリスロポエチン活性増強物質の分子量は
約 36,500 、GST融合蛋白質の分子量は約 66,000
で、計算分子量とよく一致した。一方、フレームの異な
る融合プラスミド(pGESA-4T-1, pGESA-4T-3)からは、
エリスロポエチン増強活性のある生産物は得られなかっ
た。
【0032】更に、3)で得られたGST融合蛋白質を
用いて、以下のようにエリスロポエチン活性増強物質の
C末端アミノ酸の確認を行った。グルタチオン−セファ
ロースゲルカラムで2回再精製を行った高純度GST融
合蛋白質(2.8mg)を、1%SDS中で95℃、5
分加熱処理して変性させた後、20mMヘペス緩衝液
(pH 8.2)に溶解し、25μgのカルボキシペプチダー
ゼAおよび20μgのカルボキシペプチダーゼBを加え
て、37℃で加水分解を行った。この際、経時的に反応
液の一部を取り出し、直ちに塩酸を加えてpHを 2.0以
下に低下させて加水分解反応を停止した。この加水分解
液中の遊離アミノ酸をアミノ酸分析機(日立社製)で定
量分析した。その結果、アルギニン、スレオニン、アラ
ニンが順次遊離することが判明した。このことは、塩基
配列から推定したORFが正しいことを裏付けた。
【0033】
【発明の効果】本発明により、エリスロポエチン活性増
強物質をコードするDNA配列、該DNA配列を含む組
み換え体DNA、該組み換え体DNAを含む形質転換微
生物を提供する。また、本発明によれば、微生物由来の
新規エリスロポエチン活性増強物質を、組換え体DNA
を有する形質転換微生物を用いた発酵生産により、極め
て高純度かつ安定に得ることができる。
【0034】
【配列表】
【0035】配列番号:1 配列の長さ: 1500 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:gDNA 配列: GGATCCGTTCGAATCCACTCCGTCCACCCTGCTGT -121 GCCACCGCTTTGACCGGAACCGGCCTCGCCGACTTCCGGATCAGGCGCACTTCGGCATCA -61 GTAAGCTCAGGGGGCACTGACTTTCGAACACGGTGAGTTCCTGCCTGCTGAGGAAGCTAC -1 ATGTTGGACGTTCTGGGGCTCGACGCCGTGGCCGAAGCTGTCTATCGGGCAATGCTGACC 60 MetLeuAspValLeuGlyLeuAspAlaValAlaGluAlaValTyrArgAlaMetLeuThr GATCCCGAGGACGGTGTGGCGGCTCTGGCGGCTCGGCTGGACCTGACGGAGGACCAGGTA 120 AspProGluAspGlyValAlaAlaLeuAlaAlaArgLeuAspLeuThrGluAspGlnVal CGCAGAGGTCTCGACCGTCTCAGCGAGCTGGCGTTGATCCACCCCTGCGGCAGGAAAGGC 180 ArgArgGlyLeuAspArgLeuSerGluLeuAlaLeuIleHisProCysGlyArgLysGly AGCGGGGGCGTGGGGTTCCGGGCCATCGGTCCGGAAACCGCGATGGAGGTGCTGCTCGCC 240 SerGlyGlyValGlyPheArgAlaIleGlyProGluThrAlaMetGluValLeuLeuAla CGGCAGCAGGCGGAACTGGCCGCCCAGCAGATGAAGGTGGAGGCCTCACGGGCAGCCGCG 300 ArgGlnGlnAlaGluLeuAlaAlaGlnGlnMetLysValGluAlaSerArgAlaAlaAla GCCCAGCTGATCGCCGAGTGCTCGGCCCTGCGGCCGCGGCCCCTCGACCACGACTCCGAG 360 AlaGlnLeuIleAlaGluCysSerAlaLeuArgProArgProLeuAspHisAspSerGlu CAGCTGATCGGTCTGGAGGCGATACGGGTGCGGCTGGCCGAACTGGCCAGGTCCGCGCGG 420 GlnLeuIleGlyLeuGluAlaIleArgValArgLeuAlaGluLeuAlaArgSerAlaArg GTCGAGGTCGCCACCTTCGCACCGGGTGGCGCACACGACGAGGAGGACCTGGCGGCCAGC 480 ValGluValAlaThrPheAlaProGlyGlyAlaHisAspGluGluAspLeuAlaAlaSer CGCGAACCCAACGCCGACCTGCTCGAGCGGGGCGTGCGGATGCGGACCGTCTACCTCGAC 540 ArgGluProAsnAlaAspLeuLeuGluArgGlyValArgMetArgThrValTyrLeuAsp AGCGTGCGCAACCATCCGCCGACCCTGCAGCACGTCCGCTGGCTGCACCAGCACGGCGGG 600 SerValArgAsnHisProProThrLeuGlnHisValArgTrpLeuHisGlnHisGlyGly CAGGTCCGCACGGTGCCCGACCTGCCCATCCGCATGGTCATCTTCGACCGCAAGCAGGCG 660 GlnValArgThrValProAspLeuProIleArgMetValIlePheAspArgLysGlnAla GTCCTGCCCATCGACACCGCCGATGCCCGGGCGGGCGGGGTGGTCTGCGCGGAGCGGGTC 720 ValLeuProIleAspThrAlaAspAlaArgAlaGlyGlyValValCysAlaGluArgVal ACGGTCGCCGCACTGTGTGCGCTGTTCGAGAGCGTGTGGCAGACCGCGGTGCCGCTGGGG 780 ThrValAlaAlaLeuCysAlaLeuPheGluSerValTrpGlnThrAlaValProLeuGly ACCGTCCCGAAGTGCGGCGCGAAGGACATGCCGCCGCAGGAACGCGCCGTGCTGAAGATG 840 ThrValProLysCysGlyAlaLysAspMetProProGlnGluArgAlaValLeuLysMet CTCGCCCAGGGCTACACCGACGAGGCCATCGCCAAGCGCCTCGGTGTCTCACCGCGCACC 900 LeuAlaGlnGlyTyrThrAspGluAlaIleAlaLysArgLeuGlyValSerProArgThr GCCCGCCGGATCGCCGCCAGCCTGATGGAACGCCTCGACGCCCGCAGCCGCTTCGAGGCC 960 AlaArgArgIleAlaAlaSerLeuMetGluArgLeuAspAlaArgSerArgPheGluAla GCGTGCTACGCCGTCCAGGACGGCTGGCTGCCCGCGACCCGCTGACCACGGACACCGCAC 1020 AlaCysTyrAlaValGlnAspGlyTrpLeuProAlaThrArg*** GGCGTCGCGGACCGGGCCGGCGGCACGGGCCCGGGGTTCCTGCCCCGCGGACCGGTGCCG 1080 CCGGCCCTCGTCTCACGCCGTGCGCCCGGCCCGGCGCGCCTCGCGGCGGTCCGCCACGAG 1140 CAGCGCCAGCGCGGGCAGCAGCGTGACGGCGTAGACGGCCAGCAACCGGCCGAAGGAGTG 1200 GCGAAGGCGCCGGGCACCAGCCTGTGGCGCTGCCGCGCGGCCCCCTCCAGGATCACCGTC 1260 GCCACCGCCAGGGCGACGCGCCGCCGATCCGCTGGATGAGATTCAGCTGCGACGAGGCGT 1320 CCGGGATGGACTGCGGCCGGATCGA 1345
【0036】配列番号:2 配列の長さ: 1002 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:gDNA 配列: ATGTTGGACGTTCTGGGGCTCGACGCCGTGGCCGAAGCTGTCTATCGGGCAATGCTGACC 60 GATCCCGAGGACGGTGTGGCGGCTCTGGCGGCTCGGCTGGACCTGACGGAGGACCAGGTA 120 CGCAGAGGTCTCGACCGTCTCAGCGAGCTGGCGTTGATCCACCCCTGCGGCAGGAAAGGC 180 AGCGGGGGCGTGGGGTTCCGGGCCATCGGTCCGGAAACCGCGATGGAGGTGCTGCTCGCC 240 CGGCAGCAGGCGGAACTGGCCGCCCAGCAGATGAAGGTGGAGGCCTCACGGGCAGCCGCG 300 GCCCAGCTGATCGCCGAGTGCTCGGCCCTGCGGCCGCGGCCCCTCGACCACGACTCCGAG 360 CAGCTGATCGGTCTGGAGGCGATACGGGTGCGGCTGGCCGAACTGGCCAGGTCCGCGCGG 420 GTCGAGGTCGCCACCTTCGCACCGGGTGGCGCACACGACGAGGAGGACCTGGCGGCCAGC 480 CGCGAACCCAACGCCGACCTGCTCGAGCGGGGCGTGCGGATGCGGACCGTCTACCTCGAC 540 AGCGTGCGCAACCATCCGCCGACCCTGCAGCACGTCCGCTGGCTGCACCAGCACGGCGGG 600 CAGGTCCGCACGGTGCCCGACCTGCCCATCCGCATGGTCATCTTCGACCGCAAGCAGGCG 660 GTCCTGCCCATCGACACCGCCGATGCCCGGGCGGGCGGGGTGGTCTGCGCGGAGCGGGTC 720 ACGGTCGCCGCACTGTGTGCGCTGTTCGAGAGCGTGTGGCAGACCGCGGTGCCGCTGGGG 780 ACCGTCCCGAAGTGCGGCGCGAAGGACATGCCGCCGCAGGAACGCGCCGTGCTGAAGATG 840 CTCGCCCAGGGCTACACCGACGAGGCCATCGCCAAGCGCCTCGGTGTCTCACCGCGCACC 900 GCCCGCCGGATCGCCGCCAGCCTGATGGAACGCCTCGACGCCCGCAGCCGCTTCGAGGCC 960 GCGTGCTACGCCGTCCAGGACGGCTGGCTGCCCGCGACCCGC 1002
【0037】配列番号:3 配列の長さ: 334 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列: MetLeuAspValLeuGlyLeuAspAlaValAlaGlu
AlaValTyrArgAlaMetLeuThr 20 AspProGluAspGlyValAlaAlaLeuAlaAlaArg
LeuAspLeuThrGluAspGlnVal 40 ArgArgGlyLeuAspArgLeuSerGluLeuAlaLeu
IleHisProCysGlyArgLysGly 60 SerGlyGlyValGlyPheArgAlaIleGlyProGlu
ThrAlaMetGluValLeuLeuAla 80 ArgGlnGlnAlaGluLeuAlaAlaGlnGlnMetLys
ValGluAlaSerArgAlaAlaAla 100 AlaGlnLeuIleAlaGluCysSerAlaLeuArgPro
ArgProLeuAspHisAspSerGlu 120 GlnLeuIleGlyLeuGluAlaIleArgValArgLeu
AlaGluLeuAlaArgSerAlaArg 140 ValGluValAlaThrPheAlaProGlyGlyAlaHis
AspGluGluAspLeuAlaAlaSer 160 ArgGluProAsnAlaAspLeuLeuGluArgGlyVal
ArgMetArgThrValTyrLeuAsp 180 SerValArgAsnHisProProThrLeuGlnHisVal
ArgTrpLeuHisGlnHisGlyGly 200 GlnValArgThrValProAspLeuProIleArgMet
ValIlePheAspArgLysGlnAla 220 ValLeuProIleAspThrAlaAspAlaArgAlaGly
GlyValValCysAlaGluArgVal 240 ThrValAlaAlaLeuCysAlaLeuPheGluSerVal
TrpGlnThrAlaValProLeuGly 260 ThrValProLysCysGlyAlaLysAspMetProPro
GlnGluArgAlaValLeuLysMet 280 LeuAlaGlnGlyTyrThrAspGluAlaIleAlaLys
ArgLeuGlyValSerProArgThr 300 AlaArgArgIleAlaAlaSerLeuMetGluArgLeu
AspAlaArgSerArgPheGluAla 320 AlaCysTyrAlaValGlnAspGlyTrpLeuProAla
ThrArg 334
【図面の簡単な説明】
【図1】組換え体プラスミド pUCE27 の制限エンドヌク
レアーゼ切断地図を示す。
【図2】第1図に示した組換え体プラスミド pUCE27 の
インサートの一部を組換え、あるいは、欠失したプラス
ミドの構造とエリスロポエチン増強活性を示す。
【図3】組換え体プラスミド pGESA-2の一部分を示す図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 21/02 A61K 37/24 ACC //(C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 15/09 ZNA C12R 1:465) (C12P 21/02 C12R 1:19) (72)発明者 中込 和哉 富山県富山市五福末広町2556−4医薬大 宿舎 1−103 (72)発明者 細矢 博行 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技 術院生命工学工業技術研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/00 - 15/90 GenBank/EMBL/DDBJ SWISS−PROT/PIR

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号3記載のアミノ酸配列で示され
    るエリスロポエチン活性増強物質又は該アミノ酸配列に
    おいて1もしくは複数のアミノ酸が付加、欠失もしくは
    置換されており且つエリスロポエチン活性増強物質をも
    たらすアミノ酸配列をコードして成るDNA配列。
  2. 【請求項2】 DNA配列が配列番号2記載のものであ
    る、請求項1記載のDNA配列。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のDNA配列を含む
    組み換え体DNA。
  4. 【請求項4】 請求項3の組み換え体DNAで形質転換
    された形質転換微生物。
  5. 【請求項5】 請求項4の形質転換微生物を培地に培養
    して、培養物からエリスロポエチン活性増強物質を採取
    することを特徴とするエリスロポエチン活性増強物質の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 配列番号3記載のアミノ酸配列を含むエ
    リスロポエチン活性増強物質。
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