JP2822672B2 - 図形描画方法および装置 - Google Patents

図形描画方法および装置

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JP2822672B2 JP2407598A JP40759890A JP2822672B2 JP 2822672 B2 JP2822672 B2 JP 2822672B2 JP 2407598 A JP2407598 A JP 2407598A JP 40759890 A JP40759890 A JP 40759890A JP 2822672 B2 JP2822672 B2 JP 2822672B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グラフィック表示方法
およびその装置に係わり、特に図形データを描画する制
御方式に関する。一般にグラフィック表示装置では、ユ
ーザが表示したい図形の形状や色などの情報を図形リス
トとして記述し図形リストを記述された順番に処理し
て最終的に画面に絵を表示させている。近年、このグラ
フィック表示装置は三次元空間上に定義された図形デー
タを処理する三次元処理装置が一般的となり、建築物や
部品の設計、シミュレーションなどに用いられている。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的な三次元グラフィック表示
装置を図9を用いて説明する。同図において、ホスト1
は、多角形頂点の座標値などの図形データや、視点、光
源、座標変換行列などの属性データが記述されている図
形リスト2の編集と、それらのデータの幾何変換処理部
3への転送をユーザの指示によって行う。幾何変換処理
部3は入力される属性データの設定や図形データに対す
る座標変換、色計算、クリッピングなどの幾何変換処理
を行う。その際、図形データのX座標がディスプレイや
プリンタなどの表示部7の横軸方向の位置になるよう
に、図形データのY座標が表示部7の縦軸方向の位置に
なるように、図形データのZ座標が視点からの距離つま
り奥行情報になるように座標変換を施すのが一般的であ
る。
【0003】描画部4は幾何変換処理部3によって処理
された多角形の頂点データに基づき、多角形内部の画素
に対する奥行情報や色値を計算する。Zバッファ5は各
画素に対する奥行情報を記憶する手段である。フレーム
バッファ6は各画素に対する色調情報を記憶する手段で
ある。描画部4は現在処理している画素の奥行情報とそ
の画素に対してZバッファに記憶されている奥行情報と
を比較し、現在処理している図形が手前にあると判定し
た場合、Zバッファの奥行情報とフレームバッファの色
調情報を現在処理している画素の奥行情報と色調情報と
に更新する。表示部7はディスプレイやプリンタやプロ
ッタなどで、フレームバッファの画素データを表示する
手段であり、処理結果を画像として提供する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなグラフィッ
ク表示装置では、同一平面上に複数の多角形が定義され
た場合、例えば、室内の壁として定義された多角形上に
壁絵や文字などを多角形で定義した場合など、Zバッフ
ァの精度により必ずしもユーザの要求通りに表示されな
い場合がある。これを図10を用いて説明する。図10
(a)は幾何変換処理部3によって座標変換された2つ
の多角形の頂点データで、☆は多角形1の頂点の色値
を、★は多角形2の頂点の色値を示す。これらの多角形
に対して、Zバッファ5の精度にしたがって多角形内部
のZ値を補間すると図10(b)の左図のようになり、こ
れにしたがいフレームバッファに描画した結果は(b)
の右図のようになる。このように、多角形2の内部の一
部が多角形1の色値で塗り潰されてしまう結果となる。
なおこの例ではデータの処理順序を多角形1、多角形2
の順とし、Z値の判定処理は処理している画素のZ値が
Zバッファから読み出したZ値より小さいか等しい場
合、Zバッファおよびフレームバッファの値を更新する
ものとしている。本発明は、上記の点に鑑みてなされた
もので、同一平面上に重なって存在する図形データをユ
ーザの要求通り正しく表示させる図形描画方法および装
置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の図形描画方法は、図形の奥行データに基づ
き視点に近い画像を表示用記憶部に描画する方法におい
て、同じ面で複数の図形データが重なる場合には同じ面
で重なりがあることを示す情報と同じ面における表示順
位を示す情報を有する図形データを入力し、入力した図
形データに同じ面で重なりがあることを示す情報がある
場合には、同じ面における表示順位を示す情報に基づき
視点に近い画像を表示用記憶部に描画し、入力した図形
データに同じ面で重なりがあることを示す情報がない場
合には、図形の奥行データに基づき視点に近い画像を表
示用記憶部に描画するようにしたものである。
【0006】次に本発明の図形描画装置の原理を図1を
用いて説明する。同図において、5は図形データの奥行
情報を格納する奥行記憶部、51は接平面記憶部で図形デ
ータが同じ平面で他の図形データと重なっているときそ
の平面で重なりがあることを表す接平面情報を格納す
る。52は優先度記憶部で同一平面で重なりがある場合そ
の平面における表示順位を示す優先度情報を格納する。
6は図形データの色調情報を格納する色調記憶部、7は
表示部でこの色調記憶部6の色調を表示する。4は描画
部でこれら記憶部5,51,52,6の内容を更新し、表示
部7に3次元表示をする。
【0007】描画部4は、入力図形データが接平面情報
を有しない場合、または有してもその接平面情報と接平
面記憶部51に格納されている接平面情報とが異なる平面
の情報である場合、入力図形データの奥行が奥行記憶部
5に格納された図形データの奥行より視点に近い奥行を
有する図形データ部分について各記憶部5,51,52,6
に記憶された内容をこの入力図形データで更新し、入力
図形データが接平面情報を有し、かつその接平面情報と
接平面記憶部51に格納されている接平面情報とが同一平
面の情報である場合、入力図形データの優先度情報と優
先度記憶部52に格納される優先度情報を比較し、入力図
形データの優先度情報が高い場合、その高い部分につい
て各記憶部5,51,52,6に記憶された内容をこの入力
図形データで更新する。
【0008】また、入力図形データが視点と反対側にあ
る反視点に向いた裏面データである場合、優先度情報の
比較により優先度の低い入力図形データの部分について
各記憶部5,51,52,6に記憶された内容をこの入力図
形データで更新する。
【0009】
【作用】上記構成により、同じ平面上に図形が重なって
存在しないときは、奥行情報によって画像を制御する
が、同じ平面上に図形が重なっているとき、その重なっ
ている図形同志は接平面情報により確認でき、確認後は
接平面情報と一緒に入力される優先度情報により優先度
の高い図形データを表示するので、図10で説明した様な
奥行値が離散値をとるために生ずる不都合な表示を排除
することができる。
【0010】また、図面データが裏面データある場合
は、優先度の低い方を評価することにより裏面図形デー
タも表面図形データと同様に処理できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図2は本実施例の構成を示すブロック図である。
同図において、ホスト1はワークステーションによって
実現され、図形リストメモリ2に格納されている属性デ
ータ、図形データを幾何変換プロセッサ3に転送する。
幾何変換プロセッサ3は、浮動少数点の積和演算が可能
なDSP(Digital Signal Processor) で実現され、図
形データに対して座標変換、色計算、クリッピング、表
裏判定の処理を実行し、処理結果を整数化して描画プロ
セッサ411 に転送する。描画プロセッサ411 はプログラ
ムメモリ412 に記述された制御手順にしたがって、制御
部413 が入力図形データに対する処理を制御する。制御
部413 は読み出し命令のアドレスを示すプログラムカウ
ンタ、命令を取り込むインストラクションレジスタ、命
令を解読するデコーダ、制御信号を発生するコントロー
ラなどによって構成される。
【0012】表裏レジスタ414 は図形データの表裏結果
を格納するレジスタで1ビット幅である。レジスタ415
の上位8ビットは入力図形データのラベル値を格納する
レジスタであり、その8ビットのうち上位4ビットは接
平面ラベルを、下位4ビットは優先度ラベルを示す。つ
まり、15種類の同一平面につき16段階の優先度の制御が
可能である。ここで接平面ラベルとは、同じ平面上に図
形データが重なっているときこの重なっている各図形デ
ータにその平面で他の図形データと重なりがあることを
示すラベルであり、優先度ラベルとはそのように一つの
平面上で図形データが重なっているとき、表示する図形
データの優先順位を示すラベルである。
【0013】レジスタ415 の下位24ビットは色値8ビッ
トとZ値16ビットにフィールド分割されており、DDA
(Digital Differential Analyzer )部417 によって計
算された多角形内部の各画素の色値とZ値が格納され
る。またレジスタ415 の値は32ビットデータとして内部
データバス421 と結合され、かつ、演算器418 の入力に
もなっている。アドレス発生器419 はDDA部417 によ
って展開された各画素のXY座標により、バッファメモ
リ5をアクセスするアドレスを発生する。データレジス
タ416 はバッファメモリ5やデータメモリ422 から読み
出したデータを格納するレジスタであり、演算器418 の
入力になる。演算器418 は制御部413 の制御にしたが
い、各ラベル値の比較やZ値の比較などを行う。演算結
果レジスタ420 は演算器418 の結果を格納するレジスタ
である。データメモリ422 は演算のワーク領域として使
用される。
【0014】バッファメモリ5は、各画素に対して32ビ
ットのデータ幅を持ち、図3に示すように上位4ビット
に接平面ラベル値、次の4ビットに優先度ラベル値、次
の8ビットに色値、下位16ビットにZ値が記憶される。
D/A変換器71はバッファメモリ5の色値をアナログ信
号に変換しモニタ72に出力し、モニタ72は処理画像を表
示する。なお、バッファメモリ5はZ値を格納するZバ
ッファ、接平面ラベルを格納する接平面バッファ、優先
度ラベルを格納する優先度バッファ、色調を格納するフ
レームバッファよりなる。
【0015】次に具体例を用いて本実施例の作用を説明
する。幾何変換処理を施された3つの多角形の頂点デー
タを図4に示す。多角形1,2は互いに平行な多角形
で、多角形3は多角形2の上に張りつけられているもの
とする。ただし、Zバッファの精度により、多角形2と
多角形3のZ値は必ずしも一致していないものとする。
多角形2,3には接平面ラベル値1を割り当て、多角形
2には優先度ラベル値1を、多角形3には優先度ラベル
値2を割り当てる。ここで優先度ラベル値が高い方が表
示優先度が高いことを示す。また、多角形1は他の多角
形と重ならないので接平面ラベル値0を割り当てる。初
期状態でフレームバッファ、接平面バッファ、優先度バ
ッファは0にクリアしておき、Zバッファは視点に対し
て最も奥の情報、ここではZバッファの精度を3ビット
としZ値=7を格納しておく。
【0016】図5は多角形1を処理した後の各バッファ
の内容である。多角形1の接平面ラベルは0であり他の
図形と重ならないのでZ値判定による描画が行われる。
図6は多角形2を処理した後の各バッファの内容であ
る。多角形2の接平面ラベルは1なので描画プロセッサ
411 によって展開された各画素に対して、接平面バッフ
ァから対応する画素の接平面ラベル値が読み出される。
この場合、各画素の接平面ラベル値は0なのでZ値判定
による制御が行われ、多角形1と重ならない領域のバッ
ファが更新される。
【0017】図7は多角形3を処理した後の各バッファ
の内容である。多角形3の接平面ラベル値は1なので描
画プロセッサ411 によって展開された各画素に対して、
接平面バッファから対応する画素の接平面ラベル値が読
み出され、多角形2と重なる部分は、優先度バッファに
記憶されている優先度ラベル値1との比較により、各バ
ッファの内容が更新され、多角形1と重なる部分はZ判
定により、各バッファの内容は更新されない。
【0018】次に、図形データの表裏の制御について説
明する。図8は、多角形の表裏の制御を説明する図であ
る。(a)のベクトルは多角形1,2の向きを示してい
る。これらの多角形に対して座標変換を施した結果、
(b)のように多角形が視点に対して裏を向いている場
合、多角形1の上に定義された多角形2は描画してはな
らない。したがって、裏を向いている多角形に対して
は、優先度ラベルの比較判定を行う際、判定時の処理を
表の場合と逆にしなければならない。つまり、優先度の
低いものを表示するように制御する。
【0019】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、同じ平面上に図形データが重なっている場合、接平
面情報と優先度情報を用いることによりユーザの意図し
た図形を表示するようにしたので、奥行を離散値で扱う
ことにより同一平面で重なったデータを表示する場合の
不都合を排除することができる。さらに、全ての図形デ
ータ間に表示優先順位を付与し、表示優先順位に関する
情報のみで描画処理を行うのに比べると、複雑な形状の
図形データを描画したり部分的に図形データを変更する
場合にも同じ面で重なり合う図形データについて表示順
序を意識して、同じ面で重なりがあることを示す情報と
表示順序を示す情報を付与すればよく、描画処理を著し
く簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】本発明の実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】バッファデータのビットフィールド構成図であ
る。
【図4】実施例の作用を説明する多角形の頂点データを
示す図である。
【図5】多角形1処理後の各バッファの内容を示す図で
ある。
【図6】多角形2処理後の各バッファの内容を示す図で
ある。
【図7】多角形3処理後の各バッファの内容を示す図で
ある。
【図8】多角形の表裏制御を説明する図である。
【図9】従来のグラフィック表示装置の構成を示す図で
ある。
【図10】従来技術の問題点を説明する図である。
【符号の説明】
1 ホスト 2 図形リスト 3 幾何変換処理部 4 描画部 5 奥行記憶部 51 接平面記憶部 52 優先度記憶部 6 色調記憶部 7 表示部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G06T 15/40 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 図形の奥行データに基づき視点に近い画
    像を表示用記憶部に描画する方法において、同じ面で複数の図形データが重なる場合には同じ面で重
    なりがあることを示す情報と同じ面における表示順位を
    示す情報を有する図形データを 入力し、入力した図形データに同じ面で重なりがあることを示す
    情報がある場合には、同じ面における表示順位を示す情
    報に基づき視点に近い画像を表示用記憶部に描画し、 入力した図形データに同じ面で重なりがあることを示す
    情報がない場合には、図形の奥行データに基づき視点に
    近い画像を表示用記憶部に描画する ことを特徴とする
    形描画方法。
  2. 【請求項2】 図形データの奥行情報を格納する奥行記
    憶部と、 図形データが同じ平面で他の図形データと重なっている
    ときその平面で重なりがあることを表す接平面情報を格
    納する接平面記憶部と、 同一平面で重なりがある場合その平面における表示順位
    を示す優先度情報を格納する優先度記憶部と、 図形データの色調情報を格納する色調記憶部と、 入力図形データ接平面情報と前記接平面記憶部格納
    されている接平面情報とが同一平面の情報である場合、
    入力図形データの前記優先度情報と前記優先度記憶部
    格納されている優先度情報を比較し、入力図形データの
    優先度情報が高い場合、その高い部分について前記奥行
    記憶部前記接平面記憶部前記優先度記憶部および
    記色調記憶部記憶された内容をこの入力図形データで
    更新する描画部と を備えたことを特徴とする図形描画
    置。
  3. 【請求項3】 入力図形データが視点と反対側にある反
    視点に向いた裏面データである場合、前記優先度情報の
    比較により優先度の低い入力図形データの部分について
    前記奥行記憶部前記接平面記憶部前記優先度記憶部
    および前記色調記憶部記憶された内容をこの入力図形
    データで更新することを特徴とする請求項2記載の図形
    描画装置。
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