JP2822639B2 - 電子装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は電子装置に関し、殊にプリント基板を収容す
る電子装置に関する。

（従来の技術） 第７図は従来の電子装置の斜視図、第８図はその電子
装置の拡大図である。第７図、第８図において、１は筐
体、２はプリント基板、３は例えば人体から放出する静
電気によりプリント基板２上に発生した静電気を集める
アース部材、４はネジ、５はプリント基板の挿抜時にガ
イドになる案内部材、６は筐体内部に設けられ上記案内
部材５を対向して保持したフレーム、７はプリント基板
２上に発生した静電気を筐体１の外部に放出するために
フレーム６に設けられたアース端子、８はプリント基板
２上に実装されているコネクタであり、このコネクタ８
はアース部材３にビス４で取付けられて電気的に導通し
ている。

第９図は前記従来の電子装置の動作を説明する斜視図
であり、まず、プリント基板２にアース部材３をネジ４
で取付けた後、このプリント基板２を案内部材５に沿っ
て筐体１に挿入した後、アース部材３の両端部をネジ４
によってフレーム６に組付け固定する。

上記の組付け状態において、プリント基板２上のコネ
クタ８に発生した操作者である人体からの静電気は、ア
ース部材３、フレーム６を通じてアース端子７から筐体
外部へ放出する。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、上記のような構成では、プリント基板
２の挿抜時には、アース部材３をフレーム６に固定して
いるネジ４の取り外し作業が必要で、プリント基板の挿
抜作業が面倒であった。

したがって、本発明は上記のような従来の問題を解消
できる電子装置を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） このために本発明は、プリント基板上に円弧状に突設
された導電性アース部材と、前記プリント基板を収容す
る筐体と、前記筐体の内部に設けられたフレームと、前
記フレームの対向二辺に設けられ前記プリント基板の挿
抜時にガイドとなる案内部材と、前記フレームに切起し
形成され、前記案内部材の穴に嵌入して前記プリント基
板の案内路に対面して、前記プリント基板を保持すると
ともに電路を形成する端子片と、前記プリント基板上に
発生した静電気を前記筐体外部に放出するように前記フ
レームに設けられたアース端子とから電子装置を構成し
たものである。

（作用） 上記構成において、プリント基板を案内部材に沿って
筐体内に挿入すると、このプリント基板に突設した円弧
状のアース部材がフレームの切り起こし部に圧接して、
プリント基板の保持と電路形成とが同時に行われる。

この結果、ネジの取り外し作業を全く要することな
く、プリント基板を自由に筐体に対し挿抜することがで
き、プリント基板の挿抜作業が簡単である。しかもプリ
ント基板上に発生した静電気を筐体外部に確実に放出す
ることができ、プリント基板上の電気部品を破壊するこ
とを防止できる。

（実施例） 次に、図面を参照しながら本発明の実施例を説明す
る。

第１図は本発明電子装置の斜視図であり、前記第７図
乃至第９図と同一部分には同一符号を付して重複説明を
省略する。第１図において、８はコ字形中央部を円弧状
とした弾性を有する導電性のアース部材、６−ａはフレ
ーム６に切り起こし形成され、第６図に示すように案内
部材５の穴５−ａに嵌入して、この案内部材５のプリン
ト基板２の案内路に対面して設けられた端子片、２−ｃ
はプリント基板２上に設けられた電路パターンである。

第２図はアース部材９を各面から見た図であり、この
アース部材９のコ字形の一方の脚片９−ａは円弧状の中
央部に対し略直角に折曲げられている。また、他方の脚
片９−ｂはその中央部に対して略直角に折曲げられると
ともにＴ字形に形成されて係止部10が設けられている。

第３図は、アース部材９を取付けるプリント基板２の
取付け部の拡大斜視図であり、第３図において、２−ａ
はプリント基板２に設けられた第１の取付け穴であり、
この穴２−ａにアース部材９の一方の脚片９−ａを差し
込んでハンダ付け固定する。２−ｂはプリント基板２に
設けられた第２の取付け穴であり、アース部材９の他方
の脚片９−ｂを差し込んで穴内の凸部２−ｄに係止部10
を係止させてハンダ付け固定する。また、電路パターン
２−ｃはアース部材９の脚片９−ａ及びコネクタ８と電
気的に導通している。

なお、第１の取付け穴２−ａの高さＷと第２の取付け
穴２−ｂの高さＸの大小関係はＷ＞Ｘで、アース部材９
の脚片９−ａの高さＺと脚片９−ｂの高さＹの大小関係
はＺ＞Ｙであり、このことにより逆挿入を防止すること
ができる。

また、脚片９−ｂは係止部10が突部２−ｄに係止して
いるので、脚片９−ｂがスライドした時にプリント基板
２から外れることを防止している。

第４図乃至第６図は、プリント基板２の組付け動作を
説明する図である。第４図、第５図の状態を経て第１図
に示すように、アース端子９が端子片６−ａに圧接する
位置まで、プリント基板２を矢印Ａ方向に案内部材５に
沿って筐体１に挿入する。

この挿入過程において、アース部材９が案内路の壁面
に圧接して矢印Ｂ方向に伸ばされるとともに矢印Ｃ方向
に圧縮されるため、プリント基板２上に発生した静電気
を筐体１の外部に放出する電路が形成されるとともにプ
リント基板２の組付け保持が行われる。

そして、アース端子３が上記のように、矢印Ｃ方向に
圧縮されるにともない、アース端子の脚片９−ｂが筐体
１の内側方向へスライドし、プリント基板２の第１の取
付け穴２−ａにかかる力を軽減でき、プリント基板２の
割れを防止できる。

また、第１図の状態に組み付けられたプリント基板２
を取り外すには、プリント基板２を矢印Ａ方向に案内部
材５に沿って引き出せばよい。

（発明の効果） 以上説明したように本発明は、プリント基板上に円弧
状に突設された導電性アース部材と、前記プリント基板
を収容する筐体と、前記筐体の内部に設けられたフレー
ムと、前記フレームの対向二辺に設けられ前記プリント
基板の挿抜時にガイドとなる案内部材と、前記フレーム
に切起し形成され、前記案内部材の穴に嵌入して前記プ
リント基板の案内路に対面して、前記プリント基板を保
持するとともに電路を形成する端子片と、前記プリント
基板上に発生した静電気を前記筐体外部に放出するよう
に前記フレームに設けられたアース端子とから電子装置
を構成しているので、プリント基板上の電気部品の静電
気による破壊を防止でき、そのことに基づく筐体内部の
操作性やプリント基板の挿抜性及び固定についてその実
用効果は大なるものがある。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の実施例における電子装置を示す斜視
図、第２図はアース部材を各面から見た図、第３図はプ
リント基板のアース部材取付け部の拡大斜視図、第４
図、第５図はプリント基板の組付け動作の説明図、第６
図はプリント基板の組付け時におけるアース部材の変形
状態を示す断面図、第７図は従来の電子装置の斜視図、
第８図は第７図の一部を切欠いた斜視図、第９図はその
電子装置の組付け動作を示す斜視図である。 １……筐体 ２……プリント基板 ５……案内部材、 ６……フレーム ７……アース端子 ９……アース部材

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】プリント基板を筐体内部に収容する電子装
   置であって、 導電性を有し、筐体内部において相対向して設けられた
   対を成すフレームと、 導電性を有し、前記フレームより突設して設けられた端
   子片と、 前記フレームの夫夫に設けられ前記プリント基板の挿抜
   時にガイドとなると共に、その一部に前記端子片が嵌入
   する穴が形成された案内部材と、 プリント基板に配設され、その一端がプリント基板上の
   電路パターンにハンダにより固定され、他端がプリント
   基板に形成された取り付け穴を貫通すると共にその取り
   付け穴に遊嵌しているアース部材とを備え、 前記端子片を前記案内部材の穴に嵌入して前記プリント
   基板に固定された前記アース部材に接触させて前記プリ
   ント基板を前記案内部材内に固定し、前記プリント基板
   上に発生した静電気を前記アース部材、電気端子片を介
   してアースするように構成したことを特徴とする電子装
   置。