JP2822246B2 - 静電潜像現像用湿式現像剤 - Google Patents

静電潜像現像用湿式現像剤

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子写真プロセス等において静電潜像を現
像するための静電潜像現像用湿式現像剤に関するもので
ある。
〔発明の概要〕
本発明は、湿式現像剤に含まれる着色剤粒子をイソシ
アネート基を有するアクリル系モノマーにより表面処理
するとともに、このアクリル系モノマーに樹脂成分を共
重合することで、着色剤粒子と樹脂成分,さらには電荷
供与剤とから構成される帯電構造を強固なものとなし、
着色剤粒子の電荷特性を確保し良好な現像特性を実現可
能とするものである。
〔従来の技術〕
画像形成技術の分野において、一様に帯電させた光導
電体上に画像信号に応じて選択的に光照射を行い、形成
された静電潜像を現像する方式は一般に電子写真プロセ
スと呼ばれている。この電子写真プロセスには、大別し
て乾式現像法と湿式現像法とがある。
乾式現像法は、原理的に静電潜像に単に着色剤の粉末
を散布し付着させるだけなので、取り扱い性および現像
トナー剤の保存性に優れるという長所を有している。し
かしながら、電子スチル写真を印画するビデオプリンタ
等に見られるごとく、近年高まりつつある高品位画像へ
の要望に対応するには、湿式現像法に一歩譲らざるを得
ないのが実情である。
これに対して湿式現像法は、着色剤としての染料ある
いは顔料を絶縁性媒体中に分散させた液体現像剤を使用
する方式である。湿式現像法によれば、銀塩写真に匹敵
する解像度と階調を得ることが可能であるほか、特に着
色剤としてが顔料を使用した場合には形成された画像の
耐候性に優れており、各方面で開発が進められている。
従来、湿式現像法に用いられる現像剤としては、絶縁
性媒体が例えば飽和炭化水素系のアイソパーG(エッソ
社製)等に代表される常温で液体状の物質である湿式現
像剤(以下、液体トナーと称する。)が広く知られてい
る。
さらには、常温で固体で加熱により液化する電気絶縁
性有機物に着色剤粒子等を分散させ、液体トナーにおけ
る取り扱い難さ、メンテナンスの煩雑さ、保存性の悪さ
等の問題点を解決した湿式現像剤(以下、固形トナーと
称する。)も本願出願人によって特願昭63−156846号明
細書において既に提案されている。
この固形トナーは、保存時には固体であるため取り扱
い容易で組成変化が少ない等の利点を有し、また使用時
には適当な加熱手段により溶融状態とすることで通常の
液体現像剤と同様の湿式現像が可能である。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、前述の湿式現像法において使用される湿式
現像剤においては、液体トナーにおいても固形トナーに
おいても着色剤粒子に吸着して電荷供与剤を取り込むた
めの樹脂成分が加えられている。そして、従来かかる樹
脂成分として用いられるポリマーとしては、無極性溶媒
に対する溶解性を高める目的で、スチレンやドデシルア
クリレート等の共重合体が主流である。
しかしながら、前述の共重合体を樹脂成分とした場合
には、着色剤粒子に対する吸着性や感光体フィルムへの
定着性が十分でなく、満足すべき解像性,階調性及び定
着性は得られていないのが実情である。特に固形トナー
では、現像時に加熱する必要があることから、常温での
帯電構造が崩れる傾向にあり、高解像度は得られていな
い。
そこで本発明は、上述の従来の実情に鑑みて提案され
たものであって、湿式現像剤に用いられる樹脂成分の着
色剤粒子への吸着特性を改良することを目的とし、これ
によって着色剤粒子の電荷特性に優れ、解像性,階調
性,定着性に優れた静電潜像現像用湿式現像剤を提供す
ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、樹脂成分と着色剤粒子との相互作用に
重点を置いて種々の検討を行ったところ、着色剤粒子の
表面にイソシアネート基を有するアクリル系モノマーを
作用させ、さらにこのアクリル系モノマーに樹脂成分を
共重合させることで、樹脂成分と着色剤粒子とを化学的
に結びつけることができ、帯電構造を強固なものとする
ことができるとの知見を得るに至った。
本発明は、このような知見に基づいて完成されたもの
であって、分散媒と着色剤粒子と樹脂成分と電荷供与剤
とを含有してなり、前記着色剤粒子かイソシアネート基
を有するアクリル系モノマーにより表面処理されるとと
もに該アクリル系モノマーに樹脂成分が共重合されてい
ることを特徴とするものである。
イソシアネート基を有するアクリル系モノマーとして
は、次式(I) (ただし、Rは水素またはメチル基を表しnは2〜4の
整数である。) で示される化合物か好適である。
前記アクリル系モノマーにより着色剤粒子を表面処理
すると、着色剤粒子の表面に存在する水酸基,アミノ基
等と反応して、当該表面の化学的に結合される。
したがって、着色剤粒子としては、その表面に水酸
基,アミノ基等を有することが好ましいが、前記イソシ
アネート基の反応性が極めて高いために必ずしもこれら
官能基がなくともよい。
このような観点から、使用可能な着色剤粒子として
は、従来公知の無機顔料、有機顔料、染料およびこれら
の混合物が挙げられる。
例えば無機顔料としては、クロム系顔料、カドミウム
系顔料、鉄系顔料、コバルト系顔料、群青、紺青等が挙
げられる。また、有機顔料や染料としては、ハンザイエ
ロー(C.I.11680)、ベンジジンイエローG(C.I.2109
0)、ベンジジンオレンジ(C.I.21110)、ファーストレ
ッド(C.I.37085)、ブリリアンドカーミン3B(C.I.160
15−Lake)、フタロシアニンブルー(C.I.74160)、ビ
クトリアブルー(C.I.42595−Lake)、スピリットブラ
ック(C.I.50415)、オイルブルー(C.I.74350)、アル
カリブルー(C.I.42770A)、ファーストスカーレット
(C.I.12315)、ローダミン6B(C.I.45160)、ローダミ
ンレーキ(C.I.52160−Lake)、ファーストスカイブル
ー(C.I.74200−Lake)、ニグロシン(C.I.50415)、カ
ーボンブラック等が挙げられる、これらは単独でも2種
以上の混合物としても用いることができ、所望の発色を
有するものを選択して使用すればよい。
着色剤粒子の表面には、先のイソシアネート基を有す
るアクリル系モノマーによる表面処理によって当該アク
リル系モノマーが化学的に結合されているが、本発明に
おいては、さらにこのアクリル系モノマーに重合可能な
モノマーを共重合せしめ、これを樹脂成分とする。
前記アクリル系モノマーと共重合可能なモノマーとし
ては、メチルアクリレート,エチルアクリレート,プロ
ピルアクリレート,イソプロピルアクリレート,ブチル
アクリレート,イソブチルアクリレート,ペンチルアク
リレート,ヘキシルアクリレート,ヘプチルアクリレー
ト,オクチルアクリレート等のアクリル酸エステル、メ
チルメタクリレート,エリルメタクリレート,プロピル
メタクリレート,イソプロピルメタクリレート,ブチル
メタクリレート,イソブチルメタクリレート,ペンチル
メタクリレート,ヘキシルメタクリレート,ヘプチルメ
タクリレート,オクチルメタクリレート等のメタクリル
酸エステル、スチレン、酢酸ビニル、ビニルトルエン、
アクリロニトリル等が挙げられる。勿論、これに限らず
アクリル性二重結合と共重合可能な二重結合を有するモ
ノマーがいずれも使用可能である。
また、特に電荷供与剤に対する相互作用を増大する目
的で、前記アクリル系モノマーと共重合される樹脂成分
がポリオキシエチレン構造を側鎖に有するような構造と
なるようなモノマーを選択してもよい。
ポリオキシエチレン構造は、−O−CH2CH2−なる繰り
返し単位を有するもので、その酸素原子によって配位場
が形成される。この場合、共重合体の側鎖に導入されて
いることが必要で、前記ポリオキシエチレン構造が主鎖
に導入されていても配位場の形成による効果は期待でき
ない。
特に分散媒への相溶性やカルボキシル基による配位場
の形成等を考慮すると、次式(II)で示すようなアクリ
レート系の共重合体とすることが好適である。
ただし、前記式(II)で表される共重合体において、
R1,R2,R3はいずれも水素またはメチル基を表し、jは1
〜3の整数、mは10〜30の整数を表す。なお、j,mにつ
いては、前記範囲内で2種以上の数のものが複合されて
いてもよい。
また、x,y,zは各モノマーの構成比を示すものである
が、xは0.2〜0.8、yは0.2〜0.8、zは0.001〜0.05と
することが好ましい。xの値が前記範囲を外れるとエス
テル結合部分による配位場が減少して電荷供与剤を取り
込み難くなり、またyの値が前記範囲を外れると分散媒
に対する溶解性等の問題が生ずる。さらに、zの値が0.
001未満であると、ポリオキシエチレン構造の導入によ
る効果が不足し、逆に0.05を越えると溶解性が低下す
る。
一方、ポリオキシエチレン構造における単位ユニット
の繰り返し数nは、2〜6とすることが好ましい。nが
あまり大きすぎると無極性溶媒に溶解し難くなり、小さ
すぎると溶解性は向上するものの官能基としての作用が
減少してしまう。
上述の共重合体の分子量は、数平均分子量Mwで3000〜
100000であることが好ましく、5000〜50000であること
がより好ましい。
ポリオキシエチレン構造を有する共重合体は、それ自
身着色剤粒子に対する吸着性に優れるばかりか、電荷供
与剤に対する相互作用にも優れる。
これは、第1図に示すように、共重合体の側鎖に存在
するポリオキシエチレン鎖があたかもクラウンエーテル
のような挙動を示し、当該ポリオキシエチレン鎖で形成
される配位場に電荷供与剤の金属イオンが取り囲まれる
ことによる。
また、前記共重合体では、アクリル系モノマーに由来
するエステル結合部分のカルボキシル酸素によっても配
位場が形成され、第2図に示すように、この部分でも金
属イオンが取り囲まれる。
したがって、前記(II)式で示される共重合体を樹脂
成分とすることで、電荷供与剤との相互作用が確保さ
れ、着色剤粒子の電荷特性が改善される。
本発明は湿式現像剤は、前述の着色剤粒子,樹脂成分
の他、分散媒や電荷供与剤,電荷増強剤等を含有する
が、先ず分散媒としては電気絶縁性有機物であれば常温
で液状であるか固形であるかを問わない。要は現像時に
液化すればよい。
液状の電気絶縁性有機物としては、例えば脂肪族炭化
水素,脂環式炭化水素,芳香族炭化水素,ハロゲン化炭
化水素,ポリシロサン類等が使用でき、揮発性や安全
性,毒性,臭気等の点からイソパラフィン系石油溶剤が
好適である。イソパラフィン系石油溶剤としては、アイ
ソパーG,アイソパーH,アイソパーL,アイソパーK(いず
れもエッソ社製),シェルゾール71(シェル石油社製)
等を挙げることができる。
固形の電気絶縁性有機物の場合、その融点は、通常の
使用環境や取り扱い性を考慮して30℃以上とし、より好
ましくは40℃以上である。融点の上限は特に規定される
ものではないが、実用的にはおよそ100℃、より好まし
くは80℃以下である。この理由は、融点があまり高過ぎ
ても加熱に余分なエネルギーを消費すること、基体上に
保持して使用する場合に基体として一般に使用される材
料の耐熱温度を超えてはならないこと等を考慮したこと
による。
これらの要求を満たす材料としては、パラフィン類、
ロウ類、およびこれらの混合物が挙げられる。まず、パ
ラフィン類としては、ノナデカンからヘキサコンタンに
至る炭素数19−60と各種の正パラフィンがある。またロ
ウ類としては、カルナウバロウ、綿ロウ等の植物ロウ、
ミツロウ等の動物ロウ、オゾケライト、およびパラフィ
ンロウ、微晶ロウ、ペトロラタム等の石油ロウ等が挙げ
られる。これらの材料は、誘電率εが1.9〜2.3程度の誘
電体である。
さらには、ポリエチレン、ポリアクリルアミドや、ポ
リn−ステアリルアクリレート、ポリn−ステアリルメ
タクリレート等のポリアクリレートのホモポリマーある
いはコポリマー(例えばコポリn−ステアリルアクリレ
ートエチルメタクリレート等)等の側鎖に長いアルキル
基を有する結晶性高分子も使用可能であるが、加熱時の
粘度等を考慮すると先のパラフィン類、ロウ類が好適で
ある。
さらに、着色剤粒子に直接結合される側鎖にポリオキ
シエチレン構造を有する樹脂成分の他、公知の樹脂材料
を適宜選択して併用することもできる。かかる樹脂材料
を例示すればブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴ
ム、環化ゴム、天然ゴム等のゴム等、スチレン系樹脂、
ビニルトルエン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネ
ート系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂等の合成樹脂類、ロ
ジン系樹脂、水素添加ロジン系樹脂、アマニ油変成アル
キド樹脂等の変成アルキドを含むアルキド樹脂類、ポリ
テルペン類等の天然樹脂類等が挙げられる。その他、フ
ェノール樹脂類、フェノールホルマリン樹脂等の変成フ
ェノール樹脂類、フタル酸ペンタエリトリット、クマロ
ン−インデン樹脂類、エステルガム樹脂類、植物油ポリ
アミド樹脂類等も有用であるし、ポリ塩化ビニル、塩素
化ポリプロピレン等のようなハロゲン化炭化水素重合体
類、ビニルトルエン−ブタジエン、ブタジエン−イソプ
レン等の合成ゴム類、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレー
ト、ラウリルアクリレート、アクチルアクリレート等の
長鎖アルキル基を持つアクリル系モノマーの重合体もし
くはそれらと他の重合性モノマーとの共重合体類(例え
ば、スチレン−ラウリルメタクリレート共重合体、アク
リル酸−ラウリルメタクリレート共重合体等)、ポリエ
チレン等のポリオレフィン類、ポリテルペン類等も使用
できる。
さらに、湿式現像剤には通常は電荷供与剤を添加す
る。使用可能な電荷供与剤は、例えばナフテン酸、オク
テン酸、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸
あるいはラウリン酸等の脂肪酸の金属塩、スルホコハク
酸エステル類の金属塩、油溶性スルホン酸金属塩、リン
酸エステル金属塩、アビエチン酸等の金属塩、芳香族カ
ルボン酸金属塩、芳香族スルホン酸金属塩等である。
また、着色剤粒子の帯電電荷を向上させるために、SI
O2、Al2O3、TiO2、ZnO、Ga2O3、In2O3、GeO2、SnO2、Pb
O2、MgO等の金属酸化物粒子やこれらの混合物を電荷増
強剤として添加しても良い。
前述の各成分の配合比であるが、先ず着色剤粒子は分
散媒1に対して0.01〜100gであることが好ましく、よ
り好ましくは0.1〜10gである。特に効率的な現像を行い
廃トナーの量を抑制するためには、分散媒に対する濃度
〔分散媒と着色剤との比率(希釈率)〕で2〜10重量%
とすることが好ましい。
なお、前記着色剤の濃度範囲は、あくまでも現像工程
における濃度であって、例えば保持時等にはより高い濃
度に濃縮されていても良い。
樹脂成分は、前記着色剤粒子と同量以下程度の範囲で
加えられ、前記着色剤粒子と同様分散媒1に対して0.
01〜100gであることが好ましく、より好ましくは0.1〜1
0gである。
また電荷供与剤は同じく1に対して通常0.001〜10
g、好ましくは0.01〜1gの範囲である。さらに電荷増強
剤は、着色剤粒子に対し重量比で2倍以下、好ましくは
同量以下の範囲で添加する。
〔作用〕
着色剤粒子をイソシアネート基を有するアクリル系モ
ノマーで表面処理すると、イソシアネート基が着色剤粒
子表面の水酸基,アミノ基等と反応し化学結合される。
そして、このアクリル系モノマーが化学結合された着
色剤粒子に対してアクリル基と共重合可能なモノマーを
作用させると、前記アクリル系モノマーのアクリル基側
の端部に共重合体が形成されて樹脂成分とされる。
ここで、前記樹脂成分は、イソシアネート基を有する
アクリル系モノマーを介して着色剤粒子に化学的に結合
されていることになり、例えば熱が加わっても着色剤粒
子から離脱することはなく、電荷供与剤とともに帯電構
造を強固に構成することになる。また、着色剤粒子の凝
集も抑えられ、高解像度,高階調性が得られる。
〔実施例〕
以下、本発明を具体的な実験結果に基づいて説明す
る。
表面処理トナーの調製 ここで用いたイソシアネート基を有するアクリル系モ
ノマーは、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート
〔(I)式においてn=2〕である。
着色剤粒子としてイエロートナー(3,3′−ジクロロ
ベンジジン)を用い、このイエロートナー5gとパラフィ
ン系溶媒(アイソパーH)50gとをジルコニウムポット
中,ジルコニウムビーズと共に8時間振盪し、さらに溶
媒を加えて500mlとした。
溶液を分割し、溶液中に含まれるトナー重量の5〜20
重量%のメタクリロイルオキシエチルイソシアネートを
添加し、表面を処理した。このとき、全てのトナーがイ
ソシアネート基と反応するように、超音波を印加しなが
らゆっくりと加えた。トナー(3,3′−ジクロロベジジ
ン)とメタクリロイルオキシエチルイソシアネートとの
反応式は下記の通りである。
トナー重量と等量のメチルアクリレート(79%モル
比),ステアリルアクリレート(20%モル比)及びメト
キシテトラエチレングリコールメタクリレート(1%モ
ル比)を加え、AIBNを重合開始剤として脱気した後、加
熱した。
約30時間反応後、乾燥空気を飽和させた。したがっ
て、最終的にはトナー表面にイソシアネートで直接結合
したポリマーが生成したことになる 樹脂の合成 ここで合成した樹脂は、イソシアネート基を有するア
クリル系モノマーで結合されることなく、単に現像剤中
に分散するためのものである。
アクリルモノマーを秤量し、0.5%の反応開始剤
〔α,α′−アゾビス(イソブチロニトリル)〕を加え
た。5倍量の溶媒(ジメチルホルムアミド)を加えた
後、真空ラインを使って脱気,封管した。70℃で18時間
反応させた後開管し、反応停止剤(ハイドロキノン)を
加え、n−ヘキサン・エタノール混合溶媒から3回沈澱
を行い精製した。溶媒を完全に取り除いた後、合成され
た樹脂と等量のトルエンを加え、分散させた後、保存し
た。
上述の合成方法に従って、第1表に示す樹脂を合成し
た。なお、これら樹脂は、メチルアクリレート,ステア
リルアクリレート,メトキシテトラエチレングリコール
メタクリレート(あるいはメトキシジエチレングリコー
ルメタクリレート)から合成されたものであり、先の
(II)式においてj=1,m=18である。また、前記メチ
ルアクリレートは樹脂のフレキシビリティの向上を目的
としてステアリルアクリレートはパラフィン系溶媒に対
する溶解度の向上の目的で共重合されている。
実験例1 現像液組成 トナー 1g;(表面処理した場合は1g相当の溶液を用い
た) FR−101,AS1−1およびAD2−2を用いる場合には樹脂
1g; 分散媒(アイソパー)1; 電荷供与剤(オクチル酸Zr、オクチル酸Ca)各20滴; 前述の組成により現像剤を調製し、電荷を測定した。
なお、FR−101,AS1−1,AD2−2を組成樹脂とする場合に
はオレイン酸で混練した、着色剤粒子としては表面処理
した物と同じイエロー顔料を用いた。結果を第2表に示
表面処理した後AD2−2の樹脂成分で重合した場合に
は、樹脂成分としてAD2−2を用いた場合より僅かに表
面電荷は下回っていた。
実験例2 次に分散媒をパラフィンとして50℃で電荷測定を行っ
た。結果を第3表に示す。
パラフィンを分散媒とした場合にも、比較的安定に高
温で表面電荷を保っていることがわかる。
実験例3 現像の解像度、階調性、および定着性を評価する目的
で実験例1で調製した現状液を用いて現像を行った。結
果を第4表に示す。
上の解像度は、一般的に現像が困難なイエロー顔料を
用いた場合の結果である。表面処理したのち重合を行っ
た顔料を用いた場合には極めて解像度がよく、70本/mm
以上の解像度が得られた。
実験例4 分散媒をパラフィンとして45℃で現像を行った。結果
を第5表に示す。
実験例5 分散媒をパラフィンとして55℃で現像を行った。結果
を第6表に示す。
実験例6 分散媒をパラフィンとして65℃で現像を行った。結果
を第7表に示す。
実験例7 分散媒をパラフィンとして75℃で現像を行った。結果
を第8表に示す。
以上の実施例は現像液の分散媒をパラフィンとしたと
きの結果であるが、75℃の高温までかなりよい現像特性
を示すことがわかる。
なお、同じ様な現像を、分散媒をアイソパーとした場
合にも行ったが、結果はほとんど同じであった。
以上のことから、表面処理したのちポリマー重合を行
った顔料を用いた現像液は、普通の湿式現像剤のみなら
ず、固形化トナー方式でも充分に安定な現像が行える優
れた現像剤である。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明において
は、樹脂成分をイソシアネート基を有するアクリル系モ
ノマーにより着色剤粒子に化学的に結合しているので、
樹脂成分と着色剤粒子の結びつきが非常に強固なものと
なり、帯電特性を確保することが可能である。
また、樹脂成分の離脱等による着色剤粒子の凝集等の
問題も解消することができ、解像度,階調性,定着性に
優れた湿式現像を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図はポリオキシエチレン構造による金属イオンの取
り込み状態を示す模式図であり、第2図はエステル結合
部における金属イオンの取り込み状態を示す模式図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−83057(JP,A) 特開 昭62−7718(JP,A) 特開 昭62−7717(JP,A) 特開 昭61−67867(JP,A) 特公 昭49−46266(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分散媒と着色剤粒子と樹脂成分と電荷供与
    剤とを含有してなり、 前記着色剤粒子がイソシアネート基を有するアクリル系
    モノマーにより表面処理されるとともに該アクリル系モ
    ノマーに樹脂成分が共重合されていることを特徴とする
    静電潜像現像用湿式現像剤。
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