JPH0561268A - 静電潜像現像用湿式現像剤 - Google Patents

静電潜像現像用湿式現像剤

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JPH0561268A
JPH0561268A JP3244850A JP24485091A JPH0561268A JP H0561268 A JPH0561268 A JP H0561268A JP 3244850 A JP3244850 A JP 3244850A JP 24485091 A JP24485091 A JP 24485091A JP H0561268 A JPH0561268 A JP H0561268A
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JP
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colorant particles
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compound
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JP3244850A
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English (en)
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Yuji Yakura
雄次 矢倉
Koichi Kawakado
浩一 川角
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 現像液に含有させる着色剤粒子2として、エ
ポキシ基を有する化合物で表面処理されるとともに、エ
ポキシ基と反応し得る官能基およびオキシエチレン基を
有する樹脂3と化学的に結合されているものを使用す
る。 【効果】 固形化湿式トナー方式現像剤等として使用し
た場合にも、解像度、階調性、定着性に優れた現像を行
うことが可能な静電潜像現像用湿式現像剤を得ることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真プロセス等に
おいて静電潜像を現像するための静電潜像現像用湿式現
像剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】画像形成技術の分野において、一様に帯
電させた光導電体上に画像信号に応じて選択的に光照射
を行い、形成された静電潜像を現像する方法は、一般に
電子写真プロセスと呼ばれている。この電子写真プロセ
スには、大別して乾式現像法と湿式現像法とがある。
【0003】乾式現像法は、原理的に静電潜像に単に着
色剤の粉末を散布し付着させるだけなので、取扱い性及
び現像トナー剤の保存性に優れるという長所を有してい
る。しかしながら、電子スチル写真を印画するビデオプ
リンタ等に見られる如く、近年高まりつつある高品位画
像への要望に対応するには、湿式現像法に一歩譲らざる
を得ないのが実情である。
【0004】これに対して湿式現像法は、着色剤として
の染料あるいは顔料を絶縁性媒体中に分散させた液体現
像剤を使用する方法である。湿式現像法によれば、銀塩
写真に匹敵する解像度と階調性を得ることが可能である
ほか、特に着色剤としての顔料を使用した場合には、形
成された画像の耐候性に優れており、各方面で開発が進
められている。
【0005】従来、湿式現像法に用いられている現像剤
としては、絶縁性媒体が、例えば、飽和炭化水素系アイ
ソパーG(エッソ社製)等に代表される常温で液体状の
物質である湿式現像剤(以下、液体トナーと称する。)
が知られている。また、特開平2−6966号公報にそ
の記載が見られるように、常温で固体であり加熱により
液化する電気絶縁性有機物に着色剤粒子等を分散させた
湿式現像剤(以下、固形トナーと称する。)も提案され
ている。この固形トナーは、保存時には固形であるた
め、取扱いが容易で組成変化が少ない等の利点を有して
いる。
【0006】このような湿式現像剤では、従来より着色
剤粒子を帯電させるために、スチレンやドデシルアクリ
レート等を繰り返し単位として含む共重合体などの樹脂
成分が用いられている。この樹脂成分は、現像剤中に分
散されて着色剤粒子との相互作用により複合体を形成し
ており、この樹脂成分に電荷供与剤が取り込まれてるの
で、着色剤粒子は樹脂成分を介して帯電されることがで
きる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
現像液においては、樹脂と着色剤粒子の吸着が不十分で
ある等の点から、以下のような多くの問題が生じてい
る。すなわち、これまでの現像液では着色剤粒子に対し
て2〜5倍量の樹脂成分を加える必要がある。このた
め、現像を繰り返すことによる組成変化や現像装置への
樹脂のこびりつき等が生じ易い。また、樹脂成分の着色
剤粒子への吸着は平衡状態であり、着色剤粒子に吸着し
ていない樹脂成分が多い場合には、静電潜像の現像に際
して、着色剤粒子に吸着していない樹脂成分の方が、着
色剤粒子よりも感光体へ結果的に早く泳動すると考えら
れ、これにより着色剤粒子の付着量が低下し、十分な現
像濃度が得られないことがある。
【0008】また、長時間保存する場合、着色剤粒子に
吸着していた樹脂成分が時間と共に脱着し、着色剤粒子
の凝集や沈殿が起こり、現像の際の解像度が著しく低下
したり、再使用不可能になるなどの問題もある。また、
着色剤粒子の濃度を高くすると着色剤粒子の凝集が起こ
り、現像の際に解像度が著しく低下してしまう。
【0009】このような現象は、現像時に分散媒を溶か
すために加熱する必要がある固形トナーにおいて、特に
顕著である。すなわち、固形トナーでは、加熱によって
樹脂成分の着色剤粒子への吸着平衡状態が崩れ易く、着
色剤粒子の凝集や定着性の低下が起こることがある。こ
のため、高解像度を得ることが困難となる。
【0010】そこで、本発明は、かかる従来の実情に鑑
みて提案されたものであって、良好な電荷特性、分散安
定性を示し、解像度、階調性に優れた現像が可能な静電
潜像現像用湿式現像剤を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等が前述の目的
を達成するために検討を行った結果、着色剤粒子の表面
をエポキシ基を有する化合物で処理するとともに、樹脂
として、アミノ基,カルボキシル基,水酸基等のエポキ
シ基と反応し得る官能基を有し、且つオキシエチレン基
を有するものを使用することにより、着色剤粒子と樹脂
の結合を強固なものとすることができ、着色剤粒子の電
荷特性,分散性が向上するとの知見を得るに至った。
【0012】本発明の静電潜像湿式現像剤は、このよう
な知見に基づいて完成されたものであり、分散媒と着色
剤粒子と電荷供与剤とを含有してなり、前記着色剤粒子
は、エポキシ基を有する化合物で表面処理されるととも
に、エポキシ基と反応し得る官能基およびオキシエチレ
ン基を有する樹脂と化学的に結合されていることを特徴
とするものである。
【0013】また、エポキシ基と反応し得る官能基がカ
ルボキシル基であることを特徴とするものである。さら
に、エポキシ基と反応し得る官能基がアミノ基であるこ
とを特徴とするものである。
【0014】現像剤において、着色剤粒子は、樹脂と結
合することにより、樹脂に取り込まれた電荷供与剤の電
荷が与えられ、静電潜像現像用の着色剤粒子として適正
な電荷とされるとともに表面の物理的性質が変化して分
散性が向上する。本発明においては、このような現像剤
において、着色剤粒子としてエポキシ基を有する化合物
で表面処理されたものを、樹脂としてエポキシ基と反応
し得る官能基およびオキシエチレン基を有するものを使
用することにより、着色剤粒子と樹脂の結合をより強固
なものとし、着色剤粒子の電荷特性,分散性の向上を図
ることとする。
【0015】樹脂に導入されるエポキシ基と反応し得る
官能基としては、アミノ基,カルボキシル基,水酸基等
が挙げられる。このうちアミノ基を有し、且つオキシエ
チレン基を有する樹脂としては、たとえば化1或いは化
2で表されるものが使用される。
【0016】
【化1】
【0017】
【化2】
【0018】また、カルボキシル基およびオキシエチレ
ン基を有する樹脂としては、たとえば化3或いは化4に
示すものが使用される。
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】ここで、オキシエチレンユニットは電荷供
与剤を取り込むために導入されるものであり、−OCH
2 CH2 −なる繰り返し単位を有し、その酸素原子によ
って配位場が形成される。オキシエチレンユニットは、
あたかもクラウンエーテルのような挙動を示し、ポリオ
キシエチレン鎖で形成される配位場に電荷供与剤の金属
イオンが取り囲まれる。
【0022】前記オキシエチレンユニットの単位ユニッ
トの繰り返し数mは2〜23程度であり、好ましくは6
程度以下である。mがあまり大きすぎると無極性溶媒に
溶解しにくくなり、小さすぎると溶解性は向上するもの
の官能基としての作用が減少してしまう。
【0023】また、側鎖の長鎖アルキル基あるいはベン
ゼン環は分散性を向上させる点から導入され、これによ
り結合した着色剤粒子の凝集が防止される。ここで、長
鎖アルキル基は、直鎖状でも、分岐型でも良い。なお、
アルキル基の炭素数は1〜30程度である。炭素数があ
まり大きすぎると無極性溶媒に溶解し難くなる。
【0024】一方、着色剤粒子は、エポキシ基を有する
化合物で表面処理すると、エポキシ基を有する化合物が
着色剤粒子表面に存在する水酸基(例えば吸着水等の水
酸基),アミノ基,カルボキシル基等の酸性官能基と反
応して、当該表面に化学的に結合される。したがって、
着色剤粒子としては、その表面に水酸基を有することが
好ましいが、反応性の高いものに関しては、必ずしもこ
の官能基がなくても良い。
【0025】このような観点から、使用可能な着色剤粒
子としては、従来公知の無機顔料、有機顔料、染料及び
これらの混合物が挙げられる。
【0026】例えば、無機顔料としては、クロム系顔
料、カドミウム系顔料、鉄系顔料、コバルト系顔料、群
青、紺青等が挙げられる。また、有機顔料や染料として
は、ハンザイエロー(C.I.11680)、ベンジジ
ンイエローG(C.I.21090)、ベンジジンオレ
ンジ(C.I.21110)、ファーストレッド(C.
I.37085)、ブリリアンドカーミン3B(C.
I.16015−Lake)、フタロシアニンブルー
(C.I.74160)、ビクトリアブルー(C.I.
50415)、オイルブルー(C.I.74350)、
アルカリブルー(C.I.42770A)、ファースト
スカーレット(C.I.12315)、ローダミン6B
(C.I.45160)、ローダミンレーキ(C.I.
45160−Lake)、ファーストスカイブルー
(C.I.74200−Lake)、ニグロシン(C.
I.50415)、カーボンブラック等が挙げられる。
これらは単独でも2種以上の混合物としても用いること
ができ、所望の発色を有するものを選択して使用すれば
良い。
【0027】また、着色剤粒子を表面処理するためのエ
ポキシ基を有する化合物としては、たとえば化5で表さ
れる化合物が好適である。
【0028】
【化5】
【0029】本発明の湿式現像剤は、前述の処理をした
着色剤粒子および樹脂の他、分散媒、電荷供与剤、電荷
増強剤等を含有する。
【0030】まず、分散媒としては、電気絶縁性有機物
であれば何れも使用可能であり、常温で液状の電気絶縁
性有機物でも、常温で固体で加熱により液化する電気絶
縁性有機物でもよい。常温で液状の電気絶縁性有機物と
しては、例えば脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香
族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ポリシロキサン類等
が使用でき、揮発性や安定性、毒性、臭気等の点から脂
肪族炭化水素の中でも特にイソパラフィン系石油溶剤が
好適である。イソパラフィン系石油溶剤としては、アイ
ソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーK
(いずれもエッソ社製)、シェルゾール71(シェル石
油社製)等を挙げることができる。
【0031】また、常温で固体の電気絶縁性有機物固形
トナーとしては、通常の使用環境や取扱い性等を考慮す
ると、融点が30℃以上であることが好ましく、より好
ましくは40℃以上とされる。融点の上限は特に限定さ
れるものではないが、実用的にはおよそ100℃以下、
より好ましくは80℃以下である。この理由は、融点が
あまり高すぎても加熱に余分なエネルギーを消費するこ
と、基体上に保持して使用する場合に基体として一般に
使用される材料の耐熱温度を越えてはならないこと等を
考慮したことによる。これらの要求を満たす材料として
は、パラフィン類、ロウ類、及びこれらの混合物が挙げ
られる。まず、パラフィン類としては、ノナデカンから
ヘキサコンタンに至る炭素数19〜60の各種の正パラ
フィンがある。また、ロウ類としては、カルナウバロ
ウ、綿ロウ等の植物ロウ、ミツロウ等の動物ロウ、オゾ
ケライト、及びパラフィンロウ、微晶ロウ、ペトロラタ
ム等の石油ロウ等が挙げられる。これらの材料は、誘電
率が1.9〜2.3程度の誘電体である。更には、ポリ
エチレン、ポリアクリルアミドや、ポリn−ステアリル
アクリレート、ポリn−ステアリルメタクリレート等の
ポリアクリレートのホモポリマー或いはコポリマー(コ
ポリn−ステアリルアクリレートエチルメタクリレート
等)などの側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子
も使用可能であるが、加熱時の粘度等を考慮すると先の
パラフィン類、ロウ類が好適である。湿式現像剤には、
通常電荷供与剤を添加する。使用可能な電荷供与剤に
は、例えばナフテン酸、オクテン酸、オレイン酸、イシ
ステアリン酸或いはラウリル酸等の脂肪酸の金属塩、ス
ルホコハク酸エステル類の金属塩、油溶性スルホン酸エ
ステル金属塩、アビエチン酸等の金属塩、芳香族カルボ
ン酸金属塩、芳香族スルホン酸金属塩等である。
【0032】また、着色剤粒子の帯電電位を向上させる
ために、SiO2 、Al2 3 、TiO2 、ZnO、G
2 3 、In2 3 、GeO2 、SnO2 、Pb
2 、MgO等の金属酸化物粒子やこれらの混合物を電
荷増強剤として添加しても良い。
【0033】前述の各成分の配合比であるが、まず着色
剤粒子は分散媒11に対して0.01〜100gである
ことが好ましく、より好ましくは0.1〜10gであ
る。特に効率的な現像を行い廃トナーの量を抑制するた
めには、分散媒に対する濃度〔分散媒と着色剤との比率
(希釈率)〕で2〜10重量%とすることが好ましい。
なお、前記着色剤の濃度範囲は、あくまでも現像工程に
おける濃度であって、例えば保存時等にはより高い濃度
に濃縮されていても良い。
【0034】また、電荷供与剤は前記着色剤粒子と同量
以下程度の範囲で加えられ、前記着色剤粒子と同様分散
媒11に対して通常0.001〜10g、好ましくは
0.01〜1gの範囲である。更に電荷増強剤は着色剤
粒子に対し重量比で2倍以下、好ましくは同量以下の範
囲で添加する。
【0035】本発明の現像剤を調製するには、まず、上
記着色剤粒子をエポキシ基を有する化合物によって表面
処理した後、この処理済着色剤粒子を樹脂,電荷供与剤
とともに分散媒中に分散させて十分攪拌する。これによ
り、図1に示すように、樹脂3の側鎖の官能基と着色剤
粒子2表面に導入されたエポキシ基が反応して結合部位
1が形成される。この結合は非常に強固であるため、樹
脂は着色剤粒子に安定に吸着することとなる。また、電
荷供与剤4はオキシエチレンユニット鎖3aで形成され
る配位場に取り囲まれる。そして、この樹脂に取り込ま
れた電荷供与剤4の電荷が樹脂3を介して着色剤粒子2
に供給され、着色剤粒子2は静電潜像に吸着するのに適
正な電荷とされる。
【0036】このようにして調製された現像剤は、樹脂
3と着色剤粒子2の複合構造が安定であるため、着色剤
粒子2は常に高い電荷特性を示すとともに樹脂3のアル
キル基3b等による分散効果も常に維持され、解像度、
階調性に優れた現像を行うことが可能である。
【0037】なお、現像剤の調製に際して、着色剤粒子
をエポキシ基を有する化合物で表面処理した後、洗浄し
て未反応の化合物を除去するようにしても良い。これに
より、より良好な特性を発揮する現像剤が得られること
となる。
【0038】
【作用】本発明の現像剤においては、樹脂としてエポキ
シ基と反応し得る官能基およびオキシエチレン基を有す
るものを使用し、着色剤粒子としてエポキシ基を有する
化合物で表面処理されたものを使用する。着色剤粒子を
エポキシ基を有する化合物によって表面処理すると、エ
ポキシ基を有する化合物が該着色剤粒子表面に存在する
カルボキシル基,水酸基等と反応して着色剤粒子の表面
に化学的に結合する。このように表面処理された着色剤
粒子にアミノ基,カルボキシル基,水酸基等のエポキシ
基と反応し得る官能基を有する樹脂を添加すると、樹脂
と着色剤粒子とは、強固に結合し、非常に安定な複合構
造をとる。これは、化6および化7に示すように着色剤
粒子表面に導入されたエポキシ基と樹脂のアミノ基,カ
ルボキシル基,水酸基等の官能基が反応して、化学的に
結合し、着色剤粒子表面に樹脂がグラフトするためと考
えられる。
【0039】
【化6】
【0040】
【化7】
【0041】また、樹脂のオキシエチレンユニットはあ
たかもクラウンエーテルのような挙動を示し、当該オキ
シエチレンユニットで形成される配位場に金属イオン等
の電荷供与剤が取り込まれる。樹脂が結合した着色剤粒
子は、このように樹脂に取り込まれた電荷供与剤によっ
て帯電され、静電潜像現像用の着色剤粒子として適正な
電荷とされる。
【0042】したがって、上記現像剤においては、電荷
供与剤の電荷が樹脂を介して効率よく着色剤粒子に与え
られるとともに樹脂と着色剤粒子の結合が強固であるた
め、例え高温環境下で使用した場合でも、着色剤粒子と
樹脂とがはずれることがなく、着色剤粒子は高い電荷特
性,分散性が維持され、解像度、階調性、定着性に優れ
た現像が行われることとなる。
【0043】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について実験結
果に基づいて説明する。
【0044】着色剤粒子の表面処理 先ず、着色剤粒子を以下のようにしてエポキシ基を有す
る化合物で表面処理し、3種の処理済着色剤粒子(CB
−Siエポキシ,CB−NaHエポキシ,CB−NaO
Hエポキシ)を調製した。
【0045】(1)着色剤粒子となるカーボンブラック
Raven1060(コロンビヤン・カーボン社製)約
2.00gをヘキサン中に分散させ、この分散液に過剰
の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(3−
Glycidoxypropyltrimethoxy
silane)を添加し、約6時間攪拌しなが反応させ
た。反応後、反応液をろ過し、120℃で約6時間真空
乾燥し、CB−Siエポキシを調製した。
【0046】(2)着色剤粒子となるカーボンブラック
Raven1060約2.00gをジメチルホルムアミ
ド中に分散させ、この分散液にNaH約0.50gを添
加し、2時間以上反応させた。反応後、エピクロロヒド
リン約0.50gを添加し、約24時間以上攪拌した
後、過剰の純水で濾過洗浄し、120℃で約6時間真空
乾燥し、CB−NaHエポキシを調製した。
【0047】(3)着色剤粒子となるカーボンブラック
Raven1060約2.00gをメタノール中に分散
させ、NaOH約0.50gを添加し、2時間以上反応
させた。反応後、エピクロロヒドリン約0.50gを添
加し、約24時間以上攪拌した後、過剰のメタノールで
濾過洗浄し、120℃で約6時間乾燥した。
【0048】実施例1 上述のようにして調製したCB−Siエポキシ約0.5
gと、化1において、w=0.54、x=0.40、y
=0.05、z=0.01、R1 =R2 =R4 =H、R
3 =CH3 、R5 =COOC2 4 、R6 =R7 =CH
3 、a=1、b=18、m=9である樹脂YD5−2の
トルエン分散液(トルエン中に樹脂を重量比で1:1に
分散させたもの)約1.00gを、アイソパーH50m
lに分散させ、更に電荷供与剤を数μl〜数十nlを加
え、数時間攪拌して現像剤を調整した。
【0049】実施例2 上述のようにして調製したCB−NaHエポキシ約0.
5gと、化1において、w=0.54、x=0.40、
y=0.05、z=0.01、R1 =R2 =R4 =H、
3 =CH3 、R5 =COOC2 4 、R6 =R7 =C
3 、a=1、b=18、m=9である樹脂YD5−2
のトルエン分散液(トルエン中に樹脂を重量比で1:1
に分散させたもの)約1.00gを、アイソパーH50
mlに分散させ、更に電荷供与剤を数μl〜数十nlを
加え、数時間攪拌して現像剤を調整した。
【0050】実施例3 上述のようにして調製したCB−NaOHエポキシ約
0.5gと、化1において、w=0.54、x=0.4
0、y=0.05、z=0.01、R1 =R2 =R4
H、R3 =CH3 、R5 =COOC2 4 、R6=R7
=CH3 、a=1、b=18、m=9である樹脂YD5
−2のトルエン分散液(トルエン中に樹脂を重量比で
1:1に分散させたもの)約1.00gを、アイソパー
H50mlに分散させ、更に電荷供与剤を数μl〜数十
nlを加え、数時間攪拌して現像剤を調整した。
【0051】実施例4 上述のようにして調製したCB−Siエポキシ約0.5
gと、化1において、w=0.68、x=0.30、y
=0.01、z=0.01、R1 =R2 =R4 =H、R
3 =CH3 、R5 =COOC2 4 、R6 =R7 =CH
3 、a=1、b=18、m=4である樹脂YD5−4の
トルエン分散液(トルエン中に樹脂を重量比で1:1に
分散させたもの)約1.00gを、アイソパーH50m
lに分散させ、更に電荷供与剤を数μl〜数十nlを加
え、数時間攪拌して現像剤を調整した。
【0052】比較例1 着色剤粒子となるカーボンブラックRaven1060
(コロンビヤン・カーボン社製)約0.05gと、化1
において、w=0.54、x=0.40、y=0.0
5、z=0.01、R1 =R2 =R4 =H、R3 =CH
3 、R5 =COOC2 4 、R6 =R7 =CH3である
樹脂YD5−2のトルエン分散液(トルエン中に樹脂を
重量比で1:1に分散させたもの)約1.00gを、ア
イソパーH50mlに分散させ、更に電荷供与剤を数μ
l〜数十nlを加え、数時間攪拌して現像剤を調整し
た。
【0053】実施例5 上述のようにして調製したCB−Siエポキシ約0.5
gと、化3において、R1 =R2 =R4 =H、R3 =C
3 、X=COOC5 10COOC510、w=0.5
5、x=0.40、y=0、z=0.05、a=1、b
=18、m=0である樹脂YD4−1のトルエン分散液
(トルエン中に樹脂を重量比で1:1に分散させたも
の)約1.00gを、アイソパーH50mlに分散さ
せ、更に電荷供与剤を数μl〜数十nlを加え、数時間
攪拌して現像剤を調整した。
【0054】実施例6 上述のようにして調製したCB−NaHエポキシ約0.
5gと、化3において、R1 =R2 =R4 =H、R3
CH3 、X=COOC5 10COOC5 10、w=0.
55、x=0.40、y=0、z=0.05、a=1、
b=18、m=0である樹脂YD4−1のトルエン分散
液(トルエン中に樹脂を重量比で1:1に分散させたも
の)約1.00gを、アイソパーH50mlに分散さ
せ、更に電荷供与剤を数μl〜数十nlを加え、数時間
攪拌して現像剤を調整した。
【0055】実施例7 上述のようにして調製したCB−NaOHエポキシ約
0.5gと、化3において、R1 =R2 =R4 =H、R
3 =CH3 、X=COOC5 10COOC5 10、w=
0.55、x=0.40、y=0、z=0.05、a=
1、b=18、m=0である樹脂YD4−1のトルエン
分散液(トルエン中に樹脂を重量比で1:1に分散させ
たもの)約1.00gを、アイソパーH50mlに分散
させ、更に電荷供与剤を数μl〜数十nlを加え、数時
間攪拌して現像剤を調整した。
【0056】実施例8 上述のようにして調製したCB−Siエポキシ約0.5
gと、化3において、R1 =R2 =R4 =H、R3 =C
3 、X=COOC5 10COOC510、w=0.6
8、x=0.30、y=0.01、z=0.01、a=
1、b=18、m=4である樹脂YD4−3のトルエン
分散液(トルエン中に樹脂を重量比で1:1に分散させ
たもの)約1.00gを、アイソパーH50mlに分散
させ、更に電荷供与剤を数μl〜数十nlを加え、数時
間攪拌して現像剤を調整した。
【0057】比較例2 着色剤粒子となるカーボンブラックRaven1060
(コロンビヤン・カーボン社製)約0.05gと、化3
において、R1 =R2 =R4 =H、R3 =CH3 、X=
COOC5 10COOC5 10、w=0.55、x=
0.40、y=0、z=0.05、a=1、b=18、
m=0である樹脂YD4−1のトルエン分散液(トルエ
ン中に樹脂を重量比で1:1に分散させたもの)約1.
00gを、アイソパーH50mlに分散させ、更に電荷
供与剤を数μl〜数十nlを加え、数時間攪拌して現像
剤を調整した。
【0058】以上のように実施例1〜実施例8および比
較例1,比較例2において調整した現像剤を使用して現
像を行い、現像濃度の測定およびトナーの定着性、分散
性、階調性、透明度の検討を行った。現像濃度の測定結
果を表1に示す。なお、現像はコロナ帯電によって、約
700Vに帯電させたフィルム上に行った。また、表1
中、現像濃度は、マクベス濃度計で測定した時の最高濃
度であり、現像されない場合は0とした。
【0059】
【表1】
【0060】現像特性の検討の結果、実施例1において
調整された現像剤を使用した場合、いずれも50本/m
m以上の高解像度が得られ、トナーの定着性、分散性、
階調性及び透明度も良好なものとなった。また、表1を
見てわかるように、実施例8において調製された現像剤
を使用した場合に4.04と極めて高い現像濃度が得ら
れた。
【0061】したがって、これらのことから、着色剤粒
子としてエポキシ基を有する化合物で表面処理されたも
のを、樹脂としてエポキシ基と反応し得る官能基および
オキシエチレン基を有するものを使用することにより、
優れた現像特性が獲得できることがわかった。
【0062】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の現像剤においては、着色剤粒子としてエポキシ基を
有する化合物で表面処理されたものを、樹脂としてエポ
キシ基と反応し得る官能基およびオキシエチレン基を有
するものを使用しているので、樹脂と着色剤粒子の結合
は非常に安定なものとなる。
【0063】したがって、高温条件での使用、たとえば
50〜70℃程度に加熱することにより分散媒を液化し
て使用する固形化湿式トナー方式現像剤に適用した場合
にも、樹脂から着色粒子が離脱することがなく、着色剤
粒子は高い電荷特性,良好な分散性を示し、解像度、階
調性、定着性に優れた湿式現像を行うことが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂と着色剤粒子の結合状態を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1・・・結合部位 2・・・着色剤粒子 3・・・樹脂 3a・・オキシエチレンユニット 4・・・電荷供与剤

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散媒と着色剤粒子と電荷供与剤とを含
    有してなり、 前記着色剤粒子は、エポキシ基を有する化合物で表面処
    理されるとともに、エポキシ基と反応し得る官能基およ
    びオキシエチレン基を有する樹脂と化学的に結合されて
    いることを特徴とする静電潜像現像用湿式現像剤。
  2. 【請求項2】 エポキシ基と反応し得る官能基がカルボ
    キシル基であることを特徴とする請求項1記載の静電潜
    像現像用湿式現像剤。
  3. 【請求項3】 エポキシ基と反応し得る官能基がアミノ
    基であることを特徴とする請求項1記載の静電潜像現像
    用湿式現像剤。
JP3244850A 1991-08-30 1991-08-30 静電潜像現像用湿式現像剤 Withdrawn JPH0561268A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014041279A (ja) * 2012-08-23 2014-03-06 Fuji Xerox Co Ltd 液体現像剤、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置および画像形成方法

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Effective date: 19981112