JP2822040B2 - 冷間工具鋼 - Google Patents
冷間工具鋼Info
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- steels
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は冷間加工用のダイスおよびポンチ、抜型、成
形型に用いられる常用硬さ、靭性、耐摩耗性に優れた冷
間工具鋼に関する。
形型に用いられる常用硬さ、靭性、耐摩耗性に優れた冷
間工具鋼に関する。
[従来の技術] 従来、冷間加工用のダイスおよびポンチ、抜型、成形
型にはSKD11等の合金工具鋼が使用されている。SKD11は
CおよびCrの含有量が高てため炭化物量は工具鋼中最も
多く、耐摩耗性が優れている。また、SKD系は熱間強度
も重要視されるため焼入、焼もどしによって2次硬化を
生ずるようにCr、W、V、Mo等の合金元素を多量に添加
している。
型にはSKD11等の合金工具鋼が使用されている。SKD11は
CおよびCrの含有量が高てため炭化物量は工具鋼中最も
多く、耐摩耗性が優れている。また、SKD系は熱間強度
も重要視されるため焼入、焼もどしによって2次硬化を
生ずるようにCr、W、V、Mo等の合金元素を多量に添加
している。
このようにSKD11は耐摩耗性に優れているが、反面
C、Cr量が高いため巨大炭化物が存在し、機械加工性お
よび靭性が劣り、しかもHRC60以上の硬さがなかなか出
ない。しかるに、近年冷間金型は高速化、高荷重化とそ
の使用条件が厳しくなってきており、SKD11では対処し
きれず使用時の割れ、欠けを生じ易いという問題点があ
る。
C、Cr量が高いため巨大炭化物が存在し、機械加工性お
よび靭性が劣り、しかもHRC60以上の硬さがなかなか出
ない。しかるに、近年冷間金型は高速化、高荷重化とそ
の使用条件が厳しくなってきており、SKD11では対処し
きれず使用時の割れ、欠けを生じ易いという問題点があ
る。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は冷間加工用のダイスおよびポンチ、抜型、成
形型に用いられるSKD11の前記のごとき問題点を解決す
べくなされたもので、520℃程度という高温焼もどしに
より高硬度、高靭性を得ると共に耐摩耗性を改善した冷
間工具鋼を提供することを目的とする。
形型に用いられるSKD11の前記のごとき問題点を解決す
べくなされたもので、520℃程度という高温焼もどしに
より高硬度、高靭性を得ると共に耐摩耗性を改善した冷
間工具鋼を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 発明者等はSKD系の合金工具鋼において、高温焼もど
しによって高硬度および高靭性を得るために各元素の作
用について鋭意研究を重ねた。その結果、Siを増加する
ことにより硬くて微細な素地を得、その中に微細なMo炭
化物およびCrを均一に存在させることによって高硬度お
よび高靭性を得て本発明を完成した。
しによって高硬度および高靭性を得るために各元素の作
用について鋭意研究を重ねた。その結果、Siを増加する
ことにより硬くて微細な素地を得、その中に微細なMo炭
化物およびCrを均一に存在させることによって高硬度お
よび高靭性を得て本発明を完成した。
本発明の冷間工具鋼は第1発明として重量比にしてC;
0.7〜1.5%、Si;0.72〜2.0%、Mn;0.1〜2.0%、Cr;7.0
〜11.0%、Mo;1.3〜3.0%、V;0.03〜0.08%を含有し、
残部がFeならびに不純物元素からなることを要旨とす
る。残部がFeならびに不純物元素からなることを要旨と
する。
0.7〜1.5%、Si;0.72〜2.0%、Mn;0.1〜2.0%、Cr;7.0
〜11.0%、Mo;1.3〜3.0%、V;0.03〜0.08%を含有し、
残部がFeならびに不純物元素からなることを要旨とす
る。残部がFeならびに不純物元素からなることを要旨と
する。
[作用] 本発明の冷間工具鋼は高温焼もどしにより、硬くて微
細な結晶の素地に硬い炭化物を微細かつ均一に析出させ
ることにより、高硬度および高靭性を得ている。そのた
め、Siを増加することにより硬くて微細な素地を得、そ
の中に微細なMo炭化物およびCrを均一に存在させてい
る。
細な結晶の素地に硬い炭化物を微細かつ均一に析出させ
ることにより、高硬度および高靭性を得ている。そのた
め、Siを増加することにより硬くて微細な素地を得、そ
の中に微細なMo炭化物およびCrを均一に存在させてい
る。
従来鋼においてはMo量だけを増量添加しても硬さはそ
れほど上がらなかったが、本発明ではSi量の増加に伴
い、Si系介在物を生じ結晶粒の成長を妨げ、結晶粒が微
細化され硬さ、靭性共に向上する。また、析出したMo炭
化物は微細かつ均一なため、耐摩耗性も同時に向上す
る。
れほど上がらなかったが、本発明ではSi量の増加に伴
い、Si系介在物を生じ結晶粒の成長を妨げ、結晶粒が微
細化され硬さ、靭性共に向上する。また、析出したMo炭
化物は微細かつ均一なため、耐摩耗性も同時に向上す
る。
高温焼もどしにおいて、CrはCr炭化物の凝集を起こし
やすいため、微細かつ均一な組織を得るために、Cr量を
減らし素地中に固溶しているCrを媒介として、炭化物が
凝集するのを防止している。
やすいため、微細かつ均一な組織を得るために、Cr量を
減らし素地中に固溶しているCrを媒介として、炭化物が
凝集するのを防止している。
硬度および靭性について従来からMoの効果は知られて
いたが、本発明においては、Moの増量だけではあまり顕
著な効果が得られないことから、Si含有量を増量添加す
ることによりMo添加の効果を増大することができ、Mo1.
3%以上、Si0.7%以上添加することにより、従来鋼のSK
D11に比べて2〜3倍の靭性とHRC62以上の硬さを得るこ
とができる。さらに、Vについては少量添加することに
より、耐摩耗性および靭性を改善することができる。
いたが、本発明においては、Moの増量だけではあまり顕
著な効果が得られないことから、Si含有量を増量添加す
ることによりMo添加の効果を増大することができ、Mo1.
3%以上、Si0.7%以上添加することにより、従来鋼のSK
D11に比べて2〜3倍の靭性とHRC62以上の硬さを得るこ
とができる。さらに、Vについては少量添加することに
より、耐摩耗性および靭性を改善することができる。
次に本発明の冷間工具鋼の化学成分限定理由について
説明する。
説明する。
C;0.7〜1.5% Cは基地に固溶し、あるいは高温焼もどしによりCr、
Mo等と炭化物を生成し、十分な硬さと耐摩耗性を得るた
めに必要な元素であり、前記効果を得るためには0.7%
以上の添加が必要である。しかし、添加量が1.5%を越
えると靭性が低下するので、上限を1.5%とした。
Mo等と炭化物を生成し、十分な硬さと耐摩耗性を得るた
めに必要な元素であり、前記効果を得るためには0.7%
以上の添加が必要である。しかし、添加量が1.5%を越
えると靭性が低下するので、上限を1.5%とした。
Si;0.72〜2.0% Siは0.72%以上を添加すると素地の結晶粒を微細化す
る。また、基地に固溶し基地を強化するとともに焼もど
し軟化抵抗性を増し、靭性を高め、硬さを増す。しか
し、2.00%を越えて添加すると、却って結晶粒が粗大化
してしまうため、靭性を低下させ、また焼なまし硬さを
増し機械加工性を低下するので、上限を2.00%とした。
る。また、基地に固溶し基地を強化するとともに焼もど
し軟化抵抗性を増し、靭性を高め、硬さを増す。しか
し、2.00%を越えて添加すると、却って結晶粒が粗大化
してしまうため、靭性を低下させ、また焼なまし硬さを
増し機械加工性を低下するので、上限を2.00%とした。
Mn;0.10〜2.00% Mnは製鋼時の脱酸のために添加され、かつ焼入性を向
上させるために必要な元素である。焼入性を向上させる
ためには0.1%以上の添加が必要である。しかし、2.0%
を越えて添加しても、その効果の向上が少なく、却って
焼入硬さ、被削性、靭性を低下させるため、上限を2.00
%とした。
上させるために必要な元素である。焼入性を向上させる
ためには0.1%以上の添加が必要である。しかし、2.0%
を越えて添加しても、その効果の向上が少なく、却って
焼入硬さ、被削性、靭性を低下させるため、上限を2.00
%とした。
Cr;7.00〜11.00% Crは焼入性を増し、かつ硬さを確保するために添加さ
れ、さらに耐摩耗性を向上し、基地に固溶し基地を強化
するとともにCr炭化物をつくり耐摩耗性を向上させる。
前記効果を得るためには7.00%以上の添加が必要であ
る。しかし、11.00%を越えて添加すると靭性、被削性
を低下させ、さらに巨大炭化物が生成し易くなるので、
上限を11.00%とした。
れ、さらに耐摩耗性を向上し、基地に固溶し基地を強化
するとともにCr炭化物をつくり耐摩耗性を向上させる。
前記効果を得るためには7.00%以上の添加が必要であ
る。しかし、11.00%を越えて添加すると靭性、被削性
を低下させ、さらに巨大炭化物が生成し易くなるので、
上限を11.00%とした。
Mo;1.30〜3.00% Moは炭化物生成能力が強く耐摩耗性を向上させ、また
焼入性および焼もどし軟化抵抗を高める。前記効果を得
るためには1.30%以上の添加が必要である。しかし、3.
00%を越えて添加しても効果は顕著でなくなり、却って
靭性および被削性を低下させ経済的でなくなるので、上
限を3.00%とした。
焼入性および焼もどし軟化抵抗を高める。前記効果を得
るためには1.30%以上の添加が必要である。しかし、3.
00%を越えて添加しても効果は顕著でなくなり、却って
靭性および被削性を低下させ経済的でなくなるので、上
限を3.00%とした。
V;0.03〜0.08% Vは炭化物を生成し耐摩耗性、靭性を改善させる。前
記効果を得るためには0.03%以上の含有が必要である。
しかし、0.08%を越えて含有させても効果の向上が少な
いので上限を0.08%とした。
記効果を得るためには0.03%以上の含有が必要である。
しかし、0.08%を越えて含有させても効果の向上が少な
いので上限を0.08%とした。
[実施例] 本発明の実施例について比較例および従来例と比較し
て説明し、本発明の特徴を明らかにする。
て説明し、本発明の特徴を明らかにする。
第1表はこれら供試鋼の化学成分を示すものである。
第1表においてA〜D鋼は第1発明鋼、E〜G鋼は第2
発明鋼、H〜N鋼は第3発明鋼、O〜Q鋼は第4発明鋼
である。R鋼はSKD11に相当する従来鋼でSiおよびMo量
が少なくCrおよびVが多い。S鋼は1C−10Cr−1Mo−0.7
Ni−0.2V鋼である従来鋼であり、SiおよびMo量が少な
い。また、T鋼はSi含有量が本発明鋼よりも低い比較
鋼、U鋼はMo含有量が本発明鋼よりも低い比較鋼であ
る。
第1表においてA〜D鋼は第1発明鋼、E〜G鋼は第2
発明鋼、H〜N鋼は第3発明鋼、O〜Q鋼は第4発明鋼
である。R鋼はSKD11に相当する従来鋼でSiおよびMo量
が少なくCrおよびVが多い。S鋼は1C−10Cr−1Mo−0.7
Ni−0.2V鋼である従来鋼であり、SiおよびMo量が少な
い。また、T鋼はSi含有量が本発明鋼よりも低い比較
鋼、U鋼はMo含有量が本発明鋼よりも低い比較鋼であ
る。
第1表に示した供試鋼について、第2表に示す温度で
焼入れ焼もどしを行い、ロックウエル硬さ(HRC)を測
定した。次いで10R・深さ2mmのノッチを入れた衝撃試験
用の試験片および抗折試験片を作製し、シャルピー衝撃
値および曲げ抗折力を測定した。また、耐摩耗性につい
ては大越式摩耗試験機を用い、定常摩耗状態における摩
擦距離l、摩擦荷重P、摩耗体積Vを測定し、比摩耗量
=V/P・lを算出した。さらに、残留応力を測定し、結
果を第2表に併せて示した。なお、第1表および第2表
中の第2発明は第1発明鋼にNiを1.5%以下を含有する
ものであり、第3発明は第1発明鋼に任意の添加元素で
あるCo、Zr、Ti、Nb、Wのうち1種ないし2種以上を0.
5%以下を含有するものであり、第4発明は第2発明鋼
の任意の添加元素であるCo、Zr、Ti、Nb、Wのうち1種
ないし2種以上を0.5%以下を含有するものである。
焼入れ焼もどしを行い、ロックウエル硬さ(HRC)を測
定した。次いで10R・深さ2mmのノッチを入れた衝撃試験
用の試験片および抗折試験片を作製し、シャルピー衝撃
値および曲げ抗折力を測定した。また、耐摩耗性につい
ては大越式摩耗試験機を用い、定常摩耗状態における摩
擦距離l、摩擦荷重P、摩耗体積Vを測定し、比摩耗量
=V/P・lを算出した。さらに、残留応力を測定し、結
果を第2表に併せて示した。なお、第1表および第2表
中の第2発明は第1発明鋼にNiを1.5%以下を含有する
ものであり、第3発明は第1発明鋼に任意の添加元素で
あるCo、Zr、Ti、Nb、Wのうち1種ないし2種以上を0.
5%以下を含有するものであり、第4発明は第2発明鋼
の任意の添加元素であるCo、Zr、Ti、Nb、Wのうち1種
ないし2種以上を0.5%以下を含有するものである。
第2表から明らかなように、520℃程度という高温焼
もどしによって、焼もどし硬さは、従来鋼および比較鋼
がHRC57.3〜59.7であるのに対し、本発明鋼は総て62以
上であって、本発明鋼が高硬度をしめすことが確認され
た。また、シャルピー衝撃値についても、従来鋼および
比較鋼が2.0〜3.1kgm/cm2であるのに、本発明鋼では4.5
〜6.4kgm/cm2であって、従来鋼および比較鋼の2〜3倍
の値が得られた。比摩耗量は従来鋼および比較鋼が2.0
〜2.6×10-4mm3/kgfmであるのに対し、本発明鋼は1.2〜
1.7×10-4mm3/kgfmであって、本発明鋼が優れた耐摩耗
性を示すことが明らかとなった。曲げ抗折力について
は、従来鋼および比較鋼の324〜437kg/mm2に対して、本
発明鋼は454〜493kg/mm2を示し、曲げ抗折力においても
優れた値を示した。さらに、残留応力については従来鋼
が10.7〜17.8kgf/mm2と極めて高い値を示すのに対し、
本発明鋼は2.3〜3.4kgf/mm2と低い値が得られた。
もどしによって、焼もどし硬さは、従来鋼および比較鋼
がHRC57.3〜59.7であるのに対し、本発明鋼は総て62以
上であって、本発明鋼が高硬度をしめすことが確認され
た。また、シャルピー衝撃値についても、従来鋼および
比較鋼が2.0〜3.1kgm/cm2であるのに、本発明鋼では4.5
〜6.4kgm/cm2であって、従来鋼および比較鋼の2〜3倍
の値が得られた。比摩耗量は従来鋼および比較鋼が2.0
〜2.6×10-4mm3/kgfmであるのに対し、本発明鋼は1.2〜
1.7×10-4mm3/kgfmであって、本発明鋼が優れた耐摩耗
性を示すことが明らかとなった。曲げ抗折力について
は、従来鋼および比較鋼の324〜437kg/mm2に対して、本
発明鋼は454〜493kg/mm2を示し、曲げ抗折力においても
優れた値を示した。さらに、残留応力については従来鋼
が10.7〜17.8kgf/mm2と極めて高い値を示すのに対し、
本発明鋼は2.3〜3.4kgf/mm2と低い値が得られた。
第1図は本実施例における、MoおよびSi含有量と520
℃焼もどし硬さとの関係を示す図である。第1図におい
て、1%Moを含有する従来鋼および比較鋼をプロットし
た曲線aは、Si%増加によって硬さが僅かに増加するに
過ぎない。これに対して1.3%以上2%前後ののMoを含
有する本発明鋼をプロットした曲線bは、0.7%以上のS
iの添加により、硬度が顕著に増加することが明らかと
なっている。
℃焼もどし硬さとの関係を示す図である。第1図におい
て、1%Moを含有する従来鋼および比較鋼をプロットし
た曲線aは、Si%増加によって硬さが僅かに増加するに
過ぎない。これに対して1.3%以上2%前後ののMoを含
有する本発明鋼をプロットした曲線bは、0.7%以上のS
iの添加により、硬度が顕著に増加することが明らかと
なっている。
また、本発明鋼と従来鋼SKD11の金属組織を顕微鏡で
観察した結果、従来鋼は巨大炭化物が存在するのに対
し、本発明鋼では微細な炭化物が均一に分散しており、
本発明鋼が高硬度、高靭性を示すことが確認できた。
観察した結果、従来鋼は巨大炭化物が存在するのに対
し、本発明鋼では微細な炭化物が均一に分散しており、
本発明鋼が高硬度、高靭性を示すことが確認できた。
[発明の効果] 本発明の冷間工具鋼は以上説明したように、従来の合
金工具鋼であるSKD11が巨大炭化物を生成し、かつ硬さ
が不十分でさらに靭性に欠ける点を改善すべくなされた
ものであって、Siを増加することにより硬くて微細な素
地を得、その中に微細なMo炭化物およびCrを均一に存在
させたものであって、本発明鋼は高温焼もどしにより、
硬さHRC62以上の高硬度とし、シャルピー衝撃値は従来
鋼のSKD11の2〜3倍の高靭性を得、さらに曲げ抗折
力、耐摩耗性についても従来鋼よりも優れた値を示す等
の卓越した効果があり、冷間鍛造用のダイスおよびポン
チ、抜き型、成形型として有用な冷間工具鋼である。
金工具鋼であるSKD11が巨大炭化物を生成し、かつ硬さ
が不十分でさらに靭性に欠ける点を改善すべくなされた
ものであって、Siを増加することにより硬くて微細な素
地を得、その中に微細なMo炭化物およびCrを均一に存在
させたものであって、本発明鋼は高温焼もどしにより、
硬さHRC62以上の高硬度とし、シャルピー衝撃値は従来
鋼のSKD11の2〜3倍の高靭性を得、さらに曲げ抗折
力、耐摩耗性についても従来鋼よりも優れた値を示す等
の卓越した効果があり、冷間鍛造用のダイスおよびポン
チ、抜き型、成形型として有用な冷間工具鋼である。
第1図はMoおよびSi含有量と520℃焼もどし硬さHRCの関
係を示す図である。
係を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】重量比にしてC;0.7〜1.5%、Si;0.72〜2.0
%、Mn;0.1〜2.0%、Cr;7.0〜11.0%、Mo;1.3〜3.0%、
V;0.03〜0.08%を含有し、残部がFeならびに不純物元素
からなることを特徴とする冷間工具鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63163867A JP2822040B2 (ja) | 1988-06-30 | 1988-06-30 | 冷間工具鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63163867A JP2822040B2 (ja) | 1988-06-30 | 1988-06-30 | 冷間工具鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0215146A JPH0215146A (ja) | 1990-01-18 |
JP2822040B2 true JP2822040B2 (ja) | 1998-11-05 |
Family
ID=15782279
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63163867A Expired - Lifetime JP2822040B2 (ja) | 1988-06-30 | 1988-06-30 | 冷間工具鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2822040B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103938091B (zh) * | 2014-04-28 | 2016-08-24 | 钢铁研究总院 | 一种高韧性高耐磨冷作模具钢 |
CN115491584A (zh) * | 2022-02-16 | 2022-12-20 | 上海钰灏新材料科技有限公司 | 一种高强耐磨的热作模具钢及其制备方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5237511A (en) * | 1975-09-22 | 1977-03-23 | Hitachi Metals Ltd | Alloy tool steel for cold working |
JPS58181850A (ja) * | 1982-04-20 | 1983-10-24 | Mitsubishi Steel Mfg Co Ltd | プラスチツク成形機用合金工具鋼 |
JPS62243740A (ja) * | 1986-04-16 | 1987-10-24 | Hitachi Metals Ltd | 冷間工具鋼 |
JP2710941B2 (ja) * | 1988-02-08 | 1998-02-10 | 日立金属株式会社 | 転造ダイス用鋼 |
-
1988
- 1988-06-30 JP JP63163867A patent/JP2822040B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0215146A (ja) | 1990-01-18 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
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