JP2820914B2 - 改修型下水管 - Google Patents
改修型下水管Info
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Description
修した改修型下水管に関するものである。
流式の2つがある。分流式は汚水と雨水を別々の系統で
排除する方式で、集められた雨水の方はそのまま河川等
に放流され、汚水は処理場で処理された後、放流され
る。一方、合流式は汚水と雨水を同一の管きょで排除す
る方式で、一定量の下水は処理場で処理されるが、それ
を越える量の下水は河川等に放流される。
汚水と雨水を一括処理するものである為処理負荷が高ま
るという問題がある他、希釈された液を処理することに
なるので総量規制という考え方にそぐわないという問題
がある。また雨天時には汚水の一部が無処理のまま放流
されることになるので、水質汚濁防止の観点から一層大
きい問題がある。そこで、現在では下水道は分流式で計
画される様になっており、既設の合流式の下水道につい
ても分流式への移行が進められている。
するに当たっては、分流式の汚水管々路と雨水管々路の
2本を新たに設置するよりも、既設の合流式下水管を、
分流式の一方の管、例えば汚水管或いは雨水管として利
用し、新設管路を一本に止める方が、施工コストの低減
及び施工期間の短縮の点から有利である。この様な観点
から既設の合流式下水管の改修利用技術を確立すること
が望まれている。しかしながら、合流式下水管は設計流
量が大きいことから管径が大きく、流量の少ない分流式
の管として利用する場合には、以下の様な問題がある。
地中(土2)に埋設された下水管1に、下水3が流れて
いる。管径が大きく、従って曲率半径の大きい底部に少
量の下水3が流れる場合は、図6に示す様に、下水3が
下水管底部に広がって浅い流れを形成することとなり、
水位が低くなると共に下水管底部壁面との摩擦によって
流速が非常に遅くなる為、下水3の滞留により悪臭を放
ち、また砂や固形廃棄物が流れずに溜ってしまうという
問題がある。
為になされたものであって、既設の下水管を利用しつ
つ、下水が少量の場合に必要な流速を確保できる様な改
修型下水管を提供することを目的とする。
管は既設下水管の内部に、該下水管の底部曲率半径より
も小さい曲率半径の凹溝を有する樋部材を設けけたもの
であって、該樋部材が凹溝の両縁から斜め上方へ向かう
翼片を有し、且つ該樋部材が勾配を自在に変更できるレ
ール部材を介して既設下水管に取付けられたものである
ことを要旨とする。下水が少量の場合は前記凹溝内に下
水が流れることになり、一方前記凹溝内を越える量の下
水が流れるときには、上記翼片のところまで水位が上が
って流れることになる。また、上記レール部材によって
樋部材の上面の勾配を調整できる。
底,V底のいずれかであることが望ましく、いずれも凹
溝全体を見た場合の曲率半径が小さいものである。尚、
上記U底には楕円形底や卵型底も含まれる。
材の裏面の間の空間に、充填材を充填することがより好
ましく、これにより、樋部材を既設下水管の底部分に強
く固着することができる。前記充填材としてはセメント
系無機材料が好ましい。
する表面が、合成樹脂製若しくはFRP製であることが
好ましい。加えて、前記樋部材が合成樹脂製若しくはF
RP製であって、その下面側に3次元広がりを有する網
状構造を形成したものであることがより好ましく、網状
構造を前記充填材側に向ける様にする。更に、前記樋部
材は、フランジ接合若しくはソケット接合によって連結
されたものであることが好ましい。
の一具体例を示す断面図である。地中に埋設された既設
下水管1の内部には樋部材4が設けられ、樋部材4の裏
面と既設下水管1の底面との間にはセメント系無機材料
5が充填されている。樋部材4は、丸底の凹溝4aと、
該凹溝4aの両縁から斜め上方へ向かう翼片4bを有
し、該凹溝4a内には下水3が流れている。尚、翼片4
bの縁部と既設下水管1内壁との間は、翼片4bの傾斜
の延長線までセメント系無機材料5が充填されている。
照)、下水量が少なくなると、前述の様に流速が遅くな
る。しかし、本発明の改修型下水管では、図1に示す様
に、下水が少量の場合でも曲率半径の小さい凹溝4a内
をいっぱいになって流れることになり、水位が高まり、
水量が少なくても良好に流れる速い流速を確保できる。
加えて、凹溝4a内ではその壁面に下水が接触する面積
が小さくなるから流速が落ちないという利点も挙げられ
る。従って下水が少量であっても良好に流すことができ
る。尚、以下、下水が滞留したり固形物が溜ることなく
良好に流れる為の最少必要流速を、単に必要流速と称
す。
片4bが設けられているので、各家庭の汚水管等の枝管
から流入する固形物を含む汚水が、上記翼片4b上を落
下して凹溝4a内に良好に導かれる様になる。
べる。下水流量が多いときは、凹溝4aを越えて翼片4
bのところまで水位が上がることになる。仮に前記凹溝
の両横を水平面とした場合には、凹溝内容量を越えた下
水は上記水平面に浅く一様に広がることになり、水平面
上における水位が低くなると共に該水平面と下水の接触
面積が大きくなって、上記水平面上では下水が滞留する
ことになる。しかし本発明の翼片4bは既設下水管1の
横壁面に向けて斜め上方へ傾斜しているから、傾斜面に
上がった下水も凹溝方向に流れ落ちようとしており、従
って凹溝4a内の下水と傾斜面上の下水の一体性が高く
なって全体として高水位が保たれた状態となると共に、
下水3と樋部材4の接触面積が小さくなり、下水3を滞
留させることなく流すことができる。尚、図1に示す様
に翼片4bの傾斜が緩やかな場合は、翼片4b部分だけ
について見れば流速は遅くなるのであるが、凹溝4a内
を流れる下水の流速は速いから、全体として必要流速は
確保できる。下水3に含まれる固形物については、翼片
4b上の流速では遅いため流れ難いが、翼片4bの傾斜
によって上記固形物は凹溝4aへ落ち、凹溝4a内を流
れるので、充分な流速で固形物を流すことができる。
広がる様に設けてあるから、広い下水管断面を確保する
ことができ、流量が設計値を越え多量の下水3が流れた
場合についても対応でき、しかも前述の様に、必要流速
を確保できる。
少量(設計値流量)の場合だけでなく、多量に流れる場
合についても対応でき、しかもどの様な流量の場合も必
要流速を保持できる。
する表面が合成樹脂製若しくはFRP製であることが好
ましい。コンクリート製に比べ、上記合成樹脂製やFR
P製であると表面が滑らかで抵抗が非常に小さいので、
固形の汚物や土砂等をスムーズに流下させることができ
るからである。従って管閉塞の恐れがなくなり、清掃の
手間を削減できる。加えて、合成樹脂製若しくはFRP
製の樋部材4は、汚水から発生する硫化物に対して耐食
性が高く、コンクリート製のものに比べ腐食の心配が軽
減される。
する網状構造が形成されたものが好ましく、該網状構造
にセメント系無機材料5が入り込み、アンカー効果が発
揮されて、樋部材4とセメント系無機材料5が強固に密
着固定される。この様な片面網状構造を有する合成樹脂
製の部材としては特開平6-32028 に示す部材等が挙げら
れる。
ト系無機材料5を充填していない状態(即ちセメント系
無機材料5充填前の状態)を表す断面図であり、樋部材
4がレール部材6を介し既設下水管1に取付けられてい
る。レール部材6は、支持板6cと脚部6bとレール6
aからなり、それぞれが例えば溶接により固定されてお
り、アンカーボルト6dを既設下水管1に打ち込むこと
によって支持板6cが既設下水管1に固定されている。
上記脚部6bは、例えば昇降用ボルト等で構成され、高
さの調整が可能となっている。レール部材6のレール6
aには、樋部材4の支持手4cが嵌め込まれる様になっ
ており、樋部材4が固定されている。尚、4dは樋部材
4を連結するためのフランジであり、樋部材4の流れ方
向両端部に設けられている。
脚部6bの調整によってレール6aの高さ位置を管路方
向に調節することができ、任意の勾配を付与することが
できる。従って必要流速をより一層良好に確保すること
ができる。
部の長いタイプのレール部材7を用いた場合を表す図で
あり、図2と同じく改修型下水管のセメント系無機材料
5が充填される前の状態を表す断面図である。図2と同
様に、レール部材7は支持板7cと脚部7bとレール7
aからなり、アンカーボルト7dを既設下水管1に打ち
込むことによって支持板7cが既設下水管1に固定され
ている。上記脚部7bも、例えば昇降用ボルト等で構成
され、高さの調整が可能となっており、図2に示すレー
ル部材6よりも、高い位置に樋部材4を固定することが
可能であり、また樋部材4の勾配調整の余裕度が広いも
のである。
々のレール部材を用い、これらを適宜選択すると共に脚
部の長さを調節することによって、設置場所の計画勾配
通りの勾配に施工することができる。
部材4の下部の空間に充填することによって、前述の様
に樋部材の固定、及びレール部材6の固定が行われる。
更に、仮に充填材が下部空間に充填されない場合は、樋
部材4上を越えて落下した汚水が溜まり悪臭を発する恐
れがあるが、充填材を充填することによってこれを防ぐ
ことができる。
れ、下水による腐食等の懸念がないので、素材としては
特に限定されず、鋼製品等も使用でき、コストを低く抑
えることができる。またFRP製若しくは合成樹脂製と
すれば軽量化が図れ、施工時において、例えばマンホー
ルからレール部材を搬入する際や組立を行う際に、作業
が容易となる。尚、本発明のレール部材としては図2,
3に示すものに限るものではなく、高さを自在に変更で
きるものであればどの様な構成であっても良い。
改修型下水管のセメント系無機材料充填前の断面図であ
り、脚部8bが小型のジャッキとなっている。この様に
ジャッキ型の脚部8bを用いた場合は、ハンドル8cを
回すことで、容易にレール7aの高さ位置を調節するこ
とができる。尚、各図において同じ構成部分については
同一の符号を付して重複説明を避ける。
他に、発泡スチロール等を用いる様にしても良い。尚、
発泡スチロールを用いる場合は、水切りした状態で改修
工事を行わなければならないが、セメント系無機材料を
用いる場合は、下水が流れている状況のままで工事を行
うことが可能である。
法について述べる。まず、レール部材6,7の各部品を
マンホール等から既設下水管1内に順次持ち込んで、既
設下水管1内でレール部材6,7を組み立て、所望の勾
配が得られる様に脚部6b,7bの高さを調節する。こ
の様に高さ調節することで、たとえ既設下水管1に波打
や逆勾配があったとしても、完成した改修型下水管の下
水3が流れる面(樋部材4の上面)を所望の均一な勾配
にすることができる。
ら持ち込み、レール6a,7aに支持手4cを嵌め込み
つつ、順次樋部材4を既設下水管1内に挿入する。この
樋部材4の挿入の際には、各樋部材4のフランジ4dを
フランジ接合することによって連結する。尚、場合によ
ってはソケット接合によって各樋部材4を連結する様に
しても良く、既設下水管1の設置されている形状等に応
じて、これら接合方法を適宜選択することによって、既
設下水管1に蛇行や波打があった場合においても支障な
く各樋部材4を密着連結することができる。例えば、下
水管が曲がっている場合には樋部材の端部をベルマウス
型とし、ソケット接合すると良い。
面との間に形成されている空間内に、セメント系無機材
料5を充填し、改修型下水管が完成する。尚、セメント
系無機材料5は、図1に示す様に、翼片4bの傾斜を延
長した仮想面まで充填しても良いし、或いは上記仮想面
よりやや低い位置まで充填し、その上に防食性のシール
部材を塗布して上記仮想面の高さにする様にしても良
い。尚、セメント系無機材料5としてはモルタル,生コ
ンクリート,発泡モルタル等が挙げられる。以上の様に
施工すれば、下水管を掘り起こすことなく、改修型下水
管を施工することができ、工事期間の短縮、また施工コ
ストの低減ができる。
に施工する場合だけでなく、マンホール等のます部分に
も施工することができる。昨今、ますの底にコンクリー
ト製のインバートを設け、ます内に固形物を溜めること
なく処理場まで固形物を流す方策を採る様になってきて
いるが、コンクリート製インバートの施工に代えて、本
発明の樋部材を備えた改修型下水管を付設すれば、従来
よりも施工が簡便となる。この点は、良好なコンクリー
ト製インバートを施工できる技術者不足の現在において
有利である。
4の(a) は凹溝4aが中央に1本設けられたもの、図4
の(b) は凹溝4aがT字型に設けられたものである。既
設の下水道が1筋で構成されている場合は図4の(a) に
示す樋部材4を使用すれば良く、2本以上の筋が合流し
ている場合は、図4の(b) に示す様なT字型や、Y字型
またはX型の樋部材を用いれば良く、下水道のどの様な
部分であっても本発明の改修型下水管の施工が可能であ
る。
わたって改修を行った。15.32 〜57.00mの間隔を開けて
設けられたマンホールから、レール部材6,7や樋部材
4の搬入を行った。尚、マンホールからの搬入は上流
側、下流側どちらからでも良い。
長さが1500mmで、支持板6c,7cの幅100mm ,厚さ6m
m であり、脚部長さの異なるもの数種を用いた。樋部材
4としては、流れ方向長さ1mで、支持手4cを4本有
し、網状構造を下側に有するFRP製のものを用いた。
尚該FRP部分の厚さは3.5mm であり、上記網状構造部
分の厚さは6mm である。これらレール部材6,7や樋部
材4の長さは、マンホール下部の空間の大きさに制約さ
れ、本実施例の場合はマンホール下部空間が直径1200mm
であるので、上記長さとなる。レール部材の勾配の設定
はレーザーレベル計を用いて行った。
合のものはボルトを用いて行い、ソケット接合のものは
接着剤を用いるか若しくはリベット接続により行った。
尚、施工工事は上流側,下流側のどちらからでも可能で
あった。
率半径の大きい既設下水管を利用し、下水流量が少ない
場合であっても必要流速を保持でき、下水を良好に流す
ことができる。従って、分流式の2種の下水管を新たに
付設する必要がなく、既設の下水管を一方の下水管とし
て利用でき、しかも施工方法として地面を掘り起こさず
に上記既設下水管の端部のマンホール等から施工を行う
ことができるので、施工が容易であり、施工コストを低
減でき、また短い工期で行うことができる。
の生じた既設下水管の補修を兼ねることができ、しかも
合成樹脂製或いはプラスチック製の樋部材を用いること
で、腐食の心配の少ない耐久性に優れた下水管にするこ
とができる。また前記翼片を設けることで、下水が少量
の時だけでなく多量に流れた場合にも対応でき、即ち流
量の変化に対応しつつ良好に下水を流すことができる。
料が充填されていない状態の一例を表す断面図。
料が充填されていない状態の他の例を表す断面図。
図。
料が充填されていない状態の他の例を表す断面図。
Claims (3)
- 【請求項1】 既設下水管の内部に、該下水管の底部曲
率半径よりも小さい曲率半径の凹溝を有する樋部材を設
けたものであって、 該樋部材が凹溝の両縁から斜め上方へ向かう翼片を有
し、 且つ該樋部材が、勾配を自在に変更できるレール部材を
介して既設下水管に取付けられたものであることを特徴
とする改修型下水管。 - 【請求項2】 前記樋部材の少なくとも下水に接触する
表面が、合成樹脂製若しくはFRP製である請求項1に
記載の改修型下水管。 - 【請求項3】 前記樋部材が、合成樹脂製若しくはFR
P製であって、その下面側に3次元広がりを有する網状
構造を形成したものである請求項2に記載の改修型下水
管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7343423A JP2820914B2 (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 改修型下水管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7343423A JP2820914B2 (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 改修型下水管 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09184184A JPH09184184A (ja) | 1997-07-15 |
JP2820914B2 true JP2820914B2 (ja) | 1998-11-05 |
Family
ID=18361406
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7343423A Expired - Fee Related JP2820914B2 (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 改修型下水管 |
Country Status (1)
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Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2704976B2 (ja) * | 1991-08-14 | 1998-01-26 | 升川建設株式会社 | 水路構成工法 |
JP2594065Y2 (ja) * | 1992-10-09 | 1999-04-19 | 日本ポリエステル株式会社 | コンクリート用防食板 |
-
1995
- 1995-12-28 JP JP7343423A patent/JP2820914B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH09184184A (ja) | 1997-07-15 |
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