JP2820513B2 - TiAl系金属間化合物の加工熱処理法及び該法で得られたTiAl系金属間化合物素材 - Google Patents

TiAl系金属間化合物の加工熱処理法及び該法で得られたTiAl系金属間化合物素材

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はTiAl系金属間化合物の塑性加工性向上(変形
応力低減、加工限界向上)のための組織制御に適用され
る加工熱処理法及び同法によって得られたTiAl系金属間
化合物素材に関する。
〔従来の技術〕
TiAl系金属間化合物は開発途上の材料で、現在は強
度、延性等の機械的性質の向上技術の開発に主眼が置か
れており、当該材料の塑性加工性の向上を目的とした材
料調質技術(加工熱処理法)に関する研究はほとんど行
われておらず、報告等例もない。
〔発明が解決しようとする課題〕
TiAl系金属間化合物は常温での延性が極めて乏しく
(e≦2%)、塑性加工は少なくとも脆性−延性遷移温
度(700〜800℃)以上の高温で行うことが必要である
が、高温においても変形応力は極めて高く(T=1100
℃、=1×10-3sec-1においてσ≒15kgf/mm2)、また
加工限界も低い(同条件におけるひずみ速度感受性指数
はm≒0.25)ことから、当該材料の塑性加工は単純形
状、低加工度の押出しや鍛造に限定され、その場合にも
加工装置の容量(加熱容量、荷重容量)や治具寿命等が
大きな問題となっている。このことからTiAl系金属間化
合物に広く塑性加工を適用するためには、変形応力の低
減、加工限界の向上が大きな技術課題となっている。
高温塑性加工における変形応力の低減と加工限界の向
上(m値の向上)のためには、超塑性材料にみられるよ
うに、一般にミクロ組織の等軸微細粒化が有効である。
組織の等軸微細粒化は一般に加工熱処理によって行わ
れ、これは静的再結晶法と動的再結晶法に大別される。
金属材料を低温で塑性加工し、その後ある温度
(TSR)以上に加熱すると再結晶が生じ、この温度のこ
とを(静的)再結晶温度という。塑性加工する温度を徐
々に上げていくと、ある温度(TDR)以上では塑性加工
と同時に再結晶が生ずるようになり、この温度のことを
動的再結晶温度という。そして、低温(TDR以下)で塑
性加工し、その後TSR以上に加熱して再結晶するのが静
的再結晶法、TDR以上の温度で塑性加工し、加工と再結
晶を同時進行させるのが動的再結晶法という。
一般にTDRはTSRよりも若干低い温度となり、また動的
再結晶法の方が結晶粒微細化効率は高くなる。
TiAl系金属間化合物に対しては、比較的低温での強加
工を必要とする静的再結晶法の適用は不可能であること
から、必然的に動的再結晶を利用する加工熱処理プロセ
スを適用することになるが、この場合にも次のような課
題がある。
(1) 動的再結晶を利用して効率的に組織(結晶粒)
を微細化するためには、第4図(a)に示すように、静
的再結晶温度の直下で加工を行うのが望ましいが、TiAl
系金属間化合物は材料組成の違いと、それに伴う組織の
違いによって静的再結晶温度が異なると同時に、加工初
期の動的再結晶による急激な組織変化(等軸粒化)によ
って静的再結晶温度が変化(低下)するため、一定の条
件で加工した場合には、充分な微細粒が形成される前に
結晶粒微細化効果が飽和してしまう。
(2) 動的再結晶による組織の微細化効果は、第4図
(b)に示すように、材料が比較的低い温度で導入され
た予ひずみを有することによって増大する傾向にある
が、TiAl系金属間化合物は低温での変形応力の方位依存
性が大きいため、予ひずみを均一に導入することは不可
能であり、効率的かつ均一な組織の微細化を計ることは
極めて難しい。
本発明は上記技術水準に鑑み、常温強度、延性に優れ
たTiAl系金属間化合物素材及びその素材を製造するため
の加工加熱処理法を提供しようとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
TiAl系金属間化合物において動的再結晶を利用した効
率的かつ均一な組織の微細化を困難にしているのは、鋳
造組織が粗大粒組織(γ単相材)もしくは層状組織(γ
+α相材)となっていることによると考えられる。す
なわちこのような組織では、比較的低温での加工によっ
て予ひずみを均一に導入することは難しく、また、動的
再結晶の発生を狙いとする高温加工では加工初期の急激
な組織変化(等軸細粒化)によって静的再結晶温度が変
化(低下)して、その加工条件が更に動的再結晶を生じ
させるのに適正な条件ではなくなってしまう。
そこで本発明では、加工初期の急激な組織変化に着目
し、第1図(a)、(b)に示すようにある程度細かな
等軸粒を形成するまでを第1回目の加工とし、それ以後
の加工による急激な組織変化や予ひずみの局在化が生じ
難い組織とした後に、適正な条件(1回目の加工よりも
低温)で第2回目以降の加工を行って、動的再結晶を効
率的に利用して組織を微細化することを考えた。
本発明は上記考案に基いて完成されたものであって、
本発明は (1) 1050℃以上の温度で真ひずみ50%(圧下率40
%)以上の1回目の塑性加工を行ってミクロ組織を等軸
粒化した後、1050℃よりも低い温度範囲で2回目の塑性
加工を行って動的再結晶を生じさせるか、もしくは動的
再結晶温度よりも低い温度で2回目の塑性加工を行って
予ひずみを導入した後、1050℃よりも低い温度範囲で更
に3回目の塑性加工を行って動的再結晶を生じさせるこ
とによって効率的に等軸微細なミクロ組織とすることを
特徴とするTiAl系金属間化合物の加工熱処理法。
(2) 請求項(1)の加工熱処理法で得られたTiAl系
金属間化合物素材。
である。
〔作用〕
TiAl系金属間化合物の鋳造材は前述の通り、粗大粒組
織や層状組織を有しており、1050℃よりも低い温度で加
工した場合には動的再結晶による組織変化は生じず、ま
た1050℃以上の温度で加工すると加工初期に急激な組織
変化を生じて等軸粒化するが、更に加工を加えても顕著
な微細粒化効果は得られない。一方、いったん等軸粒組
織となったTiAl系金属間化合物は1050℃よりも低い温度
で動的再結晶が生じて組織は更に微細となり、また動的
再結晶を促進させるための予ひずみも比較的均一に導入
することが可能である。
このように、TiAl系金属間化合物に対する組織微細化
のための適正条件は組織に依存して変化することから、
本発明の1回目の塑性加工を高温(1050℃以上)で行
い、2回目以降の塑性加工を低温(1050℃よりも低温、
1050〜700℃)で行うという二段階以上のプロセスとす
ることは、常に組織に対応した最適条件で加工を行い得
るという作用を有し、均一微細な組織を効率的に(低加
工度で)形成させることを可能にする。
〔実施例〕
Ti−34mol%Al,Ti−37mol%Alを対象とした実施例を
第2図(Ti−34mol%Al)及び第3図(Ti−37mol%Al)
を参照しながら説明する。第2図、第3図は各工程のTi
Al系金属間化合物の金属組織を示す光学顕微鏡写真(倍
率:100倍)である。
TiAl系金属間化合物の鋳造材は第2図(a)、第3図
(a)に示すように粗大等軸粒組織(γ単相材:Ti−37m
ol%Al)や層状組織(α相+γ相材)を有し、いずれ
の組織の材料も1050℃以上の温度で圧下率40%以上の1
回目の加工を行うと動的再結晶を生じて、第2図
(b)、第3図(b)に示すように組織が等軸細粒化す
る。(1050℃より低い温度では第2図(b′)、第3図
(b′)に示すように動的再結晶は生じない。)しか
し、1050℃以上の温度で更に加工を行っても、第2図
(c′)、第3図(c′)に示すようにそれ以上の微細
粒化は生じず、逆に粗大化する傾向さえ認められる。
(これは組織の等軸細粒化に伴う静的再結晶温度の低下
により、動的再結晶を利用するための適正温度が低下し
たためと考えられる。)これに対し、1050℃以上の温度
での加工により等軸粒化した材料を1050℃よりも低い温
度で加工した場合には、第2図(c)、第3図(c)に
示すように再び動的再結晶が発生して顕著な結晶粒の微
細化が達成される。
第2図及び第3図にはTi−Al二元素の材料の例を示し
たが、更に添加元素のある材料についても同様の効果が
ある。
また、この実施例は第1図(a)に示した予ひずみを
利用しない場合の例であるが、第1図(b)に示すよう
に2回目の加工を更に低い温度で行い、それを予ひずみ
として3回目の加工で動的再結晶を利用することも可能
であり、この場合には従来法の第4図(b)に示すよう
に鋳造材に予ひずみを加える場合に比べてはるかに均一
な予ひずみ導入が可能であり、均一で微細な組織が形成
される。
本発明は塑性加工性に優れたTiAl系金属間化合物素材
を製造するための加工熱処理法及び同法によって得られ
たTiAl系金属間化合物として提案されたものであるが、
組織の微細化は常温強度や延性の向上にも有効であるこ
とから、本発明を賦形プロセス(例えば鍛造)として利
用して、鍛造工程中で組織を微細化し、強度、延性に優
れた鍛造品を製造することも可能である。
〔発明の効果〕
本発明のプロセスによって処理されたTiAl系金属間化
合物は結晶粒径10μm以下の均一微細な等軸粒組織とな
るため、高温での塑性加工性が大幅に向上し、T=1100
℃、=1×10-3sec-1における変動応力がσ=5〜6kg
f/mm2と鋳造材の約1/3に低下すると同時に、ひずみ速度
感受性指数もm≒0.4となって加工限界が大幅に向上す
る。これにより当該材料の塑性加工に対する形状、加工
度の制約や加工装置や治具への負荷が大幅に緩和され、
当該材料の低コスト加工化及び実用化が促進される。
また、本発明のプロセスを利用して部品を製作した場
合には常温強度、延性に優れた部品とすることが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるTiAl系金属間化合物に対する加工
熱処理のプロセスを示す図表、第2図、第3図は本発明
の実施例の加工熱処理プロセスと本発明外の加熱処理プ
ロセスの各工程で得られるTiAl系金属間化合物の金属組
織を示す光学顕微鏡写真、第4図は従来のTiAl系金属間
化合物に対する加工熱処理プロセスを示す図表である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22F 1/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1050℃以上の温度で真ひずみ50%(圧下率
    40%)以上の1回目の塑性加工を行ってミクロ組織を等
    軸粒化した後、1050℃よりも低い温度範囲で2回目の塑
    性加工を行って動的再結晶を生じさせるか、もしくは動
    的再結晶温度よりも低い温度で2回目の塑性加工を行っ
    て予ひずみを導入した後、1050℃よりも低い温度範囲で
    更に3回目の塑性加工を行って動的再結晶を生じさせる
    ことによって効率的に等軸微細なミクロ組織とすること
    を特徴とするTiAl系金属間化合物の加工熱処理法。
  2. 【請求項2】請求項(1)の加工熱処理法で得られたTi
    Al系金属間化合物素材。
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