JP2820045B2 - ステープル打ち機の空打ち防止装置 - Google Patents

ステープル打ち機の空打ち防止装置

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JP2820045B2 JP28351294A JP28351294A JP2820045B2 JP 2820045 B2 JP2820045 B2 JP 2820045B2 JP 28351294 A JP28351294 A JP 28351294A JP 28351294 A JP28351294 A JP 28351294A JP 2820045 B2 JP2820045 B2 JP 2820045B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ステープル打ち機に
関するものであり、特に、ステープル打ち機の空打ち防
止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧縮空気や電気を動力源とするステープ
ル打ち機や釘打ち機は、ステープルや釘を装填しない状
態でドライバを駆動する空打ちを行うと、シリンダ内の
バンパ等に過大な衝撃が加わって耐久性を著しく低下さ
せるため、空打ちを防止する装置を設けたものが知られ
ている。この空打ち防止装置はコンタクトアームを用い
た起動装置と連動するもので、ステープル打ち機等のマ
ガジン内のステープルまたは釘の残数がゼロ或いは僅少
となったときに、ドライバの起動を禁止するものであ
る。
【0003】起動装置は、トリガレバーとコンタクトア
ームとによる機械的リンク機構または電気的AND回路
によってトリガバルブ或いはトリガスイッチを作動させ
るように構成され、コンタクトアームを打込み対象に当
接させて押込んだ状態でトリガレバーを操作したときの
みドライバが起動するように構成されている。
【0004】空打ち防止装置は、ステープルマガジンに
装着されたステープルプッシャの前後位置に応じて作動
し、連結形ステープルの残数がゼロ或いは設定数以下と
なってステープルプッシャが所定位置へ前進したとき
に、ステープルプッシャに設けたストッパー部或いはス
テープルプッシャに押されて移動するストッパーが突出
状態のコンタクトアームに係合してコンタクトアームを
固定する。これにより、コンタクトアームを対象物に圧
接して押し込むことが不可能となり、トリガレバーを操
作してもドライバが起動せず、空打ちが防止される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ステープル打ち機の空
打ち防止装置は、ステープルの消費に伴ってステープル
プッシャが前進し、ストッパーをコンタクトアームに係
合させてコンタクトアームを固定する。此種の空打ち防
止装置において、ステープル打込みの都度ステープルマ
ガジン内を前進するステープルプッシャの移動量は、ス
テープルの線材の幅と等しい。従って、ストッパーがコ
ンタクトアームの経路に突出してコンタクトアームを固
定する際の突出量もステープルの線材の幅と同一或いは
それ以下であり、ステープルは小径の線材が使用される
ことからストッパーとコンタクトアームとの係合部位の
接触面積が極めて小さい。このため、固定状態のコンタ
クトアームの先端部を壁面等に圧接したときにストッパ
ーとコンタクトアームとの係合が外れたり、ストッパー
が変形する等の問題を生じることがある。
【0006】そこで、ストッパーとコンタクトアームと
の接触面積を拡大してコンタクトアームの固定強度を向
上し、信頼性を向上するために解決すべき技術的課題が
生じてくるのであり、本発明は上記課題を解決すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するために提案するものであり、ステープル打ち機
のノーズ部に、ノーズ部先端より突出した突出位置と退
避位置との間でステープルの射出方向と平行に移動自在
なコンタクトアームを配設して前記コンタクトアームを
突出方向に付勢し、前記コンタクトアームの退避位置へ
の操作とトリガレバーの操作とによって機械的リンク機
構等の起動装置を介して駆動するように構成したステー
プル打ち機に於て、前記ノーズ部にロックレバーを枢着
し、前記コンタクトアームには突出状態において前記ロ
ックレバーの前記枢着点から遠い先端部が係合される係
合部を設け、前記ロックレバーにバネを介装して前記ロ
ックレバーを前記コンタクトアームの昇降経路から退避
せしめ、ステープルマガジン内のステープルプッシャが
設定位置へ前進したときに、前記ステープルプッシャが
前記ロックレバーの前記枢着点に近い中間部位を押圧し
て前記ロックレバーの先端部をコンタクトアームの前記
係合部に係合し、前記コンタクトアームの突出位置から
退避位置への移動を阻止するように形成したことを特徴
とするステープル打ち機の空打ち防止装置を提供するも
のである。
【0008】
【作用】ステープルマガジン内に装填された連結形ステ
ープルは、ステープルプッシャによってノーズ部へ押圧
されており、ステープルの消費に伴ってステープルプッ
シャはステープルマガジン内をノーズ方向へ前進する。
ステープルの残量が一定数以下になると、前進したステ
ープルプッシャがノーズ部に枢着されたロックレバーを
押圧して回動させる。回動したロックレバーの先端部
は、突出状態にあるコンタクトアームの係合部に係合し
てコンタクトアームを固定し、ステープルドライバの打
込みが禁止される。
【0009】ステープルの線材の幅単位で移動するステ
ープルプッシャの移動量は、ロックレバーとステープル
プッシャとの接点とロックレバーの先端部とのてこ比に
よって前記先端部において拡大され、ロックレバーとコ
ンタクトアームとの係合が確実に行われる。
【0010】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図に従って詳述
する。図1は圧縮空気駆動形ステープル打ち機1を示
し、機構部ハウジング2とグリップ部3とが一体成形さ
れ、グリップ部3の端部に装着したホースコネクタプラ
グ4にホースのソケット(図示せず)を接続してエアコ
ンプレッサから圧縮空気を供給する。機構部ハウジング
2内にはシリンダ部が形成され、シリンダ部に挿入した
プランジャにステープルドライバが結合され、ステープ
ルドライバがノーズユニット5内のドライバガイド溝に
沿って昇降する。
【0011】ノーズユニット5のノーズ部6の背面には
ステープルマガジン7が連結され、ステープルマガジン
7に装填した連結形ステープル(図示せず)の後端面を
ステープルプッシャ8がバネの付勢によって押圧し、連
結形ステープルの先頭部をノーズ部6内へ導入する。
【0012】ノーズユニット5にはコンタクトアーム9
が装着されており、機構部ハウジング2から突出したト
リガバルブロッド10の先端に枢着した揺動レバー11
の一端部にコンタクトアーム9の上端部が対峙してい
る。また、コンタクトアーム9の下部はノーズユニット
5内で屈折してノーズ部6に沿って下方へ延長され、図
3に示す圧縮バネ12によってノーズ部6よりも下方へ
突出するように付勢されている。コンタクトアーム9の
下端部を打込み対象面に当ててコンタクトアーム9を押
込むと、図1に示す揺動レバー11の一端部がコンタク
トアーム9によって押上げられる。そして、この状態で
トリガレバー13を引くと揺動レバー11の他端部が押
上げられて揺動レバー11全体が上昇し、トリガバルブ
ロッド10が押込まれてプランジャが起動する。これに
よりステープルドライバがノーズ部6内を急激に下降し
てステープルが発射される。
【0013】図2及び図3はノーズユニット5を示し、
図3に示すようにコンタクトアーム9はドライバガイド
溝14の両側に配置され、左側面の下部を外側へ突出さ
せて段部15を形成し、ロックレバー16の係合部とし
ている。ノーズ部6の上部左側には、図2に示すように
ロックレバー16の上端部が枢着されて前後方向回動自
在に支持され、バネ(図示せず)の付勢によってロック
レバー16の下部は後方へ回動し、コンタクトアーム9
の昇降経路から退避している。また、ロックレバー16
の上下中間部よりも上方には後方へ突出する凸部17が
形成され、凸部17は後方のステープルプッシャ8の前
端面に対峙している。
【0014】ステープルマガジン7に装填した連結形ス
テープルが残存しているときは、図2に示すようにロッ
クレバー16はコンタクトアーム9の昇降経路から退避
しているため、コンタクトアーム9の先端を壁面等に当
てればコンタクトアーム9が押込まれ、ノーズ部6の先
端が打込み対象に圧接する。また、図1に示した揺動レ
バー11がコンタクトアーム9によって回動されて打込
み待機状態となり、トリガレバー13を引くことによっ
てステープルが打込まれる。
【0015】そして、ステープルマガジン7内のステー
プルが消費されて、ステープルプッシャ8がノーズ部6
へ向かって前進し、ステープルプッシャ8の前端部がロ
ックレバー16の凸部17を押圧すると、図4に示すよ
うにロックレバー16の先端部が前方へ回動してコンタ
クトアーム9の移動経路に突出する。従って、この状態
でコンタクトアーム9を壁面等に押し当てると、コンタ
クトアーム9の段部15がロックレバー16の先端部に
当接してコンタクトアーム9が上昇を阻止され、トリガ
レバー13によってトリガバルブロッド10を操作する
ことが不可能となる。
【0016】かかる状態となったときは、ステープルプ
ッシャ8を後退させてステープルマガジン7にステープ
ルを補充すれば、ロックレバー16がステープルプッシ
ャ8による押圧を解除されてコンタクトアーム9の経路
から退避し、図2に示す状態に復帰して作業の再開が可
能になる。
【0017】また、ロックレバー16の凸部17をレバ
ー軸18の近傍に配置しているため、凸部17と先端部
とのてこ比によってステープルプッシャ8の移動量がロ
ックレバー16の先端部において拡大される。従って、
ロックレバー16が退避位置から係合位置へ回動する際
に、ステープルプッシャ8の単位移動量はステープルの
線材の幅と等しいが、ロックレバー16の先端部の回動
量は、ステープルプッシャ8の移動量より大きいため、
図4に示すようにロックレバー16とコンタクトアーム
9との当接面積が広く、コンタクトアーム9を壁面等に
圧接させてもコンタクトアーム9やロックレバー16が
変形したり、コンタクトアーム9とロックレバー16の
係合が外れる虞れはない。
【0018】尚、この発明は、上記一実施例に限定する
ものではなく、ロックレバー16やコンタクトアーム9
の形状は種々に改変することが可能である。例えば、ロ
ックレバーの中間部をノーズ部6に枢着し、上端部背面
をステープルプッシャ8にて押圧するように形成し、下
端部を、図2に示したものとは逆にコンタクトアーム9
の前面側から係合させるように構成してもよく、この発
明がそれらの改変されたものに及ぶことは当然である。
【0019】
【発明の効果】この発明は、上記一実施例において詳述
したように、ステープルを一定量消費したときはロック
レバーを介してステープルプッシャによりコンタクトア
ームを固定してステープルドライバの起動を阻止するよ
うに形成し、ステープルプッシャの移動量に対してロッ
クレバーの先端部の変位量が拡大されるので、ロックレ
バーとコンタクトアームの係合が確実となり、コンタク
トアームの固定強度も向上する。よって、空打ち防止装
置の作動の確実性並びに耐久性の向上に効果を発揮す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示し、ステープル打ち機の
側面図。
【図2】図1に示すノーズユニットの側面図。
【図3】図1に示すノーズユニットの一部切欠正面図。
【図4】コンタクトアームをロックした状態を示すノー
ズユニットの側面図。
【符号の説明】
1 ステープル打ち機 5 ノーズユニット 6 ノーズ部 7 ステープルマガジン 8 ステープルプッシャ 9 コンタクトアーム 10 トリガバルブロッド 11 揺動レバー 12 圧縮バネ 13 トリガレバー 14 ドライバガイド溝 15 段部 16 ロックレバー 17 凸部 18 レバー軸

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステープル打ち機のノーズ部(6)に、
    ノーズ部先端より突出した突出位置と退避位置との間で
    ステープルの射出方向と平行に移動自在なコンタクトア
    ーム(9)を配設して前記コンタクトアーム(9)を突
    出方向に付勢し、前記コンタクトアーム(9)の退避位
    置への操作とトリガレバー(13)の操作とによって機
    械的リンク機構等の起動装置を介して駆動するように構
    成したステープル打ち機に於て、前記ノーズ部(6)に
    ロックレバー(16)を枢着し、前記コンタクトアーム
    (9)には突出状態において前記ロックレバー(16)
    の前記枢着点から遠い先端部が係合される係合部(1
    5)を設け、前記ロックレバー(16)にバネを介装し
    て前記ロックレバー(16)を前記コンタクトアーム
    (9)の昇降経路から退避せしめ、ステープルマガジン
    (7)内のステープルプッシャ(8)が設定位置へ前進
    したときに、前記ステープルプッシャ(8)が前記ロッ
    クレバー(16)の前記枢着点に近い中間部位を押圧し
    て前記ロックレバー(16)の先端部をコンタクトアー
    ム(9)の前記係合部(15)に係合し、前記コンタク
    トアーム(9)の突出位置から退避位置への移動を阻止
    するように形成したことを特徴とするステープル打ち機
    の空打ち防止装置。
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