JP2819556B2 - 半導体レーザの製造方法 - Google Patents

半導体レーザの製造方法

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JP2819556B2 JP63064185A JP6418588A JP2819556B2 JP 2819556 B2 JP2819556 B2 JP 2819556B2 JP 63064185 A JP63064185 A JP 63064185A JP 6418588 A JP6418588 A JP 6418588A JP 2819556 B2 JP2819556 B2 JP 2819556B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はII−VI族化合物半導体の埋め込み層を有する
半導体レーザの製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来のII−VI族化合物半導体薄膜の形成法では、第3
図(d)に示した様にマスク上にII−VI族化合物半導体
の堆積が行われる為、これを除去する第3図(d)から
第3図(e)への工程が必要であった。従来行われてい
た、マスク上のII−VI族化合物半導体の除去する2つの
方法を以下に述べる。
1.フォトリソグラフィ技術により、半導体ウェハー表面
上にエピタキシャル成長したII−VI族化合物半導体薄膜
だけを残し、マスク上に堆積したII−VI族化合物半導体
のみをエッチングにより除去する。
2.半導体ウェハー表面にエピタキシャル成長した単結晶
II−VI族化合物半導体と、マスク上に堆積した多結晶の
II−VI族化合物半導体とのエッチングレートの違いによ
り、マスク上に堆積したII−VI族化合物半導体のみを選
択的に除去する。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、前述の従来技術ではマスク上に堆積したII−
VI族化合物半導体を除去する工程が必要となる為、歩留
りが低下するという問題点を有する。そこで本発明は、
この様な問題点を解決するもので、その目的とするとこ
ろは、マスク上に全く堆積物のないII−VI族化合物半導
体薄膜のエピタキシャル成長法により埋め込み層を形成
する半導体レーザの製造方法を提供するところにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の半導体レーザの製造方法は,半導体基板上に
少なくとも下部クラッド層,活性層及び上部クラッド層
からなる半導体層を形成する工程と,前記半導体層上の
一部にSiO2層を形成する工程と,前記SiO2層をマスクと
して前記半導体層の一部をエッチングする工程と,II族
元素を含む有機化合物とVI族元素を含む有機化合物とを
原料とするMOCVD法によって,前記SiO2層をマスクとし
て該マスク上にはII−VI族化合物半導体薄膜が堆積する
ことなく前記半導体層表面にII−VI族化合物半導体薄膜
からなる埋め込み層を選択的に形成する工程とを有し,
前記II−VI族化合物半導体薄膜の成長温度が500℃以上6
00℃以下,成長圧力が100Torr以下であり,前記VI族元
素を含む有機化合物供給量の前記II族元素を含む有機化
合物供給量に対する比を6以下としたことを特徴とす
る。
〔実 施 例〕
第1図(a)〜(b)は本発明の実施例における半導
体レーザの製造工程を示す断面図であって、以下に半導
体レーザの製造工程を順に述べる。
n型の伝導型を有するGaAs基板1上に、n型Al0.4Ga
0.6Asより成る下部クラッド層2、ノンドープAl0.15Ga
0.85Asより成る活性素層3、P型のAl0.4Ga0.6Asより成
る上部クラッノド層4、P型のGaAsより成るコンタクト
層5をMOCVD法によりエピタキシャル成長し、該ウエハ
ー上面にSiH4を原料とする熱CVD法によりSiO2膜6を形
成する。この状態が第1図(a)である。次にフォトリ
ソグラフィ技術により、不要なSiO2膜を沸酸系のエッチ
ャントにより除去し、SiO2マスクを第1図(b)の様に
形成する。該SiO2マスクを介して硫酸系のエッチャント
によりコンタクト層及び上部クラッド層の一部をエッチ
ング除去し、第1図(c)の様にする。この状態で第2
図に示したMOCVD装置によりSiO2膜によりマスクされて
いない部分にZnSe薄膜7を選択的にエピタキシャル成長
し第1図(d)の様にする。第2図に示したMOCVD装置
の各部の説明は以下の様である。
石英製横型反応管10の内部にはグラファイト製サセプ
ター11が置かれ、該サセプター上に基板12が置かれる。
前記石英製横型反応管の側面に配置されたコイル13に高
周波を印加することにより、前記グラファイト製サセプ
ターが誘導加熱され基板の加熱が行われる。
基板温度の測定は、グラファイト製サセプター中に埋
め込まれた熱電対14により行う。石英製横型反応管は排
気ポンプ15及び廃ガス処理系16とバルブ17及び18を介し
て接続されており、減圧及び常圧での成長が可能となっ
ている。II族原料としてのジメチル亜鉛19及びVI族原料
であるジメチルセレン20は、室温付近で液体である為バ
ブラー21、22の中に入っており、水素ボンベ23より水素
精製器24を通してマスフローコントローラ25により流量
を正確に制御された水素をキャリアガスとして石英製横
型反応管へ導入される。又、原料の供給量を一定に保つ
為、前記バブラーは恒温槽26内に入っており、水素キャ
リアガスによるバブリング時の温度を一定に保ってい
る。水素キャリアガスによりバブリングしジメチル亜鉛
及びジメチルセレンを含む原料ガスは、希釈の為の水素
ガスと合流した後、三方バルブ27により石英製横型反応
管内への導入或いは廃ガス処理系への切り換えが行われ
る。第2図には横型反応管を用いたMOCVD装置の構成を
示したが、縦型反応管を用いた場合も基本的構成は同じ
である。但し縦型反応管の場合基板の回転機構を設ける
ことにより、得られる膜の膜厚及び膜質の均一性を確保
する必要がある。
次に上記MOCVD装置を用いたZnSe薄膜の成長手順を以
下に説明する。第1図(c)の様になった基板をサセプ
ター上に置き、排気ポンプにより反応管内を排気する。
次に水素精製器を通した水素ガスを反応管内に導入す
る。その後コイルに高周波電圧を印加し、基板を成長温
度まで昇温する。温度が安定したら、II族及びVI族原料
であるジメチル亜鉛及びジメチルセレンを反応管内に導
入しZnSe薄膜の成長を開始する。成長条件は以下に示す
通りである。
成長温度 ;550℃ 成長圧力 ;40Torr ジメチル亜鉛供給量 ;1×10-5mol/min ジメチルセレン供給量;4×10-5mol/min VI/II比 ;4 水素ガス流量 ;1/min 上記の成長条件で、ZnSe薄膜の成長速度は約1μmhで
あった。ZnSe薄膜の厚さが、コンタクト層上面の高さと
等しくなる様にZnSe薄膜7の成長を行う。
この時、SiO2マスク上にはZnSeの堆積物は全くない。
この時の状態を示したのが第1図(d)である。その後
SiO2膜を沸酸系のエッチング液にて除去し金属電極8を
蒸着してレーザの構造ができる。この状態が第1図
(e)である。
尚、前記したZnSe薄膜の成長条件以外でも、例えば成
長温度が500℃以上600℃以下、成長圧力が100Torr以
下、VI/II比が6以下、又原料としてジエチル亜鉛及び
ジエチルセレンを用いた場合、或いはこれらの原料を組
み合わせた場合においてもZnSeは選択エピタキシャル成
長する。又、VI族原料としてジメチル硫黄、ジエチル硫
黄、ジメチルテルル、ジエチルテルル及びII族原料とし
てジメチルカドミウム等を用いることによりZnS、ZnT
e、CdS、CdSe、CdTe等のII−VI族化合物半導体薄膜の選
択エピタキシャル成長も可能である。
〔発明の効果〕
以上述べた様に本発明の半導体レーザの製造方法によ
ればII−VI族化合物半導体薄膜層が自己整合的に形成で
きる為以下の様な効果を有する。
(a)マスク上にII−VI族化合物半導体の堆積物が全く
ない為、従来技術では必要であったマスク上の堆積物を
除去する工程が省略できる。
(b)(a)と関連し、工程が簡略化された分、歩留り
が大巾に向上する。
(C)(a)と関連し、従来技術においてマスク上の堆
積物をエッチング除去する際、エッチングされる必要の
ないZnSe層或いはコンタクト層がエッチングされること
があったが、本発明においては不要なエッチングは行わ
れない為デバイスとしての性能及び信頼性が向上する。
(d)フォトリソグラフィ技術を用いてパターン形成が
II−VI族化合物半導体よりも容易なマスク材を選ぶこと
により、微細加工が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(e)は本発明における半導体レーザの
製造工程を示す断面図。 第2図は本発明におけるII−VI族化合物半導体薄膜を形
成する為のMOCVD装置の構成概略断面図。 第3図(a)〜(f)は従来技術における半導体レーザ
の製造工程を示す断面図。 1……n型GaAs基板 2……n型Al0.4Ga0.6As(下部クラッド層) 3……Al0.15Ga0.85As 4……P型Al0.4Ga0.6As(上部クラッド層) 5……P型GsAs(コンタクト層) 6……SiO2膜 7……ZnSe薄膜 8……金属電極 9……ZnSe堆積物 10……石英製横型反応管 11……グラファイト製サセプター 12……基板 13……コイル 14……熱電対 15……排気ポンプ 16……廃ガス処理系 17……バルブ 18……バルブ 19……ジメチル亜鉛 20……ジメチルセレン 21……バブラー 22……バブラー 23……水素ボンベ 24……水素精製器 25……マスフローコントローラー 26……恒温槽 27……三方バルブ 28……バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01S 3/18 H01L 21/365 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上に少なくとも下部クラッド
    層,活性層及び上部クラッド層からなる半導体層を形成
    する工程と, 前記半導体層上の一部にSiO2層を形成する工程と, 前記SiO2層をマスクとして前記半導体層の一部をエッチ
    ングする工程と, II族元素を含む有機化合物とVI族元素を含む有機化合物
    とを原料とするMOCVD法によって,前記SiO2層をマスク
    として該マスク上にはII−VI族化合物半導体薄膜が堆積
    することなく前記半導体層表面にII−VI族化合物半導体
    薄膜からなる埋め込み層を選択的に形成する工程とを有
    し, 前記II−VI族化合物半導体薄膜の成長温度が500℃以上6
    00℃以下,成長圧力が100Torr以下であり,前記VI族元
    素を含む有機化合物供給量の前記II族元素を含む有機化
    合物供給量に対する比を6以下としたことを特徴とする
    半導体レーザの製造方法。
  2. 【請求項2】前記II族元素を含む有機化合物が,ジメチ
    ル亜鉛またはジメチルカドミウムであることを特徴とす
    る請求項1記載の半導体レーザの製造方法。
  3. 【請求項3】前記VI族元素を含む有機化合物が,ジエチ
    ルセレン,ジメチル硫黄,ジメチル硫黄,ジメチルテル
    ルおよびジエチルテルルより選択されてなることを特徴
    とする請求項1記載の半導体レーザの製造方法。
  4. 【請求項4】前記II族元素を含む有機化合物としてジメ
    チル亜鉛を,前記VI族元素を含む有機化合物としてジメ
    チルセレンを用いたことを特徴とする請求項1記載の半
    導体レーザの製造方法。
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APPLIED PHYSICS LETTERS Vol.50,No.16,pp.1065−1067

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