JP2818862B2 - 遮音板とその製造方法 - Google Patents

遮音板とその製造方法

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JP2818862B2
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達夫 小笠
潔 劔持
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工業技術院長
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鈴状構造からなる遮
音板とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、均質単板の音に対する透過損失は
質量則に従うとされ、垂直入射波、拡散入射波のいずれ
に対しても透過損失は周波数と面密度の関数であり、入
射音の強さのレベルによらない。また、単純な多孔質材
は吸音性(音の反射率を低下させる度合)には寄与する
が、遮音性にはほとんど寄与しないことが知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは質量則を
超える透過損失を実現する板材を開発すべく鋭意研究の
結果、本発明を完成するに至ったものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明によれ
ば、(1)内部に多数の独立空孔を有し、かつ、その空
孔中に基体と独立に運動しうる粒子を有する鈴状構造を
有し、基体と粒子が重量比で1:0.2〜1:5の範囲
であり、空孔のサイズが前記の粒子の可動距離にして1
nm〜10μmであることを特徴とする遮音板、及び
(2)発泡剤をコーティングした粒子を樹脂中に混練
し、樹脂を板状に成形後、発泡することを特徴とする
(1)項記載の遮音板の製造方法が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の遮音板において、基体に
形成する空孔のサイズは、その中に封入された粒子の可
動距離を規定するので重要であり、通常1nm〜10μ
m、好ましくは1nm〜1μmとする。この孔のサイズ
(粒子の可動距離)が小さすぎると(より高い効果を期
待できるが)製造が極めて困難であり、大きすぎると可
聴音域では効果がない。また基体中の孔の体積率は通常
20%以上、好ましくは40〜60%とする。これが小
さすぎると封入可能な粒子の量が少なくなり効果が期待
できず、また大きすぎると板としての強度・剛性が低下
する。
【0006】また、孔中に封入する粒子の量は、基体:
粒子の重量比で表わして通常1:0.2〜1:5の範囲
であり、好ましくは1:1〜1:2の範囲である。粒子
の量が少なすぎると音のエネルギーを吸収する効果が弱
くなり、多すぎると空孔率を高くとらねばならず、板と
しての強度・剛性が低下する。本発明において、鈴状構
造体の基体は、特に制限はないが、プラスチック、ガラ
スなどが好ましく、また、粒子の材質としてはセラミッ
クス、金属粉などが用いられる。具体的にプラスチック
としてはポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレ
ン、ポリカーボネートなどを用いることができる。
【0007】次に本発明の遮音板の構造の一実施態様を
図示の断面図に従って説明すると、遮音板1は基板2の
内部に孔3を有し、その孔3はさらに内部に粒子4を有
する。孔3の雰囲気は特に制限はない。この本発明の遮
音板は前記のように発泡剤をコーティングした粒子を樹
脂中に混練し、樹脂を板状に成形後、発泡することによ
り製造することができる。ここで用いる発泡剤として
は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミ
ド、重炭酸ナトリウムなどを用いることができる。発泡
は樹脂の温度制御によって行うことができる。例えば、
発泡剤をコーティングした粒子を発泡温度以下の低温で
樹脂と混練しておき、この混練物を板状に成形後、成形
体を発泡温度以上に加熱する方法が行われる。具体的に
は発泡剤の粒子への塗布量を定めることにより孔のサイ
ズを所定の範囲のものとすることができる。
【0008】さらに、本発明の遮音体の製造法として
は、水/油型乳濁液から溶媒を抜きとる方法がある。こ
の方法は基体より比重の大きい金属塩(例えば塩化第2
鉄等)の濃厚水溶液を基体材質の油性溶液(例えばポリ
塩化ビニル/ジクロロエタン)中に乳濁させ、その状態
からまず油性溶媒を真空乾燥等により抜きとり、その後
水分を抜きとることを特徴とする。したがって用いる油
性溶媒は水よりも十分に低沸点でなければならない。
【0009】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づきさらに詳細に
説明する。 実施例1 アゾジカルボンアミド(ADCA)のメタノール溶液中
にアルミナ微粒子(粒径0.5μm)を懸濁させ、メタ
ノールを蒸発させて、ADCAでコーティングしたアル
ミナ微粒子を得た。これを140℃で、等重量の軟質ポ
リ塩化ビニルに混練し、厚さ5mmの板状に成形後、1
80℃に昇温、発泡(低倍率)させて多孔質板を得た。
ADCAの塗布量を調節することにより発泡倍率を制御
した。こうして(イ)面密度5kg/m2 の発泡ポリ塩
化ビニル板(発泡倍率約2)でその孔内に面密度にして
5kg/m2 のアルミナ微粒子を含むもの、(ロ)面密
度6.7kg/m2 の発泡ポリ塩化ビニル板(発泡倍率
約1.5)でその孔内に3.3kg/m2 のアルミナ微
粒子を含むもの、(ハ)面密度3.3kg/m2 の発泡
ポリ塩化ビニル板(発泡倍率約3)でその孔内に6.7
kg/m2 のアルミナ微粒子を含むものを得た。
【0010】試験例 面密度10kg/m2 のポリ塩化ビニル中実板、同
じく面密度10kg/m2 の発泡ポリ塩化ビニル板(発
泡倍率約2)、本発明による面密度5kg/m2 の発
泡ポリ塩化ビニル板(発泡倍率約2)でその孔内に面密
度にして5kg/m2 のアルミナ微粒子を含むもの、を
試験体として入射音の強さのレベルを下記表のように変
えて透過損失の測定を行った。その結果を下記表に示し
た。表1の結果から明らかなように、、については
ほぼ面密度10kg/m2の板に対する質量則に従う結
果が得られた。透過損失は入射音の強さのレベルに依存
しなかった(誤差範囲)。一方、試験体の透過損失は
入射音の強さのレベルによって変化した。
【0011】すなわち、入射音の強さのレベルが60d
Bの場合、は測定した周波数全域で基体の面密度5k
g/m2 の板に対する質量則にほぼ従い、鈴状構造の効
果は現れない。入射音の強さのレベルが80dBの場
合、周波数100Hzの際に面密度10kg/m2 の板
の値を超えるが、500Hz以上では5kg/m2 の板
に対する質量則の値に近い。入射音の強さのレベルが1
00dBになると、100Hzでは面密度10kg/m
2 の中実板を透過損失で10dB上回り、500Hzで
同等、1000Hzでは下回る。さらに入射音の強さの
レベルが120dBに達すると測定した周波数全域で面
密度10kg/m2 の板を上回り、100Hzでは20
dBも、1000Hzでも3dB、透過損失が大きかっ
た。これは要するに、入射音の強さのレベルが低い場合
には鈴状構造の遮音効果はないが、入射音の強さのレベ
ルが高くなるにしたがって、低音側から鈴状構造の効果
が顕著に現れ、質量則を凌駕する。
【0012】
【表1】
【0013】
【発明の効果】本発明の鈴状構造からなる遮音板は、入
射音の強さのレベルが低い場合には遮音効果を示さない
が、入射音の強さのレベルが高くなるに従って遮音効果
が顕著になるという特異な作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遮音板の一実施態様の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 遮音板 2 基体 3 空孔 4 粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 E04B 1/86 G10K 11/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に多数の独立空孔を有し、かつ、そ
    の空孔中に基体と独立に運動しうる粒子を有する鈴状構
    造を有し、基体と粒子が重量比で1:0.2〜1:5の
    範囲であり、空孔のサイズが前記の粒子の可動距離にし
    て1nm〜10μmであることを特徴とする遮音板。
  2. 【請求項2】 発泡剤をコーティングした粒子を樹脂中
    に混練し、樹脂を板状に成形後、発泡することを特徴と
    する請求項1記載の遮音板の製造方法。
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