JP2817362B2 - 半導体β線検出器 - Google Patents

半導体β線検出器

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JP2817362B2 JP2162386A JP16238690A JP2817362B2 JP 2817362 B2 JP2817362 B2 JP 2817362B2 JP 2162386 A JP2162386 A JP 2162386A JP 16238690 A JP16238690 A JP 16238690A JP 2817362 B2 JP2817362 B2 JP 2817362B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は半導体β線検出器に関し、更に詳しくは、検
出効率の改善に関する。
<従来の技術> 半導体β線検出器は、入射されたβ線により生成され
る正孔電子対を収集して検出信号として取り出すように
構成されている。
ところで、入射されたβ線により生成される正孔電子
対の一部は、収集される前に消滅してしまう。
そこで、このような正孔電子対の消滅を少なくするた
めに、半導体β線検出器に空乏層を設けられている。
具体的には、半絶縁性結晶の場合には結晶全体を空乏
層とし、PN接合素子の場合には一部だけを空乏層とする
ことが行われている。
<発明が解決しようとする課題> しかし、前者の構成では結晶製作が非常に難しく、か
つ使用に際しては高いバイアスを必要とする。
また、後者の構成によれば無バイアスで使えることか
ら実用的ではあるものの、空乏層が非常に狭くなること
から検出効率が悪くなるという問題がある。
本発明はこのような点に着目してなされたものであ
り、その目的は、β線に対する有感層を広げることによ
りβ線の検出効率の高い半導体β線検出器を提供するこ
とにある。
<課題を解決するための手段> 上記課題を解決する本発明は、 PN接合よりなるβ線に対する有感層が連続するように
複数のPN接合が多重に積層され、各P層相互,N層相互は
電気的に接続されたことを特徴とするものである。
<作用> 本発明の半導体β線検出器によれば、多層PN接合のP
側から入射したβ線は正孔電子対を生成し、エネルギー
を減衰させながら内部を進む。このとき、β線は有感層
内ですべてのエネルギーを失い、多量の正孔電子対を生
成する。
これにより、これらの正孔電子対はすべてが信号にな
ることから、β線の検出効率の高い半導体β線検出器が
得られる。
<実施例> 以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。
第1図は本発明で用いるPN接合の説明図である。PN接
合における空乏層幅は通常1μm程度であるが、有感層
幅tは空乏層幅にキャリアの拡散幅を加えた幅になる。
第2図はβ線の強度分布説明図である。ここで、第1
図の有感層内で全エネルギーを失うβ線のエネルギーは
Emin以下のものであり、残りの多くのβ線はこの領域を
通過してしまう。
そこで、本発明では、最大強度終Imaxのβ線のエネル
ギー以上のβ線(E′min)まで有感層内で消滅させる
ことができるようにPN接合を多層にして有感層の幅を広
くする。
第3図は本発明の一実施例を示す構成図である。図に
おいて、N基板1の表面にはN層2が形成され、N層2
の表面にはP層3が形成され、P層3の表面にはN層4
が形成され、N層4の表面にはP層5が形成されてい
る。すなわち、最初のN層2とP層3の接合により形成
される有感層の端部にP層3とN層4の接合により形成
される有感層の端部が連続し、さらにP層3とN層4の
接合により形成される有感層の端部にN層4とP層5の
接合により形成される有感層の端部が連続するように積
層され、有感層幅mtが形成されている。これらN基板1
およびN層2,4相互はアンプ6の反転入力端子に接続さ
れ、P層3,5相互はアンプ6の非反転入力端子に接続さ
れている。これら各層の電極の取り出しは図に示さない
窓を通して上面から行う。なお、N基板1としてはCaTe
にアルミが1×1015/m3程度ドープされた500μm程度の
厚さのものを用い、N層2,4としてはCaTeにアルミが1
×1015/m3程度ドープされたものを10μm程度の厚さで
形成し、P層3,5としてはCaとTeが1:1の割合で混合され
P型不純物が1×1016〜1017/m3ドープされた層を0.5〜
1μmの厚さで液相成長させる。
このような構成において、P層5から入射したβ線は
正孔電子対を生成し、エネルギーを減衰させながら内部
を進む。このとき、第2図に示した強度分布のβ線のう
ちエネルギーがE′minのβ線が有感層mt内ですべての
エネルギーを失い、多量の正孔電子対を生成する。そし
て、これらの正孔電子対はすべてが信号になることか
ら、従来の1層のPN接合構造に比べてβ線の検出効率の
高い半導体β線検出器が得られる。
また、PN接合は無バイアスで使用できることから、逆
バイアスをかけることによって生じるリーク電流の増加
もない。
<発明の効果> 以上詳細に説明したように、本発明によれば、β線に
対する有感層を広げることによりβ線の検出効率の高い
半導体β線検出器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明で用いるPN接合の説明図、 第2図はβ線の強度分布説明図、 第3図は本発明の一実施例を示す構成図である。 1……N基板、2,4……N層 3,5……P層、6……アンプ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 31/00 G01T 1/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】PN接合よりなるβ線に対する有感層が連続
    するように複数のPN接合が多重に積層され、各P層相
    互,N層相互は電気的に接続されたことを特徴とする半導
    体β線検出器。
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JPH053337A (ja) * 1990-11-28 1993-01-08 Hitachi Ltd 半導体放射線検出装置及び半導体放射線検出器並びにその製造方法

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