JP2817015B2 - コンプレッションリングの製造方法 - Google Patents

コンプレッションリングの製造方法

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JP2817015B2
JP2817015B2 JP3183025A JP18302591A JP2817015B2 JP 2817015 B2 JP2817015 B2 JP 2817015B2 JP 3183025 A JP3183025 A JP 3183025A JP 18302591 A JP18302591 A JP 18302591A JP 2817015 B2 JP2817015 B2 JP 2817015B2
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政男 石田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関や圧縮機に用
いられるコンプレッションリングの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンプレッションリングに窒化処
理が行われている。そして、窒化はガス窒化や塩浴窒化
で行われており、この方法によれば、外周面のみなら
ず、上下面及び内周面も窒化されてしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、リング断
面全周に窒化が入るため、リング幅が薄く、しかも合口
端部に切欠部を有するリングに厚窒化を施すと、合口端
部の断面積の小さい切欠部の部分は窒化によってぜい性
が増し、強度が落ち、その部分から折損するおそれが生
じる。そのため、リングの薄幅化と高耐摩耗性の要求に
応えることができない。
【0004】本発明の目的は、合口端部に切欠部を有す
るコンプレッションリングにおいて、折損強度を保持し
てリングの薄幅化と耐摩耗性の要求に応えることにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の構成は、鋼線材をコイリング成形する工程と、前
記コイリング成形によって得られたコイル材を切断して
合口を有するリングを得る工程と、前記リングの合口端
部に切欠加工を行う工程と、前記切欠加工を行ったリン
グにイオン窒化処理を施して外周面にのみ窒化層を形成
する工程と、前記窒化リングに仕上加工を施す工程とを
有することを特徴とするコンプレッションリングの製造
方法である。 上記に代えて次のようにしてもよい。すな
わち、鋼線材をコイリング成形する工程と、前記コイリ
ング成形によって得られたコイル材にイオン窒化処理を
施して外周面にのみ窒化層を形成する工程と、前記窒化
後のコイル材を切断して合口を有するリングを得る工程
と、前記リングの合口端部に切欠加工を行う工程と、前
記切欠加工を施したリングに仕上加工を施す工程とを有
することを特徴とする。 さらには、次のようにしてもよ
い。すなわち、鋼線材をコイリング成形する工程と、前
記コイリング成形によって得られたコイル材を切断して
合口を有するリングを得る工程と、前記リングにイオン
窒化処理を施して外周面にのみ窒化層を形成する工程
と、前記窒化リングの合口端部に切欠加工を行う工程
と、前記切欠加工を施したリングに仕上加工を施す工程
とを有することを特徴とする。
【0006】
【0007】
【作用】コンプレッションリングは外周面にのみイオン
窒化処理層が設けられているので、シリンダとの摺動に
対して耐摩耗性がよい。
【0008】そして窒化処理として、処理の指向性を有
するイオン窒化処理を選択したことにより、特別の窒化
防止処理あるいは窒化層の除去加工を施すことなく、コ
ンプレッションリングの上下面、内周面を窒化させず
に、外周面にのみ窒化を容易に施すことができる。そし
て、外周面にのみ窒化を行えるため、合口端部に切欠部
を有しリング幅の薄いリングに厚窒化を施しても、合口
端部の断面積の小さい切欠部の部分の折損強度を保持で
き、リング幅の薄い、折損強度のある、耐摩耗性に優れ
たリングを得られる。特に、リング幅1.2mm以下、
窒化層厚さ70μm以上で効果が大きい。
【0009】
【実施例】図2において、アルミニウム合金製ピストン
1の外周面には2つのコンプレッションリング溝2A,
3Aと1つのオイルリング溝4Aが形成されており、最
上方のコンプレッションリング溝2Aにはトップリング
2が、その下のコンプレッションリング溝3Aにはセカ
ンドリング3が、その下のオイルリング溝4Aにはオイ
ルリング4が装着されている。
【0010】トップリング2は外周がバレル形状で直角
合口構造をなし、外周面にのみイオン窒化処理層5を形
成してあり、シリンダ19の内壁面20に押接してい
る。セカンドリング3は合口端部に切欠部を有する構造
を有し、外周面にのみイオン窒化処理層6を形成してあ
り、シリンダ19の内壁面20に押接している。リング
上下面と内周面は母材表面をなしている。合口構造は、
図1に示すように、一方の合口端部のリング上面7にリ
ング外周面と合口端面8に開放する切欠部9が形成され
ている。そして、他方の合口端部にも切欠部が形成され
て、合口端部の合口端面10の前記切欠部9に対向する
位置に切欠部9に配置される突出部11を突出形成して
なる。切欠部9と突出部11は半径方向に切った縦断面
が同一の三角形状をなしており、切欠部9の斜面12に
突出部11の斜面13が配置し、両合口端面8,10間
に所定の合口隙間を有してリング溝3Aに装着されてい
る。なお、切欠部9と突出部11の断面形状は上記では
三角形状のものを示したが、これに限ることはなく、こ
の他例えば矩形形状などその形状は問わない。
【0011】オイルリング4は2ピース構成の鋼製組合
せオイルリングで、上下にレール14,15を備えた断
面略I字形状のオイルリング本体16と、オイルリング
本体16の内周に嵌装されたコイルエキスパンダ17と
からなり、外周面にクロムめっき18を形成したレール
14,15はコイルエキスパンダ17によりシリンダ1
9の内壁面20に押接される。
【0012】以下に上記セカンドリング3の製造方法の
一例を説明する。マルテンサイト系ステンレス鋼線材
コイリング成形してコイル材を作製し、これを切断して
合口を有するリングを得た後、合口端部の切欠加工を行
い、次に複数個のリングを円筒治具の外周に挿入してス
タック状とし、これの両端をクランプ円板で軸方向に締
め付け固定した後、イオン窒化炉で外周面の窒化処理を
行い、その後、常法により仕上げた。イオン窒化の条件
は例えば、 雰囲気ガス組成 窒素:水素=7:3 ワーク温度 500℃ これにより、HV700以上の深さ70μmのイオン窒
化処理層をリング外周面に得た。
【0013】イオン窒化は放電がワーク外周面にのみ発
生するので、リング外周は窒化されるが、上下面はワー
ク同士が接触して隙間がなく、内周は治具の筒面に接し
ているため、放電は発生せず、上下面、内周面に窒化層
のないリングを得ることができる。
【0014】なお、外周面のイオン窒化処理はコイル材
の段階で行うこともできる。
【0015】なお、本発明の適用される合口端部の構造
は、上記で示したものに限ることは勿論なく、この他例
えば図3、図4、図5に示すものなどがある。図3に示
すものは段付合口構造で、一方の合口端部の下部に切欠
部30を有し、他方の合口端部の上部に切欠部31を有
して、合口端部がそれぞれ段付状をなし、それぞれの合
口端部の突出部32,33が上下に配置するもので、リ
ング外周面にのみイオン窒化処理層6Aが形成されてい
る。
【0016】図4、図5に示すものはリングの回り止め
としての合口端部構造で、図4は側面回り止めを示し、
両合口端部の上面端部に切欠部34,35を有し、それ
らの切欠部34,35に回り止めピン36(ピストンの
リング溝部に突設される)が配置するもので、リング外
周面にのみイオン窒化処理層6Bが形成され、図5は内
周回り止めを示し、両合口端部の内周端部に切欠部3
7,38を有し、それらの切欠部37,38に回り止め
ピン39(ピストンのリング溝部に突設される)が配置
するもので、リング外周面にのみイオン窒化処理層6C
が形成されている。
【0017】なお、上記では、切欠部を有する合口端部
構造をセカンドリング3に適用した例を示したが、トッ
プリングなどの他のコンプレッションリングに適用する
ことができることは言うまでもない。そしてその場合、
リング外周面にのみイオン窒化処理層を形成する。
【0018】
【0019】
【発明の効果】 以上説明したように本発明によれば、
オン窒化処理によって、耐摩耗性の必要な外周面にのみ
窒化処理を容易に行える。そして、外周面にのみ窒化を
行えるため、合口端部に切欠部を有しリング幅の薄いリ
ングに厚窒化を施しても、合口端部の断面積の小さい切
欠部の部分の折損強度を保持でき、リング幅の薄い、折
損強度のある、耐摩耗性に優れたリングを得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】セカンドリングの合口部分を示す斜視図であ
る。
【図2】シリンダ内に挿入されたピストンの要部断面図
である。
【図3】リングの合口部分を示す正面図である。
【図4】リングの合口部分を示す正面図である。
【図5】リングの合口部分を示す平面図である。
【符号の説明】
1 ピストン 2 トップリング 2A トップリング溝 3 セカンドリング 3A セカンドリング溝 4 オイルリング 4A オイルリング溝 5、6、6A、6B、6C イオン窒化処理層 7 リング上面 8、10 合口端面 9 切欠部 11 突出部 12、13 斜面 16 オイルリング本体 17 コイルエキスパンダ 18 クロムめっき 19 シリンダ 20 シリンダ内壁面 30、31、34、35、37、38 切欠部 32、33 突出部 36、39 回り止めピン

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼線材をコイリング成形する工程と、前
    記コイリング成形によって得られたコイル材を切断して
    合口を有するリングを得る工程と、前記リングの合口端
    部に切欠加工を行う工程と、前記切欠加工を行ったリン
    グにイオン窒化処理を施して外周面にのみ室化層を形成
    する工程と、前記室化リングに仕上加工を施す工程とを
    有することを特徴とするコンプレッションリングの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 鋼線材をコイリング成形する工程と、前
    記コイリング成形によって得られたコイル材にイオン窒
    化処理を施して外周面にのみ窒化層を形成する工程と、
    前記窒化後のコイル材を切断して合口を有するリングを
    得る工程と、前記リングの合口端部に切欠加工を行う工
    程と、前記切欠加工を施したリングに仕上加工を施す工
    程とを有することを特徴とするコンプレッションリング
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 鋼線材をコイリング成形する工程と、前
    記コイリング成形によって得られたコイル材を切断して
    合口を有するリングを得る工程と、前記リングにイオン
    窒化処理を施して外周面にのみ窒化層を形成する工程
    と、前記窒化リングの合口端部に切欠加工を行う工程
    と、前記切欠加工を施したリングに仕上加工を施す工程
    とを有することを特徴とするコンプレッションリングの
    製造方法。
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