JP2816133B2 - 遠心分離機、及びこれを用いた研磨液等の再生システム - Google Patents

遠心分離機、及びこれを用いた研磨液等の再生システム

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JP2816133B2 JP9700996A JP9700996A JP2816133B2 JP 2816133 B2 JP2816133 B2 JP 2816133B2 JP 9700996 A JP9700996 A JP 9700996A JP 9700996 A JP9700996 A JP 9700996A JP 2816133 B2 JP2816133 B2 JP 2816133B2
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幸之輔 中村
泰男 木本
郁子 中村
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株式会社ジーテック
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転ボウルの内壁
に付着した固形分を自動洗浄することのできる遠心分離
機、及び、この遠心分離機を用いることにより、研磨や
研削工程で排出された廃液中より研磨剤(研削剤も含
む)を回収して再生する再生システムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、精密機械(エンジン等)や半
導体等の製造ラインにおける研磨工程(以下の説明にお
いて、「研磨」の語には「研削」の意も含めるものとす
る)では、微粒子からなる研磨剤(カーボランダム)を
含有した研磨液(クーラント)をワークに吹き付けて研
磨する作業が広く行なわれている。
【0003】この種の研磨工程では、多量の研磨液が使
用済み廃液として排出されるが、一般にこの廃液は、PH
が11程度の強アルカリ性であり、しかも研磨によって発
生した超微粒研磨粉を大量に含むことから、そのまま排
出すれば環境汚染を招く危険性が高い。従って、環境に
悪影響を与えることなく、如何にこの廃液を処理するか
は産業界全体で極めて重要な課題である。
【0004】この課題に対しては、研磨廃液を遠心分離
機に供給して固−液分離を行ない、分離した固形分を廃
棄すると共に、浄化液を研磨液として再使用する試みも
なされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、遠心分
離機では、研磨粉のみならず、研磨液中に含まれる研磨
剤もその大半が分離されるため、再生した研磨液は研磨
剤が不足した状態にある。そのため、再使用時には、研
磨液中に新たな研磨剤を補充する必要があるが、研磨剤
は一般に高価であり、特に半導体製造産業等で使用する
ような粒度の揃った高品質の研磨剤はその入手が極めて
困難であるのが実情である。したがって、研磨コストが
高騰し、製造コストの増大を招く要因となる。また、分
離した固形分を廃棄することから環境に悪影響を与える
おそれもある。
【0006】ところで、遠心分離に伴って研磨液中の研
磨粉や研磨剤等の固形分は、遠心分離機の回転ボウルの
内壁面に付着し、徐々にその堆積量を増大させる。その
ため、所定時間経過後には、遠心分離機を停止させて回
転ボウル内壁面の固着物を除去する必要がある。従来で
は、装置の停止後、回転ボウルをフレーム内から抜き取
って水平に載置し、作業者がボウル下端部の挿入口に適
当な掻き出し具を挿入して手作業で固形物をボウル外に
掻き出しているが、これでは作業者に過大な負担が強い
られ、作業効率が著しく低下する。また、人力で掻き出
すことから、無人化が要求される無菌室内等の環境下で
は、遠心分離機の設置が難しくなる。この場合、より入
念な洗浄を行なうようにすれば、無菌室内への設置も可
能となるが、これでは洗浄時間が長期化することから、
一定の生産性を確保するためには、多数の遠心分離機を
併設して一台ずつ順番に洗浄する必要があり、設備投資
が莫大なものとなる。
【0007】そこで、本発明は、回転ボウルの内壁面に
付着した固形物の除去を自動的に能率よく行なえる遠心
分離機を提供することを第1の目的とする。第2に、こ
の遠心分離機を用い、研磨廃液中から、研磨により生じ
た研磨粉のみを除去することにより、研磨液のみならず
研磨剤の再生をも可能とした研磨廃液の再生装置の提供
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明にかかる遠心分離機は、処理液中の固形分と液分
とを分離するための遠心分離機であって、高速で回転駆
動され、回転中心軸を垂直にして配置された回転ボウル
と、回転ボウル内にその底部から挿入され、回転ボウル
の内壁面に向けて洗浄液を噴出して当該内壁面に付着し
た処理液中の固形分を洗い流すノズルユニットと、ノズ
ルユニットを回転ボウル内で昇降駆動する昇降駆動源
と、洗い流した固形分を含む洗浄排水を回転ボウルの底
部から装置外に排出する排出口とを具備するものであ
る。
【0009】回転ボウルはチタン製とするのがよい。
【0010】また、昇降駆動源によって昇降駆動される
昇降管の上端に、その外周面に接線方向に向けて設けた
ノズルを有するノズル部材を回転自在に配置し、ノズル
から噴出した洗浄液の反力でノズルユニットを自転させ
るとよい。
【0011】本発明にかかる研磨液等の再生システム
は、研磨等の工程から排出された研磨廃液を導入して、
液分と、研磨粉及び研磨剤を含む固形分とに遠心分離す
る請求項1乃至3何れか記載の遠心分離機と、遠心分離
機の排出口から排出された洗浄排水を乾燥する乾燥機
と、強酸液を貯留し、乾燥機で乾燥された洗浄排水中の
固形分を導入して、これに含まれる研磨粉を溶解する溶
解槽と、溶解槽から排出された溶解液を中和する中和槽
とを具備し、中和槽からの中和液を前記遠心分離機に再
度供給して液分と研磨剤を含む固形分とに遠心分離し、
その後の洗浄工程で排出口から排出された洗浄排水を前
記乾燥機で乾燥して研磨剤を分離するようになしたもの
である。
【0012】
【0013】
【0014】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]以下、本発明の第1の実施形態を図
1乃至図6に基づいて説明する。
【0015】まず、本発明にかかる遠心分離機の構造を
図1乃至図4に基づいて説明する。この遠心分離機
(1)は、図1に示すように、下方を小径とする円錐筒
状のフレーム(2)内に、回転軸(O)を垂直にして円
筒状の回転ボウル(3)を吊り下げ状態で支持して構成
される。
【0016】回転ボウル(3)を、フレーム(2)上部
に設けた駆動装置(4)でベルト駆動させると、給液管
(26)から回転ボウル(3)の下部に供給された処理液
が急速に加速され、遠心力を受けて回転ボウル(3)の
内壁を上昇する間に液分と固形分とに分離される。分離
された液分は、後から供給された処理液のために順次回
転ボウル(3)の上部に移動し、回転ボウル(3)の上
部に接続した排液口(5)から外部に排出される。一
方、固形分は、回転ボウル(3)内に残存し、遠心力に
よりボウル内壁上に凝集して堆積する。なお、図面で
は、排液口(5)を一つのみ有する遠心分離機を図示し
ているが、液分をさらに軽液及び重液に分離できるよう
2つの排液口を設けた遠心分離機であっても構わない。
【0017】回転ボウル(3)は、18500rpm程
度に高速回転させ、処理液に20000G以上の遠心効
果を付与できるように構成する。
【0018】一般に、20000G以上の重力場では、
回転ボウルの重さを20kgとすると、回転ボウル(3)
の外壁には、20×20000=4×105 kgもの遠心力
が作用することとなる。この場合、従来品で通常用いら
れているステンレス鋼製の回転ボウルでは、金属格子
(金属配列)に歪みが生じ、ボウルの変形や応力腐食を
招くため、かかる重力場を実現することはほとんど不可
能である。従って、従来では、15000G程度の遠心
力が限界とされていた。
【0019】これに対し、本願では、回転ボウル(3)
をチタン金属製とした。チタン製とすれば、上述のボウ
ルと同寸ボウルの自重が、20[kg]×4.51(チタ
ンの比重)/7.7(ステンレス鋼TYPE430の比重)
=11.7[kg]となるため、20000Gの重力加速
度下では、ボウル外壁に作用する遠心力が4×105
(11.7×20000)=165,286[kg]だけ
減少する結果となる。しかも、引張り強さは、ステンレ
ス鋼が45[kg/mm2]であり、チタンがこれよりも大き
な47[kg/mm2]であるから、肉厚減少によるさらなる
ボウルの軽量化が可能である。従って、上述のような超
高速回転下でもボウル(3)の応力腐食や応力破れを防
止することができ、従来品では不可能であった2000
0Gもの重力場が実現可能となる。また、チタンはステ
ンレス鋼に比べて優れた耐蝕性を発揮するので、酸やア
ルカリを含む処理液であっても遠心分離が可能となる利
点もある。
【0020】このような20000G以上の重力場を実
現して初めて、本願が目的の一つとする研磨廃液中に含
まれる研磨剤(粒径=0.5μm程度)の遠心分離が可
能となる。
【0021】ところで、遠心分離作業を一定時間継続す
ると、回転ボウル(3)の内壁に堆積した固形粒子分の
堆積層が増加し、処理液が通液不能になるので、以下に
説明する洗浄装置(7)によって固形分を除去する必要
がある。
【0022】この洗浄装置(7)は、図2に示すよう
に、回転ボウル(3)の底部に挿入した昇降管(10)を
サーボモータ等からなる昇降駆動源(11)で昇降させる
と共に、昇降管(10)の先端部に設けたノズルユニット
(12)から洗浄水を噴出して回転ボウル(3)の内壁面
を洗浄するものである。
【0023】回転ボウル(3)の底部には、支持基盤
(14)に下端部を固定した固定筒(15)が挿入される。
この固定筒(15)と回転ボウル(3)との間には、図示
しない軸受装置が介装されており、この軸受装置によ
り、固定された固定筒(15)に対して回転ボウル(3)
が高速回転可能に支持される。
【0024】固定筒(15)の内径部には、外筒(16)が
挿入され、さらにその内径部には内筒(17)が挿入され
ている。内筒(17)の外周面には、支持基盤(14)より
も上方の部分の全長にわたってねじ部(17a)が形成さ
れ、このねじ部(17a)の下端には昇降ナット(19)が
螺合されている。内筒(17)の下端部(17b)は、支持
基盤(14)を貫通して下方に延び、複数のギヤ(20)〜
(22)を介して昇降駆動源(11)に連結されている。ま
た、内筒(17)の下端部(17b)は、カバー(23)と蓋
板(24)とで区画された給液空間(25)に開口し、この
給液空間(25)に開口させた給液管(26)と連通してい
る。内筒(17)と支持基盤(14)との間には、内筒(1
7)の回転運動を支持するベアリング(27)(27)が配
置されている。
【0025】外筒(16)の下端部は、ナット(19)の上
端に嵌合固定される。一方、外筒(16)の上端部は、固
定筒(15)の上端に固定した閉塞板(30)を摺動自在に
貫通して回転ボウル(3)内に突出し、その上端開口部
は蓋体(31)によって密閉されている。
【0026】ナット(19)には、回り止めとして、上端
部を閉塞板(30)にねじ止めすると共に、下端部を支持
基盤(14)に嵌入固定した固定ロッド(32)が摺動自在
に貫通されている。
【0027】内筒(17)の内径部には前記昇降管(10)
が摺動自在に挿入される。この昇降管(10)の下端部
は、内筒(17)の内部空間下方に開口しており、上端部
は蓋体(31)を貫通して上方に延びている。昇降管(1
0)と蓋体(31)とは、互いに一体昇降可能に連結され
ており、このため、外筒(16)が昇降すると、昇降管
(10)もこれと一体となって昇降する。昇降管(10)と
内筒(17)上端との間には、昇降管(10)の昇降運動を
許容しつつ両者間の隙間を液密に封止するシール部材
(33)が装着されている。
【0028】昇降管(10)の上端部に設けられたノズル
ユニット(12)は、図3及び図4に示すように、2つの
ノズル(35)(35)を穿設したノズル部材(36)と、ノ
ズル部材(36)とねじ締結したスリーブ(37)と、スリ
ーブ(37)の外径側に配置され、昇降管(10)の上端部
にねじ止めされたノズル基材(38)とで構成される。ノ
ズル基材(38)とスリーブ(37)との間にはベアリング
(39)を介在させてスリーブ(37)及びノズル部材(3
6)を回転自在に支持する。ノズル基材(38)とノズル
部材(36)との間には、内部からの洗浄液等の流出を防
止するためのシール部材(40)を介在させる。ノズル部
材(36)の2つのノズル(35)(35)は、回転中心Oを
中心とする点対称の位置に接線方向に向けて設けられて
いる。
【0029】以上の構成において、給液管(26:図1及
び図2参照)に高圧洗浄水(60kg/m2程度)を供給する
と、この洗浄水は内筒(17)の下端開口部を経て昇降管
(10)に流入し、昇降管(10)内を上昇する。さらに、
この洗浄水は、ノズルユニット(12)のノズル基材(3
8)及びスリーブ(37)を経てノズル部材(36)に流入
し、2つのノズル(35)(35)から噴出される。この
時、2つのノズル(35)(35)が上述の位置関係にある
ことから、ノズル部材(36)は洗浄水の噴出によって反
力を受け、一定方向(図4参照)に自転する。従って、
回転ボウル(3)の内壁面の全周に満遍無く洗浄水を吹
き付けることが可能となり、ボウル(3)内壁面に固着
した固形分を確実に洗い流すことが可能となる。この
時、ノズル部材(36)の回転運動によってノズル部材
(36)とスリーブ(37)のねじ締結が外れないように、
両者は逆ねじによって締結する。ノズル(35)の個数は
2つに限らず、接線方向に向けて設けられている限り、
1つでもよく、また3つ以上のノズルを設けてもよい。
なお、図示のように、2つのノズル(35)(35)を点対
称位置に配置すれば、洗浄水の噴出に伴う両者の反力同
士が打ち消されるので、ノズルユニット(12)の首振り
運動を防止して、滑らかな回転運動を実現することが可
能となる。
【0030】図2において、昇降駆動源(11)を正逆方
向に駆動すると、ギヤ列(22)〜(20)を介して内筒
(17)が正逆回転する。これに伴い、内筒(17)に螺合
した昇降ナット(19)も回転しようとするが、ナット
(19)の回転運動は固定ロッド(32)によって規制され
ているため、ナット(19)は回転することができず、そ
のために内筒(17)の回転運動は、ナット(19)の昇降
運動に変換される。ナット(19)が昇降すると、ナット
(19)に固定した外筒(16)及び外筒(16)に固定した
昇降管(10)が昇降するため、ノズルユニット(12)を
昇降させて回転ボウル(3)の高さ方向の全域で洗浄作
業を行なうことが可能となる。なお、この洗浄作業中
は、回転ボウル(3)は停止させておくか、若しくはご
く低速(100rpm程度)で回転させる。回転ボウル(3)
を回転させる場合は、洗浄圧力を高めるべく、ノズルユ
ニット(12)の回転方向と逆方向に回転させるのが望ま
しい。この他、ノズルユニット(12)を停止させた状態
で回転ボウル(3)を回転させて洗浄しても構わない。
【0031】洗浄水によって洗い流された固形分は、回
転ボウル(3)の底部に設けた流出口(42)から流出
し、フレーム(2)の底部に設けた排出口(43)から機
外に排出される。
【0032】このように、本発明にかかる遠心分離機で
あれば、回転ボウル(3)の洗浄時に回転ボウル(3)
を取り外す必要はなく、遠心分離工程の終了後、装置に
取り付けたままの状態で洗浄して堆積固形分を機外に排
出することができ、しかも人手を煩わせることなく、自
動的に洗浄可能である。従って、従来装置に比べ、堆積
固形分の除去作業を能率よく短時間で行なうことがで
き、ライン全体での生産性を高めることができる。ま
た、遠隔操作や無人洗浄が可能となるので、汚染雑菌混
入防止のため無人化が要求される医薬品等の製造分野
や、菌体分離を必要とする生化学分野等での使用も可能
となる。この時、洗浄も短時間で完了するので、従来装
置のように多数の遠心分離機を設置しなくても、少なく
とも2台あれば連続操業が可能となり、設備投資額を安
価に抑えることができる。さらには、取り付けミスによ
る回転ボウル(3)の脱落事故も回避することが可能と
なる。
【0033】次に、精密機械や半導体等の製造工程で生
じた研磨廃液を再生するための装置の構造を図5に基づ
いて説明する。この再生装置は、上述した遠心分離機
(1)を用いて研磨廃液中の固形分を分離し、浄化液を
研磨液として再使用すると共に、分離した固形分中から
さらに研磨剤のみを分離してこれを再使用可能にするも
のである。
【0034】既設の研磨機(50)及び研削機(51)に
は、クーラント受槽(52)から研磨・研削液であるクー
ラントが供給される。クーラントは、水、油、界面活性
剤及び研磨剤(カーボランダム)を混合、攪拌して生成
される。カーボランダムは、以下の物性値を有する。
【0035】化学分子式 :SiC 分子量 :40.18[ kg/kg・mol] 比重 :3.17[g/リットル] 融点 :2700℃ 沸点 :2000℃(昇華) 研磨機(50)及び研削機(51)より排出された廃液は、
それぞれ研磨排液受槽(53)及び研削排液受槽(54)に
集められ、上述の遠心分離機(1)の給液管(26)に送
液される。この遠心分離機(1)により、廃液中の固形
粒子分が回転ボウル(3)の内壁面に捕集堆積し、浄化
液のみがクーラント受槽(52)に排出される。浄化液
は、研磨機(50)及び研削機(51)に送液されてクーラ
ントとして再使用される。
【0036】回転ボウル(3)の内壁に堆積した固形粒
子分の堆積層が増加して通液不能になると(時間管理に
より、又はボウル内に配置したセンサで検知する)、自
動洗浄装置のポンプ(56)が作動し、回転ボウル(3)
内に高圧洗浄水(60kg/cm2程度)を噴射して洗浄工程が
開始される。これによりボウル(3)内壁面に付着した
固形粒子の堆積層がスラッジとなって排出口(43:図2
参照)から排出され、図示しない排出管を介して洗浄排
水受槽(57)に貯留される。この洗浄工程中には、研磨
・研削作業を中断し、同時にクーラント受槽(52)に必
要量の新たなクーラントを補充する(図中の)。洗浄
排水受槽(57)の液面レベルが設定値に達すると、洗浄
液の供給路(55)が閉鎖され、洗浄液の供給が自動停止
する。
【0037】洗浄排水受槽(57)中の洗浄排水は、ポン
プ(58)により、回転ドラム式の乾燥機(59)に圧送さ
れる。乾燥機は、回転ドラム(60)を低速(4〜7rp
m)で回転駆動すると共に、この回転ドラム(60)を加
熱蒸気等で170℃程度に加熱することにより、回転ド
ラム(60)の外周面に塗膜状に塗り付けたスラッジを乾
燥するもので、乾燥したスラッジは、掻き取り刃(61)
に順次掻き取られて乾燥微粒子として回収される。回転
ドラム(60)の周速は、電動機(62)の制御により任意
の速度に調整可能とする。回転ドラム(60)の周速を変
化させれば、塗膜厚さや乾燥時間が変化するので、乾燥
微粒子中の水分含有率を調整して粉塵の発生等を防止す
ることができる。乾燥により生じた排煙は、清浄装置
(図示省略)等で清浄化した上で大気中に放出される
(図中の) 乾燥機(59)から排出された乾燥微粒子は、スクリュー
コンベヤ等からなる定量供給装置(65)により、溶解槽
(66)に移送される。この溶解槽(66)には、塩酸供給
源及び硝酸供給源が連結されており、両供給源から供
給された酸は所定割合(硝酸:塩酸=1:3)で混合さ
れて王水となる。この溶解槽(66)に投入された乾燥微
粒子のうち、研磨や研削により生じた金属やシリコン基
材の研磨粉は、この王水中に溶解し、一方、研磨剤(カ
ーボランダム)は、酸によっては溶解せず、不溶解物と
して残渣となる。本実施例では、溶解槽(66)に貯留す
る溶解液をシリコン基材も溶解できるよう王水としてい
るが、溶解液の種類は、研磨・研削の対象となる素材に
応じて適宜決定される。例えば、研磨・研削対象物が金
属製品に限定されるのであれば、王水ではなく他の強酸
液を使用することも可能である。
【0038】溶解槽(66)をオーバーフローした溶解液
は、NaOH等の強アルカリ水を満たした中和槽(67)
に供給されて中和される。このように中和するのは、後
の配管やポンプ類の腐食を防止するためである。強アル
カリ水は、供給源から随時補充される。
【0039】中和液は、送液ポンプ(68)によって回収
研磨剤受槽(69)に圧送され、さらにポンプ(71)によ
り遠心分離機(1)に圧送される。この遠心分離機
(1)で再度遠心分離を行なうと、中和液中の残渣とな
った研磨剤が回転ボウル(3)の内壁面に固着し、浄化
液は排液口(5)から排出される。浄化液は、洗浄液受
槽(70)に貯留し、洗浄水として再使用する。
【0040】回転ボウル(3)の内壁面に所定量の研磨
剤が堆積したところで、前記洗浄工程を行い、研磨剤を
洗い落として洗浄排水受槽(57)に貯留した後、これを
乾燥機(59)で乾燥すれば、粒子状の研磨剤のみが回収
される。回収された研磨剤は、クーラントの供給装置
に供給して再利用する他、袋詰めして他の工程(レンズ
や貴金属の研磨工程)等に再利用することも可能であ
る。
【0041】以上の廃液処理が完了した後、研磨・研削
作業を再開し、以下同様の手順を繰り返す。
【0042】このように上記再生装置によれば、研磨・
研削液中の研磨剤のみを回収して再利用を図ることが可
能となる。一般に研磨剤は、粒径や硬度等の面で厳しい
品質管理が要求され、そのために非常に高価なものであ
るから(20万円〜25万円/kg)、これを再利用した場合
のコスト削減効果は極めて大きい。また、研磨廃液は、
一切外部に排出されないので、環境破壊を招くこともな
い。
【0043】[実施形態2]上記遠心分離機(1)は、
金属粉やシリコン粉等の無機物ばかりでなく、有機物の
遠心分離、例えば煎茶等の抽出液から煎茶の微量固形分
を除去する工程等にも適用可能である。図6に、このよ
うな工程のシステム図を示す。
【0044】図6において、抽出エキス受槽(80)に貯
留された抽出エキスは、供給ポンプ(81)を介して抽出
エキス供給ヘッドタンク(82)に供給される。ヘッドタ
ンク(82)からの抽出液は、遠心分離機(1)にて遠心
分離され、抽出液中の微量固形分が回転ボウル(3)の
内壁面に捕集され、クリアエキスのみが排液口(5)か
ら排出されて製品化される。
【0045】回転ボウル(3)の内壁に堆積した固形粒
子分の堆積層が増加して通液不能になると、上記洗浄装
置(7)が作動し、回転ボウル(3)内に、洗浄水供給
タンク(83)から圧送された高圧洗浄水を噴射してボウ
ル内壁面に付着した微量固形分を洗い流す。この洗浄排
水は、排出口(43:図2参照)から機外に排出され、排
出管(84)を介して洗浄排水受槽(85)に貯留される。
洗浄排水受槽(85)の洗浄排水はポンプ(86)によって
焼却炉(87)に移送され、この焼却炉(87)内で有機固
形分を含む洗浄排水が乾燥焼却される。なお、(88)
は、各配管の弁やポンプ、及び、焼却炉(87)のバーナ
ー等を制御するための制御盤である。
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【発明の効果】このように、本発明によれば、回転ボウ
ルの洗浄時に回転ボウルを取り外す必要はなく、遠心分
離工程の終了後、装置に取り付けたままの状態で洗浄し
て堆積固形分を機外に排出することができ、しかも人手
を煩わせることなく、自動的に洗浄可能である。従っ
て、従来装置に比べ、堆積固形分の除去作業を能率よく
短時間で行なうことができ、ライン全体での生産性を高
めることができる。また、遠隔操作や無人洗浄が可能と
なるので、汚染雑菌混入防止のため無人化が要求される
医薬品等の製造分野や、菌体分離を必要とする生化学分
野等での使用も可能となる。また、回転ボウルの取り付
けミスによる事故発生も回避することが可能となる。
【0055】回転ボウルをチタン製とすれば、2000
0Gにも及ぶ遠心場が実現可能となり、研磨剤等を始め
とする1μm以下の粒子であっても遠心分離可能とな
る。
【0056】ノズルユニットのノズルを接線方向に向け
て配置し、ノズルから噴出した洗浄液の反力でノズルユ
ニットを自転させるようにすれば、特別な回転機構を付
加することなくノズルユニットを回転させることがで
き、構造が複雑化することもない。
【0057】また、上記研磨液等の再生システムによれ
ば、研磨・研削液中の研磨剤のみを回収して再利用を図
ることが可能となる。一般に研磨剤は、粒径や硬度等の
面で厳しい品質管理が要求され、そのために非常に高価
なものであるから、これを再利用した場合のコスト削減
効果は極めて大きい。また、研磨廃液中を外部に排出す
ることなく、その全ての成分をシステム内で再利用する
ことが可能であるから、環境破壊等を一切招くこともな
い。
【0058】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる遠心分離機の側面図である。
【図2】上記遠心分離機の垂直断面図である。
【図3】ノズルユニットの垂直断面図である。
【図4】ノズル部材の水平断面図。
【図5】上記遠心分離機を用いた研磨液等の再生システ
ムを示す図である。
【図6】上記遠心分離機を用いたシステム構成例を示す
図である。
【符号の説明】
O 回転中心軸 1 遠心分離機 3 回転ボウル 10 昇降管 11 昇降駆動源 12 ノズルユニット 35 ノズル 36 ノズル部材 43 排出口 59 乾燥機 66 溶解槽 67 中和槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−214975(JP,A) 特開 平7−251373(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B24B 57/00 - 57/04 B04B 15/00 - 15/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理液中の固形分と液分とを分離するた
    めの遠心分離機であって、高速で回転駆動され、回転中
    心軸を垂直にして配置された回転ボウルと、回転ボウル
    内にその底部から挿入され、回転ボウルの内壁面に向け
    て洗浄液を噴出して当該内壁面に付着した処理液中の固
    形分を洗い流すノズルユニットと、ノズルユニットを回
    転ボウル内で昇降駆動する昇降駆動源と、洗い流した固
    形分を含む洗浄排水を回転ボウルの底部から装置外に排
    出する排出口とを具備することを特徴とする遠心分離
    機。
  2. 【請求項2】 回転ボウルをチタン製としたことを特徴
    とする請求項1記載の遠心分離機。
  3. 【請求項3】 昇降駆動源によって昇降駆動される昇降
    管の上端に、その外周面に接線方向に向けて設けたノズ
    ルを有するノズル部材を回転自在に配置し、ノズルから
    噴出した洗浄液の反力でノズルユニットを自転させるこ
    とを特徴とする請求項1記載の遠心分離機。
  4. 【請求項4】 研磨等の工程から排出された研磨廃液を
    導入して、液分と、研磨粉及び研磨剤を含む固形分とに
    遠心分離する請求項1及至3何れか記載の遠心分離機
    と、遠心分離機の排出口から排出された洗浄排水を乾燥
    する乾燥機と、強酸液を貯留し、乾燥機で乾燥された洗
    浄排水中の固形分を導入して、これに含まれる研磨粉を
    溶解する溶解槽と、溶解槽から排出された溶解液を中和
    する中和槽とを具備し、中和槽からの中和液を前記遠心
    分離機に再度供給して液分と研磨剤を含む固形分とに遠
    心分離し、その後の洗浄工程で排出口から排出された洗
    浄排水を前記乾燥機で乾燥して研磨剤を分離するように
    なしたことを特徴とする研磨液等の再生システム。
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