JP2816105B2 - コークス炉上昇管ベンド部のカーボン付着防止装置 - Google Patents

コークス炉上昇管ベンド部のカーボン付着防止装置

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JP2816105B2 JP25146194A JP25146194A JP2816105B2 JP 2816105 B2 JP2816105 B2 JP 2816105B2 JP 25146194 A JP25146194 A JP 25146194A JP 25146194 A JP25146194 A JP 25146194A JP 2816105 B2 JP2816105 B2 JP 2816105B2
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H Ikeuchi and Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クリーニングノズル
(3) およびリング管(4) の改良により、コークス炉上昇
管ベンド部にカーボンが付着することを有効に防止する
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コークス炉において石炭を乾留するとき
に発生するコークス炉ガスは、炭化室上部に設けた上昇
管に導かれ、ベンド部で噴霧される安水によって冷却さ
れた後、集気本管に吸引され、後工程のガス精製工程に
送られる。
【0003】その際、コークス炉ガスを集気本管に導く
上昇管およびベンド部の内壁には、コークス炉ガス中の
カーボンが付着成長する。付着成長したカーボンはガス
の流通の妨げとなるばかりでなく最終的には管内を閉塞
するため、定期的な除去が必要である。
【0004】付着したカーボンの除去は、乾留が終了し
た後、生成コークスの窯出し作業前に実施される。上昇
管内壁に付着したカーボン除去については、上昇管のト
ップカバーを開にし、装入蓋を開放し、圧縮空気を上昇
管内に供給して焼き落とす方法が採用される。ベンド部
内壁に付着したカーボン除去については、ベンド部の点
検クリーニング口より作業員が「ヤリ」と称する鉄製の
クリーニング棒を挿入して人力により掻き落とす方法が
採用される。
【0005】ベンド部内壁への付着物の成長は、ベンド
部の入口部に設けた散液装置から散液を行うことによっ
て抑制することができる。そのような散液を行えば、ベ
ンド部内壁の付着カーボンの清掃除去作業の周期を延長
することができるので、有利である。
【0006】たとえば実開昭61−82943号公報に
は、ベンド部の入口部にも散液装置を設け、そこからベ
ンド部の管壁内周上面に向けて散液すると共に、散液装
置の基部周面に、噴射孔から噴射した液がノズル管周面
に液膜を形成するようにしたコークス炉上昇管ベンド部
の散液装置が示されている。
【0007】実開昭56−95551号公報には、液体
供給源に連通した散液流路管を上昇管ベンド内に挿設
し、その散液流路管の先端側に前方側へ広角度拡散噴射
を、他方側に斜め上前方へ噴射するノズル装置を配設し
て、上昇管ベンド内壁周面のむらのない液膜の形成と、
上昇管ベンド内に挿設した散液流路管およびノズル装置
の自洗を行うようにしたコークス炉上昇管ベンドの散液
装置が示されている。
【0008】実開平5−45050号公報には、ベンド
入口上部には飛散防止板を、下部には飛散防止板に沿っ
て落下する洗浄水の受け皿を配設し、飛散防止板のベン
ド側上部に前後の切欠き部から360゜以上の角度で洗
浄水を噴射できる噴射ノズルを設けると共に、飛散防止
板の上昇管側に飛散防止板洗浄ノズルを設けたコークス
炉上昇管ベンド内面のカーボン付着防止装置が示されて
いる。
【0009】コークス炉上昇管ベンド部の散液装置につ
いては、そのほか、実開昭63−94936号公報、実
公昭53−41175号公報(実開昭51−86742
号公報)、実公昭51−14918号公報(実開昭50
−76044号公報)、実公昭51−14917号公報
(実開昭50−76043号公報)、実公昭48−23
474号公報などがある。
【0010】また本出願人らは、特願平5−65041
号として、ノズル本体の先端にノズル軸線方向に扇形パ
ターンで流体を噴射する第1噴射口を設けると共に、該
ノズル本体の外周面に開口してノズル軸線方向に対して
ほぼ垂直方向に扇形パターンでかつ広角で流体を噴射す
る第2噴射口を設けたクリーニングノズルにつき出願を
行っている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ガス冷却用の散液装置
のほかに、ベンド部内の入口部に散液装置を設けてそこ
から散液する方法は、上昇管立管とベンド部との境界部
に設置したリング管のところからベンド部内部に向けて
カーボン付着物が「ひさし」状に成長することを充分に
は抑制できないという限界がある。
【0012】そこで従来は上述のように、クリーニング
ノズルからの散液方向を工夫したり、そのときの散液を
2方向に向けて行ったり、ノズルにも散液するようにし
たり、飛散防止板を設けたりするなどの種々の工夫がな
されているが、リング管の縁にカーボンが付着・成長し
たり、ノズルに対するカーボンの付着を充分には防止で
きなかったり、付着カーボンが落下してベンド部内に堆
積したり、付着カーボンによりノズルからの噴射角度・
噴射パターン・噴射先が乱れたり、散液が上昇管立管の
方に入り込んで炭化室に流入したりすることを、必ずし
も充分には防止できなかった。
【0013】本発明者らは、ベンド管内面のカーボン付
着の防止を試みる中で、(i) ノズル後部のカーボン付着
・成長の抑制(ノズルスプレーパターンの正常状態の確
保)、および、(ii)リング管の縁からのカーボン付着・
成長の抑制(ベンド管内径閉塞防止)につき検討した。
また、(iii) 上昇管立管側への安水の跳ね込み・流入を
防止することにつき検討を加えた。(iii) については、
付着カーボンが落下してベンド管内に堆積したり、付着
カーボンによってスプレー噴射角度・パターン・スプレ
ー噴射先が乱れることがあるが、可能な限りカーボンが
付着しないようにし、たとえそのような状態が発生して
も立管側への安水の跳ね込み・流入を防止できるリング
管とすることにつき検討した。
【0014】そこで、従来タイプではカーボン付着・成
長を充分には抑制できなかった部分への散液が可能なス
プレーノズルを案出すると共に、リング管の構造につき
種々の改良を加え、上記(i) についてはノズル後方への
散液が図られるようにし、(ii)についてはリング管内面
上の流下水が形成されるようにし、(i) および(ii)に付
随してリング管側面全体の流下水が形成されるようにし
た。また(iii) については、リング管の堰を高くした
り、開口面積を小さくすることなどにつき種々の工夫を
加えた。
【0015】そして、クリーニングノズルについては、
ノズルの設置数(3個、2個、1個)、スプレー圧力
(10kg/cm2、2kg/cm2)、スプレー量(10リットル
/min、20リットル/min、30リットル/min)、スプレ
ー噴射角度(60゜、100゜、120゜180゜)、
スプレー噴射先、スプレーパターンなどにつき多数の実
験を行い、またリング管については、丸形、角形、丸形
ひさし付き、角形ひさし付きなど種々の形状のものを作
製して実験を行った。
【0016】本発明は、このような多数の実験の中から
到達したものであって、クリーニングノズルを改良しか
つリング管に特定の受面などを付設するという特別の工
夫を講じることにより、ベンド部、リング管、さらには
クリーニングノズルに対するカーボンの付着を効果的に
防止し、かつクリーニングノズルからの噴射安水の立管
内への流入を防止するようにしたコークス炉上昇管ベン
ド部のカーボン付着防止装置を提供することを目的とす
るものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明のコークス炉上昇
管ベンド部のカーボン付着防止装置は、クリーニングノ
ズル(3) およびリング管(4) の改良により、コークス炉
上昇管ベンド部(2) におけるカーボンの付着を防止する
装置であって、(A)ベンド部(2) 上部の上昇管立管
(1) に接近した位置に、そのベンド部(2) 内の前方側に
向けてほぼ水平方向に扇形に安水を噴射するための第1
噴出口(3a)と、そのベンド部(2) の入口側に向けて水平
より斜め下後方に扇形に安水を噴射するための第2噴出
口(3b)とを有するクリーニングノズル(3) を設けるこ
と、および、(B)前記の立管(1) とベンド部(2) との
境界部に設置するリング管(4) として、まず該リング管
(4) の上部には、(イ)リング管(4) の前方斜め下向き
に第1受面(5) を設置し、(ロ)該第1受面(5) の両脇
とリング管(4) 両側面との間には第2受面(6), (6)を設
置し、(ハ)さらに、それら第2受面(6), (6)の端部
のリング管(4) 両側面との接続部にガイド用突起(7),
(7)をリング管(4) の前方斜め下向きに設置するか、
それら第2受面(6), (6)の端部をリング管(4) の前方両
側面に重ね合わせるように構成し、一方前記リング管
(4) の下部には、第3受面(8) をリング管(4) の後方斜
め上方に突出するように設置した、構造を有するリング
管(4) を用いること、を特徴とするものである。
【0018】以下本発明を詳細に説明する。
【0019】まず理解を容易にするため、従来のコーク
ス炉上昇管諸装置の構造を図5に示す。図5において、
(1)は上昇管立管、(2) はベンド部、(3) はクリーニン
グノズル、(4) はリング管である。(9) はトップカバ
ー、(10)は着火装置、(11)は水封溝、(12)はベンド部ク
リーニング孔、(13)は点検孔、(14)は集気本管、(15)は
縁切りダンパー、(16)は吸引・冷却用の安水ライン、(1
7)は散液ノズル、(18)はクリーニング用の安水ライン、
(19)は炉上面である。
【0020】コークス炉ガスに同伴するカーボンやその
他の同伴物は、立管(1) 内およびそれに続くベンド部
(2) 内の各所に付着するが、クリーニング用の安水の散
液によっても、カーボン(C) がベンド部(2) 入口部のリ
ング管(4) のところからベンド部(2) 内部に向けて「ひ
さし」状に成長する。また図示は省略してあるが、クリ
ーニングノズル(3) にもカーボンが付着する。
【0021】そこで本発明においては、まず、ベンド部
(2) 上部の上昇管立管(1) に接近した位置に設けるクリ
ーニングノズル(3) として、第1噴出口(3a)と第2噴出
口(3b)とを備えたものを用いる。クリーニングノズル
(3) の設置数は複数個とすることもできるが、複数の場
合は安水噴射により生じた流下水が不均一となることが
あるので、通常は1個とすることが多い。図1は本発明
において用いるクリーニングノズル(3) の説明図であ
る。
【0022】第1噴出口(3a)からは、ベンド部(2) 内の
前方側に向けてほぼ水平方向に扇形に安水が噴射され
る。これにより、ベンド部(2) の内壁には水膜が形成さ
れ、カーボンの付着が防止される。第1噴出口(3a)から
の安水の噴出量は、たとえば、35±10リットル/min
程度、噴出圧は 1.8±0.5kg/cm2 程度に設定される。
【0023】第2噴出口(3b)からは、ベンド部(2) の入
口側に向けて水平より斜め下後方に扇形に安水が噴射さ
れる。このときの噴射方向は水平方向に対し30±5゜
程度とし、第2噴出口(3b)からの安水の噴出量はたとえ
ば15±10リットル/min程度、噴出圧はたとえば 1.8
±0.5kg/cm2 程度に設定される。第2噴出口(3b)からの
噴射により、後述のようなリング管(4) の特別の構造と
相まって、リング管(4) へのカーボンの付着が効果的に
防止されると共に、クリーニングノズル(3) に対するカ
ーボンの付着も防止される。
【0024】上記の工夫に加えて、本発明においては、
上昇管立管(1) とベンド部(2) との境界部に設置するリ
ング管(4) として、次に述べるような特別の構造のリン
グ管を用いる。
【0025】図2は本発明において用いるリング管(4)
の一例を示した正面図(内部側から見たときの正面
図)、図3は図2のリング管(4) の断面図である。図4
はリング管(4) の他の一例を示した正面図(内部側から
見たときの正面図)である。
【0026】まず該リング管(4) の上部については、
(イ)リング管(4) の前方斜め下向きに第1受面(5) を
設置し、(ロ)該第1受面(5) の両脇とリング管(4) 両
側面との間には第2受面(6), (6)を設置し、(ハ)さら
に、それら第2受面(6), (6)の端部のリング管(4) 両
側面との接続部にガイド用突起(7), (7)をリング管(4)
の前方斜め下向きに設置するか、それら第2受面(6),
(6)の端部をリング管(4) の前方両側面に重ね合わせる
ように構成する。
【0027】上記(イ)のように、リング管(4) の前方
斜め下向きに第1受面(5) を設置することにより、第2
噴出口(3b)から噴射された安水の立管(1) 内への直接流
入が防止されると共に、クリーニングノズル(3) 後部へ
のカーボン付着・成長を抑制する水流と、リング管(4)
の縁へのカーボン付着・成長を抑制する水流とが形成さ
れ、しかも噴射安水の一部がクリーニングノズル(3) の
方向に跳ね返ってそのクリーニングノズル(3) 自体を洗
浄する。
【0028】上記(ロ)のように、第1受面(5) の両脇
とリング管(4) 両側面との間に第2受面(6), (6)を設置
することにより、第2噴出口(3b)から噴射された安水の
残部を、立管(1) 内への流入を防ぎながら、リング管
(4) の前方両側面に沿って流下するように方向付けるこ
とができる。
【0029】上記(ハ)ののように、第2受面(6),
(6)の端部のリング管(4) 両側面との接続部にガイド用
突起(7), (7)をリング管(4) の前方斜め下向きに設置す
ることにより、流下する安水の立管(1) 内への間接的な
流入が防止される。同様に、上記(ハ)ののように、
第2受面(6), (6)の端部をリング管(4) の前方両側面に
重ね合わせるように構成することによっても、流下する
安水の立管(1) 内への間接的な流入が防止される。
【0030】一方、上記のリング管(4) の下部には、第
3受面(8) をリング管(4) の後方斜め上方に突出するよ
うに設置する。この第3受面(8) の設置により、リング
管(4) の上部から流下する噴射安水の立管(1) 内への間
接的な流入が防止される。なお、この第3受面(8) に前
方側にカーボンが付着することがあるが、そのカーボン
は、圧縮空気を上昇管内に供給して焼き落とすときに一
緒に焼き落とされるので、特に問題とはならない。
【0031】上記のようにクリーニングノズル(3) およ
びリング管(4) に特別の工夫を講じたことにより、ベン
ド部(2) 、リング管(4) 、さらにはクリーニングノズル
(3)に対するカーボンの付着が効果的に防止され、かつ
クリーニングノズル(3) からの噴射安水の立管内への流
入も防止される。
【0032】
【作用】本発明においては、クリーニングノズル(3) の
第1噴出口(3a)からはベンド部(2) 内の前方側に向けて
ほぼ水平方向に扇形に安水が噴射され、第2噴出口(3b)
からはベンド部(2) の入口側に向けて水平より斜め下後
方に扇形に安水が噴射される。加えて、リング管(4) の
上部には、リング管(4) の前方斜め下向きに第1受面
(5) が設置され、その第1受面(5) の両脇とリング管
(4) 両側面との間には第2受面(6), (6)を設置され、さ
らに、第2受面(6), (6)の端部のリング管(4)両側面と
の接続部にはガイド用突起(7), (7)をリング管(4) の前
方斜め下向きに設置するか、第2受面(6), (6)の端部を
リング管(4) の前方両側面に重ね合わせるように構成し
てある。またリング管(4) の下部には、第3受面(8) を
リング管(4) の後方斜め上方に突出するように設置して
ある。
【0033】まず、クリーニングノズル(3) の第1噴出
口(3a)からの安水の噴射により、安水がベンド部(2) 内
壁に沿って流れることにより水膜が形成され、ベンド部
(2)内壁に対するカーボンの付着が防止される。
【0034】第2噴出口(3b)からの噴射安水は、リング
管(4) の全面を流れ、リング管(4)に付着するカーボン
の成長を防止する。
【0035】第2噴出口(3b)からの噴射安水の一部は、
第1受面(5) に当って上昇水と流下水とに別れる。上昇
水は第1受面(5) に沿って上昇し、クリーニングノズル
(3)後部のカーボン付着・成長を抑制し、またその上昇
水はクリーニングノズル(3)の方向に跳ね返り、該クリ
ーニングノズル(3) 自体を洗浄する。一方流下水は、第
1受面(5) より均一に流れると同時に、リング管(4) 端
部で巻き込む流水を形成し、リング管(4) 部に付着する
カーボンの成長を抑制する。このとき第2噴出口(3b)か
らの噴射安水は、第1受面(5) により立管(1) 内への直
接流入が防止される。
【0036】第2噴出口(3b)からの噴射安水の残部は、
第1受面(5) の両脇に設けた第2受面(6), (6)によりリ
ング管(4) の前方両側面に沿って流下するように方向付
けられ、リング管(4) の前方両側面を洗浄する。
【0037】第2受面(6), (6)の端部のリング管(4) 両
側面との接続部にはガイド用突起(7), (7)をリング管
(4) の前方斜め下向きに設置してあるので、リング管
(4) の前方両側面に沿って流下してきた安水が立管(1)
内へ間接的に流入するのを防止できる。第2受面(6),
(6)の端部をリング管(4) の前方両側面に重ね合わせる
ように構成したときも、同様の作用効果が得られる。
【0038】またリング管(4) の下部には第3受面(8)
をリング管(4) の後方斜め上方に突出するように設けて
あるので、リング管(4) の上部から流下する噴射安水の
立管(1) 内への間接的な流入が防止される。
【0039】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。
【0040】実施例1 先にも述べたように、図1は本発明において用いるクリ
ーニングノズル(3) の説明図、図2は本発明において用
いるリング管(4) の一例を示した正面図(内部側から見
たときの正面図)、図3は図2のリング管(4) の断面図
である。
【0041】ベンド部(2) 上部の上昇管立管(1) に接近
した位置には、図1に示したように、第1噴出口(3a)と
第2噴出口(3b)とを備えたSUS303製のクリーニン
グノズル(3) を設けてある。
【0042】第1噴出口(3a)からは、ベンド部(2) 前方
側に向けて水平方向に、180゜の扇形に安水が噴射さ
れる。噴出量は35リットル/min、噴出圧は 1.8kg/cm2
に設定してある。
【0043】第2噴出口(3b)からは、ベンド部(2) の入
口側に向けて水平より30゜下後方に100゜の扇形に
安水が噴射される。噴出量は15リットル/min、噴出圧
は 1.8kg/cm2に設定してある。
【0044】リング管(4) の上部には、図2および図3
に示したように、第1受面(5) 、第2受面(6), (6)、お
よびガイド用突起(7), (7)を設けてある。
【0045】第1受面(5) は、リング管(4) の上部に、
リング管(4) の前方斜め下向きに30゜の角度で設置し
てある。第2受面(6), (6)は、第1受面(5) の両脇とリ
ング管(4) 両側面との間に設置してある。ガイド用突起
(7), (7)は、これらの第2受面(6), (6)の端部のリング
管(4) 両側面との接続部に、リング管(4) の前方斜め下
向きに45゜の角度で設置してある。
【0046】リング管(4) の下部には、図2および図3
に示したように、第3受面(8) をリング管(4) 後方斜め
上方に突出するように設けてある。第3受面(8) の両脇
は屈曲され、第3受面(8) 全体が受け皿状になるように
してある。
【0047】第1噴出口(3a)からの安水の噴射により、
安水はベンド部(2) 内壁を流れる。
【0048】第2噴出口(3b)からの噴射安水は、リング
管(4) の内壁全面を流れる。
【0049】第2噴出口(3b)からの噴射安水の一部は、
第1受面(5) に当って上昇水と流下水とに別れる。上昇
水は第1受面(5) に沿って上昇し、クリーニングノズル
(3)後部のカーボン付着・成長を抑制し、またその上昇
水はクリーニングノズル(3)の方向に跳ね返る。一方流
下水は、第1受面(5) より均一に流れると同時に、リン
グ管(4) 端部で巻き込む流水を形成する。
【0050】第2噴出口(3b)からの噴射安水の残部は、
第1受面(5) の両脇に設けた第2受面(6), (6)によりリ
ング管(4) の前方両側面に沿って流下するように方向付
けられる。このときの流下水は、ガイド用突起(7), (7)
によってガイドされる。
【0051】そしてリング管(4) の上部から流下する噴
射安水は、リング管(4) の下部に設けた第3受面(8) に
より受けとめられてリング管(4) 前方のベンド部(2) 内
に戻される。
【0052】このように噴射安水が流れることにより、
ベンド部(2) 、リング管(4) 、さらにはクリーニングノ
ズル(3) に対するカーボンの付着が効果的に防止され、
また噴射安水が立管(1) 内に流入することもない。
【0053】実施例2 図4は本発明において用いるリング管(4) の他の一例を
示した正面図(内部側から見たときの正面図)である。
【0054】実施例1においては、第2受面(6), (6)の
端部のリング管(4) 両側面との接続部にガイド用突起
(7), (7)をリング管(4) の前方斜め下向きに設置した
が、この実施例2においては、ガイド用突起(7), (7)の
設置に代えて、第2受面(6), (6)の端部をリング管(4)
の前方両側面に重ね合わせるように構成してある。この
ようにしても、リング管(4) の前方両側面に沿って流下
してきた安水が立管(1) 内へ間接的に流入するのを防止
できる。
【0055】
【発明の効果】本発明においては、クリーニングノズル
(3) を改良しかつリング管(4) に特定の受面などを付設
するという特別の工夫を講じているため、ベンド部(2)
、リング管(4) 、さらにはクリーニングノズル(3) に
対するカーボンの付着が効果的に防止され、またクリー
ニングノズル(3) からの噴射安水が立管(1) 内に流入す
ることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において用いるクリーニングノズル(3)
の説明図である。
【図2】本発明において用いるリング管(4) の一例を示
した正面図(内部側から見たときの正面図)である。
【図3】図2のリング管(4) の断面図である。
【図4】本発明において用いるリング管(4) の他の一例
を示した正面図(内部側から見たときの正面図)であ
る。
【図5】従来のコークス炉上昇管諸装置の構造を示した
説明図である。
【符号の説明】
(1) …立管、 (2) …ベンド部、 (3) …クリーニングノズル、 (3a)…第1噴出口、(3b)…第2噴出口、 (4) …リング管、 (5) …第1受面、 (6) …第2受面、 (7) …ガイド用突起、 (8) …第3受面、 (9) …トップカバー、 (10)…着火装置、 (11)…水封溝、 (12)…ベンド部クリーニング孔、 (13)…点検孔、 (14)…集気本管、 (15)…縁切りダンパー、 (16)…吸引・冷却用の安水ライン、 (17)…散液ノズル、 (18)…クリーニング用の安水ライン、 (19)…炉上面、 (C) …カーボン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 390002118 株式会社いけうち 大阪府大阪市西区阿波座1−15−15 (72)発明者 田村 光之進 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 松本 和俊 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 中谷 寛 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 浜木 誠 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社内 (72)発明者 月原 裕二 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社内 (72)発明者 佐地 孝文 茨城県鹿島郡鹿島町大字光3番地 住友 金属工業株式会社 鹿島製鉄所内 (72)発明者 渡辺 幹夫 茨城県鹿島郡鹿島町大字光3番地 住友 金属工業株式会社 鹿島製鉄所内 (72)発明者 松田 和清 兵庫県加古川市金沢町7番地 関西熱化 学株式会社 加古川工場内 (72)発明者 堀之内 俊司 兵庫県加古川市金沢町7番地 関西熱化 学株式会社 加古川工場内 (56)参考文献 実開 平6−83755(JP,U) 実開 平6−83754(JP,U) 実開 昭61−82943(JP,U) 実開 昭54−25256(JP,U) 実開 昭52−66760(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10B 43/14 C10B 27/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クリーニングノズル(3) およびリング管
    (4) の改良により、コークス炉上昇管ベンド部(2) にお
    けるカーボンの付着を防止する装置であって、 (A)ベンド部(2) 上部の上昇管立管(1) に接近した位
    置に、そのベンド部(2) 内の前方側に向けてほぼ水平方
    向に扇形に安水を噴射するための第1噴出口(3a)と、そ
    のベンド部(2) の入口側に向けて水平より斜め下後方に
    扇形に安水を噴射するための第2噴出口(3b)とを有する
    クリーニングノズル(3) を設けること、および、 (B)前記の立管(1) とベンド部(2) との境界部に設置
    するリング管(4) として、まず該リング管(4) の上部に
    は、(イ)リング管(4) の前方斜め下向きに第1受面
    (5) を設置し、(ロ)該第1受面(5) の両脇とリング管
    (4) 両側面との間には第2受面(6), (6)を設置し、
    (ハ)さらに、それら第2受面(6), (6)の端部のリン
    グ管(4) 両側面との接続部にガイド用突起(7), (7)をリ
    ング管(4) の前方斜め下向きに設置するか、それら第
    2受面(6), (6)の端部をリング管(4) の前方両側面に重
    ね合わせるように構成し、一方前記リング管(4) の下部
    には、第3受面(8) をリング管(4) の後方斜め上方に突
    出するように設置した、構造を有するリング管(4) を用
    いること、を特徴とするコークス炉上昇管ベンド部のカ
    ーボン付着防止装置。
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