JP2519804Y2 - コークス炉上昇管ベンドのカーボン付着防止装置 - Google Patents

コークス炉上昇管ベンドのカーボン付着防止装置

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JP2519804Y2
JP2519804Y2 JP1760393U JP1760393U JP2519804Y2 JP 2519804 Y2 JP2519804 Y2 JP 2519804Y2 JP 1760393 U JP1760393 U JP 1760393U JP 1760393 U JP1760393 U JP 1760393U JP 2519804 Y2 JP2519804 Y2 JP 2519804Y2
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浩二 山田
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、コークス炉の上昇管
ベンド入口部のカーボン付着を防止する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コークス炉において石炭を乾留してコー
クスを製造するに際し発生するコークス炉ガスは、炭化
室上部空間から上昇管に接続するベンド部において安水
が散布され、約800℃から85〜95℃に冷却されて
集気本管に導入され、吸引本管を介してガス精製工程に
導かれる。上記上昇管を通過するコークス炉ガスの温度
は、約800℃であり、上昇管ベンド部を通過する際、
コークス炉ガス中の炭化水素の一部が分解してカーボン
を析出し、上昇管ならびにベンド部内壁面に付着成長
し、ガスの流れを悪化させ、最後には管内を閉塞する恐
れがある。このため、上昇管およびベンド管の内壁面に
付着したカーボンは、作業員により定期的に除去するこ
とが行われている。
【0003】しかしながらこの上昇管およびベンド管の
内壁面に付着したカーボンの除去作業は、石炭の乾留が
完了してガスの発生量およびガスカロリーの減少した時
期、すなわち火落ち完了後、当該炭化室の上昇管ベンド
部の皿弁を閉じて上昇管の天蓋を解放して集気本管との
縁切りを行った後、作業員が槍と称する突つき棒を用い
天蓋部およびベンド管点検口から付着したカーボンを突
きおとしていた。このカーボン除去作業は灼熱環境下で
の重筋作業で、しかも危険な作業であり、従業員からは
敬遠されている。
【0004】上記上昇管ベンド管の内壁面へのカーボン
の付着は、内壁面を常時洗浄することによって防止でき
ることが知られており、ベンド管内に内壁面を洗浄する
各種のノズルを設けることが数多く提案されている。例
えば、コークス炉上昇管曲管の管内壁頂部近傍に上向き
のノズル孔を対向して列設した噴出機構を設け、該噴出
機構に給水管を連結して、前記上昇管の内面に向け噴水
し、曲管内面に水膜を形成するようにした装置(実開昭
52−38155号公報)、外部本管に連結された散液
管が上昇管ベンドの入口付近まで延長され、かつ該散液
管の先端噴出孔よりも前方には衝突板が設けられ、噴出
孔から噴出された安水または水が衝突板に衝突して形成
される飛散液で上昇管ベンドの内壁に液膜を形成させる
ようにした散液装置(実開昭52−66759号公報、
実開昭52−66760号公報)、支持棒に担持された
衝突板が、安水吹き込みノズルからの安水噴射流に接触
するように上昇管ベンドの中に布設され、該衝突板に安
水噴射流が衝突して生ずる飛散液で上昇管ベンドの内壁
に液膜を形成させるようにした散液装置(実開昭52−
66761号公報)、管全周にわたってスプレーチャン
バーを形成して該チャンバー周辺に曲管内壁面に指向す
る多数の噴射ノズルを穿孔した装置(実開昭52−97
955号公報)、コークス炉上昇管ベンド部に設けた二
重管の蒸気用内筒を先端にノズルを有する安水よう外筒
に内装した散水装置(実開昭53−37741号公
報)、コークス炉上昇管ベンド部に設けた散水筒の下端
に開口部と下端近傍の側部にスリットノズルを形成する
と共に、散水筒内に下端に押圧部を上端に叩打部を有す
る移動プラグを装入し、移動プラグには開口部押圧密閉
用のスプリングを設けた散水装置(実開昭53−377
42号公報)、上昇管ベンド部に着脱可能な蓋と管内に
連通する多数のノズル取付孔を設けた凹座とで構成され
る複数個の水冷ジャケットを形成し、そのノズル取付孔
にはジャケット内に供給する安水を、管路の内周面に沿
って一様に敷行する向きに噴射することのできる安水ノ
ズルを着脱可能にねじ嵌めしたベンド構造(実開昭55
−67151号公報)、液体供給源に連通した散液流路
管を上昇管ベンド内に挿設し、上昇管ベンド内へ挿設し
た散液流路管の先端側に前方側へ広角度拡散噴射を、他
方側に斜め上前方へ噴射するノズル装置を配設して上昇
管ベンドの内壁周面のむらのない液膜の昇管ベンド内に
挿設した散液流路管およびノズル装置を水洗する散水装
置(実開昭56−95551号公報)等の散液装置が提
案されている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】上記各種の散液装置
は、いずれも上昇管ベンド内壁面へのカーボン付着防止
に効果を有するが、安水散液が行われていない上昇管と
ベンドとの接続部の上昇管側よりカーボンが付着成長
し、順次ベンド部に成長侵入して安水の散液を妨害する
ので、上昇管入口部に付着したカーボンを作業員が手作
業により周期的に除去ししなければならない。このカー
ボン除去作業は、前記したとおり、灼熱環境下での重筋
作業であり、しかも上昇管頂部から火災吹出し等による
危険な作業である。
【0006】この考案の目的は、従来安水洗浄が不可能
であった上昇管とベンドとの接続部の上昇管側の安水散
液による洗浄を可能とし、作業員によるベンド入口部の
付着カーボンの除去作業を皆無とできるコークス炉ベン
ド入口部のカーボン付着防止装置を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案者らは、上記目的
を達成すべく種々試験研究を重ねた。その結果、上昇管
とベンドとの接続部の上昇管側へ洗浄ノズルを設けるこ
とによりカーボン付着を防止できることを確認した。ま
た、この洗浄ノズルおよび上部周辺にカーボンが付着す
るので上向きに安水を噴射し、整流板により安水の流れ
を整えることにより洗浄ノズルを洗浄できること、整流
板にカーボンが付着するが一定量以上になると自然脱落
し、付着成長しないことを確認した。また上昇管内への
安水の流入もないことを確認し、この考案に到達した。
【0008】すなわちこの考案は、コークス炉上昇管ベ
ンド入口部にベンド内壁洗浄用の安水噴射ノズルを配設
した上昇管ベンドのカーボン付着防止装置において、上
部に前記安水噴射ノズルからの安水飛散防止板を設け、
下部に飛散防止板に沿って流下する安水の受け皿を配設
し、飛散防止板上部の上昇管側に飛散防止板の洗浄ノズ
ルを設け、該洗浄ノズルの上昇管側に該洗浄ノズルを洗
浄する機能を付与した整流板を設けたことを特徴とする
コークス炉上昇管ベンドのカーボン付着防止装置であ
る。
【0009】
【作用】この考案においては、上昇管ベンド入口部に設
けたベンド内壁洗浄用の安水噴射ノズルからの安水の飛
散防止板を上部に設け、下部に飛散防止板に沿って流下
する安水の受け皿を配設したから、上昇管とベンドとの
接続部内壁の洗浄を行うことができる。また、飛散防止
板上部の上昇管側に飛散防止板の洗浄ノズルを設け、こ
の洗浄ノズルの上昇管側に該洗浄ノズルを洗浄する機能
を付与した整流板を設けたから、飛散防止板の上昇管側
面が洗浄され、カーボンの付着を防止することができる
と共に、整流板を設けたことによって洗浄ノズルからの
安水が整流されて自己洗浄されるから、洗浄ノズルへの
カーボン付着を防止できる。なお、整流板にカーボンが
付着するが、一定量以上になると自然脱落し、付着成長
しないため、上昇管ベンド入口部を閉塞することがな
い。したがって、この考案は、従来構造上不可能とされ
ていた上昇管側への散液を可能となし、作業員に敬遠さ
れていた手作業による上昇管ベンド部カーボン除去作業
をなくすことができる。
【0010】この考案における飛散防止板の形状は、上
昇管ベンド入口部に設けたベンド内壁洗浄用の安水噴射
ノズルからの安水の上昇管への飛散を防止でき、かつ、
コークス炉ガスの通過を妨げないよう三日月状とする。
また、受け皿は、ベンド内壁面に沿って流下する安水の
上昇管への進入を防止できればよく、特に限定されな
い。さらに、整流板は、洗浄ノズルによる飛散防止板の
上昇管側安水が受け皿に流下し、かつ洗浄ノズルからの
安水の一部が整流されて洗浄ノズルを洗浄できる構造で
あればよい。
【0011】
【実施例】以下にこの考案の詳細を実施の一例を示す図
1ないし図3に基づいて説明する。図1はこの考案のコ
ークス炉上昇管ベンドカーボン付着防止装置の全体側断
面図、図2はこの考案の要部拡大側断面図、図3は散水
ノズルの配置を示す正面断面図である。図1ないし図3
において、1は上昇管、2は上昇管1に接続するベンド
管、3は図示しない吸引本管に接続する集気本管、4は
ベンド管2と集気本管3との間に設けた皿弁、5は上昇
管1の頂部に設けた天蓋で、皿弁4を閉じて天蓋5を開
放することにより、上昇管1と集気本管3との縁切り
が、また、天蓋5を閉じ皿弁4を開放することにより、
上昇管1と集気本管3との縁継ぎができる。
【0012】6はベンド管2の入口に設けたベンド内壁
洗浄用の安水噴射ノズル、7は上昇管1からベンド管2
への入口上部に設けられた三日月状の飛散防止板、8は
飛散防止板6の上昇管側に設けた洗浄ノズルで、飛散防
止板6の上昇管側を安水洗浄しカーボン付着を防止す
る。9は整流板で洗浄ノズル8からの安水の上昇管側へ
の流入を防止すると共に、洗浄ノズル8から上向きに噴
射された安水が整流板9により水流が整えられ、洗浄ノ
ズル8を洗浄しながら飛散防止板6も洗浄しながら流下
する。10は受け皿で、ベンド管2の内壁、飛散防止板
7および整流板9に沿って流下する安水の上昇管1への
流入を防止するよう構成されている。
【0013】上記のとおり構成したことによって、上昇
管1に接続するベンド管2の内壁は、安水噴射ノズル6
から噴射される安水によって洗浄され、カーボンの付着
が防止される。また、安水噴射ノズル6から上昇管1側
に噴射される安水は、飛散防止板7によって上昇管1へ
の進入が防止され、飛散防止板7に沿って流下する。飛
散防止板7の上昇管1側は、洗浄ノズル8から上向きに
噴射され、整流板9により水流が整えられた安水によっ
て常時洗浄されるから、カーボンの付着が防止される。
【0014】さらに、洗浄ノズル8からの安水の上昇管
側への流入は、整流板9によって防止され、かつ、洗浄
ノズル8へのカーボンの付着は、整流板9によって水流
が整えられた安水が洗浄ノズル8を洗浄することによっ
て防止される。したがって、従来構造上不可能とされて
いた上昇管側への散液は、可能となって上昇管1とベン
ド管2との接続部へのカーボン付着が防止され、作業員
に敬遠されていた手作業による上昇管1ベンド部カーボ
ン除去作業を皆無とすることができる。なお、ベンド管
2の内壁、飛散防止板7および整流板9に沿って流下す
る安水は、受け皿10によって上昇管1への流入が防止
され集気本管3に流入し、コークス炉ガスの洗浄冷却用
安水と共に処理される。
【0015】
【考案の効果】以上述べたとおり、この考案によれば、
作業員から敬遠されていたベンド管入口部の定期的な付
着カーボン除去作業を皆無とすることができ、灼熱、重
筋、かつ危険な作業から作業員を解放することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案のコークス炉上昇管ベンドカーボン付
着防止装置の全体側断面図である。
【図2】この考案の要部拡大側断面図である。
【図3】散水ノズルの配置を示す正面断面図である。
【符号の説明】
1 上昇管 2 ベンド管 3 集気本管 4 皿弁 5 天蓋 6 安水噴射ノズル 7 飛散防止板 8 洗浄ノズル 9 整流板 10 受け皿

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コークス炉上昇管ベンド入口部にベンド
    内壁洗浄用の安水噴射ノズルを配設した上昇管ベンドの
    カーボン付着防止装置において、上部に前記安水噴射ノ
    ズルからの安水飛散防止板を設け、下部に飛散防止板に
    沿って流下する安水の受け皿を配設し、飛散防止板上部
    の上昇管側に飛散防止板の洗浄ノズルを設け、該洗浄ノ
    ズルの上昇管側に該洗浄ノズルを洗浄する機能を付与し
    た整流板を設けたことを特徴とするコークス炉上昇管ベ
    ンドのカーボン付着防止装置。
JP1760393U 1993-03-15 1993-03-15 コークス炉上昇管ベンドのカーボン付着防止装置 Expired - Lifetime JP2519804Y2 (ja)

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JPH0669248U JPH0669248U (ja) 1994-09-27
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JP6253946B2 (ja) * 2013-10-22 2017-12-27 関西熱化学株式会社 カーボン付着抑制装置及びそれを備えたコークス炉

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