JP2815814B2 - 真空吸引車の逆流防止装置 - Google Patents

真空吸引車の逆流防止装置

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JP2815814B2 JP27727294A JP27727294A JP2815814B2 JP 2815814 B2 JP2815814 B2 JP 2815814B2 JP 27727294 A JP27727294 A JP 27727294A JP 27727294 A JP27727294 A JP 27727294A JP 2815814 B2 JP2815814 B2 JP 2815814B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばし尿等の被処理
物を空気流とともにタンク内に吸引して回収処理する吸
引清掃車等の真空吸引車において、真空ポンプ等の圧力
供給源への被処理物の逆流を防止する装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えばし尿等の被処理物を回収
処理する吸引清掃車は、被処理物を収容するタンクと、
このタンク内に被処理物を吸引するために空気流を発生
せしめる圧力供給源である真空ポンプとを設け、このタ
ンクと真空ポンプとを空気配管を介して接続せしめると
ともに、タンクの下端部に吸引ホースを介して吸引ノズ
ルを取付けており、真空ポンプにより空気配管を経てタ
ンク内の空気を排気することによってタンクおよび吸引
ノズルに空気流を発生し、この空気流とともに吸引ノズ
ルの先端吸引口から被処理物を吸引させ、この吸引され
た被処理物をタンク内にて重力分離或いは衝突分離させ
て徐々に収容せしめるとともに、被処理物から分離され
た空気流を空気配管を通して真空ポンプに至しめるよう
にしている。
【0003】ところで、上記吸引清掃車においては、タ
ンク内に被処理物が満杯になっても吸引を続けると、空
気配管にまで被処理物が入り込み、この空気配管が被処
理物により腐食されたり或いは詰まったりする問題があ
り、更に真空ポンプにまで被処理物が入り込むと該真空
ポンプを破損することもあった。
【0004】そこで、このような吸引清掃車には、被処
理物の満杯と同時に空気配管および真空ポンプへの被処
理物の逆流を防止する逆流防止装置がタンクのマンホー
ルに内蔵されている。
【0005】従来、この種の逆流防止装置は、例えば図
2に示すように、タンク(1)のマンホール(2)内
に、内部にボール(3)を遊嵌し、かつ、上端数個所に
通気孔(4)を有する案内筒(5)を嵌挿し、この案内
筒(5)の上端開口に、ボール(3)により上下動せら
れる開閉弁(6)を軸承し、かつ、適宜数の開孔(7)
を有する軸承部材(8)を被嵌し、この軸承部材(8)
上に、上端に圧力供給源である真空ポンプ(図示せず)
と空気配管(図示せず)を介して接続される吐出管
(9)を一体に形成し、かつ、この吐出管(9)の内端
部に弁口(10)を有するマンホール蓋(11)を気密に嵌
着してなり、タンク(1)内の被処理物のレベルが漸次
上昇してタンク(1)の頂板付近に達すると、ボール
(3)が被処理物からの浮力により押し上げられるか
ら、開閉弁(6)もこれとともに漸次上昇し、タンク
(1)内が満杯になると、開閉弁(6)が弁口(10)を
閉塞して空気配管および真空ポンプへの被処理物の逆流
を防止する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、被処理物の
回収処理時には、被処理物がタンク(1)内に空気流と
ともに吸引されるため、タンク(1)内で被処理物が空
気流により攪拌されて泡沫を発生し易い状態となり、し
かも、タンク(1)内が減圧されているので上記泡沫が
成長し易い。そして、タンク(1)内の被処理物から泡
沫が発生して逆流防止装置に達しても、この泡沫からの
浮力が小さいのでボール(3)が上昇せず、逆流防止装
置の弁口(10)が開口した状態のままとなる。この状態
で被処理物のレベルが案内筒(5)に達すると、空気流
が空気筒(5)の通気孔(4)から軸承部材(8)の開
孔(7)を通って吐出管(9)へ流れるだけとなり、こ
れによって泡沫が吐出管(9)へ流れ易くなり、この吐
出管(9)から空気配管に泡沫が逆流し、延いては真空
ポンプにまで逆流して悪影響を及ぼす虞があった。特
に、近年、吸引清掃車の用途が広範囲となり、豚や牛等
の動物のし尿、洗剤等を含む生活排水等の泡沫を発生し
易い被処理物を回収することが多くなり、多量の泡沫が
空気配管に逆流し、長時間放置しておくと空気配管内が
腐食したりするため、頻繁に空気配管内を清掃しなけれ
ばならず非常に手間がかかった。また、真空ポンプに
は、その潤滑および冷却剤としてオイルを使用している
が、上記泡沫が真空ポンプにまで達すると、オイルに混
入して当該真空ポンプを破損させる原因にもなってい
た。
【0007】本発明は従来の上記欠点に鑑みてなされた
もので、空気配管および真空ポンプ等の圧力供給源への
泡沫の逆流を防止するようになした真空吸引車の逆流防
止装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、タンクのマンホール内に、内部にボールを遊
嵌し、かつ、上端数個所に通気孔を有する案内筒を嵌挿
し、この案内筒の上端開口に、上記ボールにより上下動
せられる開閉弁を軸承し、かつ、適宜数の開孔を有する
軸承部材を被嵌し、この軸承部材上に、上端に圧力供給
源である真空ポンプと空気配管を介して接続される吐出
管を一体に形成し、かつ、この吐出管の内端部に弁口を
有するマンホール蓋を気密に嵌着してなる真空吸引車の
逆流防止装置において、上記タンク内の被処理物の増減
によって上下動する棒状フロートを、上記案内筒の下方
に取付固定されるガイド部材に上下動可能に支承させ
て、上記ボールの下面に吊下状に取付固定させるととも
に、上記案内筒の通気孔から流れ込む空気流を下方へ方
向変更するための円筒形状のブローチェンジガイドを、
上記案内筒の通気孔と上記軸承部材の開孔との間に垂設
させたものである。
【0009】
【作用】本発明によれば、棒状フロートにより案内筒が
被処理物に浸される以前に弁口を閉塞させるとともに、
ブローチェンジガイドにより案内筒の通気孔から流れ込
む空気流を下方へ方向変更させるから、案内筒の通気孔
から流れ込む空気流と案内筒の下端開口から流れ込む空
気流とが衝突して泡沫が消滅することにより空気配管お
よび真空ポンプへの泡沫の逆流を防止させている。
【0010】
【実施例】以下、本発明に係る真空吸引車の逆流防止装
置の一実施例を図1に基づいて説明する。但し、図2に
示す従来装置と同一の構成物には同一の符号を付して重
複する事項の説明を省略する。
【0011】本発明装置は、図1に示すように、タンク
(1)内の被処理物の増減によって上下動する棒状フロ
ート(12)をボール(3)に設け、かつ、案内筒(5)
の通気孔(4)から流れ込む空気流の流れを下方へ方向
変更するための円筒形状のブローチェンジガイド(13)
を案内筒(5)の通気孔(4)と軸承部材(8)の開孔
(7)との間に設けたことを特徴とする。
【0012】上記棒状フロート(12)は、下端を閉塞さ
せた中空体のプラスチックパイプ等から製作され、案内
筒(5)の下方に取付固定されたガイド部材(14)に上
下動自在に支承されるとともに、ボール(3)の下面に
吊下状に取付固定されており、タンク(1)内の被処理
物の増減によって上下動することによりボール(3)を
上下動する。
【0013】上記ブローチェンジガイド(13)は、案内
筒(5)の通気孔(4)と軸承部材(8)の開孔(7)
との間に垂設されており、案内筒(5)の通気孔(4)
から流れ込む空気流を下方へ方向変更する。
【0014】尚、タンク(1)の頂板とマンホール
(2)との間には継足し部材(15)が設けられており、
この継足し部材(15)によりタンク(1)内に被処理物
が満杯になっても、案内筒(5)が被処理物に浸からな
いようにしている。
【0015】本発明装置は上記構成よりなり、次に、上
記構成よりなる本発明装置の作用について説明する。
【0016】先ず、タンク(1)内の被処理物のレベル
が漸次上昇してタンク(1)の頂板付近に達すると、棒
状フロート(12)が被処理物からの浮力により押し上げ
られることによりボール(3)も押し上げられるから、
開閉弁(6)もこれらとともに漸次上昇し、案内筒
(5)が被処理物に浸される以前に、開閉弁(6)が弁
口(10)を閉塞して空気配管および真空ポンプへの被処
理物の逆流を防止する。この場合、弁口(10)が閉塞さ
れるまで被処理物から発生した泡沫が空気流とともに搬
送されるが、案内筒(5)の通気孔(4)から流れ込ん
だ空気流がブローチェンジガイド(13)により下方へ方
向変更されるとともに、案内筒(5)が被処理物に浸さ
れず該案内筒(5)の下端開口から空気流が流れ込み続
けるから、案内筒(5)の通気孔(4)から流れ込んだ
空気流と案内筒(5)の下端開口から流れ込んだ空気流
とが衝突し、この空気流の衝突により泡沫が消滅されて
空気配管および真空ポンプへの泡沫の逆流が防止され
る。
【0017】本発明装置によれば、棒状フロート(12)
により案内筒(5)が被処理物に浸される以前に弁口
(10)を閉塞させるとともに、ブローチェンジガイド
(13)により案内筒(5)の通気孔(4)から流れ込む
空気流を下方へ方向変更させるから、案内筒(5)の通
気孔(4)から流れ込む空気流と案内筒(5)の下端開
口から流れ込む空気流とが衝突して泡沫が消滅すること
により空気配管および真空ポンプへの泡沫の逆流を防止
させている。
【0018】尚、以上は本発明の一実施例を述べたもの
で、本発明はこの実施例に限定されるものではない。例
えば、上記実施例では、棒状フロート(12)を下端を閉
塞させたプラスチックパイプ等の中空体から製作してい
るが、被処理物より比重の軽い材質であれば中実体のも
のから製作することも可能である。また、上記実施例で
は、タンク(1)内に被処理物が満杯になっても、案内
筒(5)が被処理物に浸からないように、タンク(1)
の頂板とマンホール(2)との間に継足し部材(15)を
別途に設けているが、この継足し部材(15)をタンク
(1)の頂板或いはマンホール(2)と一体形成するこ
とも可能である。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、被処理物の回収作業に
際して被処理物から多量の泡沫が発生しても、空気流の
衝突によって泡沫を消滅させ、空気配管および真空ポン
プへの泡沫の逆流を防止させることが可能となる。従っ
て、従来のように多量の泡沫が空気配管に逆流してその
空気配管内を腐食したりすることがなく、空気配管を取
り外して頻繁に清掃する必要もないので大幅に手間が省
ける。また、真空ポンプ内のオイルに泡沫が混入するこ
ともないため、泡沫の逆流による真空ポンプの故障原因
も取り除けてその信頼性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る逆流防止装置の縦断面図である。
【図2】従来の逆流防止装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1 タンク 2 マンホール 3 ボール 4 通気孔 5 案内筒 6 開閉弁 7 開孔 8 軸承部材 9 吐出管 10 弁口 11 マンホール蓋 12 棒状フロート 13 ブローチェンジガイド 14 ガイド部材 15 継足し部材

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンクのマンホール内に、内部にボール
    を遊嵌し、かつ、上端数個所に通気孔を有する案内筒を
    嵌挿し、この案内筒の上端開口に、上記ボールにより上
    下動せられる開閉弁を軸承し、かつ、適宜数の開孔を有
    する軸承部材を被嵌し、この軸承部材上に、上端に圧力
    供給源である真空ポンプと空気配管を介して接続される
    吐出管を一体に形成し、かつ、この吐出管の内端部に弁
    口を有するマンホール蓋を気密に嵌着してなる真空吸引
    車の逆流防止装置において、上記タンク内の被処理物の
    増減によって上下動する棒状フロートを、上記案内筒の
    下方に取付固定されるガイド部材に上下動可能に支承さ
    せて、上記ボールの下面に吊下状に取付固定させるとと
    もに、上記案内筒の通気孔から流れ込む空気流を下方へ
    方向変更するための円筒形状のブローチェンジガイド
    を、上記案内筒の通気孔と上記軸承部材の開孔との間に
    垂設させたことを特徴とする真空吸引車の逆流防止装
    置。
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