JP2815654B2 - 新規な4―置換―3,5―ジメチルピコリン酸化合物およびその製造方法 - Google Patents

新規な4―置換―3,5―ジメチルピコリン酸化合物およびその製造方法

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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、新規な製造中間体である4−置換−3,5−
ジメチルピコリン酸化物およびその製造方法に関する。
本発明の化合物は、一般式 (式中、R1は環状アルキル基で置換されていてもよい炭
素数1〜8個の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基また
は炭素数2〜4個のフルオロアルキル基を表わす。)で
示される、特開昭63−146882号公報記載の抗潰瘍活性の
ある化合物の製造中間体として有用である。
従来の技術 一般式[A]で示される化合物は、一般式 (式中、R1は前記と同意義。)で示される化合物を酸化
して製造される。
一般式[B]で示される化合物は、一般式 (式中、R1は前記と同意義。)で示される化合物と一般
(式中、Xはハロゲンを表わす。)で示される化合物と
を縮合して製造される。
一般式[C]で示される化合物は、式 で示されるピリジンメタノール誘導体から製造される。
式[D]で示される化合物の製造方法は特公昭63−53
987号公報に記載されている。この公報に記載されてい
る方法は、(a)3,5−ジメチルピリジンを出発原料と
する方法および(b)2,3,5−トリチルピリジンを出発
原料とする方法である。
発明が解決しようとする問題点 上記(a)方法の収率は3%程度であり、(b)方法
の収率は50%程度であり、これらの方法よりも収率の高
い製造方法が望まれていた。
問題点を解決するための手段 本発明者らは、下記反応経路によりピリジンメタノー
ル誘導体を製造したところ、高純度、高収率で当該化合
物が得られることを見出し本発明を完成した。
3,5−ジメチルピリジン[I]を過酸化水素水と反応
させて3,5−ジメチルピリジン−N−オキシド[II]を
製造し、[II]を濃硫酸、発煙硫酸および硝酸カリウム
と反応させて3,5−ジメチル−4−ニトロピリジン−N
−オキシド[III]を製造し、[III]をジメチル硫酸と
反応させた後、シアン化ナトリウムと反応させて2−シ
アノ−3,5−ジメチル−4−ニトロピリジン[IV]を製
造する。
2−シアノ−3,5−ジメチル−4−ニトロピリジン[I
V]を硫酸−水混合液中で加熱して、シアノ基をアミド
基とし、次いで亜硝酸ナトリウムと反応させてジアゾニ
ウム塩とし、これを酸性溶液中で加熱して3,5−ジメチ
ル−4−ニトロピコリン酸[V]を製造する。
上記の反応は、中間体を単離することなく連続して行
なうことができる。[V]をナトリウムメトキドと反応
させて4−メトキシ−3,5−ジメチルピコリン酸[VI]
を製造し、[VI]をジボランで水素化して2−ヒドロキ
シメチル−4−メトキシ−3,5−ジメチルピリジン
[D]を製造する。
シボランは水素化ホウ素ナトリウムと酸とを反応させ
て製造することができる。酸としては三フッ化ホウ素、
塩化アルミニウム等のルイス酸が好ましい。水素化反応
はジボランガスを4−メトキシ−3,5−ジメチルピコリ
ン酸[VI]の溶液中に導入するか、[VI]、水素化ホウ
素ナトリウム及びルイス酸の三者を混合溶液にする事に
よって行う事ができる。
参考例1 3,5−ジメチルピリジン−N−オキシドの製造 3,5−ジメチルピリジン203.0gを酢酸1.0に溶解し、
この溶液に35℃で30%過酸化水素水200mlを加え、75℃
で3時間撹拌した。反応液を40℃に冷却し、30%過酸化
水素水140mlを加え、75〜83℃で8時間撹拌した後室温
で一夜静置した。この液を減圧下、約300mlに濃縮し、
残留液に0〜5℃で40%水酸化ナトリウムを加えてpH13
とし、クロロホルムで抽出し、溶媒を留去して3,5−ジ
メチルピリジン−N−オキシド233gを得た。収率は定量
的であった。
参考例2 3,5−ジメチル−4−ニトロピリジン−N−オキシドの
製造 3,5−ジメチルピリジン−N−オキシド200g、濃硫酸5
80ml、30%発煙硫酸290mlおよび硝酸カリウム444.0gの
混合物を沸騰水浴中で7時間撹拌し、20℃に冷却した
後、氷冷撹拌下、氷3kgと水1との混合液中に徐々に
加えた。この溶液を30℃で40℃水酸化ナトリウム、次い
で5%炭酸ナトリウムでpH7とし、クロロホルムで抽出
し、溶媒を留去し、得られた黄色固形物をクロロホルム
−ヘキサン混合液により再結晶して3,5−ジメチル−4
−ニトロピリジン−N−オキシド206.4gを得た。収率7
5.6%。
参考例3 2−シアノ−3,5−ジメチル−4−ニトロピリジンの製
造 3,5−ジメチル−4−ニトロピリジン−N−オキシド2
00.0gとジメチル硫酸338.0mlとの混合液を60〜70℃で5
時間撹拌した。この液を5℃に冷却し、この温度に保ち
つつ水450mlを加え、エチルエーテルで3回抽出して過
剰をのジメチル硫酸を除去した。除去後の水溶液に水55
0mlを加え、この溶液に窒素気流下−3〜0℃で、シア
ン化ナトリウム122.0gを水900mlに溶解した溶液を3時
間を要して加え、4時間を要して7℃に昇温し、析出し
た淡黄色結晶を濾取し、水洗、乾燥して2−シアノ−3,
5−ジメチル−4−ニトロピリジン210.5gを得た。収率
は定量的であった。
参考例4 2−ヒドロキシメチル−4−メトキシ−3,5−ジメチル
ピリジンの製造 4−メトキシ−3,5−ジメチルピコリン酸36.5gとテト
ラヒドロフラン300mlとの混合液中に室温中で撹拌下ジ
ボランを飽和させ、一夜室温中で静置した。
ジボランは、三フッ化ホウ素エチルエーテル・コンプ
レックス129.0gと水素化ホウ素ナトリウム27.5gとをジ
エチレングリコールジメチルエーテル300ml中で反応さ
せて製造し、窒素気流と共に上記のテトラヒドロフラン
混合液中に導入した。
静置液を0〜5℃に冷却し、撹拌下水200mlと酢酸20m
lとを加え、次いで4時間加熱還流した。この溶液を20
℃に冷却し、5%炭酸ナトリウムでpH10とし、クロロホ
ルム2.0で抽出した。溶媒を留去し、残留物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロルホル
ム)で精製し、淡黄色固形物の2−ヒドロキシメチル−
4−メトキシ−3,5−ジメチルピリジン33.4gを得た。収
率99.2%。
元素分析値(C9H13NO2として) 理論値(%);C,64.65 H, 7.84 N, 8.38 実測値(%);C,64.42 H, 7.61 N, 8.20 実施例1 3,5−ジメチル−4−ニトロピコリン酸の製造 2−シアノ−3,5−ジメチル−4−ニトロピリジン75.
0gと90%硫酸632gとの混合液を115〜125℃で2時間撹拌
し、この溶液を10℃に冷却した。この溶液に、亜硝酸ナ
トリウム70.8gを水126mに溶解した溶液を4時間を要
して加え、その間溶液の温度を10〜20℃に保持した。こ
の溶液を2時間を要して徐々に加熱して80℃とし、次い
で80〜85℃で2時間加熱した。この溶液を0℃に冷却後
氷1260gを加え、この温度で炭酸ナトリウム粉末を用い
てpH1.5とし、クロロホルム3とアセトン1との混
合液で抽出し、溶媒を留去し黄色結晶を得た。この結晶
をクロロホルム−メタノール−ヘキサン混合溶媒で再結
晶して淡黄色結晶の3,5−ジメチル−4−ニトロピコリ
ン酸73.9gを得た。収率89.0%。融点173〜175℃。
元素分析値(C8H8N2O4として) 理論値(%);C,48.98 H, 4.11 N,14.28 実測値(%);C,48.81 H, 4.02 N,14.36 実施例2 4−メトキシ−3,5−ジメチルピコリン酸の製造 3,5−ジメチル−4−ニトロピコリン酸73.9gを、金属
ナトリウム287gをメタノール4.9に溶解した溶液中に1
0℃以下で撹拌下に加え、10時間加熱還流した。反応後
からメタノールを留去し残留物に2℃の水1.5を加
え、同温度で5%硫酸を用いてpH2.5とした。この溶液
をクロロホルム3とアセトン1の混合液で抽出し、
溶媒を留去し、残渣をクロロホルム−ヘキサン混合溶媒
で再結晶して淡黄色結晶の4−メトキシ−3,5−ジメチ
ルピコリン酸64.8gを得た。収率94.9%。融点145〜147
℃。
元素分析値(C9H11NO3として) 理論値(%);C,59.66 H, 6.12 N, 7.73 実測値(%);C,59.79 H, 6.03 N, 7.91

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、Rはニトロ基またはメトキシ基を表わす。)で
    示される4−置換−3,5−ジメチルピコリン酸化合物。
  2. 【請求項2】3,5−ジメチル−4−ニトロピコリン酸で
    ある特許請求の範囲第1項記載の化合物。
  3. 【請求項3】4−メトキシ−3,5−ジメチルピコリン酸
    である特許請求の範囲第1項記載の化合物。
  4. 【請求項4】2−シアノ−3,5−ジメチル−4−ニトロ
    ピリジンを希硫酸中、亜硝酸ナトリウムと反応させるこ
    とを特徴とする3,5−ジメチル−4−ニトロピコリン酸
    の製造方法。
  5. 【請求項5】3,5−ジメチル−4−ニトロピコリン酸を
    ナトリウムメトキシドと反応させることを特徴とする4
    −メトキシ−3,5−ジメチルピコリン酸の製造方法。
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