JP2815386B2 - 電着塗料組成物 - Google Patents

電着塗料組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は電着塗料組成物に関する。
(従来の技術及びその課題) 従来より、イソシアネート硬化型カチオン性樹脂の硬
化触媒としてジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズ
オキサイド、ジブチルスズジラウレート及びジブチルス
ズジアセテート等の有機スズ化合物が最も一般的に使用
されている。
しかしながら、上記ジブチルスズオキサイド及びジオ
クチルスズオキサイド等の有機スズ化合物は有機溶剤に
不溶性の粉末状であるため、予めビヒクル成分で微粉砕
しておく必要があり製造コストが高くなる。そして、こ
れらの化合物は液状のものと比較して使用量が多くなる
ので製品コストが高くなるという欠点がある。
また、上記ジブチルスズジラウレート及びジブチルス
ズジアセテート等の液状有機スズ化合物は通常、ビヒク
ル成分と混合した後エマルション化されるが、この様に
して得られたエマルションは該有機スズ化合物自体水分
散能を有さないのでエマルション安定性が悪く、しかも
該有機スズ化合物がエマルション粒子から遊離し平滑
性、ハジキ等の塗膜欠陥を生じる原因となる欠点があっ
た。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は、前記した問題点を解決するために鋭意
研究を重ねた結果、従来のイソシアネート硬化型カチオ
ン性電着塗料に、金属キレート化合物を配合すると貯蔵
安定性が優れ、しかも低温硬化性に優れた塗膜を得るこ
とを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明はイソシアネート硬化型カチオン性電着
塗料に、硬化触媒としてスズキレート化合物を配合する
ことを特徴とする電着塗料組成物。
本発明において使用するイソシアネート硬化型カチオ
ン性電着塗料は、ブロック化されたイソシアネート基を
樹脂中に有し、硬化時に、イソシアネート基のブロック
化剤が解離し、イソシアネート基と樹脂中の活性水素と
が反応して硬化するタイプのものが使用出来る。
該イソシアネート硬化型カチオン性電着塗料は、ブロ
ック化されたイソシアネート基を基体樹脂分子中に有し
ていて架橋剤を必要とせず自己架橋するタイプのもので
あってもよいし、またブロック化されたイソシアネート
基を基体樹脂中に有しておらず、樹脂組成物中に架橋剤
としてブロックイソシアネート化合物を含有する外部架
橋タイプのものであってもよい。
上記外部架橋タイプで使用するブロックインシアネー
ト化合物は、各々理論量のポリイソシアネート化合物と
ブロック剤との付加反応生成物である。このポリイソシ
アネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシア
ネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイ
ソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘ
キサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメン
チレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネートなどの芳香族、脂環式族、
脂肪族のポリイソシアネート化合物およびこれらのポリ
イソシアネート化合物の過剰量にエチレングリコール、
プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキ
サントリオール、ヒマシ油などの低分子活性水素含有化
合物を反応させて得られる末端イソシアネート含有化合
物が挙げられる。
一方、前記ブロック剤はポリイソシアネート化合物の
イソシアネート基に付加してブロックするものであり、
そして付加によって生成するブロックイソシアネート化
合物は常温において安定で且つ約100〜200°Cに加熱し
た際、ブロック剤を解離して遊離のイソシアネート基を
再生しうるものであることが重要である。このような要
件を満たすブロック剤としては、例えば、ε−カプロラ
クタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタム系化合物;
メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム
などのオキシム系化合物;フェノール、パラ−t−ブチ
ルフェノール、クレゾールなどのフェノール系化合物;n
−ブタノール、2−エチルヘキサノールなどの脂肪族ア
ルコール類;フェニルカルビノール、メチルフェニルカ
ルビノールなどの芳香族アルキルアルコール類;エチレ
ングリコールモノブチルエーテルなどのエーテルアルコ
ール系化合物等が挙げられる。
これらのうち、オキシム系およびラクタム系のブロッ
ク剤が比較的低温で解離するブロック剤であるため、電
着塗料組成物の硬化性の点から特に好適である。
ブロック化されたイソシアネート基を基体樹脂分子中
に有していて自己架橋するタイプの基体樹脂中へのブロ
ックイソシアネート基の導入方法は従来公知の方法を用
いることができ、例えば部分ブロックしたポリイソシア
ネート化合物中の遊離のイソシアネート基と基体樹脂中
の活性水素とを反応させることによって導入できる。
上記自己架橋もしくは外部架橋タイプで使用される基
体樹脂としては、アミン付加エポキシ樹脂に代表される
ポリアミン樹脂が好ましい。これらの基体樹脂は、前記
のように、外部架橋タイプの場合には、前記ブロックイ
ソシアネート化合物を配合することが必要である。上記
アミン付加エポキシ樹脂としては、例えば(I)ポリエ
ポキシド化合物と1級モノ−及びポリアミン、2級モノ
−及びポリアミン又は1,2級混合ポリアミンとの付加物
(例えば米国特許第3,984,299号明細書参照);(II)
ポリエポキシド化合物とケチミン化された1級アミノ基
を有する2級モノ−及びポリアミンとの付加物(例えば
米国特許第4,017,438号明細書参照);(III)ポリエポ
キシド化合物とケチミン化された1級アミノ基を有する
ヒドロキシ化合物とのエーテル化により得られる反応物
(例えば特開昭59−43013号公報参照)などを含有しう
る。
上記アミン付加エポキシ樹脂の製造に使用されるポリ
エポキシド化合物は、エポキシ基 を1分子中に2個以上有する化合物であり、一般に少な
くとも200、好ましくは400〜4000、更に好ましくは800
〜2000の範囲内の数平均分子量を有するものが適してお
り、特にポリフェノール化合物とエピクロルヒドリンと
の反応によって得られるものが好ましい。該ポリエポキ
シド化合物の形成のために用いうるポリフェノール化合
物としては、例えばビス(4−ヒドロキシフェニル)−
2,2−プロパン、4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス−
(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス
(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−
プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、1,
5−ジヒドロキシナフタレン、ビス(2,4−ジヒドロキシ
フェニル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)
−1,1,2,2−エタン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスル
ホン、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等
が挙げられる。
該ポリエポキシド化合物はポリオール、ポリエーテル
ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアミドアミ
ン、ポリカルボン酸、ポリイソシアネート化合物などと
一部反応させたものであってもよく、更にまた、ε−カ
プロラクトン、アクリルモノマーなどをグラフト重合さ
せたものであってもよい。
上記基体樹脂は、前記第1〜第3アミノ基以外にも水
酸基含を有することができる。
該樹脂は、約0.1〜2.5ミリ当量/樹脂(g)、好まし
くは約0.2〜1.5ミリ当量/樹脂(g)のカチオン性基を
含有することができる。これより少ないと水分散が難し
く、反対にこれより多いとクーロン効率が低くなりすぎ
る欠点がある。
本発明で使用する金属キレート化合物としては、例え
ばスズキレート化合物、亜鉛キレート化合物、鉄キレー
ト化合物、コバルトキレート化合物、アルミニウムキレ
ート化合物、チタンキレート化合物、ジルコニウムキレ
ート化合物、クロムキレート化合物、銅キレート化合
物、カルシウムキレート化合物、マグネシウムキレート
化合物及びマンガンキレート化合物等を挙げることがで
きる。上記金属キレート化合物の中でもスズキレート化
合物、もしくはスズキレート化合物と亜鉛キレート化合
物、鉄キレート化合物、コバルトキレート化合物から選
ばれる1種以上のキレート化合物との混合物を用いる
と、低温硬化性に優れた効果を発揮することができるの
で好ましい。該スズキレート化合物は塗膜中でキレート
化剤の揮発とともにブロックイソシアネートの解離及び
遊離イソシアネート基と基体樹脂中の官能基(−NH2
−NH、OH等)との反応を促進する効果が大きいので低温
硬化性に優れた塗膜を形成することができる。
本発明における金属キレート化合物は、それ自体公知
のものであるが、有機金属化合物をキレート化剤で処理
することによって得られるものが好適である。有機金属
化合物としては、金属原子に少なくとも1つはC1〜C10
アルコキシ基(例:メトキシ、エトキシ、n−プロポキ
シ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、se
c−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、イソ
アミルオキシ、n−ヘキシルオキシ、n−ヘプチルオキ
シ、n−オクチルオキシなど)又はC3〜C10アルコキシ
アルコキシ基(例:メトキシメトキシ、メトキシエトキ
シ、エトキシブトキシ、ブトキシペントキシ基など)が
結合した化合物が好適である。また、上記した金属に結
合した基の残りの基としては、例えばC1〜C6のアルキル
基(例:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブ
チル、アミル基など)、アリール基(殊にフェニル、ト
ルイル基)、アルケニル基(例:ビニル、アリル基な
ど)又はメルカプト基もしくはアミノ基で置換されたC1
〜C6アルキル基(例:γ−メルカプトプロピル、アミノ
エチル、アミノプロピル、アミノブチル基など)等の基
を有することができる。
また、キレート化剤としては例えば、低級アルカノー
ルアミン類(例:トリエタノールアミン、ジエタノール
アミン、ジメチルアミノエタノールなど)、アセト酢酸
エステル(例:アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルな
ど)、ジケトンアルコール(例:ジアセトンアルコール
など)、ジケトン類(例:アセチルアセトンなど)、グ
リコール類(例:エチレングリコール、オクチレングリ
コールなど)、オキシカルボン酸(例:乳酸、酒石酸な
ど)、ジカルボン酸又はそのエステル(例:マレイン
酸、マロン酸エチルなど)、その他サルチル酸、カテコ
ール、ピロガロール等が挙げられ、中でも好ましくはジ
ケトン類及びアセト酢酸エステル類が貯蔵安定性及び低
温硬化性の観点から好ましい。
本発明で使用する金属キレート化合物の代表的な例示
としては、例えばジブチル・ビス(アセチルアセトナ
ト)スズ、ブチル・トリス(アセチルアセトナト)ス
ズ、ジプロピル・ビス(アセチルアセトナト)スズ、プ
ロピル・トリス(アセチルアセトナト)スズ、ジオクチ
ル・ビス(アセチルアセトナト)スズ、ジブチル・ビス
(エチルアセトアセテート)スズ、プロピル・トリス
(エチルアセトアセテート)スズ、プロポキシ・トリス
(エチルアセトアセテート)スズ、ビス(アセチルアセ
トナト)亜鉛、ビス(エチルアセトアセテート)亜鉛、
トリス(アセチルアセトナト)鉄、トリス(エチルアセ
トアセテート)鉄、ジプロポキシ・ビス(アセチルアセ
トナト)コバルト、ジプロポキシ・ビス(エチルアセト
アセテート)コバルト、トリス(エチルアセトアセテー
ト)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナト)アル
ミニウム、ジプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテー
ト)アルミニウム、ジプロポキシ・ビス(エチルアセト
アセテート)チタニウム、ジプロポキシ・ビス(アセチ
ルアセトナト)チタニウム、テトラキス(アセチルアセ
トナト)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセ
テート)ジルコニウム、ビス(アセチルアセトナト)カ
ルシウム、ビス(アセチルアセトナト)マンガン、トリ
ス(アセチルアセトナト)マンガン等を挙げることがで
きる。上記した金属キレート化合物の中でもスズ原子に
アルキル基が結合したスズキレート化合物が低温硬化性
に優れた塗膜を形成することから好適である。上記金属
キレート化合物は金属に水分子が配位結合していてもさ
しつかえない。このような配位水を有する金属キレート
化合物としては、例えばCo(C5H7O2)2(H2O)2、Ni(C5H
7O2)2(H2O)2、Zn(C5H7O2)2(H2O)、Ca(C5H7O2)2(H2O)2
Mn(C5H7O2)2(H2O)2等を挙げることができる。
上記金属キレート化合物は液状、粉末状等いずれの形
でも使用することができるが、特に粉末状(結晶)の場
合には該粉末状の金属キレート化合物を水又は有機溶剤
に分散もしくは溶解して使用することが好ましい。有機
溶剤としては、例えばベンゼン、キシレン、トルエン等
の芳香族炭化水素系;エタノール、プロパノール、ブタ
ノール、エチルセロソルブ等のアルコール系;アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン系;ジエチレングリ
コールジメチルエーテル等のエーテル系が挙げられる。
該有機溶剤は1種もしくは2種以上組合わせて使用でき
る。
また、金属キレート化合物の有機溶剤溶液は、通常、
固形分約5〜25重量%に調整して使用することが好まし
い。
本発明で使用する金属キレート化合物は、前記カチオ
ン型電着塗料中のカチオン性基を有する樹脂100重量部
に対して、約0.1〜5重量部、好ましくは約0.3〜3重量
部(金属量)配合できる。金属キレート化合物が約0.1
重量部より少ないと、塗膜硬化性が十分でなく、機械的
特性、耐食性に劣る塗膜となり、他方、5重量部より多
いと塗膜内部と表面との硬化が不均一なため樹脂的特性
に優れた塗膜が得られず、また、長期間のランニングに
おいて塗料浴の安定性が悪くなり平滑性に優れた塗膜が
得られないという恐れがある。
本発明塗料には、必要に応じて、例えば体質顔料、着
色顔料、防錆顔料、金属粉、有機溶剤及び界面活性剤等
を添加することができる。
本発明塗料を用いて被塗物に電着塗装を行なう方法及
び装置としては、従来から陰極電着塗装において使用さ
れているそれ自体既知の方法及び装置を使用することが
できる。その際、被塗物をカソードとし、アノードとし
ては炭素板を用いるのが望ましい。用いうる電着塗装条
件は、特に制限されるものではないが、一般的には、浴
温:20〜30℃、電圧:100〜400V(好ましくは200〜300
V)、電流密度:0.01〜3A/dm2、通電時間:30秒〜10分、
極面積比(A/C):6/1〜1/6、極間距離:10〜100cm、撹拌
条件で電着することが望ましい。
必要な厚みの電着塗膜を得た後、被塗物を必要に応じ
て水洗し、約100〜200℃の温度で乾燥することにより硬
化塗膜が得られる。
本発明は、導電性基材に適用出来るが、特にスチー
ル、アルミニウム、銅などの金属材の塗装に適してい
る。
(作用及び発明の効果) 本発明において、イソシアネート硬化型カチオン性電
着塗料に金属キレート化合物を配合すると、浴安定性を
阻害することなく、低温硬化性に優れた塗膜が形成でき
るのは、次の理由によるものと推察される。
即ち、イソシアネート硬化型カチオン性電着塗料にス
ズキレート化合物を添加すると、スズキレート化合物が
カチオン性基を有する樹脂の分散粒子内に浸透すること
により、両者が混合もしくは一部化学結合して該粒子内
に該金属キレート化合物が安定した形で存在する。この
ものを電着塗装すると該カチオン性基を有する樹脂とス
ズキレート化合物とが同時に被塗装物に電析されるので
硬化性に優れた塗膜が得られる。また、該スズキレート
化合物はブロックイソシアネートのブロック剤の解離触
媒及び遊離イソシアネート基と樹脂中の官能基との反応
を促進する効果が大きいので低温硬化性に優れた塗膜を
形成することができる。更に、スズキレート化合物は、
上記した塗膜架橋以外にも被塗装物に対して化学結合す
るので、付着性及び耐食性に優れた塗膜が形成できる。
実施例 次に実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
以下「部」および「%」は「重量部」および「重量
%」を示す。
実施例1 カチオン電着塗料エレクロン#9600グレー(関西ペイ
ント社製、商品名、固形分18%、樹脂固形分14%、外部
架橋タイプ、ポリエステル変性ビスフェノールA型アミ
ン付加エポキシ樹脂/ブロックイソシアネート系)の樹
脂固形分100部に対しナーセムスズ(*1)を金属量と
して0.3部を添加し均一に撹拌して実施例1の電着塗料
を得た。
実施例2〜4 実施例1の電着塗料に、それぞれナーセム亜鉛(*
2)、ナーセム第二鉄(*3)、ナーセム第一コバルト
(*4)を表1に示した量を配合し実施例2〜4の電着
塗料を得た。
比較例1及び2 実施例1のナーセムスズに加えて、表1に示すスズ化
合物を配合した以外は実施例1と同様に行って比較例1
及び2の電着塗料を得た。
比較例3 第4級アンモニウム塩化エポキシ樹脂の樹脂固形分10
0部に対しジブチル錫オキサイド100部を加え、さらに脱
イオン水を固形分が50%になるよう配合したものを、ペ
ブルミル(ミルベース容量35%)で40時間分散してジブ
チル錫オキサイドペーストを得た。エレクロン#9600グ
レー714部に対し、上記ペーストを12部(樹脂100部当た
り金属量として1部)配合して比較例3の電着塗料組成
物を得た。
比較例4 比較例3においてエレクロン9600グレー714部に対し
てペーストを4部(樹脂100部当たり金属として0.3部)
配合する以外は同様に行って比較例4の電着塗料を得
た。
実施例及び比較例の電着塗料の浴中で被塗物であるリ
ン酸亜鉛処理鋼板を陰極とし、ステンレス板を陽極とし
て、電圧を印加して、乾燥膜厚が25μmになるようにカ
チオン電着塗装を行なった。ついで余分な塗料を水洗に
て取り除いた後、140、150、160、170℃の各温度で20分
間焼付け試験用塗板を作成した。試験結果をまとめて表
1に示した。
(*1)ナーセムスズ:日本化学産業(株)、商品名、
ジブチル・ビス(アセチルアセトナト)スズ、[Sn(C4H
9)2(C5H7O2)2]。
(*2)ナーセム亜鉛:日本化学産業(株)、商品名、
ビス(アセチルアセトナト)亜鉛・1水和物、[Zn(C5H
7O2)2(H2O)]。
(*3)ナーセム鉄:日本化学産業(株)、商品名、ト
リス(アセチルアセトナト)第2鉄、[Fe(C5H
7O2)3]。
(*4)ナーセムコバルト:日本化学産業(株)、商品
名、ビス(アセチルアセトナト)第1コバルト・2水和
物、[Co(C5H7O2)2(H2O)2]。
(*5)浴安定性:容量4lの筒状のステンレス容器に3l
の塗料を入れ、30℃で1ケ月間撹拌した後、電着塗装を
行ない、塗膜の外観を調べた。
○:ハジキ、ブツなどの異常がない。
×:ハジキ、ブツなどの異常が見られる。
(*6)硬化性:試験用塗板の電着塗膜をメチルイソブ
チルケトンをしみこませたガーゼで30往復こすった。
○:異常がない。
×:ガーゼに塗膜の色がつく。
(*7):耐食性:素地に達するように電着塗膜にナイ
フでクロスカットキズを入れ、これをJIS Z2371によっ
て1000時間塩水噴霧試験を行ない、ナイフ傷からの錆、
フクレ巾を測定する。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イソシアネート硬化型カチオン性電着塗料
    に、硬化触媒として、スズキレート化合物を配合するこ
    とを特徴とする電着塗料組成物。
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