JP2813837B2 - 高圧を利用した固定化酵素の殺菌方法 - Google Patents

高圧を利用した固定化酵素の殺菌方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、固定化酵素に高圧装置内で高圧を適用して
固定化酵素に付着している微生物を殺菌することよりな
る高圧を利用した固定化酵素の殺菌方法に関する。
従来の技術 従来、固定化酵素を使用して物質の生産あるいは改質
が行われている。
しかし、固定化酵素を長期間使用していると固定化酵
素に付着している細菌等の微生物が増殖し、その結果、
分解物の微生物汚染固定化酵素の活性の低下、あるいは
処理効率の低下等の問題が生じてくる。
このような点を改善するために、固定化酵素を殺菌剤
あるいは洗浄剤で洗浄する方法が行われていた。例え
ば、特開昭56−92791号公報には、固定化酵素をジオク
チルエチレントリアミン等の置換ジエチレントリアミン
の希薄水溶液と接触させて殺菌する方法が、また特開昭
59−175879号公報には、細菌で汚染された酵素を多価ア
ルコールに浸漬して殺菌する方法が、さらに特開昭59−
98689号公報には固定化酵素をラウリルベンゼンスルホ
ン酸塩とエタノールとを含む混液で処理して固定化酵素
を洗浄殺菌する方法が開示されている。しかし、これら
の固定化酵素を殺菌剤や洗浄剤で洗浄殺菌する方法は、
その洗浄殺菌に長時間を要したり、あるいは洗浄殺菌効
率が必ずしも充分ではなく、また固定化酵素の活性を低
下させたり、洗浄殺菌後固定化酵素に残存付着している
洗浄剤あるいは殺菌剤を完全に除去する操作を必要とす
るなどの種々の解決しなければならない問題点があっ
た。
また、特開平1−228454号公報では、固定化酵素に紫
外線を照射して付着する微生物を殺菌する方法が開示さ
れている。しかし、紫外線照射で固定化酵素に付着して
いる微生物を完全に殺菌することは困難であった。
発明が解決しようとする課題 本発明は、このような従来行われている固定化酵素の
殺菌方法の問題点を解決することを目的としてなされた
ものである。
すなわち、本発明の目的は、効率よく、しかも固定化
酵素の活性を損わずに固定化酵素に付着する微生物を殺
菌する新規な方法を提供することにある。
課題を解決するための手段 本発明者らは、上記課題を解決するために固定化酵素
に適用できる種々の殺菌方法について検討をしたとこ
ろ、固定化酵素を高圧装置に入れ、高圧を適用すると、
固定化酵素の酵素活性を損なうことなく固定化酵素に付
着している微生物だけを殺菌することができることを見
出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、固定化酵素に高圧装置内で高圧
を適用して酵素活性を低下させることなく付着する微生
物を殺菌する方法に関する。
本発明では、固定化酵素として従来知られている種々
の固定化酵素が用いられる。このような固定化酵素とし
ては、ラクターゼ、グルコースイソメラーゼ、プロテア
ーゼ等を水に不溶性の担体、例えばキトサン、キチンあ
るいは樹脂等に化学結合させるかあるいはセルロースト
リアセテート、ポリアクリルアミドゲル等に包括させて
固定化させたものを例示することができる。これらは、
バルクの状態であってもカラム等に充填された状態であ
っても攪拌槽に収納された状態であってもあるいは流動
層、膜型等となった状態であってもさらにこれらの装置
から固定化酵素を取り出した状態であっても使用するこ
とができる。
高圧装置は、従来食品等の高圧装置として知られてい
る装置を使用することができる。このような装置として
は、例えば、三菱重工(株)製高圧試験装置がある。こ
の装置によると、圧力媒体として水を使用し最高圧力1
0,000kg/cm2、使用温度常温〜60℃で高圧処理を行うこ
とができる。また、(株)丸善発行、大杉治郎他著「高
圧実験技術とその応用」第261頁(1980年)、食品資材
研究会発行宮川金二郎著「食品の物性」第6集第99頁
(1980年)等に記載されている高圧発生装置を用いるこ
ともできる。
本発明を完成させるに当り、次の高圧発生装置を用い
実験を行った。
1.高圧発生装置 三菱重工業株式会社製高圧試験装置を使用した。
(1) この装置の主な仕様は次の通りである。
a)最高仕様圧力10,000kg/cm2 b)仕様温度 常温〜60℃ c)処理室寸法 54mmφ×200mm d)圧力媒体 水 (2) 次の試験条件で試験を行った。
a)圧力 0〜4,000kg/cm2 b)温度 20〜60℃ c)時間 0〜30分 (3) 試料 (1) 酵素溶液(対照)。酵素溶液としてプロテアー
ゼS 100U/mlをpH7.0のリン酸緩衝液に溶解し、10mlビニ
ール製シールパック材に封入したものを用いた。
(2) 固定化酵素。前記プロテアーゼSをキトサンビ
ーズ(キトパール、商品名)にグルタルアルデヒドで架
橋した固定化酵素を用い、これをカゼイン液液中に侵漬
して汚染させたものを使用した。この汚染固定化酵素を
蒸留水で水洗して前処理し、この5g・wetを5mM酢酸カル
シウム水溶液10mlとともにビニール製シールパック材に
封入したものを用いた。
これらの試料は、それぞれ6パックずつ使用した。
(3) 試験方法 上記試料を高圧発生装置に入れ、(1)高圧を適用し
たときの圧力の変化による酵素の残存活性及び生菌数、
(2)高圧を適用したときの温度の変化による酵素の残
存活性及び生菌数、(3)さらに、時間の経過による酵
素の残存活性及び生菌数について試験した。
(4) 試験結果 前記実験を行った結果を第1〜6図に示す。
第1図によると、酵素液(対照)を0〜4000kg/cm2
高圧を適用するとその活性はいちじるしく低下するのに
対し、固定化酵素に高圧を適用してもその活性はほとん
ど低下しないことが分る。また、このさいの生菌数は、
第2図にみられるように高圧発生装置の圧力が3000kg/c
m2以上になるといちじるしく低下し、殺菌効果が生じて
いる。このことから固定化酵素に高圧を適用するとその
活性を低下させることなく殺菌を行うことができ、この
殺菌効果は3000kg/cm2以上でいちじるしく高まることが
分る。
次に、第3図によると、酵素液を高圧3000kg/cm2に10
分間保持し、その間高圧装置の保持温度を20〜60℃に保
持すると、酵素液の場合は酵素活性が最初の20℃のとき
からいちじるしく低下し、さらに温度が上昇するにつれ
てその活性は少しずつ低下しているのに対し、固定化酵
素は温度が上昇しても活性はほとんど低下せず、最初の
活性を維持できることが分る。またこのさいの生菌数
は、第4図にみられるように50℃以上でいちじるしく低
下している。このことから、高圧装置の保持温度は50℃
以上が好適である。
さらに、高圧装置の保持時間についてみると、第5図
に示すように固定化酵素を圧力3000kg/cm2、温度60℃に
保持したとき保持時間5〜30分の間ではほとんど最初の
活性が保持され、また第6図に示すように生菌数は5分
間の保持でほとんどなくなることが分る。
これらの実験から、固定化酵素を高圧装置に保持し、
高圧を適用すると、固定化酵素特有の性質としてその活
性を損なわずに固定化酵素に付着する微生物を殺菌する
ことができ、この殺菌効果は圧力3000kg/cm2、保持温度
50℃以上のときに顕著であることが分る。
固定化酵素は、塩化ビニール、ポリエチレン等柔軟な
合成樹脂製の袋の蒸留水、緩衝液等と共に充填して高圧
発生装置に収納し、高圧を適用するとよい。適用条件と
しては前記実験の結果から圧力3000kg/cm2、保持温度50
℃以上とすると酵素活性を損なわず殺菌を行うことがで
きる。なお、高圧発生装置内で高圧の適用によって酵素
活性が低下しないのは、前記実験の結果から酵素液では
認められず固定化酵素特有の作用のように思われる。
このようにして高圧を適用した固定化酵素は、合成樹
脂製の袋等から取り出し、蒸留水、緩衝液等で洗浄し、
再び使用することができる。
本発明の方法は、牛乳をラクターゼを担体に固定化し
た固定化酵素を使用し、グルコースとラクトースとに分
解するさいの固定化酵素の殺菌、あるいは同様に乳糖、
ホエー等に作用させて乳糖分解乳、甘味シロップ製造の
さいの固定化酵素の殺菌等に用いることができる。さら
にプロテアーゼ、イソメラーゼ等を担体に固定化した固
定化酵素の殺菌等にも用いることができる。
次に本発明の実施例を示す。
実施例1 カラム〔6cm(直径)×18cm(長さ)〕に、300mlの固
定化プロテアーゼSを充填し、これにダウンフローで10
%カゼインを反応温度40℃、SV=3で連続通液を行っ
た。時間経過と共に菌の生育が始まり、固定化酵素への
乳タンパクの付着と細菌による汚染蓄積が生じた。12時
間通液後、細菌数は106オーダーとなった。このときカ
ラムから固定化酵素を取り出し、リン酸緩衝液(pH7.
0)で洗浄して乳固形分を除去した。これを5mM酢酸カル
シウム水溶液とともにビニール製シールパック材に封入
し、高圧発生装置に充填し、圧力3000kg/cm2、保持温度
50℃で10分間高圧を適用した。その後、固定化酵素を袋
から取り出し、無菌のリン酸緩衝液(pH7.0)で洗浄し
た。この酵素活性はほとんど低下せず、付着菌数は0に
近い状態であった。この固定化酵素を再びカラムに充填
し、脱脂乳の通液を開始した。
発明の効果 本発明の方法によると、固定化酵素に用いる担体の形
状や構造が異なっていても固定化酵素に高圧を適用する
ことにより酵素活性を低下させることなく、固定化酵素
に付着し繁殖している細菌等の微生物を殺菌することが
できる。この方法は、殺菌剤、洗浄剤等を使用する化学
的方法にくらべて殺菌後の固定化酵素の後処理が簡単
で、しかも酵素活性の低下がほとんどみられず、殺菌効
果が高く操業的に有利な固定化酵素の殺菌方法である。
【図面の簡単な説明】
第1図は固定化酵素に高圧を適用したときの圧力と残存
酵素活性との関係を、また第2図は、圧力と残存生菌数
との関係を示す。第3図は、固定化酵素に高圧を適用し
たときの保持温度と残存酵素活性との関係を、第4図は
保持温度と残存生菌数との関係を示す。第5図は同様に
保持時間と残存酵素活性との関係を、第6図は保持時間
と残存生菌数との関係を示す。 図中、○−○は、高圧を固定化酵素に適用した場合を、
●……●は酵素溶液(対照)に適用した場合をそれぞれ
示す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定化酵素に高圧装置内で高圧を適用して
    酵素活性を低下させず付着する微生物を殺菌することを
    特徴とする高圧を利用した固定化酵素の殺菌方法
  2. 【請求項2】高圧装置の高圧が3,000kg/cm2以上である
    請求項(1)に記載の高圧を利用した固定化酵素の殺菌
    方法
  3. 【請求項3】高圧装置の保持温度が50℃以上である請求
    項(1)または(2)に記載の高圧を利用した固定化酵
    素の殺菌方法
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