JP2812529B2 - 光ディスク初期化装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、光ディスクの生産装置に関し、特に光ディ
スクの初期化装置に関する。

従来の技術 近年、光ディスク装置は大容量の記憶装置として、画
像ファイル、文書ファイル、あるいはデータファイルな
どに応用され、商品化が進められている。特に書換え可
能な相変化型（Phase Chenge Erasable Type）の光ディ
スク（以下PCEディスクとする）は単一ビームでのオー
バーライトが可能な光ディスクとして注目されている。
しかしながら、PCEディスクのほとんどは反射率の高い
結晶状態を消去状態、反射率の低いアモルファス状態を
記録状態として利用しているため、第５図に示すように
データの記録時には高パワーで記録を行い、消去時には
低パワーで消去を行うことになり、スパッタ直後のアモ
ルファス状態のディスクに直接データを書き込むと、記
録トラックの側縁部に消し残りが生じ、C/Nの低下やビ
ットエラーの原因となってしまう。したがって、PCEデ
ィスクではスパッタ直後のアモルファス状態のディスク
を結晶化させ消去状態にする必要がある。このため、従
来の光ディスク初期化装置では高出力のアルゴンガスレ
ーザーを利用してPCEディスクの消去、すなわち初期化
を行なっていた。

発明が解決しようとする課題 しかしながら、前記のような光ディスク初期化装置で
は、高出力のアルゴンガスレーザーを用いた専用の装置
が必要であり、装置は大きく高価となってしまう。さら
に、アルゴンガスレーザーの寿命も2000時間程度と短く
生産装置として十分なものではない。また、初期化装置
としてフォーカスおよびトラッキング機能を備えた光デ
ィスク記録再生装置を利用しようとした場合、装置は小
さく安価となるが、消化パワーが記録パワーより低いた
め十分な消去ができず、第４図に示すように、記録トラ
ック５の側縁部に消し残り９が生じ、ノイズの増加やビ
ットエラーの増加の原因となる。このため初期化装置と
して光ディスク記録再生装置を利用することはできなか
った。

このように、従来の光ディスク初期化装置は、安価な
光ディスク記録再生装置を使用することができず、高価
で大がかりな専用の装置を必要とするという課題を有し
ている。

本発明は、上記課題を解決するもので、小型で安価な
光ディスク記録再生装置を利用した光ディスク初期化装
置を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段 上記課題を解決するために本発明の光ディスク初期化
装置は、光源より射出された光束を光ディスクに照射す
ることによって前記光ディスクの反射率を上昇させ初期
化を行なう光ディスク初期化装置であって、光ディスク
上にあらかじめ記録されているトラッキングガイド溝に
沿って溝間もしくは溝上に消去パワーより高く記録パワ
ーより低い光束を前記光ディスクに照射するように出力
を制御する手段を設けたものである。

作 用 上記構成により、光ディスク初期化時のレーザー出力
を記録パワーより低く、消去パワーより高く設定し、光
束を光ディスク上にあらかじめ記録されているトラッキ
ングガイド溝に追従させながら、トラッキングガイド溝
に沿って溝関もしくは溝上に前記光束を照射するので、
従来の光ディスク記録再生装置を使った初期化装置では
できなかった記録トラックの側縁部からトラッキングガ
イド溝の部分を消去状態とすることができ、消し残しに
よるノイズやビットエラーを低下させることが可能とな
った。また、このような一般的な光ディスク記録再生装
置を光ディスク初期化装置とするには簡単な調整のみで
すみ、容易に小型で安価な光ディスク初期化装置を得る
ことができる。

実施例 以下、本発明の光ディスク初期化装置の一実施例につ
いて、図面を参照しながら説明する。

第１図は本発明の光ディスク初期化装置の一実施例を
示すブロック図である。１は半導体レーザーを持つ光学
ヘッド、２は光学ヘッド１を駆動するレーザー駆動回
路、３はレーザー駆動回路２を制御するレーザー出力制
御回路である。４はディスクで、図示しない回転制御手
段により所定の回転数で回転せしめられる。また、光学
ヘッド１は図示しないフォーカスおよびトラッキングサ
ーボ回路によって光ディスク４に対するフォーカスおよ
びトラッキングがかけられている。この光学ヘッド１か
らの出力はレーザー出力制御回路３にフィードバックさ
れ、出力制御が行なわれる。

上記構成の光ディスク初期化装置を用いて光ディスク
４の初期化を行なうときは、光学ヘッド１からの出力を
第２図に示すように記録パワーPrより低く消去パワーPe
より高い初期化パワーPiとなるようにレーザー出力制御
回路３を設定している。

このように、光ディスク初期化時のレーザー出力Piを
記録パワーPrより低く、消去パワーPeより高く設定する
ことにより、光ディスク記録再生装置を用いてPCEディ
スクの初期化を行なうことを可能とする。すなわち、第
３図に示すように、光ディスク４上にあらかじめ記録さ
れているトラッキングガイド溝６に沿って溝間もしくは
溝上に消去パワーPeより高く記録パワーPrより低い光束
を光ディスク４に照射し、記録トラック５の側縁部から
トラッキングガイド溝６の部分を消去状態７とすること
により、データ記録時のノイズやビットエラーの増加を
防ぐことができる。このとき、記録トラックの中心部８
は記録状態となるが、記録パワーPrより低いパワーで記
録が行われているため、実際にデータの記録が行われる
ときには容易に消去状態とすることができる。

また、光ディスク記録再生装置を光ディスク初期化装
置とするには、簡単な調整のみで可能であり、複雑な改
造等を必要としない。したがって、容易に小型で安価な
光ディスク初期化装置を実現できることになる。

発明の効果 以上のように、本発明によれば、光源より射出された
光束を光ディスクに照射することによって前記光ディス
クの反射率を上昇させ初期化を行うに際し、前記光ディ
スク上にあらかじめ記録されているトラッキングガイド
溝に沿って溝間もしくは溝上に消去パワーより高く記録
パワーより低い光束を光ディスクに照射することによ
り、記録トラックの側縁部からトラッキングガイド溝の
部分を消去状態とすることができ、消し残りによるノイ
ズやビットエラーを低下させることが可能となる。ま
た、一般的な光ディスク記録再生装置を簡単な調整のみ
で、容易に安価な光ディスク初期化装置を実現すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の光ディスク初期化装置にお
ける要部ブロック図、第２図は初期化パワーを説明する
特性図、第３図は同光ディスク初期化装置による消去部
のモデル図、第４図は従来の光ディスク記録再生装置に
よる消去部のモデル図、第５図はオーバーライト時のレ
ーザーパワーを説明する特性図である。 １……光学ヘッド、２……レーザー駆動回路、３……レ
ーザー出力制御回路、４……光ディスク、５……記録ト
ラック、６……トラッキングガイド溝、７……消去状
態、８……記録状態。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】光源より射出された光束を光ディスクに照
   射することによって前記光ディスクの反射率を上昇させ
   初期化を行なう光ディスク初期化装置であって、光ディ
   スク上にあらかじめ記録されているトラッキングガイド
   溝に沿って溝間もしくは溝上に消去パワーより高く記録
   パワーより低い光束を前記光ディスクに照射するように
   出力を制御する手段を設けた光ディスク初期化装置。