JP2811452B2 - 繊維強化複合材料の製造方法 - Google Patents

繊維強化複合材料の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、各種金属に対し、SiCウイスカーなどの
繊維を強化材として用い、加圧鋳造法により製造する金
属系繊維強化複合材料の製造方法に関するものである。
(従来の技術) 周知のように、金属をマトリックスとし、炭化珪素短
繊維や窒化珪素短繊維などの強化繊維を強化材とする金
属系繊維強化複合材料(例えばアルミニウム基繊維強化
複合材料)は、金属の性質に加え、繊維で強化された優
れた機械的特性を有しているので、各種用途への応用が
図られている。
この繊維強化複合材料の製造方法として、強化繊維に
より成形したプリフォーム体を鋳型内に配置し、金属溶
湯を加圧してこのプリフォーム体に金属溶湯を含浸させ
て鋳造する加圧鋳造法が効果的な方法として知られてい
る。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、従来の加圧鋳造法により複合材料を製
造すると、金属溶湯が含浸するにつれ、その金属の特定
成分がプリフォーム体の強化繊維と反応し、最終含浸部
分に偏析部が形成され、均一な複合組織を得ることがで
きず、複合材料の機械的特性を損なうという問題点があ
る。
これをアルミニウム基複合材料で説明すると、アルミ
ニウム金属中のMgが強化繊維(例えば、SiC)と反応し
て、最終含浸部分に成分偏析部としてMg欠乏層が形成さ
れてしまう。
この複合材料の一例を断面図として示したものが第4
図であり、この複合材料は、SiCウイスカーからなるプ
リフォーム体(Vf17%)に、JIS A6061アルミニウム合
金溶湯を図示Pの3方向から加圧して含浸させて鋳造
し、その後T6熱処理を行なったものである。図示10はプ
リフォーム体にアルミニウム合金溶湯が含浸して凝固し
た複合部分であり、11はアルミニウム合金が単体で凝固
した非複合部分、12はMg欠乏層すなわち偏析部である。
この複合部材の各部位A〜JのMg含有率ならびに硬度
を測定したところ、第1表に示される結果が得られた。
上記第1表に示されるように、偏析部12におけるMg含
有率は他部に比べて極めて低く、このMg欠乏に起因して
偏析部12の硬度が低いという結果が得られており、複合
化による強度向上効果が阻害されてしまう。
上記偏析部を除去ために、SiCウイスカープリフォー
ム体への金属溶湯の含浸を一方的に、成型鋳型の含浸進
行側端部に多数の細孔を形成しておき、その細孔を介し
てプリフォーム体内の繊維との反応で組成変化した溶湯
の初期注入部分(偏析溶湯)を排出する複合化法が提案
されている(特開昭62−238062号)。
しかし、この方法の利用はプリフォーム体の寸法が大
になると現実には困難となる。なぜならば、プリフォー
ム体が大きくなると含浸距離が増大し、必要な加圧力が
増加するが、一方向含浸の場合、この加圧力により未含
浸部のプリフォーム体が一方向に圧縮され、破壊される
ことが多くなるからである。また、偏析溶湯の排出とと
もに、正常組織部も多く排出されて、歩留りが良好では
ないという問題点もある。
この発明は上記問題点を解決することを基本的な目的
とし、プリフォーム体の寸法や、加圧方向に制約を受け
ることなく、成分偏析のない複合材料を歩留りよく得ら
れる繊維強化複合材料の製造方法を提供するものであ
る。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決するため、本願発明の繊維強化複合材
料の製造方法について第1の発明は、強化繊維からなる
プリフォーム体を鋳型内に配置し、金属溶湯を加圧して
前記プリフォーム体内に金属溶湯を含浸させて鋳造する
繊維強化複合材料の製造方法において、前記鋳型内の一
端面の中心部に細孔を有し、また同細孔により連結さ
れ、金属溶湯溜りとなる別室を有する鋳型を用い、前記
プリフォーム体の一端を前記細孔を有する鋳型内の一端
面に接触させて配置し、一方、プリフォーム体の他の面
と鋳型内壁との間には金属溶湯の自由な流動が可能な空
隙を設けることにより、加圧した金属溶湯を前記の接触
面を除く他のすべての面よりプリフォーム体に含浸さ
せ、前記接触面の中心部を最終含浸部とし、引き続き前
記最終含浸部の金属溶湯を前記細孔を通して前記金属溶
湯溜りに導き、加圧下で凝固させることにより、溶湯に
生じた成分偏析部を複合材料部分から排出することを特
徴とするものである。
また、第2の発明は強化繊維からなるプリフォーム体
を鋳型内に配置し、金属溶湯を加圧して前記プリフォー
ム体内に金属溶湯を含浸させて鋳造する繊維強化複合材
料の製造方法において、鋳型の一部に外部に連通する細
孔を形成しておき、前記含浸に必要な圧力以上の低圧力
で加圧してプリフォーム体に金属溶湯を含浸させ、次い
で、前記プリフォーム体に過度の収縮または損傷を与え
ない中圧力で、前記鋳型に設けられた細孔を通して金属
溶湯を溶湯溜内に充満させ、その後、鋳造時の収縮孔の
発生を防止するべく高圧力で加圧保持して鋳造すること
を特徴とするものである。前記における強化繊維として
は、炭化珪素短繊維や窒化珪素短繊維が例示され、特に
ウイスカー状のものが望ましい。この強化繊維は、バイ
ンダーなどを用いて、プリフォーム体とするが、その製
法や形状は適宜選択することができる。
なお、プリフォーム体とする強化繊維は単独の他、二
種以上を用いることも可能である。
また、マトリックスとなる金属としては、アルミニウ
ムや銅、チタンなどを例示することができる。これら金
属種には、それぞれ各種合金を用いることができる他、
純金属を用いることも可能である。
次に、鋳型の一部に設ける細孔は、例えば、一部に集
中して数個を形成する。この細孔の径は、アルミニウム
金属を溶湯とする場合には、例えば1〜8mmとする。こ
れは、1mm未満では、細孔からの溶湯の排出が円滑に行
われないため、排出に必要以上の時間を要し、溶湯の凝
固が進行して成分偏析溶湯の排出が不完全となりやす
く、また、8mmを越えると、偏析溶湯の排出とともにプ
リフォーム体の一部が押し出されたり、細孔付近のプリ
フォーム体にクラックが発生するおそれなどがあるため
前記範囲内が望ましい。
本願の第1の発明は、この細孔を有する鋳型内に、例
えば予備加熱した前記プリフォーム体を配置して、金属
溶湯に対し加圧を行なうものであるが、その際の加圧力
は3段階に変化させるのが好ましい。
以下に、アルミニウム金属溶湯をマトリックスとする
場合について説明する。
すなわち、第1の加圧段階では、細孔からの溶湯排出
を目的とせず、プリフォーム体への含浸を円滑に行なえ
るように低圧で加圧する。この低加圧では、細孔から偏
析溶湯から加圧排出されないのが望ましいが、加圧排出
が活発になされない漏出程度の圧力で行なうことは可能
である。
具体的には、50kg/cm2〜400kg/cm2の圧力で行う。こ
れは、50kg/cm2未満の圧力ではプリフォーム体への含浸
が円滑に行われず、また、400kg/cm2を越えると、細孔
からの溶湯の排出が活発化されるためである。
また、第一段階の加圧力が高すぎると、プリフォーム
の収縮が大きくなりすぎ、所望のVfをもった複合材料を
製造することが困難となる。
この低圧での加圧は、プリフォーム体への含浸をある
程度進行もしくは完了させる程度に所定時間行なう。こ
の時間は、加圧力や、プリフォーム体の体積率などにも
よるが、一般には1〜10秒程度とする。
次に、第2段階の中圧加圧により、アルミニウム金属
溶湯中のMg欠乏層(偏析溶湯)を細孔から押し出して排
出する。この加圧では、プリフォーム体に過度の収縮
(クラックの原因などになる)が生じない程度の圧力
で、偏析溶湯を効率よく円滑に排出できる中程度の圧力
に設定する。
具体的には、200kg/cm2〜500kg/cm2の圧力で行う。こ
れは、200kg/cm2未満の圧力では細孔からの金属溶湯
(偏析部)の排出が円滑に行われず、また500kg/cm2
越えると、プリフォーム体が過度に収縮されて、プリフ
ォーム体に損傷を与えるため上記範囲とするのが望まし
い。
この中圧加圧は、偏析溶湯が充分に排出されるまで継
続する。この時間は、プリフォーム体の容積などにより
異なるが、一般に40〜60秒間とする。
次に、上記中圧加圧を終了して偏析溶湯を排出した
後、鋳造時の収縮孔の発生を防止するように、高圧の圧
力で一定時間保持する。この状態では、アルミニウム金
属溶湯の凝固が相当程度進行しており、細孔からの溶湯
排出が停止し、または殆んどない状態で加圧保持され
る。
具体的には、500kg/cm2以上の高圧力とする。また、
その保持は、凝固が進行して収縮孔の発生が生じない状
態となるまで行うのが望ましい。例えば、10〜20分程度
とする。
なお、上記溶湯の排出時には、細孔付近およびその周
辺部の鋳型の温度を制御するのが望ましい。
例えばアルミニウム金属溶湯の場合には、細孔付近の
温度を400〜800℃の範囲内とし、その周辺部の温度を20
0〜500℃の範囲内とするとともに、細孔付近温度を、そ
の周辺部温度よりも高い温度とする。これは、三方向か
らの加圧に際し、細孔の周辺部で早期に凝固が進行して
流動性が低下し、一方、細孔付近は高温に保たれて流動
性が高いので、溶湯内に擬似的に排出路が形成され、正
常組織の金属溶湯が細孔から排出されるのを可及的に防
止して、偏析溶湯の排出を促進するためである。すなわ
ち、プリフォーム体の中心部に残存しやすい偏析溶湯を
優先的に排出でき、歩留りが向上する。
前記細孔付近の鋳型温度は、400℃未満では、加圧排
出される溶湯が細孔を通過するに従い凝固し、排出を阻
害する。また800℃を越えると、溶湯の温度保持の効果
も飽和し、無駄な加熱エネルギを必要とするのでは前記
範囲内とするのが望ましい。
また、細孔周辺部の温度は、200℃未満であると、こ
れに接する溶湯やプリフォーム体が冷却されてプリフォ
ーム体へのアルミニウム金属溶湯の含浸が阻害され、50
0℃を越えるとアルミニウム金属溶湯の凝固が遅れ、強
化繊維と溶湯との反応が促進されるので、上記範囲内に
定めるのが望ましい。
なお、偏析溶湯は、細孔から鋳型の情報に排出するの
が望ましい。この外部に排出された溶湯を細孔に連通す
る状態で貯溜することにより押湯効果が得られる。な
お、この押湯体積は、プリフォーム体積の1/5〜1/2程度
となるように設計するのが望ましい。これは、1/50未満
であると、金属溶湯中の偏析溶湯が充分に排出されず、
金属溶湯中に残存して凝固してしまい、また1/2を越え
ると、押湯量が多すぎて、正常組織も排出されて歩留り
が低下するので上記範囲内とするのが望ましい。
(作用) 上記第1の発明によれば、未含浸部のプリフォームは
半静水圧的圧縮を受けるので、プリフォーム体の損傷の
危険性が少ない。また第2の発明によれば、低圧加圧時
に、プリフォーム体に円滑に金属溶湯が含浸され、偏析
溶湯が分散せず一部に集中して存在する。また、細孔か
ら金属溶湯が活発に排出されることはなく、正常組織の
金属溶湯が排出されるのを防止する。
次に、プリフォーム体に十分に金属溶湯が含浸された
状態で中圧加圧を行うことにより、プリフォーム体の過
度の収縮および損傷は一層防止されるとともに、可及的
に正常組織の排出を防止し、細孔から偏析溶湯を効率よ
く、かつ確実に排出でき、成分偏析のない金属溶湯によ
る複合化が達成される。
その後は、高圧加圧により、凝固時の収縮孔の形成が
防止され、組織欠陥のない鋳造組織が得られる。
(実施例) 以下に、この発明の一実施例を添附図面に基づき説明
する。
SiCウイスカーを用いて、常法により体積率20%で径2
00mm、高さ200mmの円柱状プリフォーム体1を形成す
る。
一方、マトリックスとしてJIS A6061アルミニウム合
金を用いる。
次に、加圧鋳造に用いる鋳型を第1図に基づいて説明
する。
円筒形の鋳型2の上部に、鋳型天板3が内挿されてお
り、この鋳型天板3の中央部には、階段状の段部3aを有
する孔部が設けられている。この孔部には、前記段部3a
に沿った外壁を有する細孔付蓋材4が嵌合され、その上
面は前記鋳型天板3と面一となっている。
前記細孔付蓋材4は上面に深底状の凹部4aが形成され
ており、この凹部4aと連通して下面に達する細孔5(径
3mm)が、複数形成されている。
また、上記鋳型天板3および細孔付蓋材4の上部に
は、上記凹部4aよりも大径な貫通孔6aが中央部に形成さ
れた押え材6が配置されている。
前記凹部4aならびに貫通孔6aにより形成される空間で
湯溜り部8が構成されている。
この湯溜り部8は、プリフォーム体1の体積の約1/10
である650cm3の容積を有している。
以下に、この鋳型を用いた加圧鋳造法を以下に説明す
る。
前記細孔付蓋材4および鋳型天板3の下面に接した状
態で、750℃に予備加熱したプリフォーム体1を鋳型内
に配置し、770℃に加熱したアルミニウム合金溶湯9を
鋳型内に満たす。
なお、前述した鋳型天板3、細孔付蓋材4、押え材6
は、所定温度に加熱して配置する。
ここで、鋳型天板3は300℃、細孔付蓋材4は700℃、
押え材7は250℃に、予めそれぞれ加熱しておく。これ
ら部材を鋳型に組込んで鋳造鋳型が構成される。この組
込みにより、鋳型天板3および細孔付蓋材4は、第2図
に示される温度分布を有することになる。
なお、上記鋳型天板3、細孔付蓋材4、押え材6の温
度制御は予め加熱する手段の他、ヒータを埋設し、この
ヒータへの通電により温度制御を行うことも可能であ
る。
このヒータへの通電は、鋳造時に各部材が適当な温度
となるように続行することも可能であるが、各部材が所
定温度に達した後、通電を停止して鋳造することもでき
る。
また、その温度分布においては、細孔付近と、その周
辺部とが必ずしも温度傾斜を有する必要はなく、細孔付
近が所定領域内で高温となり、その周辺部が均一に低温
となるように制御することも可能である(断熱材などの
配置による)。
なお、上記鋳型天板3、細孔付蓋材4、押え材6は一
体物で構成することも可能である。
但し、上記各部材で構成すれば、仕様の異なる部材を
それぞれ用意する(例えば湯溜り部容積の変更や、細孔
の径、数の変更など)ことにより、汎用性に富むという
効果がある。
この鋳型内で、第3図に示されるように、第1の低圧
加圧(200kg/cm2)を行い、4秒間保持し、次いで、中
圧加圧(600kg/cm2)を行い、50秒間保持する。さら
に、高圧(1000kg/cm2)で加圧し、20分間保持して鋳造
を終了する。
前記第1の低圧加圧では、図示P1の三方向から加圧さ
れ、アルミニウム合金溶湯9は、プリフォーム体1へ円
滑に含浸され、4秒間の続行により含浸は完成され、一
方、前記細孔5からのアルミニウム合金溶湯9の排出は
抑止される。
含浸完了の状態ではアルミニウム合金溶湯9の初期注
入部分は、プリフォーム体1の中央部に集中し、偏析溶
湯9aとなる。
次に、第2の中圧加圧では、プリフォーム体1内のア
ルミニウム金属溶湯が図示P2の方向に沿って、細孔5か
ら湯溜り部8へと排出される。
この排出に際してはプリフォーム体1の中央部に集中
して含浸されている偏析溶湯9aが整然と排出され、正常
組織の溶湯9の取り込みは僅かである。
また、この排出に際しては、細孔付蓋材4と鋳型天板
3とは第2図に示す温度分布を有すので、比較的低温の
鋳型天板3付近のアルミニウム金属溶湯は早期に冷却さ
れて流動性が低下し、細孔5からの排出が制御される。
一方、比較的高温の細孔付蓋材4付近のアルミニウム金
属溶湯は高温に保持される。
すなわち、プリフォーム体1の中心部にある細孔5付
近は高温で、偏析溶湯9aの流動性は高く、この偏析溶湯
9aが細孔5から優先的に効率よく排出される。
排出された偏析溶湯9aは湯溜り部8に滞留して、鋳型
内のアルミニウム金属溶湯9に対し、押湯効果を与え
る。
この中加圧により偏析溶湯9a(約300cm3)を排出し、
凝固進行により細孔5からのアルミニウム金属溶湯の排
出が停止する。
その後、高加圧で保持して鋳造時のアルミニウム金属
溶湯の凝固収縮により収縮孔が発生するのを防止する。
得られたビレットを鋳型内から取出し、プリフォーム
体とアルミニウム合金とによる複合化部分を縦中央に分
断して、その断面組織を観察した。その結果、いずれの
部位においてもMg欠乏層の存在は認められず、組織状態
は良好で、硬度の低下は見られなかった。
また、排出された偏析溶湯への正常組織の溶湯の巻き
込みも少なく、歩留りも良好であった。
(発明の効果) 以上説明したように本願の第1の発明によれば、強化
繊維からなるプリフォーム体を鋳型内に配置し、金属溶
湯を加圧して前記プリフォーム体内に金属溶湯を含浸さ
せて鋳造する繊維強化複合材料の製造方法において、前
記鋳型内の一端面の中心部に細孔を有し、また同細孔に
より連結され、金属溶湯溜りとなる別室を有する鋳型を
用い、前記プリフォーム体の一端を前記細孔を有する鋳
型内の一端面に接触させて配置し、一方、プリフォーム
体の他の面と鋳型内壁との間には金属溶湯の自由な流動
が可能な空隙を設けることにより、加圧した金属溶湯を
前記の接触面を除く他のすべての面よりプリフォーム体
に含浸させ、前記接触面の中心部を最終含浸部とし、引
き続き前記最終含浸部の金属溶湯を前記細孔を通して前
記金属溶湯溜りに導き、加圧下で凝固させることによ
り、溶湯に生じた成分偏析部を複合材料部分から排出す
るので、プリフォーム体の損傷を防止して、偏析溶湯で
効率よく排出できるという効果がある。
また、第2の発明によれば、鋳型の一部に外部に連通
する細孔を形成しておき、前記含浸に必要な圧力以上の
低圧力で加圧してプリフォーム体に金属溶湯を含浸さ
せ、次いで、前記プリフォーム体に過度の収縮または損
傷を与えない中圧力で、前記鋳型に設けられた細孔を通
して金属溶湯を溶湯溜内に充満させ、その後、鋳造時の
収縮孔の発生を防止するべく高圧力で加圧保持して鋳造
するので、プリフォーム体の損傷防止が一層有効になる
とともに、成分偏析溶湯を確実かつ効率よく取り除くこ
とができ、組織が良好な複合材料を歩留りよく得ること
ができるという効果がある。
また、複数方向からの加圧に対しても応用することが
でき、円滑な含浸状態や組織の均一性が得られるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示す、加圧鋳造時の鋳型
内部の断面図、第2図は同じく鋳造時の付与加圧力の変
化を示すグラフ、第3図は同じく鋳型天板および細孔用
部材の温度分布を示すグラフ、第4図は従来の加圧鋳造
法により得られる繊維強化複合材料の断面図である。 1……プリフォーム体、2……鋳型 5……細孔
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 19/14 C22C 1/09

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強化繊維からなるプリフォーム体を鋳型内
    に配置し、金属溶湯を加圧して前記プリフォーム体内に
    金属溶湯を含浸させて鋳造する繊維強化複合材料の製造
    方法において、 前記鋳型内の一端面の中心部に細孔を有し、また同細孔
    により連結され、金属溶湯溜りとなる別室を有する鋳型
    を用い、前記プリフォーム体の一端を前記細孔を有する
    鋳型内の一端面に接触させて配置し、一方、プリフォー
    ム体の他の面と鋳型内壁との間には金属溶湯の自由な流
    動が可能な空隙を設けることにより、加圧した金属溶湯
    を前記の接触面を除く他のすべての面よりプリフォーム
    体に含浸させ、前記接触面の中心部を最終含浸部とし、
    引き続き前記最終含浸部の金属溶湯を前記細孔を通して
    前記金属溶湯溜りに導き、加圧下で凝固させることによ
    り、溶湯に生じた成分偏析部を複合材料部分から排出す
    ることを特徴とする繊維強化複合材料の製造方法
  2. 【請求項2】強化繊維からなるプリフォーム体を鋳型内
    に配置し、金属溶湯を加圧して前記プリフォーム体内に
    金属溶湯を含浸させて鋳造する繊維強化複合材料の製造
    方法において、 鋳型の一部に外部に連通する細孔を形成しておき、前記
    含浸に必要な圧力以上の低圧力で加圧してプリフォーム
    体に金属溶湯を含浸させ、次いで、前記プリフォーム体
    に過度の収縮または損傷を与えない中圧力で、前記鋳型
    に設けられた細孔を通して金属溶湯を溶湯溜内に充満さ
    せ、その後、鋳造時の収縮孔の発生を防止するべく高圧
    力で加圧保持して鋳造する繊維強化複合材料の製造方法
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