JP2810809B2 - 静電塗装におけるスパーク防止装置 - Google Patents
静電塗装におけるスパーク防止装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、被塗物に高電圧を印加
し、塗装機をアースして静電塗装する際に、被塗物が塗
装機，トップマシン，サイドマシン，塗装ロボット等の
アースされた塗装設備と異常接近して生ずるスパークを
未然に防止する静電塗装におけるスパーク防止装置に関
する。
し、塗装機をアースして静電塗装する際に、被塗物が塗
装機，トップマシン，サイドマシン，塗装ロボット等の
アースされた塗装設備と異常接近して生ずるスパークを
未然に防止する静電塗装におけるスパーク防止装置に関
する。
【０００２】
【従来の技術】例えば、非導電性塗料を使用して自動車
ボディを静電塗装する場合、塗装機に８０〜１２０ＫＶ
の高電圧を印加すると共に、被塗物となる自動車ボディ
をアースし、塗装機と自動車ボディとの距離を一定に維
持して塗装品質の均一な塗膜を形成している。
ボディを静電塗装する場合、塗装機に８０〜１２０ＫＶ
の高電圧を印加すると共に、被塗物となる自動車ボディ
をアースし、塗装機と自動車ボディとの距離を一定に維
持して塗装品質の均一な塗膜を形成している。
【０００３】しかしながら、例えば、自動車ボディを搬
送する際に、ボンネット，トランクリッド，ハッチバッ
クドア，乗降ドアを閉め忘れたまま搬送してしまった
り、また、大きい車種を塗装する際にコンピュータの入
力ミスにより小さい車種を塗装するような指示を与えた
りすると、塗装機と被塗物が異常接近して、塗装不良を
生ずるだけでなく、スパークを起こす危険がある。
送する際に、ボンネット，トランクリッド，ハッチバッ
クドア，乗降ドアを閉め忘れたまま搬送してしまった
り、また、大きい車種を塗装する際にコンピュータの入
力ミスにより小さい車種を塗装するような指示を与えた
りすると、塗装機と被塗物が異常接近して、塗装不良を
生ずるだけでなく、スパークを起こす危険がある。
【０００４】このため、従来は、高電圧発生器と被塗物
とを電気的に接続する高電圧供給回路を流れる供給電流
をモニタし、当該回路にスパークを生ずるおそれのある
過電流が流れたときに、高電圧供給回路を遮断すると共
に、塗料の供給を停止して塗装を中断するようにしてい
る。このようにすれば、被塗物と塗装機が異常接近して
過電流が流れたときに、塗装機への高電圧の供給が停止
されるので、スパークの発生を未然に防止することがで
きる。
とを電気的に接続する高電圧供給回路を流れる供給電流
をモニタし、当該回路にスパークを生ずるおそれのある
過電流が流れたときに、高電圧供給回路を遮断すると共
に、塗料の供給を停止して塗装を中断するようにしてい
る。このようにすれば、被塗物と塗装機が異常接近して
過電流が流れたときに、塗装機への高電圧の供給が停止
されるので、スパークの発生を未然に防止することがで
きる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】ところで、水性塗料等
の導電性塗料を用いる際は、塗装機に高電圧を印加して
も塗料を介して塗装機がアースされてしまうため、被塗
物に高電圧を印加し、塗装機をアースして静電塗装を行
う場合がある。この場合、塗装ブース内にある塗装設備
もそのほとんどがアースされているので、自動車ボディ
等の被塗物が搬送されて塗装機以外の塗装設備に近付い
たり離れたりすることにより、その供給電流は変動す
る。
の導電性塗料を用いる際は、塗装機に高電圧を印加して
も塗料を介して塗装機がアースされてしまうため、被塗
物に高電圧を印加し、塗装機をアースして静電塗装を行
う場合がある。この場合、塗装ブース内にある塗装設備
もそのほとんどがアースされているので、自動車ボディ
等の被塗物が搬送されて塗装機以外の塗装設備に近付い
たり離れたりすることにより、その供給電流は変動す
る。
【０００６】この場合、自動車ボディ等の被塗物の電気
容量は大きく、塗装ゾーン内に設置された塗装設備の電
気容量の総和も非常に大きいため、被塗物が塗装設備の
近くを搬送されるだけで両者間に流れる総電流値も大き
い。そして、被塗物はコンベア等で搬送されながら、一
の塗装設備に接近したり、他の塗装設備から離れたりし
ながら静電塗装されるので、被塗物に供給される電流は
相当大きな範囲で変動する。
容量は大きく、塗装ゾーン内に設置された塗装設備の電
気容量の総和も非常に大きいため、被塗物が塗装設備の
近くを搬送されるだけで両者間に流れる総電流値も大き
い。そして、被塗物はコンベア等で搬送されながら、一
の塗装設備に接近したり、他の塗装設備から離れたりし
ながら静電塗装されるので、被塗物に供給される電流は
相当大きな範囲で変動する。
【０００７】したがって、正常に静電塗装を行っている
ときでも供給電流が常時変動するので高電圧発生器から
の供給電流の変動をモニタしていても、その変動がスパ
ークの発生につながるものであるか否か区別することが
できず、スパークを未然に防止することができないとい
う問題があった。
ときでも供給電流が常時変動するので高電圧発生器から
の供給電流の変動をモニタしていても、その変動がスパ
ークの発生につながるものであるか否か区別することが
できず、スパークを未然に防止することができないとい
う問題があった。
【０００８】そこで、本発明は、被塗物に高電圧を印加
し、塗装機やその他の塗装設備をアースして静電塗装を
行う場合に、アースされた塗装設備に被塗物が異常接近
したことを確実に検出して、両者の間に生ずるスパーク
を未然に防止することができるようにすることを課題と
している。
し、塗装機やその他の塗装設備をアースして静電塗装を
行う場合に、アースされた塗装設備に被塗物が異常接近
したことを確実に検出して、両者の間に生ずるスパーク
を未然に防止することができるようにすることを課題と
している。
【０００９】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明は、被塗物に高電圧を印加し、塗装機をアー
スして静電塗装する際に、アースされた塗装設備と被塗
物が異常接近して生ずるスパークを未然に防止する静電
塗装におけるスパーク防止装置であって、前記塗装設備
は電気的絶縁状態に設置されると共に、接地回路を介し
てアースに接続され、被塗物と塗装設備の間でスパーク
を生ずるおそれのある異常電流が前記接地回路に流れた
ことを検出する異常電流検出器と、その検出信号に基づ
いて、被塗物に供給されている電流又は電圧をスパーク
が起きない安全な電流又は電圧まで低下させる制御装置
とを備えたことを特徴とする。
に、本発明は、被塗物に高電圧を印加し、塗装機をアー
スして静電塗装する際に、アースされた塗装設備と被塗
物が異常接近して生ずるスパークを未然に防止する静電
塗装におけるスパーク防止装置であって、前記塗装設備
は電気的絶縁状態に設置されると共に、接地回路を介し
てアースに接続され、被塗物と塗装設備の間でスパーク
を生ずるおそれのある異常電流が前記接地回路に流れた
ことを検出する異常電流検出器と、その検出信号に基づ
いて、被塗物に供給されている電流又は電圧をスパーク
が起きない安全な電流又は電圧まで低下させる制御装置
とを備えたことを特徴とする。
【００１０】
【作用】被塗物が搬送されて、アースされた塗装設備の
近くを通過すると、両者間には数十〜数百μＡ程度の電
流が流れ、被塗物は一の塗装設備に接近したり、他の塗
装設備から離れたりしながら静電塗装されるので、被塗
物に供給される電流は常時変化することとなる。そし
て、被塗物が塗装設備に異常接近すると、被塗物への供
給電流の変動の有無にかかわらず、接近した塗装設備の
接地回路に過電流等の異常電流が流れるので、これを異
常電流検出器で検出することにより、被塗物が塗装設備
に異常接近したことを確実に検出することができる。そ
して、異常電流検出器から制御装置に対して検出信号が
出力され、被塗物に供給されている電圧又は電流が、ス
パークを生じない安全な値まで低下され、塗装機と被塗
物との間におけるスパークの発生が未然に防止される。
近くを通過すると、両者間には数十〜数百μＡ程度の電
流が流れ、被塗物は一の塗装設備に接近したり、他の塗
装設備から離れたりしながら静電塗装されるので、被塗
物に供給される電流は常時変化することとなる。そし
て、被塗物が塗装設備に異常接近すると、被塗物への供
給電流の変動の有無にかかわらず、接近した塗装設備の
接地回路に過電流等の異常電流が流れるので、これを異
常電流検出器で検出することにより、被塗物が塗装設備
に異常接近したことを確実に検出することができる。そ
して、異常電流検出器から制御装置に対して検出信号が
出力され、被塗物に供給されている電圧又は電流が、ス
パークを生じない安全な値まで低下され、塗装機と被塗
物との間におけるスパークの発生が未然に防止される。
【００１１】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
具体的に説明する。図１は本発明に係る静電塗装におけ
るスパーク防止装置の一例を示すフローシートである。
図中１は、コンベア２により搬送される被塗物Ｗの上面
を塗装するトップマシンであって、塗装機３，３を取り
付けた昇降架台４が、コンベア２の両側に設置された支
柱５，５に沿って上下に移動可能に設けられている。そ
して、支柱５，５と接地面６との間には絶縁体７ａが介
装されて、トップマシン１が電気的絶縁状態に設置さ
れ、さらに塗装機３，３は昇降架台４に対して絶縁体７
ｂを介して取り付けられている。
具体的に説明する。図１は本発明に係る静電塗装におけ
るスパーク防止装置の一例を示すフローシートである。
図中１は、コンベア２により搬送される被塗物Ｗの上面
を塗装するトップマシンであって、塗装機３，３を取り
付けた昇降架台４が、コンベア２の両側に設置された支
柱５，５に沿って上下に移動可能に設けられている。そ
して、支柱５，５と接地面６との間には絶縁体７ａが介
装されて、トップマシン１が電気的絶縁状態に設置さ
れ、さらに塗装機３，３は昇降架台４に対して絶縁体７
ｂを介して取り付けられている。
【００１２】前記コンベア２は、絶縁体８を介して接地
面６から絶縁状態に支持されると共に、高電圧供給回路
９を介して高電圧発生器１０に接続され、当該コンベア
２を介して被塗物Ｗに高電圧を印加するように成されて
いる。また、各塗装機３は、接地回路１１Ａを介してア
ース１２に接続され、当該塗装機３と被塗物Ｗとの間に
形成される静電界により、水性塗料等の導電性塗料を塗
装するように成され、支柱５は、接地回路１１Ｂを介し
てアース１２に接続されている。なお、接地回路１１Ａ
及び１１Ｂは、塗装機３及び支柱５に接続する場合に限
らず、アースすべき塗装設備を任意の設備ごとに絶縁状
態に設置してその設備ごとに接続することができる。
面６から絶縁状態に支持されると共に、高電圧供給回路
９を介して高電圧発生器１０に接続され、当該コンベア
２を介して被塗物Ｗに高電圧を印加するように成されて
いる。また、各塗装機３は、接地回路１１Ａを介してア
ース１２に接続され、当該塗装機３と被塗物Ｗとの間に
形成される静電界により、水性塗料等の導電性塗料を塗
装するように成され、支柱５は、接地回路１１Ｂを介し
てアース１２に接続されている。なお、接地回路１１Ａ
及び１１Ｂは、塗装機３及び支柱５に接続する場合に限
らず、アースすべき塗装設備を任意の設備ごとに絶縁状
態に設置してその設備ごとに接続することができる。
【００１３】各接地回路１１Ａ及び１１Ｂには、当該回
路内を流れる電流をモニタしてスパークを起こすおそれ
のある異常電流を検出する以上電流検出器１３が介装さ
れている。この異常電流検出器１３には、塗装機と被塗
物との間でスパークを生ずるおそれのある臨界電流値よ
りも小さい所定の電流値が危険電流値として設定され、
接地回路１１Ａ，１１Ｂを流れる電流が危険電流値を超
えたときに異常電流が流れたと判断して検出信号を出力
する。また、電流の時間的変化をモニタし、立ち上がり
勾配の大きい急激な電流増加があったときは、異常電流
が流れたと判断して検出信号を出力する。
路内を流れる電流をモニタしてスパークを起こすおそれ
のある異常電流を検出する以上電流検出器１３が介装さ
れている。この異常電流検出器１３には、塗装機と被塗
物との間でスパークを生ずるおそれのある臨界電流値よ
りも小さい所定の電流値が危険電流値として設定され、
接地回路１１Ａ，１１Ｂを流れる電流が危険電流値を超
えたときに異常電流が流れたと判断して検出信号を出力
する。また、電流の時間的変化をモニタし、立ち上がり
勾配の大きい急激な電流増加があったときは、異常電流
が流れたと判断して検出信号を出力する。
【００１４】１５は、前記検出信号の入力があったとき
に、高電圧発生器１０から被塗物Ｗに印加されている電
圧・電流をスパークが起きない安全な電圧・電流まで低
下させる制御装置であって、本例では、検出信号が入力
されたときに高電圧供給回路９を遮断するスイッチ回路
１６ａと、被塗物Ｗをアースに落とす接地回路１７を導
通させるスイッチ回路１６ｂを使用している。
に、高電圧発生器１０から被塗物Ｗに印加されている電
圧・電流をスパークが起きない安全な電圧・電流まで低
下させる制御装置であって、本例では、検出信号が入力
されたときに高電圧供給回路９を遮断するスイッチ回路
１６ａと、被塗物Ｗをアースに落とす接地回路１７を導
通させるスイッチ回路１６ｂを使用している。
【００１５】したがって、被塗物Ｗと塗装機３が異常接
近して検出電流が危険電流に達すると、スイッチ回路１
６ａにより高電圧供給回路９が遮断されて供給電圧・電
流とも０となると同時に、スイッチ回路１６ｂにより被
塗物Ｗに残留している電荷がアースされ、スパークが確
実に防止される。
近して検出電流が危険電流に達すると、スイッチ回路１
６ａにより高電圧供給回路９が遮断されて供給電圧・電
流とも０となると同時に、スイッチ回路１６ｂにより被
塗物Ｗに残留している電荷がアースされ、スパークが確
実に防止される。
【００１６】以上が、本発明の一例構成であって、次に
その作用について説明する。まず、自動車ボディ等の被
塗物Ｗをコンベア２で搬送すると同時に、当該コンベア
２を介して被塗物Ｗに例えば８０〜１２０ＫＶの高電圧
を印加すると、塗装機３，３と被塗物Ｗとの間に静電場
が形成される。この状態で、コンベア２で搬送される被
塗物Ｗの形状に応じて昇降架台４を上下に昇降させなが
ら塗装機３，３から塗料を吐出させると、塗料は被塗物
Ｗに静電塗着される。
その作用について説明する。まず、自動車ボディ等の被
塗物Ｗをコンベア２で搬送すると同時に、当該コンベア
２を介して被塗物Ｗに例えば８０〜１２０ＫＶの高電圧
を印加すると、塗装機３，３と被塗物Ｗとの間に静電場
が形成される。この状態で、コンベア２で搬送される被
塗物Ｗの形状に応じて昇降架台４を上下に昇降させなが
ら塗装機３，３から塗料を吐出させると、塗料は被塗物
Ｗに静電塗着される。
【００１７】この場合において、例えば、ボンネットや
トランクの上面を塗装しているときに、ボンネットやト
ランクリッドを閉め忘れたまま搬送されると、開いたボ
ンネット等が塗装機３，３に異常接近し、被塗物Ｗから
塗装機３，３の接地回路１１Ａを介してアース１２に流
れる電流が多くなる。
トランクの上面を塗装しているときに、ボンネットやト
ランクリッドを閉め忘れたまま搬送されると、開いたボ
ンネット等が塗装機３，３に異常接近し、被塗物Ｗから
塗装機３，３の接地回路１１Ａを介してアース１２に流
れる電流が多くなる。
【００１８】この電流は異常電流検出器１３によりモニ
タされ、塗装機３，３と被塗物Ｗが異常接近したことに
より接地回路１１Ａを流れる電流が危険電流値を超える
と、異常電流検出器１３から検出信号が出力されて、ス
イッチ回路１６ａにより高電圧供給回路９が遮断される
と同時に、スイッチ回路１６ｂにより接地回路１７が導
通されて被塗物Ｗがアースに接続され、また、塗装機
３，３への塗料の供給も停止される。したがって、塗装
が中断され、被塗物Ｗに供給される電圧・電流が０にな
ると同時に、残留電荷が接地回路１７を介してアース１
２に逃がされて、スパークの発生が未然に防止され、ス
パークによる塗装不良や塗装設備の電子回路の破損を起
こすことがない。
タされ、塗装機３，３と被塗物Ｗが異常接近したことに
より接地回路１１Ａを流れる電流が危険電流値を超える
と、異常電流検出器１３から検出信号が出力されて、ス
イッチ回路１６ａにより高電圧供給回路９が遮断される
と同時に、スイッチ回路１６ｂにより接地回路１７が導
通されて被塗物Ｗがアースに接続され、また、塗装機
３，３への塗料の供給も停止される。したがって、塗装
が中断され、被塗物Ｗに供給される電圧・電流が０にな
ると同時に、残留電荷が接地回路１７を介してアース１
２に逃がされて、スパークの発生が未然に防止され、ス
パークによる塗装不良や塗装設備の電子回路の破損を起
こすことがない。
【００１９】なお、制御装置１５として、高電圧供給回
路９やの抵抗値を低抵抗と高抵抗に切り換える抵抗装置
を介装し、異常電流検出器１３から検出信号が入力され
たときに高抵抗に設定して、電圧降下を生じさせること
により、被塗物Ｗと塗装機３，３間の電位差を低下させ
て、スパークを防止させる場合であってもよい。また、
制御装置１５として、高電圧発生器１０内にその出力電
圧を調節する電圧制御装置を備え、異常電流検出器１３
から検出信号の入力があったときに、出力電圧を低下さ
せるようにしてもよい。
路９やの抵抗値を低抵抗と高抵抗に切り換える抵抗装置
を介装し、異常電流検出器１３から検出信号が入力され
たときに高抵抗に設定して、電圧降下を生じさせること
により、被塗物Ｗと塗装機３，３間の電位差を低下させ
て、スパークを防止させる場合であってもよい。また、
制御装置１５として、高電圧発生器１０内にその出力電
圧を調節する電圧制御装置を備え、異常電流検出器１３
から検出信号の入力があったときに、出力電圧を低下さ
せるようにしてもよい。
【００２０】図２は他の実施例を示すフローシートであ
って、本例では、制御装置１５として、塗装機３，３が
取り付けられた昇降架台４を昇降させて被塗物Ｗと塗装
機３，３の間隔を調節する昇降装置（塗装機位置調節装
置）１８を使用している。この昇降装置１８は、異常電
流検出器１３から検出信号が入力されたときに、昇降架
台４を緊急上昇させると同時に、塗料の供給を停止す
る。したがって、塗装が中断され、塗装機３，３が被塗
物Ｗから遠ざかる方向に移動され、距離が離れることに
よって両者間に流れる電流が低下し、スパークの発生が
未然に防止される。
って、本例では、制御装置１５として、塗装機３，３が
取り付けられた昇降架台４を昇降させて被塗物Ｗと塗装
機３，３の間隔を調節する昇降装置（塗装機位置調節装
置）１８を使用している。この昇降装置１８は、異常電
流検出器１３から検出信号が入力されたときに、昇降架
台４を緊急上昇させると同時に、塗料の供給を停止す
る。したがって、塗装が中断され、塗装機３，３が被塗
物Ｗから遠ざかる方向に移動され、距離が離れることに
よって両者間に流れる電流が低下し、スパークの発生が
未然に防止される。
【００２１】なお、上述の説明では、被塗物Ｗが塗装機
３に近接する場合について説明したが、乗降ドアがトッ
プマシン１の支柱５に異常接近する場合は、接地回路１
１Ｂの異常電流検出器１３の検出信号に基づいてスイッ
チ回路１６ａ，１６ｂが動作される。また、本発明をト
ップマシン１に適用した場合について説明したが、被塗
物Ｗの側面を塗装するサイドマシンや、その他の静電塗
装装置にも適用することができる。さらに、被塗物Ｗに
高電圧を印加し塗装機３をアース１２に接続して静電塗
装するものであれば、導電性塗料を使用する場合に限ら
ず、非導電性塗料を使用する場合にも適用できることは
勿論である。
３に近接する場合について説明したが、乗降ドアがトッ
プマシン１の支柱５に異常接近する場合は、接地回路１
１Ｂの異常電流検出器１３の検出信号に基づいてスイッ
チ回路１６ａ，１６ｂが動作される。また、本発明をト
ップマシン１に適用した場合について説明したが、被塗
物Ｗの側面を塗装するサイドマシンや、その他の静電塗
装装置にも適用することができる。さらに、被塗物Ｗに
高電圧を印加し塗装機３をアース１２に接続して静電塗
装するものであれば、導電性塗料を使用する場合に限ら
ず、非導電性塗料を使用する場合にも適用できることは
勿論である。
【００２２】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、被
塗物側に高電圧を印加する場合であっても、アースに接
続された塗装機，トップマシン，サイドマシン，塗装ロ
ボット等の塗装設備の接地回路の電流変化から、被塗物
と塗装設備が異常接近したことを確実に検出することが
でき、塗装機と被塗物の間に生ずるスパークを未然に防
止することができるという非常に優れた効果を有する。
塗物側に高電圧を印加する場合であっても、アースに接
続された塗装機，トップマシン，サイドマシン，塗装ロ
ボット等の塗装設備の接地回路の電流変化から、被塗物
と塗装設備が異常接近したことを確実に検出することが
でき、塗装機と被塗物の間に生ずるスパークを未然に防
止することができるという非常に優れた効果を有する。
【図１】 本発明装置の一例を示すフローシート。
【図２】 他の実施例を示すフローシート。
Ｗ・・・被塗物 １・・・トップマシン ３・・・塗装機 ５・・・支柱 ９・・・高電圧供給回路 １０・・・高電圧発生器 １１Ａ，１１Ｂ・・・接地回路 １２・・・アース １３・・・異常電流検出器 １５・・・制御装置 １６ａ，１６ｂ・・・スイッチ回路 １８・・・昇降装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿知波 徳 幸 愛知県豊田市柿本町一丁目９番地 トリ ニティ工業株式会社内 (72)発明者 伊 藤 友▲泰▼ 愛知県豊田市柿本町一丁目９番地 トリ ニティ工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−177119（ＪＰ，Ａ) 特開 昭54−94534（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−109268（ＪＰ，Ａ) 実開 昭63−157262（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) B05B 5/025 - 5/10
Claims (4)
- 【請求項１】 被塗物（Ｗ）に高電圧を印加し、塗装機
をアースして静電塗装する際に、アースされた各塗装設
備と被塗物（Ｗ）が異常接近して生ずるスパークを未然
に防止する静電塗装におけるスパーク防止装置であっ
て、前記各塗装設備は電気的絶縁状態に設置されると共
に、当該各塗装設備ごとに接地回路（１１Ａ，１１Ｂ）
を介してアースに接続され、被塗物（Ｗ）と塗装設備の
間でスパークを生ずるおそれのある異常電流が前記接地
回路（１１Ａ，１１Ｂ）に流れたことを検出する異常電
流検出器（１３）と、その検出信号に基づいて、被塗物
（Ｗ）に供給されている電流又は電圧をスパークが起き
ない安全な電流又は電圧まで低下させる制御装置（１
５）とを備えたことを特徴とする静電塗装におけるスパ
ーク防止装置。 - 【請求項２】 前記制御装置（１５）が、異常電流検出
器（１３）の検出信号に基づいて、被塗物（Ｗ）と高電
圧発生器（１０）とを電気的に接続する高電圧供給回路
（９）を遮断すると同時に、当該被塗物（Ｗ）をアース
に接続する接地回路（１７）を導通するスイッチ回路
（１６ａ，１６ｂ）とからなる前記請求項１記載の静電
塗装におけるスパーク防止装置。 - 【請求項３】 前記制御装置（１５）が、異常電流検出
器（１３）の検出信号に基づいて、塗装機（３）を被塗
物（Ｗ）から遠ざける方向に移動させる塗装機位置調節
装置（１８）からなる前記請求項１記載の静電塗装にお
けるスパーク防止装置。 - 【請求項４】 前記塗装設備が塗装機（３）である前記
請求項１記載の静電塗装におけるスパーク防止装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3158660A JP2810809B2 (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 静電塗装におけるスパーク防止装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3158660A JP2810809B2 (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 静電塗装におけるスパーク防止装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH057803A JPH057803A (ja) | 1993-01-19 |
| JP2810809B2 true JP2810809B2 (ja) | 1998-10-15 |
Family
ID=15676570
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3158660A Expired - Lifetime JP2810809B2 (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 静電塗装におけるスパーク防止装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2810809B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
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-
1991
- 1991-06-28 JP JP3158660A patent/JP2810809B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
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