JP2809964B2 - 液晶表示装置の製造方法 - Google Patents
液晶表示装置の製造方法Info
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Description
に関し、特に、熱光学効果を利用して液晶分子の配向を
行うものにおいて、表示品質がより向上する液晶表示装
置の新規な製造方法に関する。
従来の製造方法は以下の通りである。まず、一方のガラ
ス基板の上に薄膜トランジスタ(TFT)あるいはMI
M(Metal Insulator Metal)ダ
イオードのような駆動素子を形成する。さらに同基板に
信号ラインと走査ラインからなるマトリックス線ならび
に画素電極を形成し、それらを相互接続して一方のセル
基板を形成する。次に、もう一方のガラス基板に共通電
極を形成してもう一つのセル基板を作る。
し、ラビング処理を行う。両基板の配向膜の配向方向が
互いに90°になるように位置合わせしてから両基板の
間にギャップ制御材を挟んで重ね合わせ、ネマチック液
晶を両基板間に注入した後、注入口を封止して完成す
る。
おいては、配向膜の形成のためのラビング処理の際に発
生する静電気によって、TFTあるいはMIMダイオー
ドの電極間の短絡やライン間の断線あるいはTFT素子
自体の破壊や特性変化が発生して点欠陥やライン欠陥が
発生する場合があった。
間や信号ラインとゲートラインからなるマトリックスの
ライン間は200〜600nm程度の非常に薄い絶縁膜
で絶縁されているために静電気により絶縁破壊が発生し
易いことと、TFT材料としてアモルファスシリコンや
ポリシリコン半導体を用いているために高電界が電極に
集中するとトランジスタ特性、たとえば閾値などが変化
してしまうことがその理由である。
同一人による特許出願である特願平4−47322号と
同じく特願平4−236652号では、液晶セルの一方
の基板の配向膜を無くした構造あるいは、積極的な配向
構造を持たない液晶セルの構造を提案している。
めのラビング処理が不要となるか、あるいはラビング処
理を静電気やゴミの影響の比較的少ない基板側のみに制
限することができる。
えば液晶分子の配向方向が上下基板間で90°ツイスト
(捩じれ)している、いわゆるツイスト角が90°のツ
イストネマチック液晶表示素子(TN−LCD)を製造
する場合、液晶セルの厚さdと、液晶のカイラルピッチ
pの関係がd/p=Φ/360°=0.25となるよう
に調整している。なお、ΦはTN液晶セルのツイスト角
(90°)である。
dとによって規定されるカイラルピッチpを持った液晶
を使用することによりツイスト角90°のTN−LCD
を得ている。具体的にはネマチック液晶に調整された量
のカイラル剤を添加して上記の関係を満たす所望のカイ
ラルピッチpを得ることが上記先出願に開示されてい
る。
チを調整する際、室温を基準として行うのが一般的であ
ろうが、ここで問題があるのは、カイラルピッチが温度
依存性を持つということである。
を基準として行った場合、この温度条件と異なる温度で
液晶セルに液晶材料を注入してセルを製造すると、所望
のカイラルピッチが得られる保証がないということを意
味する。
は、上記のカイラルピッチpとセル厚dとツイスト角Φ
との関係式が満たされなくなることになり、設定したツ
イスト角Φが得られずに表示装置のコントラストの低下
などの表示特性が悪くなる原因となる。
る。図1は温度に対する液晶のカイラルピッチpの値の
変化の特性を示す。図1にはAとBの2種類の液晶材料
の自然カイラルピッチの特性が示されている。
の液晶に、STN−LCD用のカイラル剤を添加した場
合、Bで示す曲線はTFT−LCD用の液晶にTN−L
CD用のカイラル剤を添加した場合の温度特性の例であ
る。
に記載したような液晶を相転移温度以上に加熱して等方
性の液体状態にして、空セルに注入し、その後セルを徐
冷して液晶を配向する方法で、実際に液晶セルを製造し
てみた。
つカイラル液晶を使用し、室温条件(25°C)でのカ
イラル液晶のカイラルピッチがp=10μmであるの
で、所望の液晶セルのツイスト角を90°と設定し、室
温条件下においてd/p=90°/360°=0.25
の条件を満たす液晶セルの一対の基板間隔をd=2.5
μmと設定した。
測定すると約45°であった。つまり、室温条件下では
d/p=90°/360°=0.25の条件を満たして
90°のツイスト角が得られるはずであったが、実際に
は45°と設定値とは大きなずれが生じてしまった。
イスト角90°を得る条件を満たしていたとしても、液
晶注入の際に相転移温度以上に液晶が加熱され、その際
にカイラルピッチpの値が変化してしまったためである
と考えられる。
れ、表示品質の低下を防止できる液晶表示装置の製造方
法を提供することを目的とする。
示す温度依存性を持つカイラル液晶を使用し、カイラル
液晶のネマティック─アイソトロピック相転移温度(N
−I点:98°C)におけるカイラルピッチがp=20
μmであるので、d/p=90°/360°=0.25
の条件を満たす液晶セルの一対の基板間隔をd=5μm
と設定して液晶セルを作成した。この場合、所望の90
°のツイスト角の液晶セルが得られた。
を決めるのは、使用する液晶のN−I点におけるピッチ
角が関与していることが判った。さらに、ひとたび液晶
をセルに注入してしまえば、その後の温度変化によって
ツイスト角が変化しないことが判った。
ては、液晶の自然ピッチを利用して界面の配向を得るも
のであって、一対の基板を所定間隔を保って対向配置さ
せる工程と、前記間隔と所望のツイスト角により規定さ
れる前記自然ピッチの値を液晶相への相転移温度におい
て有する液晶材料を用意し、前記相転移温度以上に加熱
した等方性の前記液晶材料の液体を前記両基板間に注入
する工程と、前記液体を徐冷しつつ等方性から液晶状態
に相転移させて前記液晶を配向せしめて所望の前記ツイ
スト角を得る工程とを有する。
ツイスト角Φとにより規定される液晶の自然ピッチpの
値がその液晶の相転移温度における値であるように設定
することで、液晶セルのツイスト角が設定される。従っ
て、液晶注入後の液晶セルの温度にはツイスト角は影響
されない。
すなわち、両基板間に上記ピッチ角とセル間隔dとを設
定した液晶材料を相転移温度(N−I温度)以上に加熱
した液体を注入すると液体の分子の方向はランダムであ
り液晶状態を示さず等方性の状態である。その後徐冷す
ることにより等方性から液晶状態に相転移し、その過程
で基板の配向方向にそって液晶分子が配向されていく。
その結果、ツイスト角Φの液晶表示装置が得られる。
製造方法の第1の実施例を説明する。図2はツイストネ
マチック型の液晶表示装置の製造方法の概念図である。
は、ゲート信号に応じて画素部分に電界を与えるTFT
14と、TFT14のソース,ドレイン,ゲートの各電
極ライン(図示せず)とTFT14に接続された画素電
極15とが形成される。このガラス基板12上には配向
膜は形成されない。
通電極17が形成される。また共通電極17の液晶層1
1と接する面の上には配向膜18が形成され、ラビング
処理が行なわれて配向方向が与えられる。また図示しな
いカラーフィルタ層と、画素表示部以外での光透過を防
止してコントラストを向上させるためのブラックマスク
と呼ばれる遮光膜が形成される場合もある。
て製作できる。ただし、基板の一方には配向膜が形成さ
れず、配向処理も行なわれない。次に、両基板12,1
3を図示しないギャップ制御材を間に挟んで後で説明す
る所定の間隔dを保って対向配置させ、注入口19を設
けて端部で両者が貼り合わされる。
液晶材料11の中に注入口19を浸け、両基板12,1
3間に液晶材料11を導入する。液晶材料11はネマチ
ック液晶材料にカイラル分子を混合した液体であり、温
度依存性が図1のAおよびBのものを使用した。この場
合、ネマティック─アイソトロピック相転移温度(N−
I点:98°C)におけるカイラルピッチがAおよびB
のいずれの液晶もp=20μmである。d/p=90°
/360°=0.25の条件を満たすように液晶セルの
一対の基板間隔をd=5μmと設定して液晶セルを作成
した。
1によって液晶材料11が加熱される。液晶材料の加熱
温度は液晶の相転移温度(N−I点)以上の温度にす
る。従って、液晶材料11の液晶分子10はその方向が
ランダムであり、等方性の状態である。
知器を入れて温度をモニタしながらヒータ20,21の
電流量を調整するような温度制御技術が利用できる。温
度制御は手動でも自動でも可能である。
って注入口19から両基板12,13間のギャップ部分
に注入される。この状態では液晶分子10は等方性であ
り、配向されていない。なお、液晶材料11の注入方法
はどのような方法でもよく、毛細管現象以外の方法で注
入してもよい。
よる発熱量を低下させつつ、徐々に液晶材料11を冷却
してゆく。冷却速度は0.1〜10℃/分の範囲、例え
ば0.5℃/分となるように温度制御する。ネマチック
液晶の場合、冷却速度が速くても比較的均一に配向する
ことが判った。この速度で相転移温度(N−I点)まで
徐冷していくと、液晶材料11は最初等方性(I)状態
であったものが、ネマチック液晶(N)状態に相転移し
ていく。
膜18付近の液晶分子10は配向方向に並び、反対側の
ガラス基板12近くの液晶分子10は特に方向が定まら
ずにいる。ところが、冷却速度がゆっくりであるため
に、方向がばらばらであったガラス基板12近くの液晶
分子も次第に配向方向に並んでいる液晶分子に揃うよう
に基板間の液晶分子すべてが配向されていく。
混合されているために、冷却過程で液晶分子10が一定
の方向にねじられ光軸方向に螺旋状構造をとるようにな
る。カイラル分子の混合量と基板間隔を調整するとねじ
れ角を90°にでき、TN型液晶表示装置ができる。
置の製造方法の第2の実施例について説明する。図3は
ツイストネマチック型の液晶表示装置の製造方法の概念
図である。
同じものを示す。従って、液晶表示装置の基板12,1
3については基本的に同一である。また、液晶材料のピ
ッチ角pも第1の実施例と同様に相転移温度での値を使
用する。以下、図2の第1の実施例の製造方法と異なる
部分について説明をする。
る点は、共通電極17が形成されたガラス基板13側の
加熱装置20が省略されている点である。この点を積極
的に利用して、第2の実施例においては液晶材料11の
加熱後の冷却において両基板間に温度勾配を持たせる。
転移温度点以上に加熱するまでは第1の実施例と同様で
ある。加熱装置21が一方の側にしかないが、液晶表示
装置全体をN−I点以上に加熱すれば実質的相違は生じ
ない。その後、徐冷工程で、ガラス基板12側とガラス
基板13側との間で液晶材料11に温度勾配をつけつつ
徐冷する。
ラス基板13側の液晶温度にくらべ、TFT14が形成
されたガラス基板12側の液晶温度を数℃〜十数℃程度
高く保ちつつ徐冷する。
て、まず共通電極基板13側の液晶材料がN−I温度に
到達し、続いて徐々に基板12側の液晶材料もN−I温
度に到達する。基板13は配向構造を有するので、液晶
材料は基板13側から徐々に配向しつつ、液晶状態にな
る。
開示の液晶表示装置の製造方法に適用したが、特願平4
−236652号に開示のようないずれの基板にも積極
的な配向構造を持たない液晶表示装置の製造方法にも同
じように適用できる。
示のようなマルチドメインの配向を利用する液晶表示素
子の場合では、0<d/p<0.75となるような条件
を満たすピッチ角pの値としてその液晶の相転移温度で
の値を採用する。
したが、それ以外の角度に対しても本発明が有効である
ことはもちろんである。さらに、本発明は液晶の自然ピ
ッチを利用して界面の配向を利用する他の製造方法に対
しても有効である。
クス液晶表示装置にも、アクティブマトリックス液晶表
示装置にもいずれにも適用できる。以上説明した実施例
の構成、材料、数値等はあくまでも例示であって、本発
明はこれらに限るものではなく、種々の変更や改良、組
み合わせ等ができることは当業者にとって自明であろ
う。
示装置の製造方法おいては、液晶セルを構成する一対の
基板間隔dと所望のツイスト角Φとにより規定される液
晶の自然ピッチpの値がその液晶の相転移温度における
値であるように設定することで、液晶セルのツイスト角
が設定されてしまう。従って、液晶注入後の液晶セルの
温度にはツイスト角は影響されない。
示素子が得られるために、液晶のカイラルピッチの温度
依存性に起因するコントラスト等の特性低下が発生しな
い。これは、特に温度依存性の大きいカイラル液晶を用
いた場合に有効である。
ピッチの温度依存特性の例を示すグラフである。
造方法を説明する図である。
造方法を説明する図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 液晶の自然ピッチを利用して界面の配向
を得る液晶表示装置の製造方法であって、 一対の基板を所定間隔を保って対向配置させる工程と、 前記間隔と所望のツイスト角により規定される前記自然
ピッチの値を等方相から液晶相への相転移温度において
有する液晶材料を用意し、前記相転移温度以上に加熱し
た等方性の前記液晶材料の液体を前記両基板間に注入す
る工程と、 前記液体を徐冷しつつ等方性から液晶状態に相転移させ
て前記液晶を配向せしめて所望の前記ツイスト角を得る
工程とを有する液晶表示装置の製造方法。 - 【請求項2】 前記液晶材料は、カイラルネマチック液
晶を含み、該液晶材料のカイラルピッチをpとし、前記
一対の基板の所定間隔をdとし、前記ツイスト角をΦと
したとき、前記カイラルネマチック液晶材料の相転移温
度においてd/p=Φ/360°の条件を満たすカイラ
ルピッチpを有する液晶材料である請求項1記載の液晶
表示装置の製造方法。 - 【請求項3】 さらに、前記一対の基板のうち一方の基
板の電極の上に配向膜を形成して該配向膜のみにラビン
グ処理を行う工程を有する請求項2記載の液晶表示装置
の製造方法。 - 【請求項4】 前記液体を徐冷する工程において、ラビ
ング処理を施さない基板側の温度をラビング処理を施し
た基板側の温度に対し所定の温度だけ高くなるよう温度
勾配をつけて徐冷するようにした請求項3記載の液晶表
示装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5585693A JP2809964B2 (ja) | 1993-03-16 | 1993-03-16 | 液晶表示装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP5585693A JP2809964B2 (ja) | 1993-03-16 | 1993-03-16 | 液晶表示装置の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06265897A JPH06265897A (ja) | 1994-09-22 |
JP2809964B2 true JP2809964B2 (ja) | 1998-10-15 |
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ID=13010704
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2809964B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TW580592B (en) * | 2001-11-28 | 2004-03-21 | Sharp Kk | Image shifting device, image display, liquid crystal display, and projection image display |
-
1993
- 1993-03-16 JP JP5585693A patent/JP2809964B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH06265897A (ja) | 1994-09-22 |
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