JP2809814B2 - ハロゲン電球 - Google Patents

ハロゲン電球

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伸二 鈴木
清新 島岡
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松下電子工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は自動車の前照灯等に用いられるハロゲン電球
に関するものである。
従来の技術 ヨーロッパでは自動車の前照灯用光源として黄色の光
を出すハロゲン電球がかなり多く用いられており、とく
にフランスではこれが法規によって義務づけられてい
る。最近、日本でもこの黄色の光を出す前照灯がバイク
および一部の自動車で採用されるようになってきた。
このような前照灯には一般にH4と呼ばれるハロゲン電
球に黄色のガラスキャップをかぶせたものが用いられて
いる。H4というのはガラスバルブの軸方向にフィラメン
トを2つ有するハロゲン電球で、それぞれのフィラメン
トはすれ違い用および走行用になっている。さらに、す
れ違い用フィラメントの方には反射鏡を設けて対向車の
方向には光が照射されないようにし、対向車に対するま
ぶしさを防ぐようにしている。
しかし、このようにガラスキャップをかぶせた構成で
は、光束がかなり低下し、耐振性も悪く、さらに口金温
度も上昇し器具設計が難しくなる。
その改善策として、ガラスバルブ上に屈折率の違う金
属酸化膜を交互に積み重ねた多層干渉膜を形成し黄色の
光を得る方法がある。この多層干渉膜は青色の光だけを
反射して他の色の光をガラスバルブ内に閉じこめ、黄色
の光を透過させるものである。
発明が解決しようとする課題 ところが、多層干渉膜は光の入射角によってその特性
に差があり、ガラスバルブの内面に対して垂直に入射し
た光に対して青色を反射するように設計しても、光が60
度以下の入射角で入射した場合、青色の光は反射されな
い。したがって、青色の反射光はガラスバルブ内にすべ
て閉じこめられるわめではなく一部は外部に漏れ、黄色
の光である透過光に青色の光が混合されることとなり、
透過光の色は多少薄くなり白色光に近くなるという問題
点があった。この混合比率は2つのフィラメントから放
射される光の間で差があり、それぞれ異なった色とな
る。このような差が生じる原因は、次のとおりである。
すなわち、すれ違い用フィラメントの方には反射鏡が設
けられており、このすれ違い用フィラメントからでる光
のうち多層干渉膜によってバルブ内に反射された一部の
青色成分の光は反射鏡によって遮断されるため、反射鏡
の裏面側から出る青色成分の光は、その反射鏡の前面側
から出る青色成分の光に比べて少なくなる。その結果、
すれ違い用フィラメントからの光は走行用のフィラメン
トからのそれに比べて、より濃い黄色となるためであ
る。
前照灯の光の色はその色度座標がECEの規格で決めら
れているが、走行用およびすれ違い用フィラメントから
それぞれ出る光の色が違うため、両方ともこの規格を満
足させることはかなり困難で、走行用フィラメントだけ
しか満足させることができないという問題点があった。
多層干渉膜の膜厚を変えると、光の色を変化させること
ができるが、2つのフィラメントの光が同じように変わ
るため、これは解決法にはならない。
本発明は上記の従来の問題点を解決するためになされ
たもので、2つのフィラメントから出る光の色をほぼ同
一にしたハロゲン電球を提供するものである。
課題を解決するための手段 本発明のハロゲン電球は、ガラスバルブの内部に、こ
のガラスバルブの軸方向に2つのフィラメントを設ける
とともに、前記2つのフィラメントのうち一方のフィラ
メント側に反射鏡を設けたハロゲン電球において、前記
2つのフィラメントから出る光の色を揃えるために、前
記ガラスバルブの外面に、前記反射鏡を設けた一方のフ
ィラメントを囲む部分と反射鏡を設けていない他方のフ
ィラメントを囲む部分とで異なった波長領域の光を透過
する多層干渉膜を形成したものである。
作用 かかる構成によって、2つのフィラメントがそれぞれ
放射する光の色をほぼ同一にすることができる。
実施例 以下、本発明の一実施例について図面を用いて説明す
る。
第1図および第2図に示すように、ガラスバルブ1の
内部には、このガラスバルブの軸方向に2つのフィラメ
ント、すなわちすれ違い用となる第1のフィラメント2
と走行用となる第2のフィラメント3とがリード線4,5,
6によって支持されて設けられており、さらに第1のフ
ィラメント2側には対向車の方向に光が直接照射されな
いようにモリブデン製の反射鏡7が設けられているとと
もに、微量のハロゲンガスと希ガスが封入されている。
そして、ガラスバルブ1の外面には、反射鏡7を設けた
第1のフィラメント2を囲む部分と反射鏡を設けていな
い第2のフィラメント3を囲む部分とで異なった波長領
域の光を透過する多層干渉膜8が形成されている。多層
干渉膜8は反射鏡7を設けた第1のフィラメント2を囲
むガラスバルブ部分上の厚さが前記反射鏡を設けていな
い第2のフィラメント3を囲むガラスバルブ部分上の厚
さより薄くなっている。多層干渉膜8は9層構造であ
り、奇数番目の層は酸化チタン(TiO2)、偶数番目の層
は酸化シリコン(SiO2)からなる。光学膜厚(屈折率と
膜厚との積)は2層目から8層目までは同じであるが、
1層目および9層目の光学膜厚は他の層の光学膜厚の半
分になっている。ガラスバルブ1の頂部外面に遮光膜9
が形成されている。また、ガラスバルブ1の片側には口
金10が取り付けられている。
以上のように、本発明実施例によれば、ガラスバルブ
1の外面に第1のフィラメント2を囲む部分と第2のフ
ィラメント3を囲む部分とで異なった波長領域の光を選
択的に透過する多層干渉膜8を形成しているので、第1
のフィラメント2の色と第2のフィラメント3の色とを
ほぼ同一にすることができ、色度座標のECE規格を満足
させることができる。
かかるハロゲン電球の製造方法は、従来のH4タイプの
自動車前照灯用ハロゲン電球の工程における排気工程と
口金装着工程との間に塗布工程がある以外はすべて同一
である。
上記塗布工程について説明する。
溶液として次の3種類を用意する。溶液Aはテトラブ
チルチタネート50ccを950ccのエタノールに溶かした溶
液、溶液Bはテトラブチルチタネート180ccを820ccのエ
タノールに溶かした溶液、溶液Cはテトラエチルオルト
シリケート120ccを880ccのエタノールに溶かし、さらに
10ccの塩酸と50ccの水を加えた溶液である。
第3図に示すように、まず、ガラスバルブ1の封着部
11を把持しながら、これを溶液Aにフィラメント3が完
全に隠れるまで浸す。つぎに、ガラスバルブ1を4.2mm/
secの速度で引き上げ、液面が第2のフィラメント3と
第1のフィラメント2との間に来た時、引き上げ速度を
3.6mm/secに減速する。この3.6mm/secでガラスバルブ1
を引き上げた後、焼成工程に移し、200℃で2分間乾燥
し、550℃で10分間焼成する。このようにしてガラスバ
ルブ1の上に膜厚の異なる一層目の酸化チタン膜を形成
する。
ついで、冷却後、ガラスバルブ1を第2のフィラメン
ト3が完全に隠れるまで溶液Cに浸し、つぎにガラスバ
ルブ1を4mm/secの速度で引き上げ、液面が第2のフィ
ラメント3と第1のフィラメント2との間に来た時、引
き上げ速度を3.5mm/secに減速する。この3.5mm/secでガ
ラスバルブ1を引き上げた後、焼成工程に移し、200℃
で2分間乾燥し、550℃で10分間焼成する。このように
して1層目の酸化チタン膜の上に膜厚の異なる2層目の
酸化シリコン膜を形成する。
そして、冷却後、ガラスバルブ1を第2のフィラメン
ト3が完全に隠れるまで溶液Bに浸し、つぎにガラスバ
ルブ1を4.5mm/secの速度で引き上げ、液面が第2のフ
ィラメント3と第1のフィラメント2との間に来た時、
引き上げた速度を4mm/secに減速する。この4mm/secでガ
ラスバルブ1を引き上げた後、焼成工程に移し、200℃
で2分間乾燥し、550℃で10分間焼成する。このように
して2層目の酸化シリコン膜の上に膜厚の異なる3層目
の酸化チタン膜を形成する。1層目の時とは溶液の濃度
と引き上げ速度を変えており、3層目の膜厚は1層目の
膜厚の2倍になっている。
この後の4層目から8層目までの偶数層目については
2層目と同じ条件で、奇数層目については3層目と同じ
条件で塗布する。9層目は1層目と同じ条件で塗布す
る。
下表は上記の条件をまとめたもので、膜の欄におい
て、Hは第2のフィラメントを囲むガラスバルブ部分、
Lは第1のフィラメントを囲むガラスバルブ部分におけ
る絡膜の形成個所を示す。
第4図において、破線はガラスバルブの外面に形成さ
れた多層干渉膜のうち薄膜部分の分光反射率曲線を、実
線は厚膜部分の分光反射率曲線をそれぞれ示す。なお、
従来のハロゲン電球の分光反射率は実線で示した曲線と
同じである。第4図に示すような結果となったのは、膜
が反射する波長領域は膜厚が薄いほどより短波長側に移
行する性質があるからである。
第5図はハロゲン電球が放射する光の色度座標を示
す。AはECE規格の範囲の色度座標、Bは白色光の色度
座標、aは従来のハロゲン電球および本発明の一実施例
の第2のフィラメントが放射する光の色度座標、Cは同
じく従来のハロゲン電球のすれ違い用フィラメントが放
射する光の色度座標である。
膜の反射領域を短波長側へシフトさせると、色座標は
dの方向へ移行し、逆に長波長側へシフトさせると、色
座標はeの方向へ移行する。本発明において、多層干渉
膜の薄膜部分の反射領域は従来より短波長側にシフトさ
れているので、第1のフィラメントの色座標bは第2の
フィラメントの色度座標aに近づくことになる。
以上のように、本発明実施例のハロゲン電球では2つ
のフィラメントの色をほぼ同一にすることができ、色度
座標のECE規格を満足させることが容易になった。ま
た、従来のハロゲン電球では塗布工程における膜の各層
の光学膜厚の許容差は±5nmでなければならなかったの
に対し、本発明の構成を有するハロゲン電球ではそれが
±15nmでもECE規格を満足させることができるようにな
り、製造工程の管理が容易でコスト低減や安定した品質
の確保ができる。
なお、上記の実施例では、酸化チタン膜も形成した例
について述べたが、酸化タンタル、酸化ハフニウムまた
は酸化ジルコニウムの膜を形成してもよい。
発明の効果 以上説明したように、本発明はガラスバルブの内部
に、このガラスバルブの軸方向に2つのフィラメントを
設けるとともに、前記2つのフィラメントのうち一方の
フィラメント側に反射鏡を設けたハロゲン電球におい
て、前記2つのフィラメントから出る光の色を揃えるた
めに、前記ガラスバルブの外面に、前記反射鏡を設けた
一方のフィラメントを囲む部分と反射鏡を設けていない
他方のフィラメントを囲む部分とで異なった波長領域の
光を透過する多層干渉膜を形成したことにより、2つの
フィラメントから放射する光の色をほぼ同一にできるす
ぐれたハロゲン電球を提供することができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例であるハロゲン電球の要部断
面図、第2図は同ハロゲン電球の斜視図、第3図は同多
層干渉膜の塗布工程を説明するための図、第4図はハロ
ゲン電球の分光反射率を示す図、第5図はハロゲン電球
が放射する光の色度座標図である。 1……ガラスバルブ、2……第1のフィラメント、3…
…第2のフィラメント、7……反射鏡、8……多層干渉
膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01K 1/32,9/08 G02B 5/28

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラスバルブの内部に、このガラスバルブ
    の軸方向に2つのフィラメントを設けるとともに、前記
    2つのフィラメントのうち一方のフィラメント側に反射
    鏡を設けたハロゲン電球において、前記2つのフィラメ
    ントから出る光の色を揃えるために、前記ガラスバルブ
    の外面に、前記反射鏡を設けた一方のフィラメントを囲
    む部分と反射鏡を設けていない他方のフィラメントを囲
    む部分とで異なった波長領域の光を透過する多層干渉膜
    を形成したことを特徴とするハロゲン電球。
  2. 【請求項2】多層干渉膜は反射鏡を設けた一方のフィラ
    メントを囲むガラスバルブ部分上の厚さが反射鏡を設け
    ていない他方のフィラメントを囲むガラスバルブ部分上
    の厚さより薄くなっていることを特徴とする請求項1記
    載のハロゲン電球。
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