JP3888108B2 - 自動車用白熱電球 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、自動車用白熱電球に関するものであり、特に、ヘッドランプに利用される自動車用白熱電球に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用のヘッドランプは、楕円反射鏡の焦点に白熱電球が配置されたものであり、反射鏡で集光された光によって、自動車前方の集光領域を照明するものである。
一方、自動車のヘッドランプは拡散領域にも光が照射され、この拡散領域からヘッドランプを見た場合、反射鏡が光って見えるものである。
【0003】
この反射鏡が光って見える現象は、反射鏡の焦点に配置された白熱電球のバルブから反射した光が映りこんで見えるものである。
【0004】
従来から、この反射鏡への映りこんだ光をアクセサリーとして利用することが行われており、反射鏡が青色に光って見えるものがあった。
【0005】
これは、バルブの表面に、酸化チタンの高屈折率の単層膜を形成して青色光反射膜とし、この青色光反射膜に対して外部から光が入射した場合、青色光だけ反射して反射鏡に照射され、この光が反射鏡に映りこんで反射鏡が青色に光って見えるものがあった。
しかし、最近では、アクセサリーの観点からヘッドランプの反射面、すなわち白熱電球を取り囲むように配置された反射鏡の反射面を青色以外の黄緑色に光らせる要求もでてきているが、いまだに実用化されていないのが現状であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、拡散領域からヘッドランプを見た場合に、ヘッドランプの反射面、すなわち白熱電球を取り囲むように配置された反射鏡の反射面を黄緑色に光らせることができる自動車用白熱電球を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の自動車用白熱電球は、内部にタングステン製のフィラメントを有するバルブ表面にイルメナイト構造のNiTiO3化合物を有する黄緑色膜が形成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の自動車用白熱電球は、請求項1に記載の自動車用白熱電球であって、特に、前記黄色緑膜には、2価のアルカリ土類金属か2価の遷移金属が含有されていることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の自動車用白熱電球の断面図である。
自動車用白熱電球(以下、単に、ランプとも呼ぶ)は、透明なガラス製のバルブ1の内部にタングステン製のフィラメント2が配置され、バルブの表面に黄緑色膜3が形成されている。
【0010】
黄緑色膜3は、NiTiO3化合物を有する膜である。
この黄緑色膜3は、NiTiO3化合物であってイルメナイト構造をしており、Ni金属は酸素6配位の位置を占めるものあり、Niのd軌道の分裂によって青色光と赤色光を吸収するものである。
つまり、NiTiO3化合物は、青色光と赤色光を吸収することができるので、白熱電球のバルブの表面に光が入射した場合、青色光と赤色光を吸収し緑色から黄色の光を反射鏡に向けて反射するので、ヘッドランプの反射面、すなわち白熱電球を取り囲むように配置された反射鏡の反射面を黄緑色に光らせることができる。
【0011】
また、黄色膜3を製造する工程で、イルメナイト構造のNiTiO3化合物にNi原子と2価のアルカリ土類金属か2価の遷移金属とを置換固溶すると、反射鏡の映りこみの光の色を緑色から黄色の範囲で、緑色が強いか、黄色が強いかを調整することができる。
このようにすると、出来上がった黄緑色膜3には、2価のアルカリ土類金属か2価の遷移金属が含有されていることになる。
2価のアルカリ土類金属して、Mg、Ca、Sr、Ba等がある。
2価の遷移金属して、Mn、Fe、Co、Zn等がある。
そして、2価のアルカリ土類金属(M)とNiとの置換割合は、モル比率で0.95までの範囲である。アルカリ土類金属は可視光を吸収しないものであり、モル比率を上げることができる。
なお、置換した化合物の式はNi1−XMXTiO3である。
【0012】
また、2価の遷移金属(N)とNiとの置換割合は、モル比率で0.4までの範囲である。
なお、置換した化合物の式はNi1−XNXTiO3である。
【0013】
このように2価のアルカリ土類金属、2価の遷移金属をNiTiO3化合物のNiと置換固溶するとイルメナイト結晶構造を歪ませることができ、緑から黄色の範囲で色調をわずかに調整することができる。
【0014】
次に黄緑膜3の製造方法について説明する。
アルコールの溶媒に、Al2O3を溶かし込み、この溶媒にイルメナイト構造を有するNiTiO3を分散させた液を作り、この液にランプを浸漬させ、ディップ法でバルブの表面にNiTiO3化合物を形成するものである。
【0015】
次に、本発明のNiTiO3化合物を有する黄緑色膜と、NiTiO3化合物に2価のアルカリ土類金属か2価の遷移金属を置換固溶した黄緑色膜を用いた場合のミラーの色見を示す実験を行った。
【0016】
結果を図2示す。
ランプ番号1とランプ番号2の本発明のランプは、黄緑色膜としてイルメナイト構造のNiTiO3化合物のみからなる本発明の自動車用白熱電球であって、図2に示すように、ミラーの色見は黄緑色になっている。
ランプ番号2とランプ番号3の本発明のランプは、黄緑色膜としてイルメナイト構造のNiTiO3化合物のNiの一部を2価のアルカリ土類金属であるMgで置換固溶してなる本発明の自動車用白熱電球であって、図2に示すように、黄色見が強い黄緑色になっている。
【0017】
ランプ番号5とランプ番号6の本発明のランプは、黄緑色膜としてイルメナイト構造のNiTiO3化合物のNiの一部を2価のアルカリ土類金属であるBaで置換固溶してなる本発明の自動車用白熱電球であって、図2に示すように、黄色見が強い黄緑色になっている。
【0018】
ランプ番号7とランプ番号8の本発明のランプは、黄緑色膜としてイルメナイト構造のNiTiO3化合物のNiの一部を2価の遷移金属であるBaで置換固溶してなる本発明の自動車用白熱電球であって、図2に示すように、緑色見が強い黄緑色になっている。
【0019】
ランプ番号9とランプ番号10ランプは、黄緑色膜としてイルメナイト構造のNiTiO3化合物のNiの一部を2価の遷移金属であるBaで置換固溶してなる自動車用白熱電球であるが、2価の遷移金属であるBaがNiと置換固溶する割合が大きすぎて、図2に示すように、色見が灰色かかり灰色系の黄緑色になってしまい好ましくない色見になっている。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の自動用白熱電球によれば、内部にタングステン製のフィラメントを有するバルブ表面にNiTiO3化合物を有する黄緑色膜が形成されているので、拡散領域からヘッドランプを見た場合に、ヘッドランプの反射面、すなわち白熱電球を取り囲むように配置された反射鏡の反射面を黄緑色に光らせることができる。
【0021】
さらに、黄緑色膜を構成するNiTiO3化合物のNiの一部が、2価のアルカリ土類金属か2価の遷移金属で置換固溶することにより、ヘッドランプの反射面の黄緑色の光を緑から黄色の範囲で色調をわずかに調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車用白熱電球の説明図である。
【図2】本発明の自動車用白熱電球をヘッドランプに装着した場合のヘッドランプの反射面の色見を示す実験データである。
【符号の説明】
1 バルブ閃光放射装置
2 フィラメント
3 黄緑色膜
Claims (2)
- 内部にタングステン製のフィラメントを有するバルブ表面にイルメナイト構造のNiTiO3化合物を有する黄緑色膜が形成されていることを特徴とする自動車用白熱電球。
- 前記黄緑色膜には、2価のアルカリ土類金属か2価の遷移金属が含有されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車用白熱電球。
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- 2001-09-12 JP JP2001276373A patent/JP3888108B2/ja not_active Expired - Fee Related
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