JP2808725B2 - 高硬度工具用焼結体 - Google Patents

高硬度工具用焼結体

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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は立方晶型窒化硼素(cubic BN,以下cBNとい
う)を用いた鋳鉄切削に使用する高硬度工具用焼結体に
関するものである。
<従来の技術> cBNを含む高硬度焼結体は種々の切削工具に使用され
ている。
切削工具に適したこの種の焼結体の一例は、特開昭53
−77811号に開示されている。
即ち、この先行技術には、cBNを体積%で80〜40%含
有し、残部が周期律表IV a、V a、VI a族遷移金属元素
の炭化物、窒化物、硼化物、珪化物もしくはこれらの混
合物または相互固溶体化合物を主体としたものからな
り、この化合物が焼結体組織中で連続した結合相をなす
ものが開示されている。この高硬度工具用焼結体では、
結合化合物として、周期律表IV a、V a、VI a族遷移金
属元素の炭化物、窒化物、硼化物、珪化物もしくはこれ
らの相互固溶体化合物が用いられているが、これらの化
合物は高硬度に優れるため、この焼結体は切削工具とし
て一般的に高い性能を示している。
しかしながら、この焼結体においても、例えば高硬度
焼入鋼の断続切削のような特に厳しい衝撃力が加わる用
途では切削中に刃先が欠損し、その寿命が比較的短いと
いう問題がある。
この刃先の欠損は刃先の強度不足によって生じたり、
摩耗、特にクレータ摩耗が刃先に発生するために生じる
ものである。
このような刃先の強度不足や摩耗を改善した切削工具
を得るために焼結体としては、特開昭62−228450号公報
が知られている。
<発明が解決しようとする課題> 上記した特開昭53−77811号公報や特開昭62−228450
号公報に開示されている高硬度工具用焼結体が切削工具
に用いた場合に一般的に高い性能を示すことは、上記市
販品においても確かめられている。
しかしながら、切削工具として用いた場合、その用途
によっては、なお問題点を有しているのである。
例えば、高強度黒鉛鋳鉄の切削やねずみ鋳鉄の高速切
削加工においては、刃先の摩耗が急激に進行し、その寿
命が短かったり、あるいは刃先にクレータ摩耗が発生し
て刃先が欠損するという問題点が依然として残されてい
た。
従って、この発明は上記した従来のcBN焼結体よりも
さらに強度並びに耐摩耗性に優れて鋳鉄の切削用刃先と
して好適な高硬度工具用焼結体を提供することを目的と
するものである。
<課題を解決するための手段> 本発明者らは上記の目的を達成するために鋭意検討し
た結果、60〜85容量%のcBNと残部が下記の結合材より
なる混合粉末をcBNが安定な条件下で超高圧焼結すれ
ば、従来のcBN焼結体よりも耐摩耗性に優れた高硬度工
具用焼結体が得られることを見出したのである。
即ち、3〜15重量%のAlを含み、残部がTiCz、(Ti、
M)Czで表わされる化合物(但し、MはTiを除く周期律
表第IV a、V a、VI a族遷移金属元素であり、0.55≦Z
≦0.8)1種以上および不可避的不純物からなる結合材
を上記割合でcBNと混合して得られた混合粉末を超高圧
焼結することにより得られた焼結体である。
<作用> この発明の焼結体が強度に優れ、かつ耐摩耗性に優れ
ているのは以下の理由によるものと推測される。
焼結体の強度並びに耐摩耗性を向上するには、cBNの
含有率が高く、かつcBNと結合材が強固に接合し、さら
に焼結後の結合相が耐摩耗性に優れる必要がある。
この発明では結合材中に3〜15重量%Alならびに化学
量論組成より過剰なTi化合物を含有させることにより高
温高圧下での焼結時にAlとTi化合物がcBNと反応し、硼
化アルミニウムや硼化チタンに変化したり、アルミニウ
ム化合物またはアルミニウムがTiの炭化物や硼化物と反
応し、cBNと結合材、あるいは結合材同志を強固に接合
するものと考えられる。
この発明において、cBN含有量を60〜85容量%とする
のは、60容量%未満では焼結体中の強度および硬度が低
下するためである。また相対的に結合相が多くなること
で、例えば被削材である鋳鉄に含有される高硬度の黒鉛
やマトリックス中のパーライト素地等の高硬度の部分の
切削時に結合相部分の機械的摩耗や進展が早くなった
り、衝撃によるクラックが入りやすくなったりする。
一方、cBN含有量が85容量%を超えると、cBN粒子同志
が殆ど接触し、高強度の被削材や刃先に高圧力が負荷さ
れる断続切削の場合に、粒子同志の接触部にクラックが
発生し、焼結体の強度が低下するためである。
また、Alの結合材中における含有量は、3〜15重量%
が好ましい。
Alの含有量が3重量%未満の場合には、AlとcBNとの
反応が不十分であり、結合材によるcBN結晶の保持力が
弱くなる。他方、Alの含有量が結合材中の15重量%を超
えると、cBNと結合材との結合強度が高くなるものの、
結合材自体の硬度が低下し、耐摩耗性が低下するため好
ましくない。
即ち、焼結体中の結合相に窒化アルミニウムや硼化ア
ルミニウムを多く含有すれば、特開昭62−228450号公報
に開示されているように、すぐれた結合強度が得られて
はいるが、耐摩耗性については、Al量を多く含有するこ
とにより生成される上記の窒化アルミニウムや硼化アル
ミニウムより耐摩耗性にすぐれるTiCz、(Ti、M)Czで
表わされるTiの化合物の相対的な含有率が低下して鋳鉄
切削等の場合のすぐれた耐摩耗性が十分に得られない。
このために結合材中のAl量の最適量として3〜15重量
%とするものである。
また、Alは上記窒化アルミニウムや硼化アルミニウム
の化合物のほかにも酸化アルミニウムとしても微量の存
在がX線回折によって確認されたが、この発明に何ら支
障を与えるものではない。
Tiの炭化物TiCz、(Ti、M)Czについては、遊離Tiは
TiB2等の硼化物を形成し、cBNと強固に結合するものと
考えられる。
上記TiCz、(TiM)Czにおけるzの値は0.55≦z≦0.8
の範囲内であることが好ましい。このz値が0.55未満で
は遊離Tiの量が増え、結合力は高くなるが、結合材自体
の強度および硬度が低下し、好ましくない。
また、z値が0.8を超えると結合材自体の硬度は高く
なるが、遊離Tiの量が不足し、結合力が低下する。
更に、結合材に含まれる周期率表第IV a、V a、VI a
族遷移金属元素の中でWCを結合材中に2〜10重量%含有
することにより、耐摩耗性が向上することが認められ
た。
さらに、結合材中に鉄族金属元素を1種以上含有させ
ることにより結合材の強度および硬度はさらに高くな
り、焼結体の特性は一層改善される。これは鉄族金属元
素とTiB2、AlB2などの硼化物とのぬれ性が高いため、焼
結体中の硼化物がより強く結合するためと考えられる。
特に上記TiCz、(TiM)Czにおいて、MとしてWを用
いた場合には、結合材の耐摩耗性および強度が改善さ
れ、良好な特性を示すことが解った。
この発明の焼結体では上述のような結合材よりなる結
合相を介してcBN結晶が相互に接合しており、微粒のcBN
が充填されている組織を有する。
一般にcBN焼結体の摩耗はcBNの耐摩耗性が優れている
ため、結合材が優先的に摩耗し、cBNが脱落する形態を
とるものと考えられる。
従って、好ましくはcBN粒子と結合材の粒子径の比率
が3:1以下のcBN粒子に対し、微粒の結合材を用いること
により結合相が均一に分散していることが好ましい。
また、cBNの平均粒度は4μmを超えると結合相の大
きさが大きくなり、この部分が優先的に摩耗してしまう
ため、4μm以下であることが好ましい。
更に、1μm以下のcBN粉末を35〜80重量%、3μm
以上6μm以下のcBN粉末を20〜65重量%含有すること
により、粗いcBN粒子の間隙に微粒のcBN粒子が充填され
て組織が均一化され、結合相の優先的摩耗が回避され、
さらに耐摩耗性が向上するのである。
<実施例> 以下、実施例によりこの発明を詳細に説明する。
実施例1 Tiを含有する炭化物または炭窒化物粉末と、Al粉末と
を混合し、これを超硬合金製ポットおよびボールを用い
て平均粒径0.8μm以下の第1表に示す組成を有する結
合材粉末を作製した。
第1表中、試料No.1〜8は本実施例の試料を示し、試
料No.9〜15は比較例の試料を示す。
尚、比較例においてアンダーラインを引いた数値はこ
の発明の組成から外れているものを示す。
上表に示した夫々の結合材粉末と平均粒径が2.5〜4.0
μmのcBN粉末とを体積比で32:68となるように混合し
た。
次に、得られた混合粉末をMo製の容器に挿入し、この
容器を真空炉内で10-4Torrの真空度で1000℃の温度で20
分間加熱して脱気した。次に、55Kbの圧力ならびに1400
℃の温度で焼結を行なった。
次いで、得られた焼結体をX線回折により同定したと
ころ、すべての焼結体において、cBNとTiを含む炭化物
または炭窒化物のピークが観察された。上記の物質以外
に、TiB2、AlB2、AlNとWの硼化物、炭化物もしくはW
と思われるピークが認められた。
次に、これらの焼結体の組成を走査型電子顕微鏡で観
察したところ、微細なcBN粒子は結合相を介して相互に
接合していることが認められた。
次に、上記各焼結体を切削加工用チップに加工し、球
状黒鉛鋳鉄FCD45の被削材を旋削した。切削条件は切削
速度:320m/min、切込み:0.3mm、送り0.18mm/revであ
り、水溶性の切削油剤を用いて湿式にて30分の切削を行
なった。この結果は第2表の通りである。
実施例2 TiC0.791重量%、Al粉末9重量%を超硬合金製ポット
およびボールを用いて混合し、第3表に示す平均粒径の
結合材を作製した。次にこの結合材と第3表に示す粒径
および含有率のcBN粉末とを配合したのち、Mo製の容器
に充填し、圧力45Kb、1300゜にて20分間焼結を行なっ
た。
次いで、得られた焼結体を切削加工用チップに加工
し、外周の2ヶ所に断面U字状の溝を有する球状黒鉛鋳
鉄FCD65材(硬度HB=240)の円筒体の被削材を切削速
度:250m/min、切込み:0.3mm、送り0.15mm/rev、水溶性
切削油剤使用、の切削条件で湿式旋削を行なった。
その結果は第3表に示した。
<発明の効果> 以上説明したように、この発明によれば、cBNに高温
強度に優れるTiの炭化物とAlを混合し、超高圧下で焼結
することにより、cBNを60〜85容量%含有し、Tiの炭化
物、炭窒化物や硼化アルミニウムを含む高硬度工具用焼
結体を得ることができ、この焼結体を高強度黒鉛鋳鉄の
切削やねずみ鋳鉄の高速切削に使用する切削加工用チッ
プとして有効である。
また、この発明の焼結体は高硬度であるため、焼入鋼
や耐熱合金の切削にも好適に使用することができる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】立方晶型窒化硼素粉末60〜85容量%と残部
    結合材とよりなる混合粉末を超高圧焼結して得られる焼
    結体であって、前記結合材が3〜15重量%のAlを含み、
    残部がTiCz、(Ti、M)Cz(但し、MはTiを除く周期律
    表IV a、V a、VI a族の遷移金属元素であり、0.55≦Z
    ≦0.8である。)で表わされる化合物1種以上および不
    可避的不純物からなることを特徴とする高硬度工具用焼
    結体。
  2. 【請求項2】前記焼結体の立方晶型窒化硼素粉末の平均
    粒径が4μm以下であって、少なくとも1μm以下の立
    方晶型窒化硼素粉末を35〜80重量%、3〜6μmの立方
    晶型窒化硼素粉末を20〜65重量%含むことを特徴とする
    請求項(1)記載の高硬度工具用焼結体。
  3. 【請求項3】結合材の平均粒径が立方晶型窒化硼素粉末
    の粒径の1/3未満であることを特徴とする請求項(1)
    または(2)記載の高硬度工具用焼結体。
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